200平成1  10曜日

新市議員「定数30」は多すぎ?

県内同規模自治体は25−27人程度

  宮古地区5市町村合併推進協議会では「議員身分」について白熱した論議が展開されている。新市の議員定数については「30人」(法定定数)との方針に流れつつあるが新市と同規模の県内自治体はほとんどが25−27人程度の議員数となっている。また、郡部の議員側が求める「7カ月の在任特例」を適用した場合、来年3月の2006年度予算を審議する議会と4月の新市市議選を見据えた議員の動きが同時並行で進むことから、どのような展開になるのかが注目となっている。

■新市議員数の目安
 人口が約5万5000人となる合併新市。それを県内の同規模自治体と比較してみると「人口5万人以上10万人未満」で法定定数「30人」を採用しているのは現在、名護市だけだが、同市は昨年の議会で議員定数減案を可決し来年予定の市議選は定数27人で行われる。
 一方、糸満市議会は27人、最も人口の多い具志川市議会の議員数は最も少ない定数25人となっている。
 宮古の合併新市の議員数が30人と想定した場合、自治体の人口に占める議員の割合は約1800人に議員1人となる。糸満市は約2100人に1人、具志川市は約2600人に1人で名護市が来年の選挙以降、議員数27とした場合は2100人に1人となり、宮古の合併新市はその中でも人口に対する議員数が最も多い自治体となる。

■「在任特例」適用の新市議会
 在任特例7カ月適用で新市の今年12月議会と来年3月議会は最大で80人(議長除く)の議員が一般質問に登壇することとなる。
 在任特例を求める議員は「合併後の地域の状況や新市の予算編成を見極めたい」などを理由としているため、当局姿勢をただすための一般質問には全議員が通告する見込みだ。
 また、定数24の平良市議会の一般質問が通常3日間(登壇者は平均15−18人程度)であることから80人全員が通告した場合は一般質問だけで10日以上必要となり在任特例期間中の2回の定例会は長期間の議会となることも予想される。

■来年4月の市議選
 新市発足の10月1日から在任特例を7カ月適用すると来年4月30日が任期満了となり、4月中には市議選が行われる。
 通常、立候補予定者は、告示前から選挙事務所を開設し選挙に向けた取り組みを展開する。しかし、その最も大切な期間となる3月は長期間に及ぶ見込みの3月議会の真っただ中だ。
 さらに、新人などの立候補予定者はその間も市議選挙に向けた取り組みを展開することとなり、議会で予算を審議している在職議員は選挙戦の出遅れも懸念されている。
 これについて在任特例なしを求めているある議員は「新市に出馬予定の在職議員は議会そっちのけで選挙戦に集中するだろう」と指摘している。

■千曲市(長野県)の場合
 長野県の更埴市、更級郡上山田町、埴科郡戸倉町が一昨年9月に合併し誕生した千曲市は、在任特例を適用した議員の辞職を求める住民の動きを受けて市議会が自主解散となった経緯がある。
 合併後、在任特例で残った議員がいる一方で、すでに辞職した議員や新人が次期市議選をにらんで活発な活動を展開した。在任特例で存続した議員は、予定されていた住民投票の結果で解散賛成が多数を占めた場合、市民により辞めさせられる形になることから、自主的な辞職による自主解散を望む議員が急増し結局、自主解散となった。
 議員の身分については宮古と同様に全国各地の合併問題で住民側と議員側とで衝突するケースが多い。宮古の合併協議でも住民がこの問題をどのように捉え、どのような行動を展開するかが今後のカギを握りそうだ。
   (垣花尚記者)

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「初売り」にぎわう/ひらら市場

 「地産地消」をテーマに、地元で取れた新鮮な農産物や加工品を販売する「ひらら市場」が9日、平良港マリンターミナルビル前(離島航路浮桟橋側)で開かれた。年明け初の開催ということもあり、会場は早朝から安い地元の野菜や加工品などを買い求める客でにぎわいを見せた。
 「ひらら市場」は、地元産品の消費(地産地消)拡大による、地域活性化や野菜農家、特産品製造業者の流通支援を目的に2003年3月から始まり、これまでに約40回開催している。平良市(伊志嶺亮市長)の主催だが、生産者と消費者の直接売買が基本となる。
 開催は毎月第2、第4日曜。回を重ねるにつれ、すっかり定着した感が強くなり、買い物客の増加に伴い、当初は2、3グループだった販売者(生産者)も現在では多い時には20グループを超える。商品もゴーヤー、ニンジン、ダイコンなどのポピュラーな野菜に加え、島らっきょう、ゼンマイ、ノビルなど種類も豊富となった。
 今回のひらら市場でも、キュウリ、レタス、花や野菜の苗、卵、アーサ、かつお節など多彩な商品が所狭しと陳列され、買い求める地元客、観光客でごった返した。
 市農政課では「水産物加工品や家庭で不要になったリサイクル品など、これからも商品の幅を広げていき、市町村合併後も全域のイベントとして定着させていきたい」と話している。

 写真説明・地元で取れた新鮮な野菜や加工品などが所狭しと並べられ、買い求める客でにぎわいを見せた=9日、平良港マリンターミナルビル前

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新春にさわやかラン/城辺町・「泰久」・トリムマラソンに120人

  城辺町新春泰久マラソンとトリムマラソン(主催・同町体育協会)が9日午後、同町総合運動公園スタート・ゴールで行われ、117人が参加して新春の走り初めを満喫しながらさわやかな汗を流した。
 この大会は参加者の体力の維持・増進が大きな狙い。昨年までは泰久マラソンとトリムマラソンを別の日に開催していたが、同一の目的であることなども踏まえ今年は初めて同じ日に行った。
 今大会の参加者は泰久マラソンが81人でトリムマラソンが36人の計117人。午後1時40分ごろから各大会ごとにスタートし、参加者はそれぞれ自分のペースで走りを楽しんでいた。
 トリムマラソン親子の部(2キロ)に参加した下地康紀さん(44)と息子の遼太君(城辺小2年)は2人仲良くゴールした。康紀さんは「子供を追いかけるのが大変でした。苦しかったけど良い思い出になったので来年も出ます」と苦笑いで感想。遼太君は「気持ち良かった。もっと走りたい」と元気いっぱいの笑顔で話していた。
 泰久マラソン 「素足の泰久」として名をはせた故砂川泰久さんの偉業をたたえる大会(1961年創設)。28年には御大典記念東西対抗の東京・京都間駅伝に出場した名ランナー。
 各部門の1位は次の通り。
 【トリムマラソン】▽親子の部=中西康博・彩菜▽小学生=平安希歩▽中学生=友利千紘▽高校生、一般=伊志嶺吉作
 【泰久マラソン】▽2キロ=瑞慶覧伸哉▽3キロ=浜川和樹▽5キロ=砂川敏也▽10キロ=黒島昌樹

 写真説明・117人の参加者が新春の走りを満喫した=9日、城辺町総合運動公園

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宮古で多種ボランティア活動/東京・高輪ロータリークラブ

  クラブ創立10周年記念で来島した東京都品川区の高輪ロータリークラブ(横尾良明会長)は9日、ボランティア活動としてマングローブ植林や少年野球教室、老人福祉施設でのエステ体験、海岸の清掃を実施。会員それぞれが持つ技術や知識を生かし、地域貢献に努めた。
 創立10周年記念宮古島ツアーには会員約30人が参加。8日に宮古入りし、2泊3日の日程で宮古島ロータリークラブとの交流や地域ボランティア活動を展開した。横尾会長は「ただ創立を祝うだけでなく、少しでも皆さんの役に立つことをしたかった。会員が持っているさまざまな技術を生かしたい」と今ツアーの意義を話した。
 平良市営球場で行われた少年野球教室では、プロ野球千葉ロッテマリーンズの元ヘッドコーチの醍醐猛男さんと、高校時代甲子園でバッテリーを組んだ工藤忠さんが子供たちにバッティングやピッチングについて指導。醍醐さんは野球がうまくなるコツとして「目標をしっかり持って努力すること。集中力を付けること。チームワークを大切にすること」を挙げ、子供たちに野球をする上で大事なことを伝えた。また、1人ひとりのバッティング・ピッチング指導に当たり、それぞれに応じたアドバイスを行った。子供たちはプロから指導を受けられるとあって真剣な眼差し。アドバイスを受けた前里英賢君(平良第一小5年)は「面白かった。プロに教えてもらえるのはうれしい」と笑顔を見せた。
 下地町川満漁港で行ったマングローブ植林では、オヒルギの苗200本を植林。自然再生型観光を勧めるエコガイドカフェの猪澤也寸志さんが指導に当たった。参加者たちは引き潮に合わせ遊歩道に沿って植林し、「観光客が来れば来るほどきれいな島」づくりに取り組んだ。
 このほか、プロエステティシャンの工藤陽子さんは、シルバーケア悠悠で入所者を対象としたエステ体験を実施し、まゆ毛カットやメイクをほどこし入所者たちを喜ばせた。

 写真説明(上)・自然再生型観光としてオヒルギの苗200本を植林する会員たち=9日、下地町川満漁港
 写真説明(下)・プロ野球千葉ロッテの元ヘッドコーチ醍醐さんによる野球教室。子供たちにバッティングなどを指導した=9日、平良市営球場

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池間湿原で新春探鳥会/宮古野鳥の会

 宮古野鳥の会(岡徹会長)は9日午前、恒例の新春探鳥会を平良市池間湿原で開いた。寒風が吹く中、愛鳥家ら23人が参加した。望遠鏡や双眼鏡で、猛きん類の仲間のハヤブサやチュウヒ、水面に浮かぶカモなどを見つけ、歓声を上げていた。
 一行は池間島灯台前に集合した。
 出発式で、岡会長は「野鳥観察と合わせて環境にも気を付けて観察してください」とあいさつした。
 同島出身で平良市議の與那嶺誓男さんは「池間湿原は以前はイーヌブー(北の入り江)と呼んでいた。池間漁港のしゅんせつ工事に伴う土砂で、入り江の入り口はせき止められ湿原になった。しかし、水草が繁茂し陸地化が進み、水鳥が少なくなった。水面を広げるためにはどうすればいいのか、みんなで智恵を出し合って考えてほしい」と説明した。
 その後、徒歩で湿原に向かった。湿原の上に突然、ハヤブサが現れた。
 金子進同会事務局長が「ハヤブサは瞬間的に時速300キロの速さで飛ぶ」と語ると、参加者らから「えーっ」と驚きの声が上がった。
 湿原の水面にはヒドリガモやカイツブリ、オオバンなどのほかに、水草にはムラサキサギやダイサギなどが見られ、双眼鏡をのぞいていた参加者たちから「いたいた!」などの声が上がった。
 この日は21種、61羽の野鳥を観察した。最も多かったのはヒドリガモの14羽、続いてウグイスの8羽だった。
 初めて参加した宮古高校2年生の国原結花さんと上里富士江さんの2人は「サシバの胸の横しまを初めて見て感動した。参加して良かった」と口をそろえて話した。

 写真説明・ハヤブサを確認して喜ぶ参加者ら=9日、平良市池間湿原

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110番通報、昨年は4648件/宮古署まとめ・飲酒がらみが増加

  きょう10日は、「110番の日」。宮古警察署(伊波盛春署長)がまとめた昨年1年間の110番受理状況によると、通報件数は4648件で、前年より81件減少した。このうち、泥酔者の保護、救護を求める通報は691件で、前年と比較し56件の増となり、「酒」に係る通報が増加した。また、問い合わせやいたずらなど緊急性のない通報もあり、同署では「110番は事件事故に遭遇し、警察官がいち早く現場に到着するための緊急制度。いたずら電話は絶対にやめてほしい」と呼び掛けている。
 事案別では、拾得物や落とし物の相談、手続きなどの各種照会が821件と最多。次いで、保護、救護関係(泥酔者、迷子、家出人など)が784件(前年735件)、交通関係(交通事故、交通違反など)が726件(同758件)の順となっている。
 そのほか、要望、苦情、相談(騒音などの公害、駐車問題など)が671件(同690件)、刑法犯(窃盗、粗暴など)が524件(同558件)となっている。
 飲酒関連では、泥酔者の保護、救護を求める通報のほかにも、酒に酔って起こしたけんかや口論など統計手法上、別事案に分類している酒に係る事案も合計すると総件数の3割近くに上るという。
 同署では、「飲酒絡みは増加傾向だが、通報総数は減少。事件、事故を未然に防ごうと活動している地域団体との連携が減少につながったのでは」と分析。また、相談や問い合わせなど、急ぎでない事案は警察相談専用電話「#9110」、宮古警察署(0980-72-0110)に電話するよう理解と協力を求めている。

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