200平成16  1214曜日

議員定数3人削減、7人へ/多良間村議会

 【多良間】開会中の多良間村議会12月定例会は13日、議会発議で提案した議員定数を現在の10人から7人に削減する案を全会一致で可決した。来年6月8日の任期満了に伴う議員選挙は、7人の定数で実施される。議員定数削減は国の三位一体改革で村の財政状況が厳しくなることから、歳出を抑制し行財政運営の効率化を図るため実施。合併せず自立を目指している同村は、きょうの最終本会議で教育委員、農業委員数の削減案についても提案する予定。

 削減する議員定数については、1日に開いた全員協議会で決定した。今定例会では「行財政運営の効率化を図る観点からも経費の節減は今後もいっそう強化しなければならない。人口の減少に伴い適正な定数を定めることにより経常経費の抑制が実現できる」との理由で議会発議として提案。起立による採決を図った結果、全会一致で可決した。
 兼濱朝徳村長は国の三位一体改革による地方交付税削減などに対応するため、歳出抑制を図る行財政改革として議員定数削減や教育委員、農業委員定数の削減などに取り組む方針を示していた。
 この日の議会では村当局が▽2004年度一般会計補正予算案▽国民健康保険事業特別会計予算補正案▽介護保険特別会計補正予算案―について提案し、原案通り可決された。
 一般会計補正予算では、歳入歳出にそれぞれ6787万9000円を計上。農業振興費として小型ハーベスターを新しく1台導入するほか、離島航空路確保対策運航費補助などを盛り込んだ。予定していた議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例案は提案されなかった。

top.gif (811 バイト)

ご訪問の喜び後世に/城辺町・「行幸啓記念碑」を除幕

 今年1月25日に行われた天皇・皇后両陛下のティダファームたらま(城辺町友利、多良間伸也代表)のご視察を記念し、城辺町(仲間克町長)は同所に「行幸啓記念碑」を建立、12日に除幕式を行った。除幕式には仲間町長をはじめ町内外の関係者が多数参加、当日の記憶を振り返るとともに、ご訪問の喜びを後世に伝えることを誓った。
 式典では、仲間町長のほか下地敏彦助役、松川博光収入役、伊志嶺幹夫同町議会議長、県宮古支庁の平良一男次長(安和朝忠支庁長代理)、多良間代表が除幕し、記念碑の建立を喜んだ。
 あいさつに立った仲間町長は「歴史に残る日の感激と緊張感を思い出している。城辺町に両陛下がいらっしゃったことを永く伝えていきたい」と述べた。平良次長は「両陛下は農業へのご関心も高く、ご理解が深かったのが印象的。記念碑の建立は、宮古全域の住民に活力と希望を与える」と話した。
 また、多良間代表は「両陛下のご来島は昨年7月にうかがったが、内密な事項ということで親兄弟にも黙っていた」と明かし「台風14号が襲来したときには相当の被害が出て心配したが、無事にお迎えすることができて良かった。記念碑を日々の支えとし、夢のある農業を展開していきたい」とあいさつした。
 記念碑には「世界で初めての技術による地下ダムと、その水を利用した『有限会社ティダファームたらま』の農業について御説明をお受けになり、併せて農家及び関係者に対しても温かい励ましの御言葉をかけていただきました」などと刻されている。
 記念碑建立は、同町がティダファームたらまの土地の一部を買い取り、約300万円かけて行った。町産トラバーチン製で高さは約3メートル、幅1・6メートル。「行幸啓記念碑」の文字は、多良間代表の妻・リキ子さんの自筆をもとに作製したという。

 写真説明・仲間町長(左から3人目)らが行幸啓記念碑を除幕した=12日、城辺町友利のティダファームたらま

top.gif (811 バイト)

平良さんの上布が総理大臣賞/全国伝統的工芸品公募展

 平良市西里に住む平良洋子さん(48)の織った宮古上布が2004年度全国伝統的工芸品公募展(主催・伝統的工芸品産業振興協会)で、最高賞の「内閣総理大臣賞」に輝いた。29回の公募展の中で、宮古上布の最高賞は平良さんの作品が初めて。「(織物を始めて)20年の節目に大きな賞がもらえたことは夢のようです。これからもいい物を心を込めて、織っていきたい」と喜びを話した。

 「何か形に残る仕事をしたい」との思いにかられた平良さんは、姉の手ほどきを受け、機織りを始めた。最初の1年は草木染めの苧麻(ちょま)糸などを織り、2年目から宮古上布1本でやってきた。
 今回出品した上布は、あい染めの十字絣(かすり)(反物)で作品名は「風車」。絣締め職人の垣花英好さんが名付けた。
 審査会は7日にあり、受賞の知らせが届いたのも同日。「『一番目のグランプリですよ』と言われた。うれしいというより、びっくりした」と話し、その時の感激は今でも覚めやらぬ様子。宮古織物事業協同組合の赤嶺一成理事長によれば、厳しい伝統基準を順守している点や、品格、色合いの良さなどが評価されたという。
 同作品は9日−19日まで、東京都の全国伝統的工芸品センターで展示中。表彰は来年3月に東京都内で行われ、50万円の副賞も贈られる。
 平良さんは上布織りの魅力について「縦糸と横糸の絣が合い、わずか数ミリの十字絣が、うまく織れた時は気持ち良い」と語り、今後に向けて一層の意欲を見せた。
 赤嶺理事長は「宮古上布に携わる人を勇気づける価値ある賞。組合としても受賞を誇りに思う」と、平良さんの快挙を祝福した。
 平良さんはほかに02年の県工芸公募展での最優秀賞、今年の西部工芸展での浦添市長賞などの賞歴がある。

 写真説明・総理大臣賞を受賞した平良さん=13日、宮古伝統工芸品研究センター

top.gif (811 バイト)

旧ターミナルビル解体/平良港・跡地は「青空市場」で活用へ

 平良港内にある旧ターミナルビルの解体工事が始まっている。13日には、ごう音を響かせながら重機を使用して建物を南側から突き壊していた。解体工事は今月20日ごろまでに終了する予定。平良市では、マクラム通りから直線的に進入できるように道路整備を行うほか、青空市場の会場として跡地を活用していきたい考え。
 旧ターミナルビルは1976(昭和42)年に建設されたもので、鉄筋コンクリート3階建て。総床面積は709・65平方メートル。96年に第4ふ頭前に新しいターミナルビルが建設され、離島航路離発着場が移ってからは閉鎖されていた。
 移転に伴い、市では旧ビルを撤去し、港湾内道路や緑地の整備を計画していたが、旧ビルの完成当初から売店を営んでいた入居者が借家権を主張し、補償を求める訴訟を起こしたため、撤去できずにいた。
 2002年に行われた第一審で市は、「ビルは公共施設であり、年次ごとに使用許可を更新している。民間の借家法には該当しない」と主張。市側の主張が認められ全面勝訴したが、前入居者が控訴。しかし、翌03年7月、9月に高等裁判所、最高裁判所が相次いで訴えを棄却し、市側の勝訴が決まった。
 その間、壁面の一部がはく離し、腐食した鉄筋が表面化するなどの状態で放置され、コンクリート片の落下による事故の危険性も指摘されていた。

 写真説明・重機を使用し、解体作業が行われている=13日、平良港旧ターミナル

top.gif (811 バイト)

76人が盤上で熱戦/平良市長杯囲碁大会

  第18回平良市長杯争奪囲碁大会(主催・日本棋院平良支部、宮古毎日新聞社、主管・こすみ囲碁教室、後援・知念かおり後援会、はまぐり会など)が12日、同囲碁教室で行われた。76人が参加し、熱戦の結果、A組(5段以上)は松原信勝5段(=下写真、B組(3、4段)が譜久村邦彦4段、C組(2段以下)は玻座真善召(はざま ぜんしょう)初段が優勝した。3人は実力が認められ、それぞれ1階級昇段した。
 対局に先立って開会式があり、黒島正夫日本棋院平良支部長、松原清吉宮古毎日新聞社編集局顧問、伊志嶺亮平良市長があいさつし、参加者らを激励するとともに、宮古囲碁界の発展を願った。
 大会にはA組に32人、B組に23人、C組に21人の合計76人が参加した。
 対局は手合割で行われ、参加者たちは目を盤面にくぎ付けにし、一手一手慎重に打ち進めていた。勝ち星が重ねられ、成績の良い人同士の優勝決定戦になると、周りを多くの人が囲み観戦していた。
 5戦全勝で優勝し6段昇段も認められた松原5段は「ラッキーな面もあり優勝できた。最高段に昇格できてうれしい」と喜びを語った。
 10数年ぶりに大会に参加し優勝と昇段を決めた譜久村4段は「久々の優勝はうれしい。長い間打っていなかったが、来年からは本格的にやってみたい」と話し、満面の笑み。
 玻座真初段(宮古島地方気象台勤務)は「サマー囲碁まつりの成績が悪かったので、1つでも多く白星をとの思いで打ったら優勝できた。宮古島での良い思い出になった」と話した。
 閉会式では、入賞者らにたくさんの賞品が贈られた。
 【A組】▽優勝=松原信勝5段(5勝、6段に昇段)▽準優勝=宮里光雄7段格(4勝1敗)▽3位=野原常彰6段(3勝1敗)▽敢闘賞=池田友彦7段格(同)知念一将6段(同)、砂川貞雄5段(同)、下地康嗣5段(同)、下地恵典5段(同)
 【B組】▽優勝=譜久村邦彦4段(5勝、5段に昇段)▽準優勝=砂川恵政3段(3勝1敗)▽3位=下地春義4段(同)▽敢闘賞=下地忠男4段(同)、大宜味春市3段(同)、平良登3段(同)
 【C組】▽玻座真善召初段(4勝、2段に昇段)▽準優勝=与那覇昭男2段(3勝1敗)▽3位=下地盛一初段(同)▽敢闘賞=上里栄初段(同)、寄川和久初段(同)
 
 写真説明(上)・76人が参加しにぎわった平良市長杯争奪囲碁大会=12日、こすみ囲碁教室
 写真説明(下)・松原信勝5段

top.gif (811 バイト)

最高速度50キロに引き上げ/県道78号 線片側2車線区間

 平良市の県道78号線(通称・平良城辺線)の、JAおきなわ宮古地区事業本部から第3給油所までの上下線約2キロの区間で、12日から最高速度が40キロから50キロへ引き上げられた。
 宮古警察署(伊波盛春署長)では、「速度制限が引き上げられたことで、通行する車両の平均速度が高くなる。今まで以上に安全運転を心掛けてほしい」と呼び掛けている。
 最高速度の引き上げは、住民からの要望があったことや、片側二車線という道路の形態を踏まえ、県公安委員会が協議、決定した。
 今回、県道78号線で最高速度規制が引き上げられたことにより、県道243号線(平良高野線)、県道83号線(一周道路)の一部に次いで宮古地区内3カ所目の制限速度50キロ道路となる。
 同署では、先月30日に県道78号線で発生した交通死亡事故を挙げ、「実際に、死亡事故が発生した現場。制限速度をしっかり守ってほしい。また、通行車両の平均速度が上がるので、車線変更の際など、今まで以上に徹底した安全確認が必要になる」と警告している。

top.gif (811 バイト)