200平成16  12曜日

来年9月で解散へ/一部事務組合

 上野村と下地町の両議会が相次いで「平良市・城辺町・伊良部町合併推進協議会」への参加を可決し、市町村合併の枠組みが「5市町村」となる方向性が見出されたことで、宮古広域圏事務組合と宮古広域消防組合、宮古清掃施設組合の「一部事務組合」と宮古上水道企業団、任意団体である宮古市町村会が解散される見通しとなった。3組合と上水道企業団は、合併期日前の2005年9月末まで、宮古市町村会は今年度いっぱいの同3月末までの方針で今後の調整が図られる見込み。

 この方針は30日午前に開かれた多良間村を除く5市町村長による会議で確認された。職員・業務は新市に引き継がれる。「一部事務組合等に関すること」は合併協の協定項目でもあり、各組合などは、早急な業務移行作業に取りかかることになる。
 30日午後には、市町村長らの方針確認を受けた一部事務組合、企業団の職員と合併協事務局との意見交換が行われた。このうち広域圏事務組合は、合併に参加しない多良間村も含まれている田園地域マルチメディア事業や中波ラジオ放送受信障害解消事業などに関して、同村との調整をどう図るかが課題。企業体として運営されている上水道企業団は、水道事業を別に行っている伊良部町との調整が急務となることなどが示された。
 これらの組合や団体について、6市町村による合併協議の際には、合併後の新市にそれぞれの業務が吸収される予定だった。その後、多良間村、下地町、上野村が相次いで合併協議から脱退を表明。残る3市町による合併推進協が立ち上がったことで、合併新市と残る3町村との兼ね合いの中で、一部事務組合など組合や団体のあり方について、存続、解散を含めた協議がなされてきた。
 しかし上野村議会が11月24日、下地町議会が同29日に合併協への再参加を決定。これにより再び、一部事務組合や団体の取り扱いについて議論する必要が生じていた。
 一部事務組合 市町村間の事務の共同処理や施設の共同設置・管理を行うため、全国でも多く活用されている制度。市町村などを普通地方公共団体と呼ぶのに対し、議会や執行機関、財産、条例の制定権なども持つため、特別地方公共団体ともいう
 企業団 一部事務組合で、水道やガス、電気などの経営に関する事務を共同で行う場合、「企業団」と呼ぶ

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「5市町村」合併協8日に設置/市町村長会議で確認

  上野村議会(平良隆議長)が11月24日、下地町議会(川満廣俊議長)が同29日に「平良市・城辺町・伊良部町合併推進協議会」への参加を可決したことを受け、多良間村を除く5市町村長による市町村長会議が30日午前、同協議会事務局で開かれ、「3市町」から「5市町村」への規約変更に関する3市町議会の議決を経た上で、今月8日に「5市町村合併推進協議会」を告示して立ち上げ、同15日に第1回会議を開催する日程を確認した。
 合併参加を決議する議会が一度流会となるなど紆余曲折のあった下地町の川満省三町長は冒頭、「(合併協参加を)再提案して可決となった。合併に向けてまた取り組んでいきたい。他の市町村の皆さんには大変ご迷惑をおかけしたことをおわびしたい」と述べた。
 会長には「3市町」合併協と同じく伊志嶺亮平良市長が就任し、残る4町村長は副会長となることでまとまった。
 上野村と下地町の合併協加盟については、平良市、城辺町、伊良部町の3議会の議決が必要。伊良部町は3日に臨時議会を開く方向で調整し、平良市は7日、城辺町は8日に開会する12月定例議会で、それぞれ議決したい考え。合併協事務局はこれを受け8日に「5市町村合併推進協議会」の告示を行う予定。
 これまで「3市町」合併協で確認された協定項目については、上野村と下地町の文言がかかわる9項目で両町村の文言を追加して確認することと、それ以外の協定項目は3市町で確認した内容とすることで一致した。今後確認する事項は、「6市町村」合併協で確認した内容を基本に、5市町村で確認する。
 新市建設計画はこれまで確認した内容を踏襲しつつ、今後は上野村、下地町を加えて議論する。「基本的には六市町村による合併協で確認した内容に戻るイメージ」(合併協事務局)となる見込み。

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宮古上布の継承発展へ/「稲石祭」で決意新たに

 宮古上布の創製者である稲石刀自(いないしとうじ)の霊を慰める「稲石祭」(主催・宮古織物事業協同組合)が30日、宮古神社で行われ、同組合の組合員や関係者、宮古上布の従事者ら多数が出席し、宮古上布の継承発展に決意を新たにした。

 宮古上布は今から400年もの昔、台風で遭難しかけた琉球の船を救った洲鎌与人(すがまゆんちゅ)・真栄が琉球王にたたえられ、下地間切り頭首に任命されたことに感謝した妻の稲石が「綾錆(あやさび)布」を献上したのが、世に出た始まりとされている。稲石が織った綾錆布は苧麻(ちょま)(方言名・ブー)を原料とした美しい模様の入った錆色(青色)の上布だったと言われている。宮古神社境内には稲石記念碑があり、今年で建立25年の節目を迎えた。下地町洲鎌の真屋御嶽(うたき)には、稲石が祭られている。
 稲石祭では宮古神社の境内にある稲石記念碑前に宮古上布や酒、果物などが供えられ、祝詞が読み上げられたほか関係者が玉串を奉納した。
 稲石の13代目の子孫にあたる洲鎌ツルさん(73)は「こうして毎年稲石祭が行われ、ありがたく、うれしく思う」と話し関係者らに感謝した。宮古織物事業協同組合の赤嶺一成代表理事は「伝統のある稲石の意思を受け継ぎ伝えていくことがわれわれの使命。420年の歴史の重みを感じ、皆の期待に沿うようめいっぱい頑張っていきたい」と決意を述べた。伊志嶺亮平良市長、安和朝忠宮古支庁長、富浜浩平良市議会副議長がそれぞれあいさつに立ち、宮古上布の継承発展を誓った。
 宮古上布は1978年には国の重要無形文化財に指定され、原料の糸を紡ぐ苧麻績みや模様をつける絣くくり、染め、織り、砧(きぬた)打ちによる仕上げなど完成に至るまでの数々の技術が重要無形文化財に指定されている。国や県の事業で苧麻績みや織りなどの後継者育成事業が実施されているが、後継者不足や生産量の減少などが課題となっている。

 写真説明・伊志嶺市長など多くの関係者が稲石記念碑に手を合わせた=30日、宮古神社

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個々の作品 完成度高く/宮古病院ハートフェア

 県立宮古病院精神科の第1回ハートフェアが30日、今年2月に同病院内に開所した作業療法室を主会場に行われた。会場には精神科利用者の作品数10点が並べられたほか、ニンニクやネギなどの即売会が開かれ、にぎわいを見せた。
 これまでの病棟祭とデイケア祭りを1つにして開催されたハートフェアは精神科利用者の日常の活動成果を発表することが狙い。会場には利用者の木工・手工芸作品や俳句などの文学作品、セーターや帽子など編み物の数々が展示された。さらには利用者の職場体験を兼ねた喫茶店、病院職員の協力による衣服などのリサイクルバザーも催された。
 野菜の即売会やリサイクルバザーは大にぎわい。作品展示コーナーではその作品の完成度に感心する来場者の姿が目立った。
 看護師で同フェア実行委員長の仲宗根喜栄さんは「(利用者の)表情が生き生きしているのが印象的。この活動の発表体験が社会に出たときに役立てば幸い」と話した。

 写真説明・精神科利用者の活動の成果が展示されているコーナーも多くの人出でにぎわった=30日、県立宮古病院

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4人の求職者に求人1人/ハローワーク宮古10月の雇用まとめ

  宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古・平川康宏所長)がまとめた今年10月分の雇用の動き(一般職業紹介)によると、求職者1人あたりの求人を表す有効求人倍率は0・25倍で、4人の求職者に対し求人は1人となった。公共工事の減少から建設資材関連業種からの新たな失業者が増え始め、毎月300人前後の新規求職者が発生するなど依然として厳しい状況にある。一方、新規求人に対する充足率は55・3%となり、求人があった場合ほぼ半数が就職。充足率は県内では宮古管内が最も高く、同所では「需要(企業からの求人)と供給(求職者)がほぼマッチしている」としている。10月の新規求職者数は297人。月間有効求職者数は1152人で、今年4月から1000人台で推移している。事業所からの新規求人数は103人で、前月比、前年同月比ともに減少。製造業での求人は増加したが、建設業、サービス業、卸・小売業、飲食店はともに減少した。
 県外からの求人は360人で、景気回復などから電気・自動車製造業などを中心に5カ月連続で増加。うち臨時・季節工の求人は134人だった。
 同所では「建設業に明るさが見られない中、さらに失業者が増えると危機的状況になる」と雇用の場の増加よりも失業などによる求職者の増加が著しく、慢性的な求職超過が続いている状況を懸念した。

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きょうから12月/クリスマスムード漂う

 きょうから12月。先生や坊さんの「師」も走り回るほど忙しい時期とされ、師走とも言われる。今年もあと1カ月を切り、年末が近づくにつれてクリスマスや忘年会、正月の準備など何かとあわただしい時期を迎える。
 宮古島地方気象台によると、30日の最高気温は23・5度(午後1時44分)、最低気温は20・3度(午前7時10分)を記録。週間天気予報では向こう1週間は同様の気温で推移し、平年より暖かい日が続く見込み。
 25日のクリスマスに向け、花屋の店頭には赤いポインセチアが並び、クリスマスツリー、イルミネーションなどが見られるなどムードを漂わせている。市内のある花屋によると、今年は定番の赤いポインセチアのほかピンク色やレモン色などの種類も人気が高いという。

 写真説明・花屋には赤いポインセチアが並び、クリスマスムードを演出する=30日、市内の花屋

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