200平成1  13曜日

森林の中の歩道は自然破壊?

「学びの森」整備 に市民から疑問の声

 ウオーキングや森林浴の場として活用度の高い通称「学びの森」やその周辺で、平良市(伊志嶺亮市長)が進めている森林浴歩道整備工事に対し、市民から「自然破壊につながるのでは」と疑問の声が上がっている。同事業は、約 4キロの歩道をメーンにした自然共生型の健康増進施設。担当する同市みどり推進課の狩俣博三課長は「限られた自然を守るのがわれわれの職務であり、主木はほとんど伐採しない。自然を有効活用した散策道路として理解していただき、多くの市民に利用してほしい」と説明している。

 この歩道整備工事は、平良市が2003年度から05年度までの3カ年計画で実施している「森林空間活用施設整備事業」の一環。費用は2億1000万円。障害者やお年寄りに配慮したバリアフリーのコース作りを取り入れ、住民の健康増進や交流、自然学習の場を形成することが目的。市民球場南側、市緑化育苗センター裏側などの歩道はすでに完成しており、平良市立東小学校後方にある通称「学びの森」とその西側の森の中の歩道が今年度にも完成予定。来年度はグラウンドゴルフ場やトイレ、ベンチ、駐車場などの付帯施設整備と植林を行う予定となっている。
 しかし、ここに来て市民から「わずかな自然しか残っておらず、財政的にも厳しい宮古に、森の散策に整備した歩道はいらない。貴重な自然を破壊しているのでは」との疑問符が浮上。ウオーキングの利用者からも「自然を満喫できて気持ちいい。現状のままで十分」「森の中に舗装された歩道はいらない。他に予算の使い道があるのでは」などの声が次々に聞かれている。
 同課担当者の説明によると、歩道の舗装素材は、学びの森と育苗センター裏側のコースが膝や足首に優しく滑りにくいゴムチップ、それ以外のコースがアスファルト。ギンネムなどの雑木は伐採もあり得るが、主木にはできるだけ手を加えず、現在の森林構成に沿った形で歩道を整備するという。
 また、歩道周辺には涵養機能のあるタブの木や、ミヤコジマコバン、バンシロウなどの果樹木を植樹し、歩行者や野鳥が楽しめる空間をつくるという。
 「学びの森」は、原生の樹木が生い茂り、日差しを避けながらウオーキングができるとして体力づくりに人気のスポット。土砂のコースを1周すると1300メートルあり、一日中利用者が途絶えない。

 写真説明・自然利用の健康増進施設として森林浴歩道などが造られるが市民からは疑問の声が浮上している=12日、平良市内の通称「学びの森」

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50%カット、計3200万円を削減/05年度負担金・補助金

 宮古6市町村の助役や財政担当者らでつくる2005年度宮古地区負担金・補助金等審議会(会長・下地学平良市助役)が12日、平良市役所で開かれ、各市町村が拠出する05年度予算における各種活動団体などへの補助金・負担金について、04年度予算額の2分の1を原則とし、04年度予算比に比べ合わせて3161万8000円の補助金・負担金の削減を決定した。削減について同審議会は「国の三位一体改革に伴い各市町村とも財政状況は非常に厳しい状態。各種団体に関しても応分の負担をお願いしたいと考えている」としている。
 宮古広域圏事務組合や宮古広域消防組合といった一部事務組合などは今後開催されるそれぞれの幹事会などで決定される。
 04年度予算比で原則通り50%が削減されるのは宮古地区交通安全協会、宮古地区防犯協会の負担金など計13項目。宮古身体障害者連合会の補助金や小学校、中学校体育連盟の補助金など計九項目は04年度予算比で10%カットとなった。
 宮古市町村議会議長会負担金など、市町村職員などで組織する行政的な団体に対する補助金・負担金は予算を計上しないことで一致した。また、原則として新規団体や新規の負担金・補助金は認めないことも確認した。
 同協議会は財政難解消に向け1996年に立ち上げられた。6市町村の負担金・補助金は、96―2000年度の5年間で95年予算基準で20%を削減。01―03年度の3年間では2000年度予算を基準に10%、04年度は03年度予算比で10%を、それぞれ削減した。

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コハクチョウが飛来/北国から迷い込む?

 迷鳥コハクチョウ(カモ科)の幼鳥一羽が11日、伊良部町下地島の淡水池で確認された。宮古では 4年ぶりの飛来、2例目。翼を広げると畳の長さほどある大型の冬鳥。
 コハクチョウは雌雄同じ色。成鳥の全身は白いが、幼鳥は全体が灰褐色。くちばしの先端が黒く、基部は黄色い。黄色い先端は丸形か四角形が特徴。体長115―150センチ、翼を広げた大きさは180―225センチ。
 ユーラシア大陸北部、北アメリカ北部で繁殖し、朝鮮半島、中国東部、北海道、本州などで越冬する。
 宮古で初めてコハクチョウが確認されたのは、2001年12月に下地町のゴルフ場に飛来した2羽。

 写真説明・気持ち良さそうに泳いでいたコハクチョウ=11日、伊良部町(羽地邦雄さん提供)

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「課が多すぎる」との意見多く/新市の組織・機構で協議

 宮古5市町村合併推進協議会幹事会(幹事長・下地敏彦城辺町助役)が12日、同協議会事務局で開かれ、新市の組織・機構について協議した。「組織・機構プロジェクト班」が示した市長部局の5部に37課を配置する案に対し、各幹事から「課の数が多すぎる」といった意見が相次いだことから、同班が改めて案を作成し、次回の幹事会で再び協議することとなった。
 新市の組織・機構に関しては11日の市町村長会議で、各庁舎に5つの部と教育委員会を配置する分庁方式とすることを確認。この日の幹事会ではこれを受け、各部の詳細な「課」の配置について意見が交わされた。
 組織・機構プロジェクト班が提示した案は、総務部に7課、企画政策部に6課、福祉保健部に7課、経済部に9課、建設部に7課と会計課の計37課。これとは別に教育委員会や議会事務局なども必要となる。
 この案に下地幹事長は「『簡素で効率的な組織・機構』という方針と合致しない。整理し直す必要がある」と再考を求めた。同協議会の下地洋一参事は「案は合併時の職員870人を想定したもので、合併後、職員が500人まで削減されることを想定すると、課の数が多すぎる。また伊良部庁舎は総合支所となるため、ある程度の人数が必要と考えると、本庁はスリム化する必要がある」と指摘した。
 議論の結果、業務内容によってまとめられる課はまとめ、25課をめどに絞り込んだ案を提示するようプロジェクト班に求めた。これを基に次回20日の幹事会で再度検討されることになった。

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新生オリックス投手陣が来島/11選手がきょうから自主トレ

 プロ野球パ・リーグ、オリックス・バファローズの投手陣11人が12日午後、自主トレのため来島した。25日まで基礎体力づくりを中心にトレーニングを積み、来月1日から始まる合併球団初の春季宮古島キャンプに備える。相木崇選手は「合併し、これまでとは違う戦力が整った。楽しみにしてほしい」と話し、新生オリックス・バファローズの飛躍に自信を見せた。選手らは期間中、平良市民球場を中心に自主トレを行う。
 この日来島したのは相木選手をはじめ、歌藤達夫、加藤大輔、山本省吾、高木康成、松村豊司、光原逸裕、阿部健太、町豪将、近藤一樹、吉川勝成の計11選手。別の日に7人が合流する。
 宮古空港では宮古島オリックス協力会のメンバーが出迎え、選手たちを激励。合併球団オリックス・バファローズの今シーズンの活躍に期待を込めた。
 同空港内で記者会見に応じた相木選手は「2月から始まるキャンプでは合併球団として初の本格的な練習になる。みんなで競い合うことで全体のレベルが上がり、今シーズンも良い戦いができると思う」と話した。自らの自主トレテーマについては「体づくり。特に下半身の強化に取り組んでいきたい」と話した。
 旧近鉄球団から新生オリックスに入団した山本選手は「今年は合併球団としてスタートの年になるのでスムーズにキャンプに入れるよう万全な体づくりを心掛けたい」と話した。宮古島のファンには「旧近鉄のメンバーも加わるので色合いも違うと思うが、一生懸命頑張るので新しいチームのスタートを見守ってほしい」と話していた。
 オリックス・バファローズの春季宮古島キャンプは来月1日にスタートし、20日まで行われる予定。

 写真説明・自主トレのため来島したオリックス・バファローズの投手陣=12日、宮古空港

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海の恵み、アーサ採り汁物やてんぷらに

 宮古の冬の風物詩ともいわれるアーサ(ヒトエグサ)採りが浜辺で見られるようになった。12日午後3時ごろ、平良市の大浦一帯の海岸では、引き潮の時間に合わせ、海の恵みを収穫する女性たちの姿が見られた。
 かごいっぱいのアーサを手に、市内で料理店を経営する50代の女性は「汁物やてんぷらにするとおいしくお客様にも人気がある」と精を出していた。
 地元、大浦地区に住む80代の女性は「もう少し寒くなると芽も大きくなる。昔はこの海岸のどこでも、もっとたくさん採れたが、少なくなってきている」と話した。
 アーサは岩肌に生える沖縄の代表的な海草。宮古地区では例年2月が最盛期といわれ、4月ごろまで採れるという。

 写真説明・アーサ採りに精を出す女性=12日、平良市大浦の海岸

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