200平成1  20曜日

「在任特例無し」「定数28」で決定/合併後の議員身分

 宮古5市町村合併推進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)の第8回会議が19日、県宮古支庁講堂で開かれ、継続審議となっていた合併後の議員身分について協議した。その結果、在任特例は無記名による投票で、「適用しない」が「適用する」を6票上回り、「適用しない」ことを決定した。これにより各市町村の議会議員は合併予定日前日の9月30日で失職し、新市長と議会議員の同時選挙が実施される見通しとなった。定数は、議員側委員の多くが求める法定定数30と、住民側委員の多くが求める26の折衷案として「28」が提案され、これにまとまった。議論の白熱した新市名称を含め、この日の協議で45項目にわたる協定項目すべてを確認した。
 在任特例適用についてはこれまでの合併協で、城辺町議と伊良部町議の委員を中心に「特例適用」を求める声と、住民側委員を中心に「特例を適用せず、新市長選挙との同時選挙」を求める声で、意見が真っ2つに分かれていた。
 このため伊志嶺会長が決定方法について各委員から意見を求めた。その結果、「在任特例」と「定数」を分けて決定することで一致した。
 在任特例の決定方法は、挙手と無記名投票で意見が分かれた。新里玲子委員は「しがらみの島社会で、各委員は厳しい決断を迫られている。住民の意見を素直に表明できる点から無記名投票をお願いしたい」と求めた。これに対し新城元吉委員は「今までの協議でさまざまな項目について協議し、乗り越えてきた。しがらみなどではなく、堂々と意見を述べれば良い」との見解を示した。
 結局、伊志嶺会長の判断で無記名投票による採決が行われた。豊見山恵栄、宮國京子両委員の立ち会いで開票した結果、「適用しない」(17票)が「適用する」(11票)を上回った。
 これに先立ち協議された議員定数は、法定定数である30でいったん可否をとったが、友利恵一委員から、住民側委員が求める定数26との折衷案として28が提案された。これに異議はなく、定数28が確認された。
 すべての協定項目の確認が終了し、伊志嶺会長は「議員定数や在任特例、新市名称なども決定した。皆さんの熱心な審議に心から感謝したい」と述べた。
 現在、県との協議が進められている「新市建設計画」に関して、2月16日に次回協議会が予定されている。

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アンケートは実施せず/新市名称・「宮古市」を改めて確認

 宮古5市町村合併協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)で決定された新市名称「宮古市」に対し、同名の岩手県宮古市が難色を示した新市名称問題。19日に県宮古支庁で行われた同協議会第8回会議では、この流れを受けて住民アンケート実施が伊志嶺会長から提案されたが、挙手による採決の結果、賛成少数で実施しないことに決定した。今回の決定により、新市名称は「宮古市」とすることを改めて確認した。この決定に宮古市の熊坂義裕市長は「民意把握のため、アンケートが実施されると思っていたので驚いている。宮古島でもいろいろな意見があると思うので、しばらくの間、動向を見守りたい」と語った。
 提案されたのは「宮古市」「宮古島市」「琉宮市」「みやこ市」の4候補について、サンプル1000件を目安にしたアンケートの実施。これに対し佐久本洋介委員は「岩手県にもこちらにも歴史があり、後とか先とかの問題ではない。アンケートの結果、宮古市以外の名称が多数だったらどうするのか」と疑問視。新市名称に対する岩手県宮古市の質問書に同協議会が回答したことを受け、同市議会が「宮古市」を容認する姿勢を示しているとして川満省三副会長(下地町長)も「岩手県側も容認しておりアンケートの必要はない」との見解を示した。
 一方、アンケートを求める委員は、宮古青年会議所会長の宮里敏彦委員が「住民の声を聞くと、名称についてもう少し考えてほしいとの意見が多い」、平良和枝委員は「『宮古市』でも『宮古島市』でも、住民のバックアップを得た方が良い」とそれぞれ述べるなど、必要性を訴えた。
 これらを踏まえ、アンケート実施の是非を挙手により採決。伊志嶺会長、川田正一副会長、伊沢忠徳委員、平良委員、宮國京子委員、川満久雄委員、新里玲子委員、宮里委員、中尾英筰委員、古波蔵小夜子委員、松永恵茂委員の11人が賛成したが、反対多数でアンケート実施は否決された。
 「アンケート実施が望ましい」と促していた県だが、実施しないとの決定を受け安和朝忠宮古支庁長は「『宮古市』はかけがえのない名称で愛着があるということの発露だと思う。県としては意思決定機関の決定を尊重したい」と述べた。

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2億円取引の大商い/宮古肉用牛競り・初競り、高値スタート

 2005年宮古地区の肉用牛初競りが19日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後12カ月以内)1頭平均価格は過去最高の44万6694円で取引が成立した。平均キロ単価も1673円の高値。成牛を含めた総販売額は2億2648万8150円の大商いとなった。競り前には市場開きが行われ、畜産農家や購買者、県、市町村の代表らが参加し、それぞれ高値取引に伴う宮古地区における肉用牛産業の発展を祈願した。
 市場開きは午前9時から行われ、はじめにJAおきなわ代表理事の赤嶺勇理事長が「県内各地で初競りが開催されているが、それぞれ順調な価格でスタートしている」と述べ、宮古地区における高値も祈願した。その上で「米国BSE問題もあるが、しっかりと足腰を強くしておけば十分に太刀打ちできる」などと強調し、生産農家らを激励した。
 続いて昨年1年間の年間多額購買者に対する記念品の贈呈が行われ、大塚牧場の代表ら8人に赤嶺理事長が記念品を手渡した。
 この後、県農林水産部の諸見武三部長が「沖縄県は全国有数の肉用牛生産地としての地位を確立できた。これも生産者をはじめ購買者の尽力のおかげ」と感謝。「今後さらなる飛躍を目指し、なお一層の優良素牛生産に励んでほしい」と生産農家に呼び掛けた。宮古地区農業振興会の伊志嶺亮会長(平良市長)は「今年も良い宮古産和牛を多く出し、年間販売額30億円達成を目指そう」と声を強めた。
 関係者による鏡開きの後、砂川佳一県議、仲間克城辺町長の音頭で祝杯を挙げ、最後は参加者全員で万歳三唱を行い、向こう1年間の高値取引を祈願した。
 年間多額購買者は次の通り。かっこ内は購買頭数と購買金額。
 ▽大塚牧場(783頭、3億2319万1000円)、田村畜産(519頭、2億1607万3000円)、上場農業協同組合(373頭、1億5477万9000円)、皇子原肥育牧場(302頭、1億3164万円)、盛本畜産(435頭、1億3029万円)、鹿児島サンライズファーム(344頭、1億2111万3000円)、山口畜産(356頭、1億1449万6000円)、JA東伯(264頭、1億1325万3000円)

 写真説明・今年1年間の高値取引を祈願し万歳三唱を行う畜産農家ら関係者=19日、JAおきなわ宮古家畜市場

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佐和田の浜にも流木/伊良部町・依然、撤去のめど立たず

 伊良部町佐和田の浜西側で19日、大量の流木が漂着しているのが見つかった。行政などによる撤去のめどは立っていない。平良海上保安署では「宮古に漂着した流木については追跡調査は実施していない。漂着流木が増えているのか、減っているのかは分からない」と話し、行政などによる早期の撤去を要望している。
 流木は沖合のリーフを乗り越えて漂着したものと推測される。流木の長さは3メートル余、幹の周りは30−40センチほど。入り江に打ち上げられ、台風なとで高波になった場合には再流出する恐れがある。
 リーフより内側のイノー(礁湖)では今の時期、漁師らが養殖モズクを行っている。また別の漁師らが不定期的に網漁を展開する。
 同町佐良浜地区の50代の漁師は「パヤオ(浮き魚礁)周辺のマグロ漁場で操業しているが、浮いている流木は見られない。しかし、流木が水面下で漂流している場合には発見できないので、漁船の航行は危険」と話した。

 写真説明・大量の流木は撤去されず放置されている=19日、伊良部町佐和田の浜

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韓国から36人来島/大学野球キャンプ

 韓国の成均館(ソンギュンガン)大学校野球部の部員ら36人が19日、春季キャンプのため来島した。宮古空港には観光関係者らが大勢出迎え、歓迎セレモニーを開き今季の活躍を期待した。同部はきょう20日から来月15日まで城辺球場でキャンプを実施する。大学野球キャンプは同大学を皮切りに8校が来島し、延べ人数は5000人に達する見込み。
 歓迎セレモニーでは琉球國祭り太鼓宮古支部のメンバーが太鼓演舞を披露。同部を受け入れるホテルニュー丸勝の平良勝久営業部長が韓国語で「ようこそいらっしゃいました。野球を頑張ってください」と述べ、選手らの緊張をほぐした。最後には全員で「野球、優勝」と気勢を上げた。
 同部を代表して李(リー)渕守(ヨンス)監督は「韓国は今マイナス10度。宮古との温度差は30度もある。暖かい気候なので十分に練習したい」と抱負。また、主将の黄(ファン)成用(ソンヨン)さん(4年)は「今季へ新しいスタートを切るためいいキャンプにしたい。挑戦する姿勢で練習に励みたい。環境や天候が良いので野球に集中できる」と意気込みを語った。
 同大学は韓国大学野球の強豪チーム。一昨年には大学選手権で優勝。昨年は準優勝している。
 大学野球キャンプは今後、阪南大、札幌学院大、京都大など8校が、また、ソフトボールの本田技研や高校野球の強豪チームが行う予定。

 写真説明・「優勝」と掛け声を上げる成均館大の部員ら=19日、宮古空港

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きょう大寒/最も寒く春の足音も

 きょう20日は、24節気の1つ「大寒」。1年のうちで最も寒いが、近くに春の足音がせまり「春遠からじ」の意を含んだ時期でもある。24節気の最後の節。
 宮古ではサトウキビ収穫の最盛期。各地のほ場では、冷たい風に負けずキビ刈りに精を出す人々の姿が見られる。
 平日は夫婦でコツコツと収穫する農家が多く見られるが、週末には家族総出で畑仕事に汗を流す姿も多い。ある農家は「収穫はまだまだ始まったばかり。たくさん畑があるので大変だけど、大きなボーナスだから頑張るよ」と笑顔で話し、ベテランの手つきで作業に当たっていた。
 進級や卒業の季節が間近となった各学校では、寒さなどどこ吹く風とばかりに、半袖姿で元気良く遊ぶ子供たちの姿があった。

 写真説明・サトウキビの収穫に精を出す農家=19日、平良市内

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