200平成1  曜日

「宮古市」の決定理由、説明を/岩手県宮古市・新市名称で「質問状」

 宮古5市町村合併推進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)が合併後の新市名称を「宮古市」に決定したことに対し、岩手県宮古市(熊坂義裕市長)が難色を示している問題で5日、同市の熊坂市長から伊志嶺会長あてに質問状が届いた。今月14日を期限に▽新市名称を「宮古市」に決定した経緯と理由▽同一名称にしても混乱が生じないと判断した理由▽宮古市に事前の照会、協議を行わなかった理由▽同一名称とした場合の両地域へのメリット―の4項目について回答を求めるもの。伊志嶺会長は「できるだけ早めに回答をまとめ、7日にも回答を送りたい」と述べた。
 伊志嶺会長は今月17日にも同市を訪問し、新市名称が「宮古市」となったことについて説明する方向で日程調整を進めていた。このような中での熊坂市長からの質問状に、伊志嶺会長は「現段階では名称変更ということはない。事務局がこれまでの資料などを基に回答を準備している。できるだけ早い段階で回答したい」と強調。「来週中に向こう(岩手県宮古市)からの回答をいただきたい。同市への訪問も含めて対応を考えたい」との考えを示した。
 合併後の新市名称は、多良間村も加盟していた「6市町村」の枠組みだった協議会で昨年4月、「宮古市」とすることを確認した。下地町、上野村が離脱した「3市町」の枠組みでも昨年11月に「宮古市」の名称を改めて確認し、上野、下地の両町村が相次いで再加盟した「5市町村」の合併協では昨年12月に、これを追認した経緯がある。
 この件について岩手県宮古市側では、昨年12月の市議会で取り上げられ、熊坂市長は「当惑している」と答弁。その後、同市が周辺町村との合併申請を行った同月27日、同市長は「事前に打診がないのはあり得ない」として名称再考の要請も辞さない構えを示すなど、態度を硬化。質問状の中では「市民などから同一名称に伴う混乱を心配する声が相次いでいる」とけん制している。

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宮古島の印象など詠む/宮内庁・両陛下の歌8首を公表

 宮内庁は新年に当たり、天皇、皇后両陛下が昨年詠まれた歌計8首を公表した。陛下は、行幸啓で宮古島をご訪問された際の風景を、皇后さまは、同じく国立療養所宮古南静園をご訪問された際の気持ちなどを詠んだ。

【天皇陛下】
〈宮古島〉
 さたうきびの高く伸びたる穂を見つつ畑連(つら)なる島の道行く

〈御所にて二首〉
 顕微鏡に向かひて過ごす夏の夜の研究室にかねたたき鳴く
 台風のつぎつぎ来り被災せし人思ひつつ夏の日は過ぐ
〈小豆島より高松港に向かふ〉
 大島に船近づきて青松園の浜の人らと手を振り交はす
〈新潟県中越地震被災地を訪ねて〉
 地震(なゐ)により谷間の棚田荒れにしを痛みつつ見る山古志の里

【皇后さま】
〈南静園に入所者を訪ふ〉
 時じくのゆうなの蕾活(い)けられて南静園の昼の穏(おだ)しさ

〈踊り〉
 大君の御幸(みゆき)祝ふと八瀬童子(やせどうじ)踊りくれたり月若き夜に
〈幼児生還〉
 天狼(てんらう)の眼も守りしか土(つち)なかに生きゆくりなく幼児(をさなご)還(かへ)る
 ※空におおいぬ座のシリウス(天狼星)が昇る季節、ある時は天狼の眼も幼児を守ったのだろうか、と生還の思い掛けない喜びを詠んだ歌

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緊急避難はマリンターミナル/平良市・津波時で覚書締結

 平良市の伊志嶺亮市長は6日、同市役所で記者会見を開き、平良港の港湾労働者と利用者などの津波時緊急避難場所として宮古島マリンターミナルビル(代表・伊志嶺亮市長)と覚書を締結したと発表した。同市では緊急時避難場所として覚書を締結するのは初めて。伊志嶺市長は「万一の際にはすぐに対応できるようにする意味で市民の皆さんにはよく知っていただきたい」と述べた。

 覚書が締結されたのは昨年12月27日。同26日にはインドネシアのスマトラ島沖地震が発生している。6日までに15万人以上の犠牲が報道され、1771年に「明和の大津波」で約2500人が死亡したと伝えられる宮古島地方では対岸の火事では済まされない。一方で、2001年12月に津波注意報が、2002年3月に津波警報が、それぞれ宮古島地方に発令された際、平良港付近で海を見に行く住民らの姿が多く見られるなど、津波に対する警戒心が強いとは言えない状況にある。これらを踏まえ伊志嶺市長は「津波の恐れがある場合は決して海岸に近づかず、速やかに避難してほしい。そのときはエレベーターは使わず、階段を上ってほしい」と呼び掛けた。
 同ビルは4階建てで高さ19・5メートル。今回の覚書により、津波が発生、または発生する恐れがある場合には、港湾利用者らが緊急避難場所として使用できる。
 同市では1997年策定の防災計画で、同市役所をはじめ、カママ嶺公園や各小・中・高校などを災害時全般の避難場所としている。このうち津波時の避難場所として、海岸線にほど近い久松小学校、同中学校、翔南高校、宮古農林高校、北小学校と旧市民会館の6カ所を盛り込んでいる。

 写真説明・平良市が津波時の緊急避難場所として覚書を結んだ宮古島マリンターミナル(中央)

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圏域発展へ乾杯/関係者集い「新年会」

城辺町】
 城辺町の2005年新春の集いが6日午後、同町農村環境改善センターで開かれ、大勢の関係者が参加して新年の決意を新たにした。仲間克町長は「城辺町としては最後の新年会になるが、これは発展のための最後。新市発展のために力を合わせていこう」と参加者に力強く呼び掛けた。
 午後4時から開催された集いには町当局をはじめ県宮古支庁、議会、建設業、JAおきなわ宮古地区事業本部、農業など町の関係機関・団体の代表が詰め掛けた。
 鏡割りで集いの幕を開けた後、仲間町長が「昨年は台風や干ばつなど多くの自然災害に見舞われたが、皆で協力して乗り越えることができた。今年は酉年。新たな飛躍を期待したい」と決意を込めて話した。
 続いて同町議会の伊志嶺幹夫議長が「10月の合併に向け、議会議員という立場で今後も的確な判断をしていきたい」と決意。新しい市の発展を会場の皆さんとともに願いたい」と述べた。
 祝辞で宮古郡区選出の砂川佳一県議は「合併後は郡部の元気が新市の元気につながる。互いに連携しながら頑張ろう」と呼び掛けた。
 この後、宮古製糖の新里光男社長らが乾杯の音頭を取り、参加者全員で祝杯を挙げて、それぞれが新年の決意を新たにしていた。

 写真説明・乾杯で新年の決意を新たにした集いの参加者=6日、城辺町農村環境改善センター

【下地町】
 2005年下地町新年会が6日、同町農村環境改善センターで開かれ、各関係機関などから約230人が集い同町の発展を願った。川満省三町長は「今年は5市町村合併が最優先課題。合併は1人ひとりの協力、指導があって初めてできること。宮古は1つと気持ちをさらに高めて頑張りたい」と決意を述べた。
 新年会は友利久美子さんによる「かぎやで風」で幕開けした。主催者を代表して川満町長は「三位一体の影響で財政が厳しい中、少ない予算で大きな効果を上げるには地域住民の協力、職員の英知を結集することが必要。建設業界も厳しいと思うが英知を絞れば展望は明るいと思う。下地町の繁栄のため、協力をよろしくお願いします」と呼び掛けた。
 同町議会の川満廣俊議長は「『宮古は1つ』を合い言葉に羽ばたいていく年にしたい。今後の下地町の発展に期待したい」と述べ、乾杯の音頭をとった。
 来賓の砂川佳一県議は「宮古の振興において下地町は不可欠な町。郡部の発展なくして、新市の発展はない。この新年会が、子や孫に誇れるような町づくりの第一歩となる意義の深い会にしましょう」と祝辞を述べた。
 出席者たちは互いに新年のあいさつを交わしながら、健康と発展を誓い合った。

 写真説明・乾杯で今後の発展を誓い合う出席者ら=6日、下地町農村環境改善センター

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一斉放水で志気/消防出初め式

 2005年消防出初め式(主催・宮古広域消防組合、同組合消防団)が6日、同組合で行われた。消防職員、各市町村の消防団員をはじめ、行政関係者ら合わせて約200人が出席。展示訓練などを行い、火災防止や住民の生命・財産の安全確保に向け決意を新たにした。
 式典で同組合管理者の伊志嶺亮平良市長は「消防職員、団員の皆さんは、今後も消防の重要性を深く認識し、訓練に励んで新たな決意を持って一層の精進を切望する」と激励。同組合議会議長の川満俊夫平良市議は「日ごろから心身の強化と消防技術の向上を図り、いかなる災害にもその威力を発揮してほしい」と祝辞を述べた。
 また1日消防長を務めたミス・サンゴの伊志嶺和歌子さんは「ちょっとした気の緩みから出火することは多い。住民1人ひとりの防火意識の高揚が明るい地域づくりにつながる」と話し、住民の意識高揚を促した。式典では県消防協会による優良職員や団員の表彰も行われたほか、稲嶺恵一知事、座覇政為県消防協会長(いずれも代読)がメッセージを寄せた。
 この後の展示訓練では、5台の消防車から一斉に放水。隊員らは機敏な動きで日ごろの訓練の成果を披露した。
 また、幼年・少年防火クラブの余興として、あさひ保育園と花園幼稚園の園児らが踊りや演奏を披露し、式に花を添えた。

 写真説明・一斉放水で日ごろの訓練の成果を披露した展示訓練=6日、宮古広域消防組合

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和歌に親しむ/城辺中で百人一首大会

 城辺中学校(與儀千寿子校長)で6日午前、百人一首大会が開かれ、全校生徒が同大会を通して和歌に親しんだ。
 この大会は毎年恒例の行事で、百人一首ゲームを通して日本古来の伝統文化に親しむことや、和歌の世界に触れ、古人のものの見方や考え方を知ることで、生徒それぞれが今の自分を見つめ直す機会にすることが狙い。
 百人一首ゲームが始まると、生徒たちの表情は真剣そのもの。かるたをじっと見つめながら読み手の声に耳を傾け、見つけると「あった!」などの掛け声とともに、素早い動きでかるたを取っていた。
 最後の大会となる3年生の仲間利依さんは「最後の年だから思い出をたくさんつくろうと思って大会に取り組みました。期待通り、良い思い出ができた」と満足顔。濱川正泰君は「スリルがあってとても楽しかった」と感想を話し、宮国真之君は「集中するのがなかなか難しかったけど楽しかった。これからも続けたい」などと話していた。

 写真説明・百人一首を通して和歌に親しんだ生徒たち=6日、城辺中学校体育館

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