200平成1  25曜日

品質は糖度帯確保/宮古本島2工場・キビ操業から1週間

 宮古本島内製糖2工場(宮古製糖城辺工場、沖縄製糖宮古工場)が2004−05年産サトウキビの製糖操業を開始してから23日で1週間が経過した。これまで搬入された原料は合わせて2万867トン。平均糖度は宮糖が13・43トン度、沖糖が13・61度と品質面ではまずまずの滑り出しを見せている。今期サトウキビは度重なる自然災害の影響を受けて厳しい作柄が目立つが、生産農家をはじめ、両工場ともに今後の好天候による品質面の向上に期待を寄せている。
 今期9万1500トン(前期比2000トン増)の生産量を見込む宮糖城辺工場には23日までに8767トンの原料が搬入された。
 糖度の内訳は基準糖度帯(13・1−14・3度)内が48・9%、糖度帯以上17・8%、糖度帯以下33・3%。最高糖度は16・3度、最低は8・6度。トン当たりの農家手取金額は2万60円(対策費除く)となっている。
 品種別の平均糖度を見ると、城辺町で普及が拡大しているRH86−410(通称・ナーナシブーズ)が13・69度で、農林8号が13・23度、農林15号は13・56度となった。
 一方、生産量10万8000トン(前期比7000トン減)を見込む沖糖には23日現在で1万2100トンが搬入された。
 糖度の内訳は基準糖度帯が46%、糖度帯以上が26%、糖度帯以下が28・8%。最高の糖度は17・1度で最低糖度は8・4度となった。トン当たりの農家手取り金額は2万172円(対策費除く)。
 品種別の平均糖度は宮古1号(沖糖15号)が13・7度、農林8号が13・55度、農林15号が13・49度となっている。
 今期サトウキビは自然災害の影響を受けて各地で減産傾向にある。生産量だけでなく品質面での落ち込みも懸念され、歩留まりも13%達成が厳しい状態だ。
 沖糖宮古工場の農務課では「厳しい作柄であることは違いないが、歩留まりは目標ラインに届かせたい」と話した。これまでに搬入されている原料については「製糖開始から天候に恵まれ、ハーベスターも順調に稼働しているが、トラッシュが多いのが困る」などと話していた。

top.gif (811 バイト)

分蜜糖2500トンを初出荷/製糖工場

 宮古製糖城辺工場、伊良部工場と沖縄製糖宮古工場で生産された分蜜糖の初出荷式が23日、平良港第2ふ頭でそれぞれ行われた。両社は、運航関係者らと共に初出荷を祝い、輸送の安全を祈願した。この日出荷された分蜜糖は、宮古製糖城辺工場が900トン、伊良部工場が400トンの計1300トン。沖縄製糖が1200トン。分蜜糖は本土の工場へ輸送され、砂糖として精製される。
 宮古製糖では、城辺工場が17日、伊良部工場が13日から操業を開始。城辺工場管内のキビ生産見込み量は9万1500トン、伊良部工場管内は4万1200トンとなっている。歩留まりは、それぞれ12%、10・8%を見込み、目標の13%達成は厳しいと予想されている。両工場を合わせた産糖量は1万5430トンを予想。1トンあたりの分蜜糖の価格は約26万円で、売り上げ額は約40億円が見込まれている。
 沖縄製糖宮古工場は17日から操業を開始。サトウキビ生産見込み量は10万8000トン。歩留まりは11・8%で産糖量は1万2744トン、売上額は約33億円を予想している。
 今期のサトウキビは、昨年、繰り返し襲来した台風と干ばつの気象条件の悪さをまともに受け、折損や葉の裂傷など品質が低下。農家、製糖会社ともに厳しい状況となっている。出荷式で宮古製糖の新里光男社長は「台風の影響でキビ畑が壊滅した農家もあるなど今年は非常に厳しい状況だが、歩留まりを効率良く伸ばしていきたい。海上ではくれぐれも安全運航をしていただきたい」とあいさつを述べた。
 また、琉球海運の山城博美専務は「宮古でのサトウキビ生産の重要性は言うまでもない。農家が大切に栽培し、丹精込めて作った分蜜糖を1粒たりとも無駄にせず、確実に運びます」と約束し、製糖操業の安全を願った。
 さらに宮古港運の塩川博司社長は神妙な面持ちで作業現場に塩をまき、安全を祈願した。

 写真説明・初出荷される分密糖が次々に運ばれ、船倉に移された=23日、平良港

top.gif (811 バイト)

牛ふん発酵メタンガスで発電に成功/宮古島バイオ・エコシス研究セ

 上野村野原の宮古島バイオ・エコシステム研究センターで、牛ふんのバイオマス(生物資源)を発酵させたメタンガスを使って発電機(最大出力6キロワット)の稼働に成功していたことが24日、分かった。実証実験の1つが成功したことにより、島嶼(とうしょ)型バイオマス循環システムの構築へ大きく前進した。
 同日午後、農林水産バイオリサイクル研究「施設・システム化チーム」現地検討会が県宮古支庁で開かれ、同会終了後に同センターが公開された。この実証研究は、独立法人の農業工学研究所(千葉県つくば市、佐藤寛理事長)が農林水産省から委託を受け、琉球大学農学部やプラント建設業者、民間の研究所などと連携した産学官の共同事業。
研究は2004年度から3年計画で取り組んでいる。同センター内には、メタン発酵プラントと炭化システムプラントが設置され、実証実験を展開。
 メタン発酵プラントでは、バイオマス(生物資源)の牛ふん1・5トンと水1・5トンをかくはんしメタンガスを発酵させた。22日午後、そのガスを使って発電機を稼働させることで、同シスタムの全体が循環的にフル稼働した。 
 一方、炭化システムプラントでは、サトウキビ絞りかすのバガスを使った実証実験が進行中。バガスのほか、廃糖蜜やウージ(キビ)酢などを使って段階的な実験を行っていく。炭化は堆肥(たいひ)として農地に還元する。
 同センターでは今後、泥活性化プラントなどを新たに設置する方針。
研究は、宮古の島嶼という閉鎖的な環境で、サトウキビ栽培と畜産が盛んな産業構造に注目。実証研究の成果は将来、アジア・太平洋地域の島々などに技術発信する計画だ。

 写真説明・産学官の関係者らにメタン発酵プラントなどが公開された=24日、上野村野原の宮古島バイオ・エコシステム研究センター

top.gif (811 バイト)

仰木新監督が来島/自主トレ選手を視察

 プロ野球パ・リーグのオリックス・バファローズの仰木彬新監督が23日、来島した。13日から宮古島で自主トレを行っている投手陣12選手の視察が目的。仰木監督はピッチング、ノックなどのトレーニングで汗を流す選手を真剣な表情で見守っていた。視察の合間には宮古島オリックス・バファローズ協力会の中尾英筰会長らとも会い、来月1日からスタートする春季宮古島キャンプについて会談した。
 仰木監督は23日午前の飛行機で来島。「監督」としての来島は約4年ぶりとなる。
 現在、宮古島で自主トレを行っている投手は▽歌藤達夫▽加藤大輔▽山本省吾▽高木康成▽相木崇▽松村豊司▽光原逸裕▽阿部健太▽ユウキ▽町豪将▽近藤一樹▽吉川勝成―の12選手。
 仰木監督は、練習の合間に選手らと会話を交わし笑顔を見せる場面もあったが、トレーニング中は、集中する選手たちに熱い視線を注いでいた。
 視察を終え、会見した仰木監督は春季キャンプについて「宮古島キャンプはチームの第1段階として、チーム内での競争で選手個々のレベルを引き上げ、見極めることが大事になる」と述べた。
 2チームの合併により誕生した新チームを「躍動感のあるフレッシュなチーム。1年間続く試合の中で、競争できるレベルの選手も多い」と紹介。「宮古島のファンの皆さんにも、キャンプ中は球場に足を運んで選手の名前を呼んで応援してほしい」と呼び掛けた。
 1軍は来月1日から20日まで、平良市民球場を中心に春季キャンプを実施する予定。
 仰木監督と会談した宮古島オリックス・バファローズ協力会の中尾会長は、チーム名の変更に伴い、協力会の名称も改称したことを報告し、「心新たに、新生オリックス・バファローズに協力していきたい」と全面的に支援する姿勢を強調した。
 仰木監督は、1935(昭和10年4月29日生まれ。70歳。94−2001年までの8年間、オリックスの監督を務めた。その間、リーグ優勝2回(95、96年)。96年には日本シリーズを制し、チームを日本一に導いた。

 写真説明・選手の自主トレを見守る仰木監督=23日、平良市民球場

top.gif (811 バイト)

会場いっぱい春爛漫/フラワーフェストinうえのが開幕

 「春、花の上野村」をキャッチフレーズに第3回フラワーフェストinうえの(主催・上野村、同村観光振興協議会、同村心豊かなふるさとづくり推進協議会)が23日、うえのドイツ文化村で開幕した。全9種類、約2万8000ポットの色とりどりの花が会場を彩る。来月27日までで、イベントを通し村内を花々で彩る。
 オープニングは上野村観光振興協議会による開催宣言で幕開け。川田正一村長は「花を愛する人は心が優しい人。来場している皆さんに感謝したい。このイベントが観光の一助となることを期待する」と述べ、期間中の多くの来場を呼び掛けた。合同聖歌隊「Flower of Love」による合唱も披露され、美しいハーモニーで観客を魅了した。マルクスブルグ城では押し花カード作り教室も行われ、人気を集めていた。
 用意した花はサルビア、マリーゴールド、ベゴニア、インパチェンス、コリウス、コスモス、ナデシコ、ブーゲンビレア、サフィニアの9種類。イベント開催へ向け、小学校や住民たちで花を育ててきた。30日には花の苗配布とドイツ花遊びゲーム、2月13日にはバレンタインデーナチュラルブーケ作り教室、20日にはブーゲンビレア花作り教室、27日にはサフィニア花作り教室が開催される。
 同フェスティバルは、沖縄花のカーニバル2005の一環として開催。亜熱帯の地域特性を生かした「暖かい冬」「花の咲く冬」を県内外にアピールし上野村全体を花で包み込むことでトロピカルリゾートを形成し、観光のイメージアップを図ることを目的としている。

 写真説明・約2万8000鉢の花が会場を彩るフラワーフェストinうえの=23日、うえのドイツ文化村

top.gif (811 バイト)

東平安名崎 選ばれる/美しい日本の歩きたくなるみち500選

 城辺町の東平安名崎が「美しい日本の歩きたくなるみち500選」(主催・同推薦会議)に選ばれた。コース名は「宮古島・東平安名崎眺望のみち」。全国の一般市民から応募のあった2427件の中から選ばれた。
 「美しい日本の歩きたくなるみち500選」事業は、観光立国や地域振興に役立てるねらいで実施した。
 同推薦会議(会長・木村尚三郎観光立国懇談会座長)は日本ウオーキング協会に事務局を置き、昨年の3月から10月にかけて推薦のあった名所を実踏調査。この結果を基に最終認証会議が昨年12月17日に開かれ、「500選」を決定した。
 審査は▽美観▽癒やしの雰囲気▽自然を学ぶ材料の豊富さ▽歩きやすいか―などの点について行われた。
 「500選」はランク付けがなく、すべて同位。朗報を受け仲間克城辺町長は「全国的な会議で選んでもらったということであり、観光に大いに役立つ。知名度が上がると思う。ありがたいことです」と感謝した。
 県内からはほかに▽「琉球王朝・首里の昔道をたどるみち」(那覇市)▽「竹富島・星砂の島、牛車と歩くみち」(竹富町)など、10カ所も入った。
 同推薦会議では今後、写真展の開催やガイドブック作成などによって、PRに努めていく。
 東平安名崎はこれまでに▽週刊読売主催の日本観光地100選読者コンクールの98位=日本100景(1980年)▽日本公園緑地協会公募の「日本の都市公園100選」(95年)―などにも選ばれている。

 写真説明・「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれた東平安名崎

top.gif (811 バイト)