200平成1  2曜日

  2井戸で高濃度検出/地下水塩素イオン濃度・

温泉排水が原因

 宮古島上水道企業団(渡真利光俊企業長)は1日、平良市の4水源地で塩素イオン濃度が上昇している問題について、財団法人県環境科学センターが実施した調査結果を発表した。それによると、白川田水源流域の2つの井戸で塩素イオン濃度が高い数値で推移しており、その原因として井戸の近くにある温泉施設から排出される温泉排水であることが説明された。これは高野水源から大野水源、その後は白川田から山川水源への影響の拡大も懸念されることから、同企業団、県、関係市町村などで「水道水源流域内塩化物イオン濃度上昇対策委員会」が設置される予定となっている。

 同センターの調査結果によると、12の調査地点のうち、塩素イオン濃度は温泉施設に最も近いA井戸が特に高く、昨年8月までは1リットル当たり300ミリグラム前後で推移していたが10月には1600ミリグラムを記録した。また、B井戸でも昨年11月の検査以降、水道水の基準値である1リットル当たり200ミリグラムを超えた数値が続いている。
 4水源(白川田、山川、高野、大野)および周辺井戸の水質は通常、典型的な琉球石灰岩層を通る地下水の特徴である「重炭酸カルシウム型」に属しているのに対して、これら2つの井戸は温泉水源と同じ「非重炭酸ナトリウム型」に属し、異なった水質組成を示している。
 こうした状況から、温泉排水による塩素イオン濃度の上昇は温泉から距離の近いA井戸に高く現れ、次いで4水源に近づいたB井戸にも現れていると判断するが、現時点ではこれが4水源の塩素イオン濃度の上昇に影響しているかは明確でないとしている。
 しかし、温泉排水の影響については、4水源まで均質な琉球石灰岩が連続していると仮定し地下水の流動方向がこれとほぼ一致するものとした場合は、その影響が懸念されるとしている。
 また、同企業団の会見では、この民間施設に対し温泉排水については流域外への排水を呼び掛けていく方針が示された。
 この問題は昨年11月に白川田流域の4水源で塩素イオン濃度が通常値よりも高く推移していることが報告され、その原因は台風での風送塩の影響であるとされていた。
 水源地の塩素イオン濃度は過去にも台風時には一時的に上昇が見られたが、その後1リットル当たり30−40ミリグラムで安定していた。しかし2年前の台風14号の後あたりから下げ幅が縮小し、1リットル当たり60−80ミリグラムで推移し通常よりも高い数値となっていた。
 温泉を利用する民間施設は県の認可を得ており、その排水についてはこれまで合併浄化槽で処理していた。現在は温泉排水のみをためるタンクを設置して対応している。今後はこのタンクにためられた排水の水質検査を県が実施する予定で、その結果を受けて対応策を協議していく予定となっている。

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オリックス・バファローズ始動/春季キャンプスタート

 プロ野球パ・リーグ、オリックス・バファローズの春季キャンプが1日から、平良市民球場をメーン会場にスタートした。チームを率いる仰木彬監督は今キャンプを「スタート地点」と位置付け。選手間の競争を促すことでチーム力の底上げ、3年連続の最下位からの脱却を狙う。選手らは合併によりデザインの変わった真新しいユニフォームに袖を通し、初日から投手、野手など各ポジションごとに分かれ、各々のトレーニングに励んでいた。
 練習開始に先立ち、チーム関係者全員で円陣を組んだ。仰木監督は入団テストを受ける吉井理人投手(37)を紹介し「この年でチャレンジするのはすごいこと。見習え」と選手に檄を飛ばした。
 選手らは午前10時ごろから平良市前福多目的運動場でウォーミングアップを行った後、投手と野手に分かれ、トレーニングで汗を流した。
 投手陣では川越英隆投手、吉井投手らが投球練習に励み、首脳陣にアピール。野手組はフリーバッティングやトスバッティングといった打撃練習、ノックなどの守備練習で各ポジションの連携を確認した。
 オリックスと近鉄バファローズとの合併により、昨年に新しく誕生したチームということもあり、球場には大勢の報道陣の姿も。また、元オリックスで現在は米大リーグで活躍するイチロー選手が6日、田口壮選手が3日にそれぞれ来島が予定されていること、紅白戦により優秀選手に宮古牛1頭をプレゼントする「宮古島杯」が開催されるなど、話題が豊富だ。
 キャンプ中の休日は5日(土曜日)、10日(木曜日)、15日(火曜日)。

 写真説明・ランニングで体を温める選手たち。これから始まる20日間のキャンプに向け表情を引き締めていた=1日、平良市前福多目的運動場

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活躍した競技者、指導者たたえる/05年宮古スポーツ振興表彰

 宮古体育協会(川満恵元会長)が2004年に県大会や九州、全国大会で活躍した競技者や指導者らをたたえる05年宮古スポーツ振興表彰式が1日夕、北小学校体育館で行われ、宮古のスポーツ振興に貢献したとして、26個人10チームに川満会長から表彰状が贈られた。受賞者を代表して県民体育大会陸上競技の40代800メートルで優勝した下地春栄さんが「栄誉ある賞で大変光栄に思う。継続は力なりという言葉があるが、継続がこの受賞につながった。常に挑戦者の立場で競技をしていきたい。支えてくれた家族、周りの理解と協力に感謝したい」とあいさつした。
 表彰した川満会長は「皆さんが1年間、それぞれの目標を持ち、その目標に向かって日々努力し続けた結果、この受賞に輝いた。宮古の小中高校生に夢と希望を抱かせ、大人には大きな喜びと誇りを与えた。この喜びを忘れることなく、今後も練習と努力を重ねてほしい」と述べ、選手、指導者のますますの活躍に期待を込めた。
 来賓で出席した宮古市町村会長の伊志嶺亮平良市長、県宮古支庁の安和朝忠支庁長が祝辞に立ち、「今後も目標を高く掲げ鍛錬を重ねて、素晴らしい成績を収めてほしい」などと激励した。
 受賞者は次の皆さん。(敬称略、かっこ内は所属・成績)
 【優秀競技者賞】▽狩俣良樹(鏡原小、宮古小学校オリンピック男子100メートル3連覇)▽村吉星来(せいら)(平良第一小、同女子ボール投げ3連覇)▽宮川希望(のぞみ)(鏡原小、同女子100メートル3連覇)▽砂川由衣(北中、県中学校柔道女子70キロ超級1位)▽池村良(県中学校夏季陸上共通男子走高跳1位など)▽前里知春(狩俣中、同大会1年女子800メートル1位など)▽川満優樹(北中、県中学校陸上共通男子400メートル1位)▽宮川しおり(鏡原中、同大会2年女子100メートル1位など)▽仲間歩美(宮古農林高校、県高校総体ウエートリフティング競技優勝など)▽狩俣聖美(同、全国高校ウエートリフティング競技選抜大会4位など)▽狩俣康美(同、同大会準優勝、日韓中ウエートリフティング2位など)▽下地春栄(沖縄電気保安協会、県民体育大会40代800メートル1位)▽城間義隆(NTT、全宮古陸上50代100メートル県新記録11秒8)
 【優秀チーム賞】▽中学2年女子400メートルリレー宮古選抜チーム(県中学校陸上1位)▽北中学校男子剣道部(全宮古中学校春季総体3連覇)▽佐良浜中学校男子バレーボール部(OTV杯県中学校バレーボール優勝など)▽平良中学校女子バレーボール部(さわやか杯県中学校バレーボール大会準優勝)▽西辺中学校女子バスケットボール部(全宮古中学校春季総体3連覇)▽狩俣中学校男子バドミントン部(同大会3連覇)▽平良中学校野球部(同大会3連覇)▽伊良部高等学校男子バレーボール部(県高校総体バレーボール競技優勝など)▽佐良浜小学校男子ミニバスケットボールクラブ(県ミニバスケットボール冬季大会準優勝)▽砂川小学校男子ミニバスケットボールクラブ(県ミニバスケットボール夏季大会優勝)
 【優秀指導者賞】▽友利直喜(佐良浜中)▽根間泰雄(ギフト根間)▽豊見山真(北中)▽友利徳郎(鏡原中)▽濱川泰成(狩俣中)▽東江寛(佐良浜中)▽渡嘉敷賢治(北中)▽手登根隼人(北中)▽垣花秀明(西辺中)▽松本尚(狩俣中)▽翁長真由美(宮古農林高校)▽城間亮(伊良部高校)▽砂川栄作(砂川小)

 写真説明・優秀競技者とチーム、指導者に川満会長から表彰状が贈られた=1日、北小学校体育館

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ソフトボールチーム来島/本田技研工業女子

 本田技研工業のホンダ女子ソフトボール部(栃木県、成田武男監督)が1日、宮古島合宿のため来島した。13日まで下地町営野球場などで合宿を行い、4月に開幕する日本リーグに備える。宮古空港では下地町の川満省三町長をはじめ、宮古観光協会、宿泊先ホテルのスタッフが一行を歓迎した。
 同チームの宮古島合宿は昨年に続き2度目。今年は選手19人と監督、コーチなどを含む26人が来島した。昨年は1部リーグに昇格しており、今期は7人の新人を迎えての新チームでスタートを切る。新メンバーには沖縄県出身の選手も含まれている。金谷麻美キャプテンは「新しい選手も加わりチームとして動き出したばかり。暖かい環境に恵まれた宮古島で実践型の練習を行い、試合できる形を作っていきたい」と抱負。成田監督は「今年は一部リーグに上がり2年目なので相手チームの特徴も見えてきた。急がずじっくりと開幕へ向け基本をみっちり仕込んでいきたい」と話した。
 歓迎セレモニーでは、琉球國祭り太鼓宮古支部が太鼓演舞で出迎え。川満町長は「んみゃーち宮古」と方言で歓迎し「昨年はアテネ五輪で日本代表が素晴らしい成績を収めた。宮古島で練習し皆さんの中から代表選手が生まれることを期待する」とエールを送った。

 写真説明・宮古島合宿のため来島したホンダ女子ソフトボール部の一行。4月の日本リーグ開幕へ備える=1日、宮古空港

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文化財を火災から守れ/城辺町・上比屋山遺跡で消火訓練

 宮古広域消防組合消防署出張所(川満秀海所長)は1日、文化財防火デー(1月26日)にちなみ、城辺町砂川にある県指定文化財「上比屋(ウイピャー)山遺跡」で火災を想定した消火訓練を実施した。周辺の草木から出火するという想定で行われ、所員らが本番さながらの訓練に励んだ。
 文化財防火デーは1949年1月26日に奈良県の法隆寺金堂が焼損、その後も文化財の火災が相次いだことから文化財を火災や震災などから保護し、国民に文化財愛護思想の普及、高揚を図るために55年に定められた。
 訓練は同遺跡周辺に多くの草木が生い茂っていることから、原野火災も視野に入れ、通報、初期消火など総合的に行われた。
 訓練を終え、川満所長は「現場到着、消火も迅速で、良好な訓練ができた。遺跡は今から約20年前、拝所から出火し、全焼したことがある。今回を機に地域住民の文化財を守るという意識が高まればうれしい」と述べた。

 写真説明・上比屋山遺跡周辺の原野火災を想定し、消火訓練が実施された=1日、城辺町砂川

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収穫の喜び体感/宮農高生徒がキビ刈り

 県立宮古農林高校(下地恵吉校長)のサトウキビ収穫体験が1日、同校第2農場にある約50アールのサトウキビ畑で行われた。3年生の男女90人が参加し、宮古島の基幹作物・サトウキビを懸命に収穫、労働を体験しながら高校生活最後の思い出づくりに奮闘した。
 今回収穫したキビは2003年夏に植え付けたもの。その後は生徒たちが交代で肥培管理を続けてきた。
 この日の作業は午前9時30分に開始し、男子生徒はキビ刈り、女子生徒は刈り取られたキビの葉を取ってキビ山を作る作業を担当した。生徒たちの手際は時間とともに良くなり、すくすくと伸びたキビをあっという間に刈り取っていた。
 この日の冷え込みでほほを真っ赤に染めていた環境工学科の山口香さんは「仕事はきついけどみんなと一緒にやっているので楽しいです。良い思い出になると思う」と笑顔で話した。
 今回の収穫作業には同校PTAも参加。会長の垣花玄啓さんは「生徒たちは思ったより収穫の手際がいい」などと感心していた。
 収穫後はPTAが料理したソーキそばが振る舞われ、生徒たちはおいしそうに食べながら冷えた体を温めていた。

 写真説明・3年生90人がサトウキビの収穫を体験した=1日、宮古農林高校第2農場

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