下地町議会(川満廣俊議長)の臨時会が29日開かれ、町当局が提案した「平良市・城辺町・伊良部町合併推進協議会への加入について」の議案を賛成7、反対2、退席2の賛成多数で可決。一度は合併協議から離脱し自立を目指した議決から一転し、合併参加を決定した。これにより合併協議から離脱していた同町と上野村両議会の合併参加の足並みがそろい、5市町村の枠組みで合併協議が再スタートする可能性が高くなった。平良市議会は来月7日開会予定の12月定例会で、城辺町、伊良部町議会は同3日にそれぞれ臨時会を召集するよう調整し、下地町と上野村の受け入れについて判断する。
下地町議会の臨時会は、流会となった24日の臨時会で町当局が提案した「合併推進」決議案や流会後の議事運営について一部議員が異議を申し立て、予定より約1時間遅れて開会。起立による採決を図った結果、仲里誠高、川平洋、松永恵茂、村吉順栄、川満克佳、古波蔵小夜子、垣花武一の7氏が賛成、嵩原富三、保良榮男の2氏が反対した。上地優二、池間健榮の両氏が退席し、合併協議会加入の議案は賛成多数で可決された。
賛成した7氏のうち、仲里、川満、垣花の3氏はこれまで「合併反対」の立場だったが、合併協議から離脱していた上野村の合併参加による一部事務組合問題や住民団体からの合併再考要請、社会情勢の変化などを理由に「合併賛成」の意思を示した。仲里氏は「下地町だけ残されて自立できるかという不安がある。議会の委員会で調査していくうち、合併しなければ財政が本当に厳しくなっていくことが分かった」として、合併推進の理由を述べた。
質疑では、池間氏が川満省三町長の合併参加の意思や新市が誕生した場合の自主財源増加の方法などについて質問。川満町長は「合併せず自立すれば住民サービスの低下が懸念される。合併することでサービス低下を少なくしたい」「国や県の支援がある間、インフラ整備を行い、(地域の)経済に変化があれば自主財源の確保が見込める」と説明し、改めて合併の必要性を強調した。池間氏は「執行機関、議会は責務を持ち、住民に説明責任を果たさないといけない」と強調したほか、議事運営の在り方や町の第三セクター問題について疑問視し、退席した。
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