200平成1  29曜日

宮古観光を集中的PRへ/本土のTVや雑誌などに

 県が今年度中に実施する「離島地域観光活性化推進事業」に関する観光プログラム検討委員会(委員長・岩佐吉郎名桜大学大学院客員教授)が28日、県宮古支庁で開かれ、宮古、沖縄本島の観光関係者らが、同事業で推進する観光プログラムについて意見を交わした。これを受け2−3月にかけて県は沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)に委託し、本土のテレビ・ラジオや雑誌などマスコミ媒体、都営地下鉄やバスの車内広告など、多様な手段を用いた誘客促進活動を行い、集中的に宮古をPRする。
 同事業は2004年度の単年度事業で、予算は1億1500万円(国補助80%)。宮古と八重山諸島、久米島の3地域で「通年型・体験・滞在型」を中心とする観光プログラムを開発し、観光客の来島促進や持続的な観光振興を図るもの。誘客促進活動を中心に、3地域への地域コーディネーターの配置、観光プログラム開発を実施する。
 同事業の中でも大きな位置を占める観光誘客活動では「深呼吸しに来ませんか…宮古島」がキャッチコピー。ラジオやテレビ番組、JTA機内誌をはじめ五つの雑誌でのPR記事、旅行関係新聞社記者の招へい事業、インターネット上の記事広告、都営地下鉄・バスへの広告掲示など、さまざまな場面で宮古島の情報を発信していく。
 宮古地域事業は、「スポーツアイランド」と「癒やしの島」を合わせた「スポーツ&ヒーリングアイランド」をPRイメージとし、ターゲットを▽リピーター層▽ゴルフや釣り愛好者、中高年夫婦など消費単価の高い層▽新規客(一般層)―の3層に分けた誘客事業を展開する方針。
 意見交換で近畿日本ツーリストの福井善朗氏は「全国の旅行商品の情報がはんらんする中で、何をもって宮古をアピールするかが重要」と述べ、沖縄ツーリストの寿盛哲也氏は「宮古馬と触れ合える企画をすぐにでもやりたい」と提案した。
 地元からはリゾートウエディングについてホテルアトールエメラルド宮古島の平良千明氏が「沖縄本島と差別化された宮古島のウエディングを提供したいが、その日ごとの天候の状況が難しい」と課題を挙げた。宮古島東急リゾートの吉井良介氏は「環境保全と観光開発の矛盾をいかに克服していくかが重要だ」と持論を述べた。
 委員は次の皆さん。(敬称略)
 【委員長】岩佐吉郎(名桜大学)【委員】▽福井善朗(近畿日本ツーリスト営業推進室)▽石橋直己(農協観光沖縄仕入れセンター)▽寿盛哲也(沖縄ツーリスト観光部)▽久場雅(JTA商事旅行事業部仕入企画課)▽屋良朝治(OCVB観光推進部)▽仲宗根信明(県観光リゾート局観光振興課)▽吉井良介(宮古島東急リゾート)▽渡久山明(宮古観光協会)▽新村一広(宮古島マリンリゾート協同組合)▽根間政幸(宮古ゴルフ協会)▽仲間秀明(水天門釣具店)▽平良千明(ホテルアトールエメラルド宮古島)▽陣内義浩(いらぶ観光協会)▽知念信雄(多良間村商工観光課)

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知念本因坊が先勝/女流棋聖戦第1局

 【神奈川で菊地優子記者】第8期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負の第1局が28日、神奈川県平塚市のホテルで行われ、黒番の知念かおり女流本因坊(30)=平良市出身=が万波(まんなみ)佳奈女流棋聖(21)=兵庫県出身=に3目半差で勝ち、本因坊と合わせ2冠に王手をかけた。同棋戦での両者の対決は2年連続。昨年は知念が敗れており、雪辱なるかが注目される。
 女流棋聖戦は初手から1手30秒で打ち、途中1分単位で合計10回の考慮時間が与えられるテレビ早碁。第1局は久島国夫9段立会のもと、午後1時から始まった。
 黒は序盤、左上隅の攻防で二子を捨て石にし、ポイントを上げた。中盤でも、中央の薄い石をうまくしのぎ、地合いで差を広げた。その後、攻めを空振りし詰め寄られたが、冷静に打ち進めがっちり逃げ切った。
 立会・久島国夫9段の話 「知念の打ち回しが光った。各所でポイントを上げながら、ジャブの応酬のようなプロの碁だった。知念が冴えていた。打てている碁だった」。
 知念かおり女流本因坊の話 「朝起きて気持ちが落ち着いていた。序盤から中盤まで、思い切り打てた。中盤以降、悪い手があり反省も多かった。次につなげたらと思う。公開対局で、久しぶりに勝ててうれしかった」。
 真喜屋浩・知念かおり後援会長の話 「あと1勝すれば、奪還できる。2連勝で決めてもらいたい。昨年は本因坊を取った。今年はさらに棋聖を取り、ますます活躍してほしい」。
 父・知念正夫さんの話 「うれしい。去年タイトルを取られているので、頑張って奪還してほしい」。

 写真説明・女流棋聖戦の3番勝負が始まり第1局を知念女流本因坊(左)が制した=28日、神奈川県のホテルサンライフガーデン

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観光地のバリアフリー化を/専門家が意見、提言

 「ゆいま〜るの心で推進する観光地のバリアフリー」をテーマに、県が進めるバリアフリー観光推進事業の一環で28日、シンポジウムが県宮古支庁で開かれた。観光関係者や専門家がパネリストとして出席し、ハード面に加えてソフト面の充実化を図り、高齢者や障害者にも楽しめる観光地を目指すため議論を交わした。飛騨高山観光客誘致促進東京事務所代表の山本誠さんが基調講演し、バリアフリー観光を推進する岐阜県高山市の取り組みを紹介した。
 パネリストとして招かれたのは▽中沢信(バリアフリーカンパニー代表)▽井上将(NPO法人沖縄バリアフリー研究会理事長)▽栗原智(近畿日本ツーリスト沖縄商品開発部商品開発課長)▽下地慶(宮古観光協会コーディネーター)―の四氏。コーディネーターは小濱哲さん(名桜大学大学院観光環境領域教授)が務めた。
 中沢さんは「沖縄は施設的には遅れているとは思わないが、使われていないという印象がある。障害者や高齢者のためのバリアフリー施設がここにあるという情報発信が必要」と説いた。
 地元、宮古を代表して下地さんは、観光客が年々、増加しているが、数字だけに重点を置き過ぎていたと指摘し、「今後は障害者や高齢者の受け入れのため、宮古の中でできることを明確にし、取り組んでいきたい」との考えを示した。
 「住んで良し、訪ねて良しの島づくり」を提言する井上さんは「空路のバリアフリーは進んでいるが、海路はまだ。空港のない離島は船を利用するが、車いすでの乗船、下船が困難」と投げ掛け、生活航路もバリアフリー化の必要性を強調した。
 栗原さんは「ハード面の整備は、お金がかかる場合が多いが、高齢者、障害者に対しての接し方など心でカバーできる部分がある」と述べ、関係機関が連携して取り組むよう呼び掛けた。
 基調講演で山本さんは「将来、市場は高齢者が中心となる。少子高齢化が進む中、観光地は障害者や高齢者に対しての施策を実施していかなければ生き残れない。観光面も高齢者に対する取り組みを始めなければならない」とし、「高山市では、バリアフリーの町づくりを目指した結果、宿泊客、観光消費額ともに増加した」と紹介、取り組みの重要性を説明した。
 シンポジウムは、観光立県を目指す沖縄県の多くの住民に、バリアフリーに関する意識啓発を図ることなどを目的に実施された。
 また、シンポジウム終了後にはサービス介助体験セミナーも開かれ、高齢者、障害者のための介助技術が実技を通して紹介された。

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浜川町長「上告した方がいい」/伊良部町解職請求判決で

 市町村合併に関連した浜川健伊良部町長の解職請求(リコール)問題で、同町選管を相手に署名修正決定の取り消しを求める訴訟で、合併反対グループの原告「伊良部町の自治権を守る会」(川満昭吉会長)が勝訴してから一夜明けた28日、町では合併反対派と合併賛成派が再び対立の様相を示した。浜川町長は「町選管は最高裁に上告し判断を仰いだ方が良い」と強調。同会は「町選管が上告を断念した場合の数日後に、こちらの署名収集人に人権侵害、脅迫などをした町議、役場職員など約40人を刑事告発する」と語気を強める。町内は今、最高裁へ上告すべきかどうかの問題、合併の賛否、浜川町長の解職の是非を問う住民投票、刑事告発、来月15日予定の市町村合併調印式の行方などの難問が山積。また50代の役場職員の中には、合併が不透明になる中で勧奨退職するかどうか迷う人も出始めた。
 合併賛成派の男性(50代、南区)は「最高裁に上告して決着すべき。解職の是非を問う住民投票では、浜川町長派が必ず過半数となり、解職は不成立になる」と予測。
 合併反対派の男性(50代、北区)は「那覇地裁の判決を覆すことは難しい。合併反対派は以前より増えているので、住民投票すれば半数以上を獲得し、解職は成立する」と予想する。
 合併賛成派の男性(40代、北区)は「厳しい財政では自立はできない。合併することで福祉・公共サービスが向上する」と主張。合併反対派の男性(40代、北区)は「下地島空港は宝。その宝を新市に任せることはない。空港を有効活用すれば自立できる」と強調する。
 合併調印式について、合併賛成派の女性(50代、南区)は「調印すべき。この機会を逃がすと合併は難しい」と提言。合併反対派の女性(50代、北区)は「浜川町長の解職の是非を問う住民投票が終わるまでは調印すべきでない」と提起する。
 役場職員の50代のある男性は「伊良部町は合併しないと赤字団体に転落する。職員の給与やボーナスは大幅にカットされ、定年退職後の年金は少なくなる」と説明。その上で「合併しないのなら勧奨退職したい。数10人の勧奨退職者が出ることも考えられるが、町が全退職者に退職金を支払う財政的余裕があるかどうか」と複雑な表情で話す。
 別の50代の職員は「勧奨退職しても年金受給ができるのは65歳から。3月に入ってから、退職するかどうか決めたい」と心境を吐露した。

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公共工事減で離職者増える/ハローワーク宮古・04年雇用状況

 宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古、平川康宏所長)がまとめた2004年における宮古管内の雇用状況は、公共工事減少の影響で建設業関連での離職者増が著しく、その一方で企業からの求人が伸び悩むなど厳しい状況となった。月間有効求職者数は4月から12月まで1000人以上で推移したのに対し、月間有効求人数は300人前後で推移。慢性的な求職超過が続いた。平川所長は「建設業関係で離職者が増えているが、企業からの採用募集がない。現状を維持するだけで精いっぱいだという企業が多く、事業拡大も図らないという声が多い」と話し、今後の雇用環境に懸念を示した。
 2004年は毎月200−300人の新規求職者が雇用の場を求めて同所を訪れた。4月は復帰後最高の431人が求職を申し込むなど、厳しい雇用環境が浮き彫りとなった。対する新規求人数は150人前後で推移。対前年比で建設業や製造業の求人増が見られたが、一時的な求人で全体的な雇用改善にはつながらなかった。
 職種別では全体では専門・技術職での求人が多いのに対し同職での求職者が少なく、求人の少ない事務職や生産・労務職で求職者が多いなどのミスマッチも依然として続いた。年齢別では25−34歳の年齢層での求職者が最も多かった。
 12月の一般職業紹介状況は、求職者1人当たりの求人を示す有効求人倍率は0・28倍で、前月比0・06ポイント改善。製造業や建設業で求人が増えたほか、景気回復で自動車製造業などを中心とした県外からの求人が増加したことが要因となった。

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宮高が団体V、個人も独占/県高校自動車整備実技コン

 2004年度第15回県高等学校自動車整備実技コンテスト(主催・県工業教育研究会自動車部会)が28日、県立宮古工業高校で行われ、県内の3工業高校の生徒12人が参加し、自動車整備の技術を競った。審査の結果、個人成績で宮古工業の渡真利安紀彦君(2年)が1位となったほか上位4位を宮古工業が独占。団体成績も優勝となった。
 同大会には宮古工業、那覇工業、中部工業の2年生12人が出場。▽測定器具▽定期点検・車両取り扱い▽電14分の制限時間内にそれぞれ車両の点検を行い、点数を競った。参加した生徒たちは試験官が見守る中、緊張した面持ちで問題に沿って1つ1つ車両点検を行い、日ごろ学んだ成果を発揮していた。
 【団体】▽優勝=宮古工業(1478点)▽2位=那覇工業(947点)▽3位=中部工業(921点)
 【個人】@渡真利安紀彦(宮工)A平良元(同)B根間祐輔(同)C池村辰彦(同)D外間門幸福(那覇工)E玉寄真早志(中部工)F宮里真之介(那覇工)G新垣雄生(中部工)H高安繁孝(那覇工)I伊佐拓也(中部工)J仲宗根惇志(同)K佐久本真成(那覇工)

 写真説明・試験官が見守る中、問題に沿って車両点検を行う生徒=28日、宮古工業高校

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