200平成16  12曜日

家賃滞納者を提訴へ/平良市・市営住宅 総額2300万円

 平良市(伊志嶺亮市長)は、長期にわたり家賃を滞納している市営住宅入居者の契約を11月30日までに解除し、住宅の明け渡しと家賃の2倍に相当する損害賠償金を支払うことなどを求め、那覇地方裁判所平良支部に提訴する方針だ。対象となるのは16件、家賃にして総額2323万2268円分。7日開会した平良市議会(池間青昌議長)に訴えの提起についての議案が上程された。議会議決が得られ次第、当局は速やかに提訴に向けた手続きに移る。当局は「今後は家賃滞納者について厳しい姿勢で臨む」としている。
 同市の市営住宅家賃滞納額は2004年5月現在、6329万円余。これに市が立て替えている電気・水道料1633万円余を加えると合計で7962万円余に上る。都市計画課によると、今回、提訴の対象となっている入居者については、家賃のみの滞納者や電気・水道料のみの滞納者も含まれているという。滞納期間が最も長いのは6年6カ月、最高額は252万493円となっている。
 同日の議会では議案についての質疑が行われ、複数の議員から「これだけの額の滞納を許してきた理由は何か」「まじめに払っている人がばかばかしくなる。これは職務怠慢と言わざるを得ない」など、当局を厳しく批判する声が相次いだ。
 伊志嶺市長は「市民に不公平感を持たせてしまったことについては、われわれの対応が悪かった」と非を認めた上で、「今後は職員を挙げてしっかりと取り組みたい」と強い姿勢で滞納家賃回収に臨む考えを示した。
 与那嶺大・都市計画課長も答弁に立ち、「権利を主張するためには義務を果たしてもらわないと困る。これまでの徴収の仕方を改め、入居者に対しては厳しい態度で臨んでいきたい」と述べた。また保証人についても言及し、「訴えの提起の前に督促状の送付や呼び出しを行っている。支払わない場合は保証人への訴えを起こすことになる」と、保証人の提訴も辞さない構えも示した。

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上野、下地の合併参加を可決/平良市議会

 平良市議会(池間青昌議長)の12月定例会が7日開会し、上野村、下地町の両議会が先月下旬に相次いで合併協議会への加盟を議決したことを受けた両町村の同協議会参加を認めるための「平良市・城辺町・伊良部町合併推進協議会」規約変更案を、上里樹氏を除く19人の議員の賛成多数で可決した。城辺町議会(伊志嶺幹夫議長)がきょう8日に開会する12月定例会で、同案を可決すれば、上野村と下地町の合併協議会参加が決まる。これを受け同協議会事務局はただちに「5市町村」合併推進協議会の立ち上げを告示する見通し。
 質疑の中で上里氏は、市町村合併について問う住民投票の必要性を訴えた。これに対し伊志嶺市長は「合併に対する市民への説明会は何十回も持ち、アンケートも行った結果、合併の方向で進めることを決めた。各議会の議員の考えが変化したため枠組みにも変化があったが、今回『5市町村』となれば、それに向けてしっかり取り組みたい」と述べた。
 この後の討論でも上里氏は「アンケートで示された市民の意向は六市町村の枠組みのときのもので、現在の枠組みは議員の意向によるもの」と反対意見を述べたが、挙手による採決の結果、上里氏を除く19人が同議案に賛成し、可決された。
 そのほか当局は2004年度歳入歳出予算にそれぞれ2億3707万2000円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ159億2924万3000円とする一般会計補正予算案と各種特別会計の補正予算案など計12議案を上程した。
 補正予算案と2003年度一般会計と各種特別会計に関する決算の認定については、委員会に付託された。
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豊作願い 種まき/葉タバコ

 2005年産宮古地区の葉タバコの種まきが各市町村で始まった。04年産の販売総額は干ばつや台風の被害で前期より6億7900万円少ない24億5500万円と厳しい実績を残しており、生産農家たちは今期での巻き返しを願い豊作に期待している。
 このうち下地町では7日に播種(はしゅ)式が行われた。式に先立ち午前8時ごろから町内のツノヂ御嶽で豊作祈願が行われ、川満省三町長や生産農家らが良好な天候と豊作を祈願。その後、JAおきなわ下地支店の葉タバコ育苗ハウスで種まきを行った。同町の05年産葉タバコ生産農家は38戸で、栽培面積139ヘクタールとなっている。来年1下旬ごろには本畑への定植を行う予定。
 県たばこ耕作組合下地支部の下地盛一副支部長は「2004年産は台風など自然災害で減収となったが、こうした中、皆で力を合わせきずなを深めていくことが大切。05年産は反収240キロを目標に豊作を願いたい」と述べた。
 JAおきなわしもじ支店の寄川安彦支店長は「昨年は台風で減収を余儀なくされたが、わが子を思うような気持ちで種を丁寧にまけば予想通りの収穫ができると思う。最初の種まきが何よりも肝心だという気持ちで行ってほしい」と呼び掛けた。
 04年産葉タバコの販売総額は24億5500万円で、台風の影響で前期の31億3400万円を約6億7000万円下回った。総重量も前期と比べ約300トン少ない1316トン。10アール当たりの収量は約2割少ない203キロだった。市町村別では多良間村が130キロ、平良市158キロ、伊良部町198キロ、下地町200キロ、城辺町218キロ、上野村229キロとなっている。キロ単価は前期比81円安の1865円。

 写真説明・豊作を願い2005年産葉タバコの播種を行う生産農家ら=7日、JAおきなわ下地支店葉タバコ育苗ハウス

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宮古上布の伝承に尽力/洲鎌ツルさん、文化庁長官表彰を報告

 国の重要無形文化財「宮古上布」の保存および伝承者の養成に長年にわたり尽力し文化財保護に貢献したとして、2004年度文化庁長官表彰を受けた洲鎌ツルさん(74)=下地町=は7日、平良市役所に伊志嶺亮市長を訪ね、受賞報告を行った。洲鎌さんは「名高い賞を頂けたのは皆さんのおかげ。羽があったら飛んで回りたいほどの喜びだ」と話した。今年度、県内からの受賞者は洲鎌さんのみ。
 報告を受けた伊志嶺市長は「稲石の直系として宮古上布の伝統を受け継ぎ、後継者を育成した。今、宮古上布があるのは洲鎌さんのおかげだ」と受賞をたたえた。
 洲鎌さんは宮古上布の創製者である稲石刀自(いないし とうじ)の13代目の子孫。60年以上にわたり活動を続け、現在は宮古上布保持団体代表を務める。洲鎌さんは「これからも後継者育成に努めたい」と今後の抱負を語った。
 同賞は長年にわたり文化活動に優れた成果を示し、文化振興に貢献した人に贈られ、宮古関係者での受賞は3人目。表彰式は今月1日、東京都の如水会館で行われ、25人に表彰状が贈呈された。県内からの受賞は洲鎌さん1人。

 写真説明・文化庁長官表彰を受けた洲鎌さん(右)が伊志嶺市長に受賞報告を行った=7日、平良市役所

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1万個の明かり、庁舎彩る/平良市・クリスマスイルミネーション点灯

 「小さな灯のプレゼント」クリスマスイルミネーション点灯式(主催・平良市民運動実践協議会グレイシャス部会)が7日、平良市役所正面玄関前で行われ、1万個の電球に明かりがともった。28日までの期間中、午後6時から午前零時まで点灯され、クリスマスムードを演出する。
 点灯式では平良市少年少女合唱団がエレクトーン演奏やチャイムトーンに合わせて「赤鼻のトナカイ」「きよしこの夜」などのクリスマスソングを披露。また一足早くサンタクロースも登場し、詰め掛けた子どもたちにお菓子のプレゼントを配っていた。
 同協議会は多くの市民に心温まるひとときを過ごしてもらおうと、クリスマスイルミネーションを設置。県立宮古病院の入院患者を元気付けようと1991年に同病院の中庭で始めたのがきっかけで、これまで13年間にわたり実施してきた。

 写真説明・明かりがともった1万個の電球。28日まで点灯され、クリスマスムードを演出する=7日、平良市役所玄関前

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