「宮古5市町村合併推進協議会」(会長・伊志嶺亮平良市長)は合併後の新市名称を「宮古市」と確認しているが、岩手県宮古市ではこれを疑問視する声が上がっている。同市総務企画部によると、熊坂義裕市長は「同一名称にするなら事前に相談があるべきで、一方的に決めたことは遺憾だ」との見解を示しており、合併推進協に説明を求める考え。その内容によっては、名称の再考を求めることも視野に入れている。新市名称について「岩手県からさまざまな声が届いている」と苦慮する伊志嶺会長は、来年1月にも同市を訪問する方向で合併推進協事務局の調整が進められている。
新市名称は、6市町村の枠組みだった「宮古地区合併協議会」で今年4月に「宮古市」に決定。「宮古5市町村合併協」となる前の「平良市・城辺町・伊良部町」の3市町合併推進協議会でも11月17日に「宮古市」を決定した経緯がある。
同市総務企画部によると、伊志嶺会長は今年1月に熊坂市長あてに手紙を送っていた。「迷惑を掛けないようにする」との内容で、同市長は「これは名称を『宮古市』にしない、との意味だ」ととらえていたようだ。
また同部は沖縄県市町村課にもこの対応について照会したが、「沖縄県は『伊志嶺会長から名称の問題について電話させる』としていたが、その後どのような対応をしたかは分からない。伊志嶺会長からの連絡もない」という。
本紙の取材に対し同部は「今月24日の合併推進協議会で名称について協議する意向だと聞いている」とし、今後の合併推進協の動向を注視している。
この件で合併推進協の糸数健事務局長は17日、全国紙や岩手県の民放テレビの電話取材に対応した。
岩手県宮古市は同県沿岸のほぼ中央、本州最東端に位置する人口5万5000人の港町。豊富な漁場である三陸の拠点となっている。多良間村とは姉妹都市として交流を続けている。
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