200平成1  21曜日

車破砕処理業者3人を逮捕/平良市・

全国初、リサイクル法違反で

 無許可で使用済み自動車(廃車)を解体・破砕処理したとして、宮古警察署・県警生活保安課合同捜査班は20日、自動車リサイクル法違反の疑いで、鉄スクラップなどを扱う平良市内の輸出入業者「テッツェ」実質経営者櫻井哲(54)=同市松原=と妻賢恵(41)、現場責任者濱田繁(47)=上野村宮国=の3容疑者を逮捕した。同法違反容疑での逮捕は全国初。櫻井夫妻は容疑を否認、濱田容疑者は認めている。同社廃車置き場からは廃タイヤなどが地中に不法投棄されていることも明らかになった。現場検証はきょう21日も行われる。
 調べによると3人は共謀の上、昨年11月3日ごろから今月3日ごろまでの間、同社廃車置き場において、解体自動車212台を県知事の許可を得ずに重機やリサイクルプレス機を使用して圧縮など破砕前処理を行った疑い。
 宮古福祉保健所は許可申請するよう再三の指導を行ったが、同社はこれを無視し営業を行ったため、同保健所は今月17日に同社を宮古署に告発した。
 合同捜査班は20日午前、捜査員35人で同社廃車置き場の現場検証、自宅や事務所など関係先数カ所の家宅捜索を実施した。現場検証では廃車の解体・圧縮処理を再現。重機2台を差し押さえた。また、廃タイヤなど産業廃棄物約20トンを埋め立てた疑いがあるとして、重機で廃車置き場の2カ所を掘り起こし、地中に廃タイヤなどが不法投棄されていることを確認した。
 宮古警察署の國吉盛純副署長は「違法行為は許さない。宮古の環境を守るために今後も徹底的に取り締まる」と語気を強めた。
 同市の伊志嶺亮市長は「ボランティアで宮古の廃棄自動車を処理していると聞いていたので感心していた。自動車リサイクル法に沿った形で宮古の環境のためにやってくれれば良かった」と話した。

 写真説明・廃車の解体・圧縮処理を再現するなど現場検証する捜査員ら=20日、平良市荷川取の廃車置き場

top.gif (811 バイト)

廃タイヤ埋めた場所から煙/車解体業者逮捕・警察の現場検証中

 全国初の自動車リサイクル法違反で逮捕者を出した鉄スクラップなどの輸出入業者「テッツェ」は解体・破砕処理の際に生じた廃タイヤなどを廃車置き場の地中に不法投棄していた疑いも警察の現場検証で浮かび上がった。掘削した2カ所から廃タイヤなどが現れた。うち1カ所からは異臭を放つ煙が上がり現場には緊張が走った。
 午後3時ごろ、重機で地中約1メートルほど掘ったところ、煙が上がった。煙は異臭を放ち、現場検証していた捜査員らは思わず鼻や口を覆い、異臭が届かない距離まで離れた。
 掘り起こした土は湿り気を帯び温かく、しばらくの間、煙を上げていた。
 捜査員から連絡を受け駆け付けた消防署員が煙を確認。「タイヤが燃えている臭いに似ているが、掘ってみないと分からない」と判断し、署員が立ち合いの下、作業を開始した。
 重機が土を掘り起こすにつれ煙の量は増し、辺りに異臭を漂わせた。捜査員らはマスクを装着し作業を見守った。
 約4メートルほど掘り下げると、周囲の土より灰色がかった土と共に車の部品や廃タイヤなどが現れた。中には発火するものもあったが、しばらくすると火も煙も消えた。不法投棄場所から約30メートルしか離れていないところには個人宅やアパートもあった。
 捜査員の1人は「表では『宮古のためにボランティアで廃車処理をしている』と語っていたが裏は違う。無許可で処理しさらに不法投棄までやっていた。悪質な業者だ」と厳しい表情で語った。
 また、別の掘削場所では、圧縮された廃車の下から廃タイヤやバッテリーなどが次々に現れた。捜査員らは不法投棄された場所をメジャーで計測した。
 ある従業員は「保健所が指導に来ていたことは知っていたが、解体作業は続けていた。タイヤなどは昨年11月に埋めた。逮捕者が出るとは思わなかった」と不安な表情を浮かべた。
 不法投棄を確認した県は原状回復するよう指導する方針。

 写真説明・異臭を放つ煙に捜査員も思わず鼻や口を袖口で覆った=20日、平良市荷川取の廃車置き場

top.gif (811 バイト)

観光収入245億8400万円/04年宮古・入域客数ともに過去最高を更新

 2004年の宮古地区の観光収入は前年比9億6600万円増の245億8400万円で、過去最高だったことが県宮古支庁総務・観光振興課のまとめで分かった。すでに公表されている同年の入域観光客数も前年比6・3%増の39万2140人で過去最高を記録。管内主要宿泊施設稼働率も同比で2・7ポイント上回る67・5%と過去最高を更新するなど、前年に続き好調だった。同課では「官民挙げての誘客キャンペーンや年間を通じた沖縄人気の継続、台湾クルーズ船の運航拡大などが奏功した」と分析した。
 観光収入は宮古観光協会のアンケート調査による観光客1人あたり消費額6万4800円で試算した。観光収入245億8400万円は、農業粗生産額137億4000万円(02年)を大きく上回っている。
 入域観光客数を期間別にみると、上半期では▽行幸啓▽チャーター便による団体ツアーの実施▽台湾クルーズ船の宮古寄港の拡大▽トライアスロン大会など定番イベントの順調な集客―などの好材料が多く、前年同期比一6・3%増の19万6940人だった。
 一方、下半期は▽相次ぐ宮古への台風接近による航空便の欠航や旅行予約キャンセルの発生▽集中豪雨や台風、地震など全国各地の災害▽国内景気の減速傾向―などで県観光全体の伸びが鈍化したことが響き、前年同期比2・2%減の19万5200人となった。
 04年の主要宿泊施設(7カ所)の稼働率は67・5%。月別では8月の88・7%が最も高く、3月の83・0%、7月の78・8%と続く。12月の44・7%が最も低かった。
 05年の見通しとして同課は「全国的な沖縄人気の継続、マスコミ露出の拡大、健康志向や離島ブームの高まりなどの要因から、県全体の観光客数は今後も伸びると考えられ、その効果が宮古地域にも波及するだろう」と予想している。

top.gif (811 バイト)

実効ある法整備求める/平良市環境委が市長に「政策提言」

 平良市が抱える環境問題についての解決方策を検討する平良市環境委員会(中村貢委員長)はこのほど「平良市の環境(健康・観光)施策に関する政策提言」をまとめ、20日、伊志嶺亮市長に提出した。市環境保全条例の継続的検討など7項目の政策理念と具体的施策を提言。「自然や生活環境を守るための実効ある法整備と、環境問題を包括的に審議する恒常的な機関の設置」などの必要性を述べている。
 伊志嶺市長は、提言内容を地域で推進するため、新たな常設機関を設置する意向を示し「継続的にチェックしていただければありがたい」と話した。
 同委員会は、大浦産廃火災事故を契機に2004年3月に設置。これまで5回の委員会を開き、地下水汚染やごみ問題、健康や観光に関することなどの論議を重ねてきた。
 結論として▽地下水を守るため「環境保全条例」の早期制定▽不法投棄ごみ、放置自動車、生活雑排水による地下水への影響に関する調査と汚染防止策の策定▽自然に負荷をかけない観光の在り方の検討▽ごみ減量化、再資源化、生ごみ堆肥化に目を向け、焼却・埋め立てに頼らない島独自の循環型社会の形成▽容器包装類のデポジット(預り金)制導入▽市民、企業、行政、専門家による市への提言機関の設置─の必要性を提言。
 伊志嶺市長は「島嶼としての特殊性を抱えながら、環境問題に関する行政の取り組みが遅れていた。専門家の英知を結集した継続的な委員会を立ち上げ、今回の提言内容を受け継ぎながら宮古の自然を21世紀の子供たちに残せるよう取り組みたい」と話した。

 写真説明・中村委員長(右)から伊志嶺市長に提言書が提出された=20日、平良市役所

top.gif (811 バイト)

田んぼに「種子おろし」/平良市 宮島小・稲作体験スタート

 平良市立宮島小学校(与儀透校長)は20日、稲作体験活動の一環で、校内のミニ田んぼに稲の種をまく「種子おろし」を行った。幼稚園児を含む全校児童23人が、おいしい米ができるよう願いながら種をまいた。
 種子おろしにあたり、児童会長の島尻昌喜君(6年)は「今日から、今年の稲作体験が始まります。1つ1つの種が大きく育つよう願って植えましょう」と呼び掛け。児童たちは、種が1カ所にかたまらないようにまんべんなくまくことや、芽を折らないように気を付けることなどの注意事項を守り、友達や教諭と一緒に楽しそうにまいていた。2月20日ごろには、育った苗を本田に移すという。
 与儀校長は「今日は1年のうちでも最も寒い時期の『大寒』で、このころに種をまくと大きく成長すると言われています。来月には、大きな田んぼに苗を移せるよう、ていねいにまいてください」と指導していた。

 写真説明・豊作を願って稲の種をまく子供たち=20日、宮島小学校

top.gif (811 バイト)

 

top.gif (811 バイト)