200平成16  12曜日

「在任特例」適用は5カ月/平良市・議会が全員協で方針

  平良市議会(池間青昌議長)は1日、同議会会議室で全員協議会を開き、先月24日の「議員の定数・任期に関する検討委員会」で適用が決定された、在任特例の期間を、賛成多数で5カ月とすることを確認した。同議会は前回の同検討委で「6カ月以内」を主張していたが、「特例が6カ月の場合、予算編成の3月議会と選挙が重なる」などの理由から、「5カ月以内」で落ち着いた。きょう開催予定の同検討委の判断が注目される。また、全員協議会の冒頭、下地町の砂川隆夫助役と同町議会の川満廣俊議長が、議会の合併協議会加盟の議決を報告。合併協規約改正案の議決に協力を求めた。

 在任特例の適用期間について24日の同検討委では、平良市議会は「6カ月以内」、城辺町議会は「6カ月」、伊良部町議会は「10カ月」を主張。結局、在任特例適用は決まったものの、期間については持ち越しとなっていた。
 この日の全員協は、在任特例の適用期間と選挙の期日との兼ね合いが議論の主題となった。
 現在決定している合併期日は来年10月1日。在任特例を6カ月適用すると、議会議員選挙と3月定例議会が重なることになる。同じように特例を3カ月とすると12月議会と議会議員選挙が重なることになる。ほとんどの議員からは「議会議員選挙と議会が重ならないようにすべき」との意見が上がった。
 一方、在任特例を2カ月とすると、合併後50日以内の市長選挙との「同日選挙」の可能性が高くなる。一部議員は議員報酬、選挙費用とも節減される「2カ月」の特例を主張したが、同日選挙を懸念する多くの議員は「在任特例適用は、同日選挙とそれによる混乱を避けるため。特例が2カ月で同日選挙なら意味がない」などと譲らなかった。結局、各議員の要望を聞いた結果、議会と議員選挙が重ならない「5カ月」が賛成多数となった。
 合併協議に再び参加することを決めた下地町の砂川助役は出張中の川満省三町長に代わり「これまでのご迷惑を重々おわびし、皆さんが特段の配慮で下地町も合併協議に参加させていただけるよう、よろしくお願いしたい」と強調。下地町議会の川満議長は「皆さんには大変なご迷惑をおかけした」とした上で、「寛大な気持ちで、下地町の協議会への参加も認めていただきたい」と要望した。

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12月からの登園停止回避/平良市立幼稚園

  市立幼稚園保育料の3カ月以上未納者に対し、12月から園児の登園を停止するとしていた問題は、最終的な滞納者が支払いの意思を示していることから、今回は登園停止措置を実行しないことになった。平良市教育委員会の久貝勝盛教育長と長浜幸男部長が1日、会見を開いて発表。「各園とも熱心に保護者に周知し、訴えたことが功を奏した」と胸をなで下ろした。保護者説明会の開催や減免手続きなどの行政指導を徹底した結果、12月からも各園に全園児の姿がそろうことになった。
 園児の登園停止措置は、10月6日に行われた財政非常事態克服実践本部会議で審議決定。10月に各園で保護者説明会を開き、低所得世帯に関しては減免や分割払いの方法があることを周知した上で、11月末までに3カ月以上の滞納金を支払わない保護者に対しては12月からの登園停止措置を適用することを説明した。
 滞納金の督促も併せて実施した取り組みの結果、3カ月以上の滞納者は10月時点の25人から最終的に8人に減少。8人については、園長および教育委員会事務局が面談して生活実態を調査、支払いについて誠意ある姿勢を見せていることから分割納入や減免を活用し、猶予期間を設けて対応することとなった。
 しかし、今後も3カ月以上にわたって滞納する保護者に対しては登園停止措置を講じることになっており、同委員会では「計画通りに支払われない場合は強い指導に出る。絶えず園側と連携を図り、滞納者を増やさないよう注意する」としている。
 同市の幼稚園は入園料6000円、保育料が月4300円。保育料は県内11市のうち2番目に低く設定されている。今年度は、4月から10月まで保育料を納めていなかった保護者が4人いたという。

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オニヒトデ異常発生/多良間村・一部のサンゴ礁は死滅

 宮古圏域海洋危険生物対策協議会オニヒトデ部会(部会長・長間孝県宮古支庁農林水産振興課長)が1日午後、県宮古支庁2階講堂で開かれた。宮古で実施しているオニヒトデ駆除活動支援事業を補助するための、県自然保護課の「サンゴ礁保全対策支援事業」が初めて導入されたことが確認された。宮古では、これまで多良間村の海域でのオニヒトデ発生状況は不明だったが、多良間漁港南沖合側に異常発生していることが分かった。
 一部のサンゴ礁は、無残に食害され死滅の状態。オニヒトデは既に産卵を終えていることから、来年同村周辺の全サンゴ礁にまん延するものと心配されている。同村でオニヒトデの調査・駆除を実施している柳岡秀二郎さん(29)が明らかにした。
 同支援事業は、サンゴ礁保全区8カ所ではオニヒトデが少ないことから、保全区に侵入する可能性のあるオニヒトデ大集団を短期集中的に排除し、今後の長期駆除活動の負担を減らすことが目的で導入された。
 同村でダイビングショップを経営する柳岡さんは「多良間漁港南沖合200メートルの水深15−20メートルのサンゴ礁でオニヒトデは大量発生。幅100メートル−横600メートルの範囲に1000匹以上が生息し、ひどい所は4、5匹重なる。オニヒトデは直径30−50センチで、4、5年生息しているものとみられる」と調査結果を報告した。
 その上で柳岡さんは「今年9月から2、3人で水中に潜り、剪定ばさみを使って1匹を八等分以上に切断しているが、駆除人員が少ないため駆除作業が進まない。サンゴ礁保全は手遅れの状態だ」と述べ、駆除支援・協力を求めた。
柳岡さんらは、今年10月22日からオニヒトデ駆除作業を展開し、11月29日まで計810匹を駆除した。

 写真説明・ サンゴ礁に食害を与えたオニヒトデ=今年9月、多良間村多良間漁港南沖合(写真は柳岡秀二郎さん提供)

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最大瞬間風速『90メートル』/昨年の台風14号

 【那覇支局】沖縄電力(當眞嗣吉社長)は11月30日、昨年9月に宮古島を直撃した台風14号による同地区の風力発電設備の被害の調査結果を発表した。それによると台風14号が通過した際の最大風速は、気象台で観測された最大風速38・4メートルより約1・5倍の60メートルに達し、最大瞬間風速は90メートルに達していたことが分かった。
 気流解析などを行い、風力発電設備がある地点の風速を推計したところ、狩俣の宮古風力6号で最大風速が61・5メートル、最大瞬間風速が90・3メートル、七又風力1号で最大瞬間風速90・7に達していた。
 構造解析の結果、風車のタワー(塔)や基礎部分の限界耐力を超える、応力が作用したため、タワーの座屈や基礎の破壊に至ったことが判明した。
 同社は今回の調査結果を踏まえて、風力発電設備の設置地点ごとに、強度計算を行うことを基本的な考えとして、タワーや基礎の補強、制御用電源のバックアップ機能の対応を図って行くとしている。
 台風14号の影響で、同社が保有する6基の風力発電設備は、3基が倒壊、2基はブレード(翼)の破損、1基はナセル(発電機などを収納する箱)の損傷等の被害がでた。
 同社は原因究明のため学識者・専門家などで構成する「風車倒壊等事故調査委員会」と同ワーキンググループを設置し、倒壊破損時の「風の評価」と「構造解析と倒壊メカニズムの解明」を行った。

 写真説明・昨年の台風14号で風力発電機のプロペラが落下した=城辺町七又(資料写真)

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五穀豊穣を祈願/漲水御嶽でユウクウ

 伝統神事「ユウクウニガイ(富貴を招き寄せる願い)が1日、平良市内の漲水御嶽(ウタキ)で執り行われた。ツカサと呼ばれる神女役の女性らが旧年中の豊作などに感謝し、向こう1年間の五穀豊穣(ほうじょう)や子孫繁栄などを祈願した。
 ユウクウは、この日の午前10時から神殿の中で始まった。神前に神酒やごちそうなどが供えられた後、線香がたかれ、ツカサらは手を合わせた。
祈りが続く中、多数の女性らが供え物を持って訪れた。ツカサらに供え物を手渡し、神前に供えさせた。
祈りを済ませた40代の女性は「家族の無病息災や子々孫々の繁栄を願った。また来年も訪れます」と話した。

 写真説明・神前で 豊作などを祈っていたツカサと呼ばれる女性たち =1日、平良市内の漲水御嶽

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