200平成16  1221曜日

平良城辺線の電線地中化へ/05年度内閣府沖縄予算原案内示

 【那覇支局】政府は20日、2005年度予算の国庫原案と04年度補正予算を各省庁に内示した。内閣府沖縄担当部局の内示額は04年度当初予算に比べ、3・6%(105億8800万円)減の2828億9200万円。公共事業中心の沖縄振興開発事業費が全国並みの4%減と抑制され、04年度予算に続き3000億円には届かず、4年連続の前年割れとなった。公共投資の新規事業で、平良城辺線の電線地中化に向けた共同溝整備も盛り込まれた。離島活性化ではブロードバンド環境整備事業が認められた。

 ソフト面の基本的政策企画立案等経費に289億3500万円が確保され、前年度比で1・6%(4億5600万円)の増。離島活性化事業は情報基盤整備費が計上された。三位一体改革の補助金改革に伴い、沖縄担当部局に新たに公共事業関連の「沖縄振興特別交付金」を創設した。
 平良城辺線の電線共同溝整備を含む19の主要な新規事業はすべて認められた。新石垣空港は実施設計費が計上され、計画から30年近くで本格始動することとなった。沖縄科学技術大学院大学関連経費は整備法人運営費が盛り込まれた。離島活性化やベンチャー企業の育成、産業・科学技術の振興など自立経済の構築に重点が置かれている。
 ハード(公共事業)中心の沖縄振興開発事業費等は2539億5700万円で、04年度予算比で110億4400万円減額した。
 継続事業の伊良部架橋(一般県道平良下地島空港線)建設の予算額や事業は、年度末の個所付けで明示される。同事業は現在、橋梁基本設計、取付道路と海中道路の実施設計などを進めている。来年度では橋梁本体の実施設計などが予定となっている。

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米軍機が再飛来/下地島空港・今月4回目

 在沖米海兵隊は20日午後、フィリピンへの災害救援物資搬送を終え沖縄本島の普天間基地へ帰還途中のCH型輸送ヘリ2機と、同基地からのKC130型空中給油機1機を伊良部町の下地島空港に着陸させた。相次ぐ飛来に、フェンス越しで抗議集会を開いた労組や平和団体などは怒りを爆発。参加者40人余りが拳を突き上げ「米軍は直ちに出ていけ」「米軍は二度と来るな」などのシュプレヒコールで抗議した。県の再三の自粛要請を無視し、今月に入ってから4回目の飛来。
 米軍は今月上旬、人道支援物資輸送の給油目的で同空港を使用。2回に分けてヘリ6機がフィリピンへ向かった。帰還したヘリは18日の2機と今回の2機の計4機。残り2機は、フィリピンに前線が発達していることから、帰還日程は調整中。
 この日は、空中給油機が午後1時56分に着陸。約30分後にヘリ2機が着陸した。米軍機の識別番号から、1機は今月8日、もう1機は9日に飛来したヘリとみられる。
 那覇検疫所の職員1人が検疫を実施。この後、給油は開始され、午後3時すぎ、ヘリ2機と空中給油機1機は同基地へ向け離陸した。   
 米軍機が駐機中の集会では、「下地島空港の軍事利用反対」などと大書されたのぼりやプラカードを掲げて抗議した。
 島尻清県職労宮古支部副支部長は「今年米軍機が飛来した日を調べてみると、4月28日はサンフランシスコ条約で沖縄が本土から離された日、12月8日は第二次世界大戦が始まった日。地域協定と日米安保条約の見直しに向け、運動を続ける必要がある」と述べ、米軍機の飛来を糾弾した。

 写真説明(上)・今月に入ってから米軍機の飛来は四回目。空中給油機(右)の給油ホースを使ってヘリに給油した=20日、伊良部町の下地島空港
 写真説明(下)・参加者らは相次ぐ飛来に怒りを爆発させて抗議した=20日、伊良部町の下地島空港

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浜川町長「ごみ焼却炉施設は必要」/伊良部町議会

 伊良部町議会(友利浩一議長)12月定例会2日目の20日、一般質問が行われた。浜川健町長は「焼却炉施設の必要性については重々知っている。現在ごみはフェリーを使って宮古本島へ海上輸送しているが、フェリーを利用する観光客らから『ごみの臭いが出る』と苦情がある。宮古清掃施設組合と必要性について充分に議論し理解を得たい」と述べた。洌鎌敏一氏の質問に答えた。

 この日は洌鎌氏のほかに、佐久本洋介、島尻始の2氏が登壇し、町政全般について当局の考えをただした。
 洌鎌氏は、民間業者が同町でごみ焼却炉を建設したいとする計画があることに触れた上で「わが町のごみ焼却炉施設は2001年に閉鎖された。閉鎖された要因は、老朽化によりダイオキシンの排出基準をクリアできなくなるからだった。現在の海上輸送では、フェリー内にごみの臭いが漂い、観光イメージに悪い。また台風などの影響でフェリーが欠航すると、町内にごみがたまる。新たに焼却炉施設の考えはないか」と質問した。
 これに対し浜川町長は「5市町村が合併した場合に、新たにごみ焼却炉施設を整備する計画がある。伊良部町でのごみ焼却炉施設については、他の4市町村と話し合えば理解が得られると思う。議会でも後押しをお願いしたい」と語った。
 佐久本洋介氏は、伊良部町離島振興総合センターについて「老朽化が進み、コンクリートが剥離し危険な状態。対応策は」とただした。
 浜川明芳・同町佐良浜支所長は「このセンターは建設してから27年経っている。3年前からコンクリートの剥離が起こっているが、その部分はその都度修繕している」と理解を求めた。
 島尻氏は、町の厳しい行財政運営について追及。浜川町長は「先行投資で多額な公共施設を造ったことも原因があるが、国の三位一体による地方交付税交付金の大幅な削減で行政改革をやっても追い付かない。町が生きる道は合併しかない」と改めて強調した。

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「在任特例」に反対/青年団が街頭署名

  宮古青年会議所(JC=伊沢忠憲理事長)など4つの青年団体は20日午後、市町村合併後の議員身分について、定数は25、在任特例は適用せず市長選挙と議員選挙を同日に施行することを求める署名活動を展開した。市内のスーパーなど5カ所で活動し、多くの買い物客らに署名を呼び掛けた。署名はきょう21日まで行い、22日に合併推進協に要請書を添えて提出する。署名数の目標は3000人。
 署名活動は宮古青年会議所をはじめ、宮古観光協会青年部、沖縄宮古商工会議所青年部、伊良部町商工会青年部の4団体で実施した。
 活動参加者は「新市の議員定数は25人、在任特例は適用せず、新市市長選挙と議会議員選挙は同日選挙とする」などと書かれたプラカードを掲げながら署名を呼び掛けた。
 実施団体は今回の活動について「市町村合併はスリム化を図り、財政支出を抑制することが大きな目的。議員定数や選挙費用も例外ではない」とし「新市の議員数は30人、7カ月の在任特例という提案に、住民は納得できない」と主張。
 在任特例については「小委員会の中で『同日選挙では混乱が起きる』『新市の予算編成を見届ける義務がある』『地方の意見が通らない危惧がある』などの意見が出ているものの、それらには何の根拠も見い出せない」と主張しており、在任特例を適用しないよう多くの市民に呼び掛けていた。

 写真説明・合併後の議員身分についての署名活動が市内スーパーなどで展開された=20日、サンエーショッピングタウン宮古食品館前

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平良中が金賞ダブル受賞/県吹奏楽アンサンブルコン

 平良市立平良中学校吹奏楽部のクラリネット四重奏と金管八重奏が、第29回県吹奏楽アンサンブルコンテスト(18・19日、具志川市民芸術劇場)で金賞を受賞した。同校の両演奏での金賞は2年連続。四重奏は来年2月に福岡県で開催される九州大会に県代表として派遣される。宮古地区の中学校で、九州大会出場は同校が初めてという。
 同コンテストの中学校の部には、三重奏から八重奏まで86チームが出場し、日ごろの練習の成果を競った。
 平良中の四重奏チームは「ファンタジア」、八重奏チームはガーシュイン作曲の「プレリュード」を演奏した。講評では「(四重奏は)4人とも力が安定して、バランスが取れている。表現力のレベルが高い」、八重奏については「8人の演奏力が高く、まとまっている」と評があったという。
 クラリネットパートリーダーの友利志穂さん(3年)は「九州大会出場は初めてということなのでうれしい。練習していた時のようにうまくできた。これから九州に向けて頑張りたい」と喜びを語った。
 吹奏楽部顧問の下地健作教諭は「普段通りの力が発揮できた。九州大会出場はうれしい。今後、課題を修正して臨みたい」と話した。
 平良正校長は「生徒たちの音は、美しくて繊細。九州でもいい線までいけると期待している。九州大会を糧に、高校でも伸びてほしい」と祝福した。

 写真説明・金賞を受賞した四重奏と八重奏チームのメンバー=20日、平良中学校

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4個人・団体の受賞祝う/県文化協会賞と沖縄文化協会賞

 2004年度県文化協会賞で個人功労賞の池村恒仁さん(83)、個人奨励賞の与那覇寛仁さん(62)、団体賞の宮古写真愛好家協会(与儀一夫会長)と、第26回沖縄文化協会賞・比嘉春潮賞の下地和宏さん(58)の受賞祝賀会(主催・平良市文化協会)が19日夜、平良市内のホテルで開かれ、文化活動に携わる関係者らが多数出席して4個人・団体を祝福した。
 池村さんは小学校の図画工作科の教員として子供たちの美術の向上に努め、絵画サークル「二季会」でも中心的役割を果たすなど、地域の美術振興に大きく貢献した。「大勢の祝福に、心から感謝、感激している。受賞をありがたく受け止め、これからも前向きの姿勢で全力を尽くしたい」と決意を新たにした。
 野村流伝統音楽協会宮古支部長で、公民館での三線講座や芸能チャリティー公演の開催など、文化振興、地域福祉への貢献が評価を受けた与那覇さん。「受賞は身に余る光栄。これからも自分にできる範囲で、肩を張らずに活動していきたい」と意欲を見せた。
 発足10年の宮古写真愛好家協会は各種コンクールを開催するほか、全日本トライアスロン宮古島大会の様子を紹介する「ストロングマン写真展」を毎年開くなど活動は多岐にわたる。与儀会長は「あっという間の10年だった。これからの活動にも期待してほしい」と述べた。
 「沖縄文化協会賞」は、沖縄文化の研究や「沖縄学」の研究者を顕彰する全国的な賞。考古学研究に関する「比嘉春潮賞」に選ばれた城辺町教育委員会職員の下地さんは、宮古の考古学を長年研究し続けている。「先島の先史は沖縄本島とまったく異なり、本土の影響も受けていない。これが分かれば素晴らしい宮古が明けてくる」と、今後の研究に意気込みを示した。
 祝賀会では主催者代表の立津精一・平良市文化協会長、来賓の伊志嶺亮平良市長、安和朝忠県宮古支庁長が受賞を祝福。踊りや歌の余興が会に花を添えた。

 写真説明・(右から)県文化協会賞の池村さん、与那覇さん、写真愛好家協会の与儀会長、沖縄文化協会賞の下地さん=19日、平良市のホテル共和

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