200平成1  26曜日

新たなかんがい排水事業を要請/土地改良区がなどが県に

  宮古土地改良区の仲間克理事長(城辺町長)と伊良部町の浜川健町長らは25日、県宮古支庁に安和朝忠支庁長を訪ね、伊良部島を含む宮古地域の国営土地改良事業の早期着工を要請した。宮古地域では水源の確保と多目的水利用に対応した自由度の高い排水路網の整備、伊良部地域では宮古本島からの送水とかんがい施設の整備を、それぞれ求めている。これに安和支庁長は「多様化した農業の実態を考えれば(かんがい整備は)決して十分とは言えない。県としても一緒になって取り組みたい」と前向きな姿勢を示した。
 要請を行ったのは、仲間理事長と浜川町長、宮古土地改良区理事の川満省三下地町長、川田正一上野村長ら。仲間理事長から安和支庁長に対し、要請書が手渡された。
 国営かんがい排水事業は2001年に完了。現在では計画受益地の約8000ヘクタールの農地のうち、約40%に当たる3000ヘクールでかんがいが可能となり、競争力の高い営農体系が確立されつつある。一方で、宮古の農業はサトウキビ中心から野菜や果樹などに多様化。これにより、かんがいの目的も水分補給から多目的に広がりを見せている。
 事業が必要な理由は、宮古本島で▽キビの春植えや株だしが増加によって、周年かんがいになっている▽冬春期野菜の拡大などで非かんがい期とされた期間の水需要が拡大▽雨なし台風後の除塩潅水の定着―など。伊良部島の現状として、水源の絶対量の不足とかんがい整備の遅れが挙げられ、宮古地域とともに一体的な整備の必要性を訴えている。
 浜川町長は「先週始まったキビ操業で宮古本島の糖度が13度あるのに対し、伊良部は10度もない。水があるかないかでの違いはこのことで実証済みだ。この事業を強力に推進してほしい」と述べた。下地町の川満町長は「伊良部まで送水となると、現在の施設では絶対に足りない。ダムがあと2つほど必要だ」と話した。
 きょう26日には仲間理事長らが沖縄総合事務局などを訪問し、同様の要請を行う予定となっている。

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「ワイドー基金」取り崩し検討/市町村の財政逼迫(ひっぱく)

  宮古6市町村の財政担当職員らで組織する宮古広域圏事務組合幹事会(幹事長・宮川耕次平良市総務部長)が25日、同組合で開かれ、同組合の「ふるさと市町村圏基金(通称・ワイドー基金)」の一部について取り崩しが検討された。出資している各市町村の財政状況が逼迫(ひっぱく)しており、超低金利時代で利息を生み出さなくなった同基金を取り崩して、財源に充当したいという思惑がある。だが同基金はその利息で広域的な地域振興事業を行うことを目的としているため、取り崩しに向けてはその方法論など今後の県との調整作業が焦点となる。
 ワイドー基金は、1989、90年度に宮古広域圏事務組合を構成する6市町村が人口の割合などによって9億円を出資、残り1億円を県が助成して創設された。目的は地域づくりのために同組合が実施する全日本トライアスロン宮古島大会をはじめ、サニツ浜カーニバル、東平安名崎タートルマラソンなどのスポーツイベントや、人材育成事業、国際交流事業などの財源を生み出すこと。
 基金は県内3銀行に分けて預けられている。基金が創設された90年はバブル経済の末期で6000万円余(利率6・49%)の利息を生み出していたが、以降利率は年々下がり、96年には1%を割り込み、利息も1000万円を切った。
 この間、地方交付税の見直しは急速に進められ、自主財源の乏しい各市町村では財源不足に悩まされる現状にある。そのため同基金の取り崩しの必要性については2年前にも協議された経緯があるが、このときは取り崩しには至らなかった。
 特に平良市は昨年、財政非常事態を宣言し、その財政非常事態克服実践本部を設置して経費節減や滞納税の徴収率アップに全庁体制で取り組んでいる。伊良部町も赤字状態が続くなど、財政状態は非常に厳しい。
 一方で同基金は広域的な地域振興事業を目的としており、取り崩しに向けた折り合いをどのように付けるのか、県との調整手続きが注目される。また、出資している各市町村議会や同組合議会の議決も必要となる。
 この日の幹事会ではこのほか、05年度の同組合一般会計予算などについても審議した。

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国際ヨットレース4月開催/平良市から台湾まで333キロ

 台湾と沖縄の友好親善と文化的、経済的交流を一層促進することを目的とした、台琉友好親善国際ヨットレース(主催・平良市、基隆(キールン)市〈台湾〉、同実行委員会)が4月29日に開かれる。同レースの宮古開催は初。宮古からも1、2艇参加する見込みで、伊志嶺亮市長も参加を予定している。
 このレースは1998年に第1回大会が石垣市―花蓮市(台湾)で開かれ、今回で5回目。隔年ごとに開催されていたが、交流を促進したいとの、台湾側の強い要望で平良市との開催が決まったという。
 レースは平良港沖スタートラインから基隆港沖フィニッシュラインまでの180マイル(333キロ)のコースで争われる。スタートは4月29日の午前6時30分(日本時間)で、30日午後5時(同)の30時間内で順位を競う。レース後には基隆市で表彰、交流会も催される。

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雌の宮古馬が誕生/親子とも元気、25頭に

 平良市下里に住む荷川取明弘さん(47)が経営、管理する牧場で、24日夕方から25日早朝にかけて、宮古馬の子馬(雌)が生まれた。子馬は、しっかりと自分の足で立ち、母馬の美麗号(4歳)に寄り添っていた。今回の子馬の誕生により、宮古馬は計25頭に増えた。荷川取さんをはじめ、宮古馬保存会(会長・伊志嶺亮平良市長)の会員ら関係者も一様に喜んでいる。
 子馬は、美麗号とタケ原号(17歳)の間に生まれた。美麗号は今回の出産が初産となる。
 24日午後7時に荷川取さんが牧場で馬の世話を終え、帰宅する時には生まれていなかった。翌25日午前7時ごろ、荷川取さんが牧場に着くと、子馬が生まれており、元気に歩き回っていたという。
 荷川取さんは「母馬(美麗号)のお腹が張っていたが、出産は2月上旬ごろになると思っていた」と驚いた様子。また、「思っていたより早い出産で、子馬と母馬の体調も心配だが、元気に草を食べ、歩いている姿を見ると大丈夫だと安心した」と話した。
 これまで、宮古馬は宮古に21頭、北海道に3頭と計24頭が生息していた。今回の子馬の誕生により、計25頭に増頭。荷川取さんは「子馬は雌なので、今後の増頭計画にも弾みがつく」と話している。

 写真説明・母馬の美麗号に寄り添う生まれた子馬。牧場を経営、管理する荷川取さんも喜びを見せている=25日、平良市下里の荷川取さんの牧場

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宮古嫁が大活躍/プロスノーボーダー森田さん

  宮古嫁はプロスノーボーダー。昨年10月に城辺町出身の森田真さん(30)と結婚した彩佳さん(26)が22、23の両日、長野県で開催された「SPEED GAMES 2005」でジャイアントスラロームで3位、デュアルスラロームで2位に入る活躍を見せた。
 彩佳さんは昨年日本ランキングで4位に入る実力者。プロシーズン3年目に突入し、心身ともに充実させ、ランキング1位を目指し励んでいる。
 本籍を城辺町に置く森田夫妻は将来、宮古で暮らすことを考えており、ボードには宮古島のステッカーを張り活動中。「おじい、おばあからもらったモズクを食べて宮古パワーで頑張っています。次の大会では優勝したい」と意気込みを語った。

 写真説明・宮古島のステッカーを張ったボードで活躍中の森田さん

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大物コブシメ揚がる/伊良部町漁協

 3月からのコブシメ漁本番を控え、伊良部町漁業協同組合の魚卸市場では25日午後、1匹で重さ11キロの大物コブシメなどが次々と水揚げされ活気づいた。
 この日の早朝、同町佐良浜地区で潜水漁を専門にする漁師らは、大型の動力船サバニで出港。宮古島北方の八重干瀬(やびじ)などでコブシメ漁を展開し、午後2時すぎに戻ってきた。
 船倉はコブシメで埋まり、直接取り引きする仲買人らを喜ばせた。
 買い物客らが三々五々集まる中、大物コブシメが計量器に乗せられた。針が11キロの目盛りで止まると「おーっ」の歓声が上がった。
 同市場では、コブシメの1キロ当たりの価格は1500円。数10匹のコブシメは30分で完売した。

 写真説明・大物コブシメなどが水揚げされ市場は活気づいた=25日、伊良部町漁協前の岸壁

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