本日のニュース

２００５年（平成１７年）１月６日木曜日

☆ 笑顔で「大人」の仲間入り／各市町村で成人式

　「成人の日」の10日を前に、平良市、城辺町、下地町、上野村の４市町村は５日、成人式を挙行した。成人式を３日に行った伊良部町、４日に行った多良間村を合わせた宮古地区全体では、951人が「大人」の仲間入りを果たした。各市町村の式典会場には、着物やスーツで着飾った新成人たちの笑顔であふれ、「大人」として歩むこれからの人生に向け、希望で胸をふくらませた。平良市の新成人代表、嘉手苅翔さんは「待ちに待った晴れ舞台の中、希望で満たされている。私たちは新たな一歩を歩み始めるが、その一歩一歩に責任を持ち、前向きに歩んでいきたい」と決意を表した。
　平良市（伊志嶺亮市長）の成人式は午後２時30分から、マティダ市民劇場で開かれた。今年の新成人は563人（男性275人、女性288人）。
　新成人の友利大地さん、石嶺篤さんの司会で進められた式典で、伊志嶺市長は「皆さんには成人としていろいろな権利が与えられる一方、果たさなければならない義務も生じ、自らの判断と責任で行動することが求められる。これからの人生で大きな試練に遭遇することもあるだろうが、常に前向きに人生を切り開いてほしい」と激励。「平良市は今、市町村合併に向かって進んでいる。宮古圏域の将来を見据えて、すべての市民が健康で豊かな自然に囲まれた新しい市『宮古市』を築いていこう」と呼び掛けた。
　池間青昌市議会議長は祝辞で「皆さんはこれから、大人として世間に挑む。失敗を恐れず試行錯誤を繰り返しながら、自分の大人像を確立していってほしい」とエールを送り、「合併後の新市建設には皆さんの発想、発言、行動が必要。私たちの世代にない若い知識をふるさとの発展のために役立ててほしい」と期待を込めた。
　新成人を代表してあいさつに立った嘉手苅翔さんは「多くの方々に助けられ、励まされながらここまで来られたことに感謝の気持ちでいっぱい。私たちは新たな一歩を歩み始める。これまで多くの方々にいただいた力やアドバイスを、自分たちの力にプラスして夢をつかみ、これからの社会に貢献していきたい」と声高らかに誓いの言葉を述べた。

　写真説明・「大人」の仲間入りを果たし、笑顔を見せる新成人ら＝５日、マティダ市民劇場

　宮古本島内２工場（沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場）の今期製糖操業が17日からスタートする。宮古地区の2004－05年産サトウキビの生産量は25万7200トンで前期に比べ２万1600トンの減産。相次ぐ台風接近や夏場の干ばつなど自然災害が大きく響き、前期同様に厳しい作柄となる。宮古本島内の２工場ほか、宮糖伊良部工場は13日、宮糖多良間工場は19日に操業を開始する。
　04－05年産サトウキビは度重なる台風接近で折損茎が多く出た。さらに６－８月の干ばつ傾向で生育が鈍化、８月以降の台風では葉の裂傷などの被害が出るなど、自然災害が大きく響き減産が見込まれている。
　市町村別の生産見込み量は平良市が６万8200トン（前期比2500トン減）、城辺町が７万8800トン（同比4400増）、下地町が３万2100トン（同比1100トン減）、上野村が２万3700トン（同比500トン減）、伊良部町が４万1200トン（同比１万6600トン減）、多良間村が１万3200トン（同比5300トン減）となっている。城辺町のみ若干増産で、残りの市町村は減産を予想。自然災害の影響が大きかった伊良部町と多良間村では大きな減産が見込まれており、伊良部と多良間の両町村では６月の台風で成長途中の梢頭部が大量に折損したことなどが要因となって大幅減となっている。
　各市町村ともに厳しい生産量予想だが、年末年始の冷え込みに加え、今後の天候次第では各地ともに品質の向上が期待されている。

☆ 夫婦２人から５世代85人に／「新里家いとこ会」・

９６歳筆頭、やしゃご６ヶ月

　城辺町出身の新里カナさん（96）を囲んでの新里家いとこ会（平良一男代表）の親ぼく交流会が12月30日、平良市内のホテルで開かれた。約70人が出席。同家はカナさんと今は亡き夫、定軍さん夫婦を１世代として、今は５世代85人まで末広がり、子孫繁栄を盛大に祝った。カナさんは初めてやしゃご（５世代）の涼真ちゃん（生後６カ月）を抱き上げ「元気でかわいいね」と声を掛け終始、顔をほころばせた。今月５日に97歳の誕生日を迎えたカナさんはかくしゃくとして、色つやも良く若々しい。

　２世代の子供が12人（婿と嫁含む）、３世代の孫が40人（同）。４世代のひ孫が３１人（嫁が１人）、５世代のやしゃごが１人。それぞれの家族らが宮古、沖縄本島、本土、ハワイに住む。　
　開会式で、３世代の平良代表（県宮古支庁次長）は「新里家いとこ会の開催は20年ぶり。全員が国内外から一堂に会することで、血族のつながりが深くなる。カナおばあは、私たちの誇りであり宝だ。これからも健康長寿でお過ごしください」とあいさつ。会場から大きな拍手がわき起こり、歓声が響いた。
　カナさんが最も楽しみにしていたのは、初めてのやしゃごである涼真ちゃんとの初対面だった。涼真ちゃんは４世代の王司・智子夫妻の長男。家族３人は、名護市から駆け付けた。王司さんは、平良代表の長男。
　カナさんは涼真ちゃんを抱き寄せると「大きいね」と声を弾ませた。
　参加者の中では、１世代と５世代の記念撮影に大わらわ。会場は感動と歓喜に包まれていた。
　乾杯音頭の合間には、舞台で琉球舞踊などが披露された。
　最後は、全員でさらなる子孫繁栄を誓い合い、次回の再会を約束した。

　写真説明・カナさんはやしゃごの涼真ちゃんを抱いて顔をほころばせていた＝昨年12月30日、平良市内の共和ホテル

☆ 非協定業者を排除／伊良部漁協・年末年始に監視活動を実施

　伊良部町漁業協同組合（奥原隆治組合長）は昨年の12月29日から今年１月３日までの期間、伊良部島や下地島の周辺で海面利用協定を結んでいない非協定業者を排除する年末年始監視活動を実施した。30日に非協定業者の４隻に対して、監視船がスピーカーで大音響を鳴らし、監視海域から排除した。暴力行為など大きな混乱はなかった。
　奥原組合長は「海上保安署は非協定業者をガードし、『危険だから離れなさい』と言ってきた。監視船が危険なら、監視船のいる区域に入れなければいい。どうすれば解決するか考えがない」と厳しい口調で語った。
　排除行為を受けたある業者は「監視船に取り囲まれダイビングはできなかった。いつものように営業を邪魔された。お客さんにも嫌がられ大変困った」と述べ、「海上保安署は現場の混乱を見ているだけだった」と批判した。
　平良海上保安署は期間中ダイビングポイント近くに巡視船を配備。「下地島周辺で事故が起きないよう未然防止に努めた。特に大きな問題はなかった」、県宮古支庁農林水産振興課は「現場に足を運び状況把握に努めた。非協定業者が排除される場面もあったが、目立ったトラブルはなかったと認識している」とそれぞれ述べた。
　また、現場海域では「非協定業者が協定業者に嫌がらせをしている」などの情報もあり、問題は複雑化しているようだ。

　写真説明・現場海域では漁協による排除行為が行われたが大きなトラブルはなかった＝３日、伊良部町の下地島海域

☆ 認可時の運賃導入へ／海運２社・「値上げや改定料金ではない」

　伊良部町佐良浜港―平良港間に高速旅客船を運航させている「はやて海運」（川平三秀社長）と「宮古フェリー」（砂川恵路社長）の２社は今月１日から、1983年に沖縄総合事務局から認可された旅客運賃を導入した。
　２社とも「昨年末まで、認可された時の運賃より安い運賃を導入したのは、利用客の負担軽減のサービスが狙いだった。しかし、旅客船のドック費用の増大や燃料費の高騰、人件費の増加などで経営が圧迫され厳しい」と説明。その上で「今年１月１日からの新しい運賃は、認可当時の運賃に戻したもの。値上げや改定料金ではない」と話す。

　認可当時の運賃導入で、通勤割引は従来の１万円より4830円増の１万4830円となった。回数券は、1120円増の4120円。
利用客の50代の男性１人は「利用客には負担増となったが、会社の経営が厳しいなら仕方がないのか」と複雑な表情で話した。

☆ 晴れ姿一生の記念に／美容室・写真館、新成人でにぎわう

　宮古本島４市町村で成人式が行われた５日、各美容室や写真館は華やかに着飾った新成人らでにぎわった。街では、振り袖やスーツで正装した晴れやかな姿が目立ち、付き添いの父母らも笑顔にあふれていた。
　平良市内のある美容室では、スタッフらがヘア、メイク、着付けと役割を分担して１人ひとりの装いを完成させた。女性客は和装が中心で振り袖の色や柄、ヘアスタイルで個性を表現。店主によると、今年は淡いピンクの振り袖を好む人が多く、コサージュなどの小物でアクセントをつけるのが特徴だという。
　初めて振り袖を着たという山内朱里さん（平良市）は「イメージ通りのさわやかな感じに仕上がってとてもうれしい。早く両親に見せたい」と笑顔で話していた。

　一方、写真館では和装での身のこなしに四苦八苦しながらも、門出の日を記念に残そうと、次々に新成人らが訪れていた。
　緊張気味でポーズを取っていた仲間利賀子さん（平良市）は「慣れないので難しかった」と話し、母の利恵子さんは「今は着物のデザインもすてきなものがたくさんあってうらやましい。振り袖姿に娘の成長を感じます」と感慨ひとしおの様子だった。

　写真説明（上）・美容室は和装の着付けに大忙し＝５日、平良市内の美容室
　写真説明（下）・門出の日を写真に残す新成人＝５日、平良市内の写真館