200平成1  19曜日

大量の流木が漂着/伊良部島と池間島

 大量の流木が伊良部町佐良浜漁港や平良市池間島の海岸で漂流・漂着してるのが18日までに確認された。行政や漁港管理者、地域自治体などが撤去する動きはなく、海岸への立ち入りは危険な状態となっている。流木をそのまま放置すると、海上の大しけや台風が襲来した場合に、沿岸海域の広範囲に再び流出する可能性があり、船舶との衝突が憂慮される。この日の早朝、同漁港発の高速旅客船は、漁港入口で帯状に漂う流木に右往左往。流木の間をゆっくり走らせ、難を免れた。平良海上保安署では、沿岸海域を航行する船舶に厳重に警戒するよう呼び掛けている。

 流木は南方から黒潮の本流に乗って北上。途中、本流から分かれた潮流に乗って宮古に流されてきた見方が強い。
 昨年11月下旬、フィリピンで台風などによる集中豪雨があり、陸上の倒木などが海に流されたが、その流出木と今回の流木の関連は分かっていない。 インドネシア・スマトラ島沖地震との関連は薄い。
 同町離島振興総合センター前の第2波除堤外海側では、流木が50本以上漂っている。1本の長さが約4メートル、幹の周りは約40センチ。コンクリート製のテトラポット付近には打ち上げられた流木が散乱している。近くの沖合側は漁船の航路。流木は潮流が変化した場合は沖合へ漂流することが予想される。
 同センターから北方にあるサバウツガー(井戸)の海岸でも大量の流木が漂流・漂着。近くの沖合では木くずや流木が帯状となっているのが確認された。そこの沖合も漁船の航路で、晴天時には多隻の漁船が行き交う。
 一方、池間島北方のカギンミ浜には大小さまざまな流木や木くず、プラスチック製の浮き玉などが打ち上げられている。大量の漂着物は、海浜の長さ約400メートルに及ぶ。流木の中にはフジツボが多数付着していることから、1カ月以上漂流したものとみられる。近年観光客らが大勢訪れる海浜として有名だが、流木の散乱から立ち入りは危険な状態。
 伊良部町水産振興課では「漁港内の流木については、早急に撤去したい」と話した。
 
 写真説明(上)・打ち上げられた流木などが散乱し立ち入りが危険な状態=18日、平良市池間島北方のカギンミ浜
 写真説明(下)・大量の流木が漂流する沖合側は漁船の航路=18日、伊良部町佐良浜漁港

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「宮古市」名称容認姿勢/岩手県宮古市議会

 宮古5市町村の合併新市の名称が「宮古市」に決定したことについて岩手県宮古市側が難色を示していた問題で17日に行われた同市議会の全員協議会ではこれを容認する方針となった。これについて熊坂義裕市長は18日、本紙の取材に対し「市議会で沖縄の『宮古市』を容認する意見が相次いだとの報告を受けた。今後は両地域の交流がさらに発展するよう解決策を模索したい」と述べた。
 岩手県宮古市議会の全員協では、重複名称についての質問状に対する宮古5市町村合併推進協議会の伊志嶺亮会長(平良市長)からの回答内容を協議した。
 宮古市議会事務局の清水登事務局長によると議員の意見としては「そんなこと(名称問題)を言っている時期ではない」や「前向きにとらえて両市とも協調して交流を深めていくべき」など、重複名称となることを容認する意見が多く出され、宮古島側に名称の再考を求めるような意見は出なかったようだ。
 これまで岩手県宮古市側は宮古5市町村合併の新市名称が「宮古市」となることに難色を示し、これを受けて宮古5市町村の首長も住民アンケートを実施することで意向をまとめていた。

・熊坂市長コメント 当市からの照会に対して、宮古5市町村合併推進協議会からは誠意ある回答をいただきました。
 また、当市議会からは沖縄の「宮古市」を容認する意見が相次いだとの報告も受けました。
 一方、沖縄の「宮古市」を認めるべきではない、との意見も市民等から数多く寄せられております。
 今後は、19日に開催される予定の協議会での協議結果を踏まえながら、両地域のこれまで培ってきた交流がさらに発展するよう、引き続き、解決策を模索していきたいと思います。
 なお、住民アンケートの実施にあたっては、コメントする立場にはありませんが、一般論として、将来にわたり地域に大きな影響を及ぼす可能性がある事案について、住民の皆さんの意見が大きく分かれているときには、民意を把握する手段として有効な手段であると考えます。

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新機種ハーベスターがお目見え/キャタピラー式、雨天時もOK

 宮古地区の製糖操業が17日から始まり、各地ではサトウキビ収穫機のハーベスターがフル稼働している。下地町与那覇の農業生産法人前山産業(与那覇敏之代表)は、小型ハーベスターの新機種「MCH−30−W−E−C(キャビン付)型機」を導入。16日から稼働させた。宮古地区での同機種導入は初めて。キャタピラー式になっており雨天時にも稼働できるのが特徴で、軽量のためほ場に乗り入れても土地が固まらず、刈り取った後に株出しできるのがメリット。1日平均の収穫能力は30トン。雨天時のぬかるんだほ場でも作業できることから、高齢者など機械収穫に頼る農家にとっては朗報となりそうだ。
 小型ハーベスターは宮古地区では2台目で、1台は県農業試験場宮古支場が 谷鉄工の「UT−120」を所有している。島内では主にタイヤ式の大型と中型が稼働しているが雨天が続きぬかるんだほ場では動くことができず、このためハーベスターを利用する高齢者やサラリーマン農家では手刈りを強いられていた。
 今回新しく導入されたキャタピラー式の小型ハーベスター「MCH−30−W−E−C(キャビン付)型機」は松元機工(本社・鹿児島県)が開発した機種で、高さは約3・7メートル、幅は約2メートル、総重量は約6トン。畝幅が1メートル10センチから50センチまでは作業が可能となっている。価格は約2500万円で、80%を国と県が負担し、20%を前山産業が負担した。これまですでに20ヘクタールの収穫作業を行ってきた。沖縄県全体では本島や久米島などで約40台が稼働しているという。
 18日、同町与那覇西原のほ場で収穫作業が行われ、与那覇代表らがハーベスターを稼働させサトウキビを収穫。松元機工の田之脇敏第三生産部課長らも訪れ、運転技術指導に当たった。
 田之脇課長は、「刈り取った後も株出しできる点と雨天でも稼働できるという点が農家から最も好評を得ている。軽量で操作も簡単なので女性でも運転できる」と話した。
 
 写真説明・前山産業が導入したキャタピラー式の小型ハーベスター =18日、下地町与那覇のほ場

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平良市は実施、他町村は難色/事業系ごみ有料化

 宮古清掃施設組合の幹事会(多良間村を除く各市町村の総務課長、保健課長らで構成)が18日午後、同組合で開かれた。この中で事務局が事業系ごみの有料化を提案したが、実施をめぐり各市町村の意向がかみ合わず、この日は結論を持ち越した。平良市は実施を支持、他町村は「事業所の区別が難しい」などを理由に難色を示した。幹事会ではアルミ缶・スチール缶およびその他の鉄くず類の売買(現在はアルミ缶のみ売却)についても協議し、売却する方針を決めた。
 事業系ごみの有料化について事務局は「今年4月1日から実施」の方針を示した。この提案に対し伊良部町は「平良市以外の町村では事業所の区別が難しい。一般ごみも有料化に持っていくというのであれば、そのときに検討すればいいのではないか」との案が出された。城辺町や下地町、上野村も伊良部町の意見に同調した。下地町は「小さなお店も事業所ということになれば、ごみの判別はつかない。一般ごみ有料化と同時に実施したほうがいい」などと主張した。これに対し、平良市は「財政難の今やらなければいつやるのか。ごみの判別はそう難しいことではない」とし、実施を強く求めた。
 結局この日は意見がかみ合わなかったが、一般ごみの有料化については合併後に実施、事業系ごみの有料化は「有料化を前提に協議を詰める」ことで意見を集約した。
 一方、平良市財政非常事態克服実践本部や同市民委員会から売却するよう求められていたアルミ缶・スチール缶および鉄くず類については各市町村ともに慎重論を展開したが、「半年間はやってみる」との事務局説明に同調し、実施の方針を決めた。
 幹事会の協議内容は管理者会議に上げられ、最終的な結論が下される。

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この流木は私のです!/池間島の風習・綱で結び「私有物」宣言

 何で流木を綱で結ぶの? 平良市池間島では、昔から流木が岸に綱で結ばれると、その流木に所有者が存在するとされる。18日午前、この珍しい「私有物」宣言が見られた。
 この島では、昔からヒダマーイ(浜回り)という風習があり、それを行う人をヒダマーイビト(浜回り人)と呼ぶ。
 浜回り人は、気に入った漂着物を発見し、1人で持ち運びができない時は、すぐさま漂着物を岩礁などに綱で結ぶ。これで「私有物」が確定した。それを住民らは認知した。「私有物」ならば何人も持ち去ることは許されない。黙って横取りする人は泥棒となる。
 この日「私有物」となった流木は、赤ラワン。フィリピンでは赤ラワンや白ラワンが自生しており、今回の赤ラワンはフィリピンから漂着したものとみられる。
綱でくくられた赤ラワンは根元部分。重さは100キロ以上あり、立派な置物になりそうだ。さて、所有者は誰か?

 写真説明・綱で岸に結びつけられた流木=18日、平良市池間島

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冷え込み一転 ポカポカ陽気/東平安名崎でユリ咲く

  宮古島地方は18日、19・1度(午後零時43分)の最高気温を記録。ここ数日の寒さが和らぎ、暖かさを感じる1日となった。
 宮古島地方は、16日の最高気温が14・9度、17日が16・9度と、肌寒い日が続いていた。
 宮古島地方気象台では、「上空に寒気があるが晴天で日照があったためではないか」と話し、この暖かさは向こう1週間は続くと予想している。
 城辺町の東平安名崎では、例年、3月中旬ごろから花を咲かせるテッポウユリも開花しており、訪れる観光客らを楽しませている。観光客は「もうテッポウユリが咲いている」と足を止め、珍しそうに記念撮影をしていた。

 写真説明・テッポウユリも花を咲かせている=18日、城辺町の東平安名崎

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