200平成16  12曜日

議員と住民意識がかい離/市町村合併「同日選挙」を検証

 市町村合併後の議員身分を協議する「議会議員の定数および任期に関する検討委員会」で在任特例を7カ月適用することが決まった。協議の中で最も議員側が危惧しているのは新市の市長選と市議選の同日選挙による「混乱」だ。これは議員側に支障があるのか投票する住民の側にあるのか具体的な混乱の中身が見えていない。在任特例適用の最大の理由となっている「同日選挙」を検証する。

同日選挙は本当に混乱するか
 首長、議員の同日選挙による「混乱」について県選挙管理委員会は「市長選挙と議員選挙の投票用紙が別になるとの指摘もあるが、大きなマイナス要素はないと思う。逆に期間の短い時期に 2度選挙をやるよりも、同日選挙の方が選挙事務のミスも起こる可能性が低いし、投票率も上がる」と、同日選挙の方が各面で混乱が生じにくいとの見解を示している。
■合併新市と浦添市の比較 
 浦添市長選は前回の2001年の選挙から市議選との同日開催で、来年2月も同様に同日選挙だ。浦添市の有権者数は約7万7000人で宮古の合併新市の有権者数は約 4万1000人(5市町村合計)となっており、浦添市は約3万6000人も多い有権者数での同日選挙を、問題なくこなしている。
 同市の選挙管理委員会に、前回の同日選挙の際に混乱があったかについて問い合わせたところ「特に問題はなかった。有権者からは2度投票しなくてよいと喜ばれたし、経費的に見ても 2度やるよりも同日選挙の方が良いと思う」と話した。
 また、同日選挙について住民や議員からの苦情があったかについては「議員からは市長選に集中できないなどの苦情はあった。しかし、同日選挙になったことで有権者から特に不満などはなかったし、逆に喜ばれた」と説明した。同日選挙については浦添市でも有権者と議員との意向には差があったようだ。
■同日選挙拒否の理由
 首長選挙を先に行った場合は、当選した市長を支持する議員がそのバックアップを得て選挙戦を展開する方がメリットがあるとの判断もあるようだ。そのためにまずは市長選挙に集中したいとの意向が働き、選ばれた市長を支持する「与党」候補者となることを目指しているとの指摘もある。
 一方で、合併後すぐに任期満了を迎える平良市議に対して、約1年間の任期を残す伊良部町議の一部からは「平良市議の任期は来年10月だから市議の意見はきれい事を言っている。任期を残して辞めるわれわれは財政的にも貢献している」など、選挙で 4年間の議席を勝ち取っているとの意見もあり、背景には任期を残したまま合併となることに不満もあるようだ。
 住民代表を交えたとはいえ、同検討委員会のメンバーは議員が半数を占める。同日選挙を避けたい議員の意向が働けば在任特例の適用は必然だろう。
 このまま行けば、5市町村合併後は議員81人分の報酬が7カ月間発生し新市の大きな歳出となる。実質、「同日選挙回避」のための「在任特例適用」の観が強く、この判断が「住民のため」か「議員のため」かは、これからの展開で証明されそうだ。

    (垣花尚記者)
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励ましのサタパンビンを/新潟中越地震の被災者へ

 「被災地にさたぱんびんを届けよう」―。平良市婦人連合会(下地勝子会長)は 4日、新潟県中越地震の被災者に「さたぱんびん(砂糖てんぷら)」を届け、元気になってもらおうと、さたぱんびん作りを平良市中央公民館で行った。調理はきょう5日も行われ、2日間で計1000個を被災地に送るという。
 この日は会員25人が参加。一度に大量のさたぱんびんを調理するのは初めてとあってか、最初は失敗が多かったが午後には調理も順調に進み、500個を作り上げた。会員らは 1つ1つ慣れた手つきでに形を作り、こんがりときつね色に揚げていた。
 下地会長は「みんな喜んで参加してくれた。さたぱんびんで被災者を元気づけたい」と述べ、「ほかの団体もできることをやって、被災者を支援してほしい」と呼び掛けた。
 揚がったさたぱんびんは1袋に2個ずつ詰めて、新潟県婦人連盟に送られ、被災地の住民らに振る舞われるという。

 写真説明・被災者を元気づけようとさたぱんびん作りをする平良市婦人連合会の会員ら=4日、平良市中央公民館
 
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337人の児童生徒に表彰状/全宮古小中読書感想文・画コン

 2004年度全宮古小中学校読書感想文・感想画コンクール(主催・県宮古地区学校図書館協議会)の表彰式が4日、県宮古支庁で行われた。小学生、中学生の両部に入賞した337人の児童・生徒に表彰状が贈られた。表彰式では作品朗読も行われ、子供らしい豊かな感性と素直な表現に、会場に駆け付けた父母らから大きな拍手を受けていた。
 主催者を代表して與儀千寿子会長は「この受賞を機会にたくさんの本を読んで、豊かな心を持った人に育ってください」と話した。
 審査委員長を務めた平良ヒロ子さんは「感想文では自らの生活体験や社会問題をよくとらえており、読み応えがあった。感想画は構図や配色が素晴らしかった」と講評した。
 同コンクールへは小学生の部・感想文に239点、同部・感想画に447点、中学生の部・感想文に59点、同部・感想画に91点、計836点の応募があった。
 宮古教育事務所の本村幸雄所長は「読書は生きる喜びを与える。感性を高め、表現力を養う。これからも読書に励んでください」と祝辞を述べた。
 小学校の部第三類で最優秀に輝いた大城叶子さん(平良第一小6年)、中学校の部第一類で最優秀の譜久島梓さん(伊良部中3年)の作品朗読も行われた。
 大城さんは「救出(すべての人々のために)」を朗読。嵐で遭難した外国船の船員を日本人らが救出したことなどを説明し「嵐の中に飛び込むことはできないが、心の救出はできる。国と国を結ぶ通訳者になり、心と心を通じ合わせたい」と述べた。
 会場となった県宮古支庁の1階ロビーには、感想画の優秀作品が並べられ、訪れた父母らが子供たちの力作を熱心に見つめていた。

 写真説明・小学生の部、中学生の部に入賞した児童・生徒に表彰状が贈られた=4日、県宮古支庁

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叙勲受賞をたたえる/下地米一氏祝賀会

 2004年度秋の叙勲で旭日双光章を受章した前平良市長の下地米一氏(83)の祝賀会(主催・同祝賀会発起人会)が4日夜、平良市内のホテルで開かれ、政財界をはじめとする多数の関係者が、下地氏のこれまでの業績をたたえ、同章受章を祝福した。下地氏が「市長在任中の2期8年でのさまざまな事業は、宮古の郡民が一丸となり、宮古はひとつという気持ちで取り組んだからこそできたこと。感謝、感激でいっぱいだ。これからも平良市、宮古のためにできる限りのことはしたい」と述べると、会場は大きな拍手に包まれた。
 下地氏は86年7月より2期8年にわたり平良市長として、プロ野球のキャンプ誘致、宮古―東京・大阪直行便の開設、地下ダムの整備など数々の事業に力を注いだ。今回、地方自治功労として旭日双光章を受章した。
 節子夫人とともに登壇した下地氏は、大きな花束を受け取り、「今後は郡民が一緒に首長を応援して、良い宮古をつくっていかなければならないと考えている」などと熱弁を振るい、会場を沸かせた。
 祝賀会の冒頭、発起人代表の伊志嶺亮平良市長は「現在の宮古圏域や産業の発展は、まさに下地氏の持つ事業展開における先見性、行動力の表れ。改めて感心させられると同時に、これまでの尽力に心から感謝を申し上げたい」とあいさつ。同市議会の池間青昌議長が「努力を惜しまない下地氏の姿はわれわれの人生のかがみであり、励み。その豊かな経験を生かし、宮古の発展のためこれからも力を尽くしていただきたい」と祝辞を述べた。
 祝賀会は久田多嘉子琉舞研究所の「とうがにあやぐ」で幕開け。沖縄宮古商工会議所の中尾英筰会頭、宮古婦人連合会の真壁カツ会長、県建設業協会宮古支部の松川勝弘支部長が乾杯の音頭を取り、下地氏の受章を祝福。藤間流師範・藤間凰太郎さんによる日舞、平良市婦人連合会などの余興が祝賀会に花を添えた。

 写真説明(上)・下地氏の旭日双光章受章を祝い乾杯する出席者ら=4日、ホテルアトールエメラルド宮古島
 写真説明(下)・受章のあいさつを述べる下地氏。奥は節子夫人

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東江さんが中高生に技術指導/NTSハンドボール教室

 日本ハンドボール協会のナショナルトレーニングシステム(NTS)による宮古地区中・高生ハンドボール教室が 4日、平良市総合体育館で行われ、県ハンドボール協会強化普及委員長でU16(16歳以下)全日本女子監督の東江正作さんが、宮古地区の中・高校生約70人に基礎となる技術を手ほどきした。最初は戸惑っていた生徒らだったが、東江さんの丁寧な指導に引き込まれるように練習に取り組んでいた。NTSハンドボール教室開催は宮古で初めて。
 東江さんは国体出場18回、全国クラブ選手権優勝3回など選手として活躍し、指導者としても全国中体連優勝2回、JOCジュニアオリンピックカップ優勝などの成績を収め、現在はNTS九州ブロック技術委員長などを務める。
 パスやシュートの基礎的な技術を自ら動きながら、時折ユーモアも交えた分かりやすい言葉で指導した東江さん。「宮古の子供たちは天性のバネがある」と印象を語り、今後必要となる部分として「パスでもシュートでも、とにかく基礎的な部分を確実にしていくことが大切」と話した。
 参加した儀間大輝君(伊良部中2年)は「シュートの打ち方が分かりやすかった。とても楽しい」と笑み。池村拓巳君(宮高1年)は「ただのパスでもステップの仕方など細かいところを習えたのが良かった」と充実した様子だった。
 東江さんの指導ぶりに宮古ハンドボール協会の狩俣典昭理事長は「基本を徹底させていて、細かい部分まで具体的で分かりやすい。今後の練習に取り入れたい」と話していた。

 写真説明・生徒らを丁寧に指導した東江さん(右)=4日、平良市総合体育館

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