200平成16  1228曜日

新市名称「宮古市」に当惑/岩手県宮古市長

 宮古5市町村合併推進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)が合併後の新市名称を24日の協議会で改めて「宮古市」とすることを決定したことを受け、これに異議を唱える岩手県宮古市の熊坂義裕市長は27日、「事前に打診がないのはあり得ない話。意見を聞いた上で名称の再考をお願いするかもしれない」と語り、改めて名称再考を辞さない構えを示した。一方、来年1月17日に同市を訪問し熊坂市長と会談する予定の伊志嶺会長は「名称が決定した経緯を説明しなければならない務めがある」として、あくまで理解を求める考えだ。

 このことは今月15日、岩手県宮古市の議会で取り上げられた。熊坂市長は「新市名称が同一となることには、率直に言って当惑している。岩手県宮古市が厳然として存在する中、同一名称の市が誕生することで、両地域の住民生活などにどのような不都合が予想されるか、しっかり検討され、宮古島から十分な説明が行われるものと考える」と述べた。また北村朋生総務企画部長は「こちらの方が元祖『宮古市』で、当然向こう(宮古島)の方が仁義を切るべき」と答弁するなど、ここへ来て岩手県側のけん制が強くなっている。
 24日の合併協では宮古市議会でのやりとりや、名称問題が岩手県の地元紙、全国紙でも話題となっていることが報告された。一部委員が住民意見を反映するためアンケートの実施を求めた一方、「決定は覆してはならない」との意見が大方で、結局、新市名称「宮古市」を改めて確認した。協議会終了後、伊志嶺会長は自ら熊坂市長に電話。「やはり『宮古市』に決まったのでこれは動かせない。その経過を宮古市に行って説明したい」と伝えた。これに熊坂市長は「できれば再考してほしい」と促したという。
 熊坂市長は27日、周辺町村との合併申請のため訪れた岩手県庁で「宮古島とは友好関係を保ってきた。名称で混乱するということになると両者にとって良いことではない」とコメント。同一名称に難色を示している。
 来年1月の会談で直接、名称再考の依頼があった場合の対応について、伊志嶺会長は「私の一存だけでは決められない。1月19日の合併協で会談の内容を説明することになる」との見通しを示した。
 新市名称は、6市町村の枠組みだった「宮古地区合併協議会」で今年4月、「宮古市」に決定。「宮古5市町村合併協」となる前の「平良市・城辺町・伊良部町」の3市町協議会でも11月に「宮古市」を決定した経緯があり、今月に入って「宮古5市町村」の枠組みでもこれを追認している。

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来月13日から操業開始/宮糖伊良部工場

 宮古製糖伊良部工場は27日、2004−05年産サトウキビの操業開始日を、来年1月13日に決定した。相次ぐ台風と夏場の干ばつの影響で、キビの質・量ともに厳しいスタートとなる。操業日数は78日間を予定し、3月中に操業は終了する。年明け操業になるのは2年ぶり。キビの被害が大きかったことから、キビの完熟やブリックス上昇を見越しての延期措置。
 新里光男宮古製糖社長は「台風4号と台風13号の影響で被害が大きかった」と話し「これからの冷え込みでブリックスは上がり、生産農家にも喜ばれる」と期待を寄せた。
 同多良間工場は来年1月19日から操業を始める。同製糖城辺工場と沖縄製糖宮古工場は来年1月中旬に操業を開始を予定しているが、操業日はまだ確定してない。
 同伊良部工場の当初生産見込み量は5万9000トン。しかし、台風などの被害で1万7800トン減の4万1200トンに下方修正した。反収では7−7・3トンを推移していたが、5・1トンの大幅な減収になる見込み。
 今年は相次いで7個の台風が接近したのに加え、夏場の干ばつによるダブルパンチで、サトウキビは大きな被害を受けた。特に6月の台風4号と8月の台風13号では、梢頭部の折損や葉裂傷などの被害が出た。同町の一部のキビほ場では現在、キビの立ち枯れ現象が見られる。

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獅子がきた/城辺町比嘉・助成事業で祭祀用具一式届く

  財団法人自治総合センターの一般コミュニティ助成事業で、城辺町比嘉地区に27日、獅子2頭が届けられた。新しい獅子の導入は同地区住民の「長年の夢」(本村弘幸公民館長)。同日は盛大な祝賀会が開かれ、地域を挙げて獅子の導入を喜んだ。
 同事業は町が県を通して申請。このほど認可を受け、獅子2頭のほかに、大太鼓やエイサー用の締太鼓、衣装(26着)、横笛2本、三味線2丁など250万円相当の祭祀(さいし)用具が届けられた。
 27日の祝賀会で比嘉地区の砂川清治部落会長は「心から感謝している。これを部落民の無病息災と融和に役立てるとともに、地域に残る伝統文化を次の世代に引き継いでいきたい」と感謝と決意を話した。
 本村公民館長は「(事業認可は)地域の伝統と意思を引き継いできた成果。今後も継承、発展させ、将来的には観光振興でも役立てたい」と話した。同地区の芸能保存会の照屋秀雄会長は「長年の要望が認められて本当にうれしい」と喜ぶとともに、本村館長と同様に伝統文化の継承と発展を誓った。
 比嘉地区には約250年前から住民によって受け継がれてきた「比嘉の獅子」があり1913年からは「二十日正月(パツカショウガツ)」など厄払いの伝統行事を続けている。現在ある獅子は古く、痛んでいることから、同地区住民は新しい獅子の導入を求めていた。今後は現在ある獅子と新しく入った獅子を併用して各地で活動していく方針。

 写真説明・2頭の新しい獅子の導入を喜ぶ比嘉の住民ら=27日、城辺町の比嘉公民館

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佐良浜小男子が準優勝/県ミニバスケ冬季選抜大会

  第19回県ミニバスケットボール冬季選抜大会は25日から27日までの3日間、西原町民体育館を主会場に行われ、佐良浜小男子が強豪の高原小(沖縄市)、砂川小などを下し、準優勝となった。チームは27日夕、帰島し、宮古空港で出迎えた父母や教職員らに準優勝を報告した。下地孝平主将は「皆さんの応援のおかげで準優勝できた。ありがとうございました」と感謝した。
 順調に勝ち上がった佐良浜小は準々決勝で強豪の高原小と対戦。第4クオーター残り8秒で勝ち越しゴールを決め、準決勝に駒を進めた。準決勝は宮古地区の大会で大きな壁となっているライバル、砂川小と接戦を演じ、3点差で振り切った。北谷小(北谷町)との決勝はエース・上地秀隆君の負傷が響いて惜敗した。
 砂川靖夫監督は「夏の県大会がベスト4止まりで今回は優勝を目指し、文武両道で頑張ってきた。優勝を逃したのは残念だが、子供たちの成長を喜びたい。一人ひとりが自分の力を生かし切った良い大会だった」と選手をたたえた。
 佐良浜小からはセンターの上地君とポイントガードの山城和弥君が大会MVPに選ばれた。

 写真説明・県ミニバスケット冬季大会で準優勝した佐良浜小の選手ら=27日、宮古空港

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中学生が危険物取扱試験に合格

伊良部君(西辺中3年)、仲里君(上野中3年)

  危険物取扱者国家試験がこのほど宮古工業高校で行われ、乙種第二類に平良市立西辺中学校の伊良部裕馬君(3年)、乙種第四類に上野村立上野中学校の仲里真平君(同)が合格した。同試験は、中学生から一般まで約150人が受験。このうち、中学生は4人が受験した。合格した伊良部君と仲里君は「合格できてうれしい。今後も目標の資格を取得できるよう頑張りたい」と声をそろえ、笑顔を見せた。
 伊良部君は今回までに乙種の第四、第一、第六、第二類を取得。今後は残す第三、第五類に挑戦し、乙種全類の合格を目指したいと意気込む。今回、仲里君が取得した第四類はガソリンスタンドの経営が可能になるなど実用的な資格。試験内容は、法令・物理化学、性質などの出題があり60%以上の点数が合格ラインとなる。
 2人は、指導にあたった宮古工業高校教諭の濱元誠喜教諭の自宅で学習するなど、合格に向けて努力を重ねたという。伊良部君は「将来の幅を広げるために、高校に入学しても資格取得に向けて頑張りたい」、仲里君は「自信は半々だったが、好きな分野だから続けられた。一発合格できてうれしい。高校受験も頑張りたい」とそれぞれ喜び、今後に向けての意欲を示した。
 濱元教諭は「2人とも基礎学力がしっかりしていた。早い時期に資格を取得することで、高校卒業後の進路の選択肢が広がる。中学生もどんどんチャレンジしてほしい」と、意識の広がりに期待を込めた。

 写真説明・危険物取扱者国家試験の乙種第2類に合格した伊良部君(左)と乙種第4類に合格した仲里君=27日、県立宮古工業高校

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