200平成16  1212曜日

期間中の報酬額で混迷/合併に伴う議員在任特例

 市町村合併に伴う議員身分について「議会議員の定数および任期に関する検討委員会」が7カ月在任特例を適用するとの判断になり、その間の議員報酬について各議会が協議に入った。新市発足の来年10月1日から7カ月間、新市の議員は現行の5市町村議員81人がそのまま残って現行の報酬を受けた場合、その報酬総額は月額で約2000万円。7カ月間だと約1億4000万円となる。さらに合併新市は81人の議員の退職年金共済金も負担し、その総額は月額で約200万円、7カ月間では約1400万円となり新市財政に重くのしかかりそうだ。

■自治体負担の議員年金「共済金」
 議員はその報酬額から退職年金の共済金を負担している。しかし、自治体も同様に議員数に応じた共済金を「議会議員共済会」に負担し、その負担額は議員月額報酬の10・5%となっている。これにより合併新市は、81人分の報酬に加えてこの共済金が歳出として発生することとなる。
 在任特例期間中の議員報酬について平良市議会は「現行のまま」、城辺町と上野村両議会は「5市町村議員報酬の平均」との見解だが、どちらの場合も議長と副議長が1人ずつとなってその分の報酬額が若干減りはするものの、いずれにしても議員報酬の総額はほぼ同じであることから新市の負担額に変わりはない。
■「議員退職年金」
 今後の協議でカギを握りそうなのが議員の「退職年金」だ。本来、退職年金は「3期12年」の議員が対象だったが合併の特例で「2期8年」の議員も対象となる。
 議員年金は、退職時から遡った24カ月分の報酬額が査定の対象となる。合併後すなわち退職までの7ヶ月間の報酬月額は、城辺、上野村両議会の案だと、平良市議報酬は現行より約10万円減る。一方で他の4町村は2万4000円―2万8000円増える。
 これにより、市議で「2期8年」以上の議員の年金は7カ月間の減額も加味された報酬額が対象となり、支給される退職年金も当初予定よりも減額される。一方で、4町村の議員で「2期8年」以上の議員は逆にその退職年金が当初よりも増えることとなる。
 議員の退職年金は辞めてから生涯支給されることから、減額される市議の対応が注目される。
■今後の予想
 今月14日には伊良部町が同件について協議する予定だ。「城辺と上野両議会の判断と同じ見解になるのでは」と関係者の間ではささやかれている。
 平良市と下地町は新市が発足する来年10月に任期満了となるがほかの3町村は約1年間任期を残す。任期より長く報酬を受ける平良市議だが減額された報酬額は年金の減額につながる。15日の合併推進協議会ではこの問題について各議会の意向が出そろうが協議は難航しそうな状況だ。
   (垣花尚記者)

top.gif (811 バイト)

ファミリー与那覇が優勝/宮古毎日新聞社杯軟式野球

 第13回全宮古軟式野球選手権大会―第2回宮古毎日新聞社杯―(主催・宮古野球連盟、宮古毎日新聞社)の決勝戦が11日、平良市営球場で行われ、ファミリー与那覇が2−0でグランドスラムを下し、優勝。約2カ月間にわたる熱戦に幕を閉じた。
 決勝戦はファミリー与那覇の前川寿文、グランドスラムの仲間勝美という好投手の投げ合い。両投手とも一歩も引かず、緊迫した試合となったが、少ないチャンスを生かし、得点まで結び付けたファミリー与那覇に軍配が上がった。
 ファミリー与那覇は準々決勝で、苦しみながらも前回大会の覇者、りゅうせきエネプロ宮古(旧宮古燃料)を下した勢いをそのまま持続し、一気に出場89チームの頂点まで登り詰めた。
 一方、決勝戦で惜しくも敗れたグランドスラムは、昨年結成された新しいチーム。先に行われた當間杯B級を初出場で制し、公式戦無敗のまま決勝戦に臨んだが、決勝戦ではファミリー与那覇の投手、前川寿を攻略できず、初黒星を喫した。
 主催者を代表して宮古野球連盟の本村元享顧問は「両チームとも実力を持った素晴らしいチーム。今後も宮古の野球を引っ張ってください」とあいさつした。
 宮古毎日新聞社の真栄城宏社長は、決勝戦で全力を出し合った両チームの健闘をたたえるとともに、「今後も野球を通して親ぼく、交流を深めてください」などと激励した。

 写真説明・与那覇登監督を胴上げし、喜びを爆発させるファミリー与那覇の選手ら=11日、平良市営球場

top.gif (811 バイト)

息合った演奏に大きな拍手/全宮古吹奏楽祭

 第18回全宮古吹奏楽祭(主催・平良市文化協会、宮古吹奏楽OB会)が11日、平良市中央公民館で開催され、宮古地区の小、中、高校から7校が出演し、吹奏楽で共演した。会場には父母や教諭が多数詰め掛け、児童・生徒の巧みな演奏の数々を鑑賞。息の合った繊細、かつ迫力ある演奏に大きな拍手を送り、たたえていた。演奏を終えた児童・生徒たちの表情は満足感に満ち、音楽の楽しさを改めて実感している様子だった。
 この日の吹奏楽祭は午後2時に開演。はじめに主催者を代表して平良市文化協会の立津精一会長が「児童・生徒は無限の可能性を秘めている。その可能性を引き出してあげることが、家庭や教職員、教育である」と話し、それぞれの意識向上が必要だと強調した。
 この後、各学校が演奏を開始した。はじめに宮古高校吹奏楽部生徒による打楽器四重奏が披露され、テンポの良いリズミカルな音楽で会場全体を盛り上げた。
 平良中はクラリネットなどを使った木管アンサンブルで会場を優しい音で包み込み、久松小は金管で「ひっこりひょうたん島」「ルパン3世」のテーマを元気良く演奏していた。
 後半に入ると再び宮古高校吹奏楽部が登場。金管のアンサンブルで「モリスダンス王の踊り」、47人の演奏ではミュージカル「オペラ座の怪人」を披露、県の吹奏楽コンクールで金賞に輝いた、レベルの高い演奏で聴衆を引き付けた。

 写真説明・小、中、高7校の児童・生徒が吹奏楽を通して交流を深めた=11日、平良市中央公民館

top.gif (811 バイト)

来間中が三線披露/全国中学総合文化際

 【那覇支局】「うちなーのてぃだの下(もと) 今輝く ぼくの夢 私の夢」をテーマに第4回全国中学総合文化際(主催・全国中学校文化連盟、県中学校文化連盟)が11日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで始まった。宮古から参加した来間中学校(菅間雅子校長)の生徒たちが、郷土芸能部門で三線の演奏を披露し、集まった観客らを楽しませた。
 開会集会では、北中学校3年の根間雄平君が「沖縄文化を日本全国へ発信し、他県の文化を学び、共に交流できることは、僕らにとって大きな誇り。多くの感動を私たちのパワーに加え、目の前に広がる明るい未来を創造していきましょう」と生徒を代表してあいさつした。
 来間中学校は、全校生徒9人で、音楽の時間に三線を学習し、休み時間や放課後を利用し練習してきた。演奏した1曲目は皆が集い喜びを歌った歌「揃いどぅ美ぎさ」、2曲目は「豊年の歌」。宮古の古い民謡で、農家が今年の豊年を祈願して歌った歌で、生徒9人で三線を連弾し趣向をこらした演奏で、集まった観客らを楽しませた。演奏終了後には大きな拍手が会場に鳴り響いた。
 県内外の中学生約1100人が参加し、全国各地の選りすぐられた音楽、演劇、郷土芸能など、11部門の舞台発表と、書道、美術、科学など11部門の展示発表がきょう12日まで行われる。

 写真説明・趣向を凝らした演奏で観客を楽しませた=11日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター

top.gif (811 バイト)

先祖のつながり再確認/「池間民族の集い」に500人参加

  恒例の行事「池間民族の集い」(主催・池間自治会)が11日、平良市池間島の池間小、中学校のグラウンドなどを会場に行われた。地元池間住民や同市西原地区の住民、伊良部町佐良浜地区の住民らおよそ500人が参加。初めて開催された小中学生駅伝競走大会のほかに、グラウンドゴルフ大会、ゲートボール大会、囲碁大会を通して先祖のつながりを再確認するとともに、和気あいあいと交流を深めた。
 池間島から分村したのは佐良浜地区が1720年ごろ、西原地区が1873年ごろ。佐良浜と西原の両地区の住民は、先祖が住んでいた同島を元島(ムトゥズマ)と呼んでいる。3地区の住民らは「池間民族」と称しているが、人類学上の民族ではなく、先祖のつながりを1つにまとめた俗称。
 同集いは、1986年に初めて開催された。池間民族の先祖のつながりを末長く継承・発展させ、互いにスポーツを通し親ぼくを深めことなどが目的。
 地域挙げての行事を行う場合は、同島のナナムイと呼ばれる聖地を祈願するのが習わし。玉寄憲作池間自治会長ら3地区の自治会長らは、ツカサンマ(司母)と呼ばれる女性たちと一緒に先祖神に感謝し、子孫繁栄を祈った。

 写真説明・元気いっぱいに快走していた子供たち=11日、平良市の池間島離島振興総合センター

top.gif (811 バイト)

 

top.gif (811 バイト)