200平成16  12曜日

米軍機、下地島空港で給油/県の自粛要請無視

 在沖米海兵隊は8日午前、フィリピンでの台風災害救援活動のため、CH46型輸送ヘリ3機とKC130空中給油機1機の計4機を給油目的で伊良部町の下地島空港に着陸させた。4機の着陸前には、上空に通告のない空中給油機1機が現れて旋回を続けた。ヘリ3機は給油を受けた後、フィリピンのバタン島バスコ空港に向け離陸した。労働団体などから軍事利用の恒常化につながるとの反発の声が上がった。

 県は軍事利用を認めないとする「屋良覚書」などを踏まえた上で、米海兵隊に同空港使用の「自粛」を要請したが、米海兵隊は要請を押し切る形で着陸させた。今年に入ってから4回目の飛来で、人道支援物資輸送の給油目的で飛来したのは今回が初めて。米軍側の当初計画では、下地島空港の民間航空会社から給油を受ける予定だったが、県が空港使用に反対姿勢を示したことで会社側は給油を拒否した。
 浜川健伊良部町長は8日、「6日に防衛施設局から電話があり、民間航空会社から給油の協力が得られないので空中給油機で給油する」との連絡があったことを明らかにした。
 8日午前8時6分、空中給油機が着陸。次いで編隊を組んだヘリ3機が次々と着陸した。ごう音が響く中、滑走路に降り立った軍服姿の米兵がホースを使って給油した。
 ヘリ3機は上空で待機中の空中給油機とともにフィリピンへ向かったが、給油を済ませた空中給油機は普天間基地へ帰った模様。
米軍が民間空港を使用する根拠となっている日米地位協定5条は、日本国内の空港や港湾の出入権を与え、使用目的にも限定はない。米軍が「公の目的」で使用する場合は、同空港を管理する県側にも使用申請を拒否する権限はない。
・伊志嶺平良市長のコメント
 フィリピンへの人道支援という名目で、下地島空港を使用したことは、先月28日に開催した「下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民総決起大会で」で「下地島空港の軍事利用反対」を決議した宮古郡民をまったく無視したもの。米軍の行動は、下地島空港の計画的かつ恒常化な使用につながっているように思え、強い危機感を持っている。今後とも軍事利用には断固反対し、日米地位協定の抜本的見直しを強く求めていく決意である。
浜川伊良部町長のコメント
 米軍の使用は認めない。ただ今回の場合は、人道支援物資搬送の目的で給油した。被災者を考えた時、米軍機の飛来に拳を上げることは人間としてやらない、やりたくない。

 写真説明・滑走路に降り立った米兵が、空中給油機(右)のホースを使ってヘリ3機に給油した=8日午前8時すぎ、伊良部町の下地島空港

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5市町村合併協が発足/城辺町議会・下地、上野の参入を可決

 城辺町議会(伊志嶺幹夫議長)は8日開会した12月定例会で、下地町と上野村の合併協議会参入を認める同協議会の規約変更議案を全会一致で可決した。すでに平良市と伊良部町の両議会が同じ議案を可決しているため、同日付で宮古地区5市町村合併推進協議会が発足した。今月15日には第1回協議会が開催される。今回の議決を受け合併協議会の伊志嶺亮会長は「今後の組織体制など課題は多いが、21世紀の宮古のために力を合わせていきたい」と述べ、5市町村合併の新たなスタートに向けて決意を示した。
 城辺町議会における下地町、上野村の合併協議会参入を認める議案質疑では協定項目についての質問が集中。各議員が下地町と上野村が3市町で決めた協定項目を追認することを強く求めた上で同議案を可決した。
 この決定を受け下地町の川満省三町長は「3市町に5市町村での合併を決議していただき安心している」と感謝し、3市町で決めた協定項目については「追認する」という従来の姿勢を示した。
 この日の定例会では同議案のほか、当局から過疎地域自立促進計画(後期)や2004年度一般会計補正予算案など計11議案が上程された。03年度一般会計決算など認定は6件。
 過疎地域自立促進計画では▽産業の振興▽生活環境の整備▽高齢者の保健および福祉の向上と増進▽その他地域の自立促進に関し必要な事項―などを柱に据えた活性化案を示した。
 生活環境では西東や福北、福中、長北、仲原の各団地の整備を挙げており、地域の自立促進に必要な事項では歴史民族資料館や時代村、体験農業研修施設の設置などを掲げている「ふるさと文化村建設事業」や町内で副都心化を図る同町シンボルタウン整備事業、天然ガスを活用する新エネルギー導入促進事業を盛り込んでいる。同計画の後期の実施年度は05−09年度。
 同町議会12月定例会の会期は17日までの10日間。一般質問は16と17の両日に行う。

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「構造改革特別区」で認定書/平良市・小泉首相が市長に交付

 政府は9日、「構造改革特別区域計画及び地域再生計画」に認定した平良市を含む全国38の地方自治体に認定書を交付した。「健康と癒しのエコツーリズム・海上の道づくり」(地域再生計画)が認定された平良市からは伊志嶺亮市長が首相官邸で行われた交付式に出席し、小泉純一郎内閣総理大臣から認定書の交付を受けた。伊志嶺市長は「将来的には日本のモデル地域になれるよう計画に着手したい」と決意を話した。
 同認定を受けたのは県内では平良市のみ。伊志嶺市長は「今年度中にもアクションプログラムを策定し、平良市だけでなく宮古全体に(事業効果を)広げていきたい。これは行政だけでは難しいのでNPO団体など民間と協力して取り組んでいきたい」と話した。
 今回認定された地域再生計画は既存の施設を目的外で使用し、地域全体を活性化させるという大型のソフト事業。支援措置の内容は▽民間事業者などによる経済活動に伴う道路使用許可の円滑化▽エコツアーコース設定方法に関する情報提供―など。認定を受けた地方自治体は道路や公共施設使用時における規制が大きく緩和されるため、オープンカフェやフリーマーケット、歩行者天国などの開催が容易になり、地域の活性化が期待できる。エコツーリズムの支援では漁民センターの有効活用が挙げられ、これまで研修名目でしか使用できなかった施設が住民による魚類の加工・販売センターなどとして活用できることが大きい。さらには環境省によるエコツーリズムの持続的な支援を受けることが可能となるため、滞在型観光などの促進も期待される。

 写真説明・認定書の交付式に出席した伊志嶺市長=8日、東京都千代田区の首相官邸

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イチローとの再会に感激/オリックス協力会・

仰木監督の野球殿堂入り祝う

 【那覇支局】オリックス協力会の中尾英筰会長らは8日、宮古毎日新聞社那覇支局にオリックス仰木彬監督の野球殿堂入り記念パーティーに出席したことを報告した。パーティーは7日、大阪市内のホテルで行われ、球界関係者ら約400人が出席。イチロー、野茂、吉井、田口、木田ら「愛弟子メジャー」が勢ぞろいし、オリックスの谷選手と亮子夫人、プロゴルファーの横峯さくらさんが出席するなど華やかに行われた。宮古からは中尾会長、同協力会の平良勝之事務局長、同協力会顧問で前県議の坂井民二氏の3人が出席し、仰木監督の殿堂入りを祝福し、宮古島キャンプの盛り上げを誓った。
 仰木監督はあいさつで 「一緒に汗を流し、喜び、涙を流した皆さんや先輩たちが多く集まっていただき感激している。メジャーの連中は私の誇りで、みんなのおかげでラッキーな野球人生を送れた。これで終われば指導みょうりに尽きるだろうが、また新しい歴史をつくる機会に恵まれた。これからも頑張っていく」と新生のオリックス・バファローズでの再出発に決意を込めた。
 一時帰国中のマリナーズ・イチロー外野手は「仰木監督は僕にとって唯一の師と言える人。僕は監督に刺激を与えられる選手になりたい」と祝福と来季の活躍を誓った。
 パーティーに参加して、中尾会長は「世界のイチロー選手をはじめ球界のスーパースターがそろった中で、仰木監督の来年の宮古島キャンプにかける強い気持ちが感じられ、心強く思った。来年2月は盛大に出迎えたい」と力を込めた。
 平良事務局長は「オリックスと近鉄の合併により来春の宮古島キャンプは話題豊富なキャンプとなるだろう。イチロー選手にも宮古島に来てほしいと声をかけた。マスコミも多く来島し宮古島のPRが大いになされると思う」と期待。坂井顧問は「仰木監督を中心に来年の宮古島キャンプが盛り上がるのが楽しみだ。多くの出席者の中で、柔道ヤワラちゃんこと谷亮子選手や10代の女子プロゴルファー横峯さくら選手に直接宮古島来島を要請できたのは大きな収穫。谷選手も横峯選手も来年2月には宮古島でキャンプを張る意向だ」と言葉を弾ませた。

 写真説明・仰木監督の野球殿堂入りを祝福し、宮古島キャンプの盛り上げを誓った。(右から)中尾会長、坂井顧問、仰木監督、平良事務局長、イチロー選手=7日、大阪市の都ホテル大阪

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ジュニアゴルフクラブ結成へ/宮古ゴルフ協

 ゴルフ環境に恵まれた宮古島でジュニアの人材育成を図ろうと、宮古ゴルフ協会(上地安増会長)は、年内にも宮古島初のジュニアゴルフクラブ結成へ向け会員の募集を開始する。対象は小学生から18歳までの児童・生徒。初心者や経験者などゴルフに興味・関心のある子供たちを一堂に集めレベルアップを図り、全国ジュニアゴルフ選手権宮古島大会を誘致したい考え。ゴルフを通して青少年健全育成にもつなげる目的で、早ければ年内か年明けの設立を目指している。8日、平良市内で同クラブ結成説明会が行われ、ゴルフ協会の上地会長らが学校関係者やPTA関係者に理解と協力を求めた。
 同協会では昨年8月に中学生を対象としたゴルフ教室を実施したほか、今年8月には第1回全宮古ジュニアゴルフ選手権大会を開催。宮古でも子供たちのゴルフ人口が増加傾向にありながらも、指導者不足や宮古地区全体を網羅したジュニアゴルフの組織がないことから、同協会の下部組織としてクラブを立ち上げることとなった。
 上地会長は「ゴルフの楽しさを覚えマナーも良くなった」と教育面でも効果があったことを説明し「宮古はジュニアを育てる環境に恵まれている」として、協力を呼び掛けた。野津武彦副会長は「人材育成やマナー、ルールなど子供たちの教育の一環として利用できれば。ゴルフを趣味としている子供たちはぜひ登録してほしい」とPRした。

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もりおさんの作品が受賞/琉球新報短編小説賞

 第32回琉球新報短編小説賞の最終選考会が6日、東京都内で行われ、平良市のもりおみずきさん(59、本名・友利昭子)の「花いちもんめ」が受賞作に輝いた。同日夕方に報告を受けたというもりおさんは「自分の空想の世界から生まれた話で、とても好きな作品。受賞は意外だったが、(主人公)時子とカケルの純粋な心のかかわりを通して、生きることの大切さを感じてもらえればうれしい」と穏やかに語った。
 受賞作は、神がかった小学生の時子と、体に障害を持ち、寝たきりのカケルの物語。子供ならではの純粋で真っすぐな交流を描いている。同賞には46編の応募作があり、芥川賞作家の大城立裕、辻原登、又吉栄喜の3氏が最終選考を行った。
 もともとは4年ほど前に描いた童話に「主人公の気持ちを深く見つめよう」と加筆。原稿用紙10枚の童話を40枚の小説に膨らませた。モデルやヒントがあったわけではなく、自らの空想から生まれた作品だという。
 もりおさんは50歳を目前に「本当に好きなことを始めよう」と創作活動を開始。1998年には「琉球新報児童文学賞」、2002年には「ふくふく童話大賞」を受賞している。「作品を通して励まし合える友人や、事あるごとに温かい言葉を贈ってくれるふくふく童話大賞の関係者の方々の存在が原動力」と感謝する。
 「(童話や小説の)創作は私のライフワーク。これからも、自分のペースでゆったりと書き続けたいです。『続けること』は得意なので」。

 写真説明・「花いちもんめ」で第32回琉球新報短編小説賞を受賞したもりおみずきさん=8日、ギャラリー「うえすやー」

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