200平成16  1129曜日

下地島の軍事利用に反対/郡民総決起大会2000人集結

 下地島空港の軍事化に反対する宮古郡民総決起大会が28日午後、平良市総合陸上競技場で開催された。約2000人(主催者発表)が参加して民間航空以外の使用を認めない「屋良覚書」の堅持や日米地位協定の抜本的見直しを日米両政府に求める決議文を採択し、軍事化に対し「反対」の姿勢を明確に示した。伊志嶺亮実行委員長(宮古市町村会会長)は「軍事化反対の声を大にし、平和で豊かな宮古島を子供たちに残していこう」と気勢を上げ、伊良部高校3年の大城真実さんは「私たちの島を奪わないでください」と訴えた。

 大会には宮古6市町村の首長や議会議長、県議会議員、各市町村議員が結集。加えて各労働組合を中心に大勢の郡民が足を運び、開会前には2000人の来場者を数えた。
 大会の冒頭で伊良部町の浜川健町長は「(下地島空港の軍事化案について)まだ日本政府から具体的な打診はないが、この段階で反対の意思表明が必要。普天間基地が移転するまでの間、代替施設として使用するという案もあるが、今こそ『基地は反対』という姿勢を県内外に示そう」と力強く呼び掛けた。
 続いて伊志嶺実行委員長が「米軍の世界的再編の中で、下地島空港を使用するという案が浮上しているが、当時の琉球政府と日本政府で交わされた屋良確認書は現在も生きており、そのことは知事も確認している」と現状を報告。その上で「下地島空港を平和なまま子孫に残すためにも、国や県に軍事化に反対する気持ちを伝えよう」などと訴え、参加者に一層の団結を求めた。
 この後、宮古郡区選出の砂川佳一県議、平良市区選出の奥平一夫県議が登壇しそれぞれ軍事化反対の姿勢を示した。砂川県議は「下地島空港は宮古島の振興、発展のための宝物」として建設当時の理念の順守を強調。奥平県議は「宮古島の発展に泥水をかけるような軍事化には断固反対していかなければならない。国は宮古郡民の意向を知りたがっている。今こそ絶対反対という気持ちを伝えていこう」と訴えた。
 この後、生徒代表で伊良部高校の大城さんをはじめ、父母代表として伊良部町在住の川満清美さん、女性代表で城辺町在住の花城加代子さん、青年代表で平良市在住の下地健作さん、連合沖縄宮古地域協議会の下地博盛議長が軍事化に対する反対の意見発表を行い、それぞれ「子供たちに平和で豊かな未来を残したい」と訴えた。
 引き続き決議文の採択を行い「私たち宮古郡民は平和な島づくりを目指し、次世代の子や孫たちに大きな禍根を残すことが絶対にないように、いかなる軍事利用も許さない」として▽下地島空港の使用に関して「民間航空以外の目的には使用させない」との1971年の「屋良覚書」を順守すること▽危険な普天間飛行場の早期返還、基地の整理・縮小を早期に実現すること▽日米地位協定を抜本的に見直すこと―を参加者全員の総意で採択した。
 最後はガンバロー三唱を行い、参加者全員が拳を突き上げて下地島空港の軍事化に対し強い反対の姿勢を示していた。

 写真説明・参加者全員でガンバロー三唱を行い下地島空港の軍事化に反対の姿勢を示した=28日、平良市総合陸上競技場

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「基地は要らない」/郡民総決起大会・

参加者らプラカード
手に

 「子や孫に平和な宮古島を」「基地は要らない」―。28日、平良市総合陸上競技場で開催された下地島空港の軍事化に反対する宮古郡民総決起大会には約2000人の郡民が結集し、同空港の軍事化に「反対」の声を上げ続けた。地元・伊良部町の高校生、大城真実さんは「私たちの島を奪わないでください」と切に願い、同空港の平和利用を訴え。青年や女性代表も「平和で豊かな未来を守る」と強い反対の姿勢を示した。相次ぐ軍事化報道を機に宮古6市町村長が一丸となって開催した郡民総決起大会。大会後、伊志嶺亮大会委員長は「宮古郡民の気持ちが1つになった。この思いは必ず国や米国に伝わる」と十分な手応えを感じている表情で話した。

 会場の市総合陸上競技場には開始時間に合わせて多くの郡民が結集。一部の参加者は「戦争反対」「平和」の垂れ幕を持ち、親子連れは「ヘリは落ちてもお金は落ちない」、労働団体は「子や孫に豊かな未来を」などと書かれたプラカードを手に参加した。開会前には若者たちが平和コンサートを繰り広げ、軍事利用反対の気運を盛り上げた。
 大会が開会し、登壇者から「軍事化に反対」の声が出るたびに会場からは大きな拍手と歓声が上がっていた。
 ミュージシャンで、この日も平和コンサートで歌った上野村の下地暁さんは「もう人ごとではなくなった。私たち宮古郡民が米軍ヘリ墜落などを身近な問題としてとらえて行動しなければならない。軍事化は最悪。今こそ1人ひとりの気持ちを結集して行動するときだ」と声を大にした。
 平良市内から参加した砂川さん(66)は「屋良覚書はいつまでも生きているんだ。軍事化は絶対に許さない」と声を荒げて話した。
 同市内に住む上原みち子さん(32)は親子で参加した。「普段から子供たちと『戦争はいけない』と言って話し合っているんです。だからこそ、このような大会には必ず参加して、母親としての行動を示していきたい。軍事化は絶対に反対です」と、そばにいた子供たちに言い聞かせるように話してくれた。
 同じく平良市の平良恒保さん(80)は「戦争体験者の私たちが子や孫を守る。『戦争はいけない』ということを伝えていきたい。そのためにも軍事利用には絶対に反対する。いつまでも平和な島であってほしい」と話した。
 伊良部町出身の主婦(60)は「これは伊良部町だけの問題ではなく、宮古全体の問題なので多くの郡民に危機意識を持ってもらいたい。軍事化された後ではもう遅い。取り返しが付かなくなる」と懸念した。
 「戦争は反対」の旗を掲げて参加した波平吉子さん(57)は「(軍事利用を)一度、許してしまえば永久的に使われてしまう。米軍ヘリの墜落も対岸の火事ではない。断固反対していきたい。私だけの声では小さな力かも知れないけど、みんなで声を上げれば大きな大きな力になる。子や孫を守るためにも頑張っていきたい」と力強い決意を話した。
 大会の中で意見発表した伊良部高校の大城さんも反対の姿勢を示し続けた。基地化に伴う財政面の優遇を理解しながらも環境の破壊や観光客の減少、その他多くの不安材料を示し、「爆音が鳴り響く空の下で、飛行機が墜落する危険性を考えながら生活していくのは耐えられないのです。平和目的に利用することを私たちは求めます」と切に願っていた。

 写真説明・軍事化反対のプラカードを背に掲げて総決起大会に参加した宮古郡民ら=28日、平良市総合陸上競技場

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800人がゴルフで交流/サントピアGゴルフ宮古島大会

 「サントピア沖縄ふれあいフェスタ」の第17回「南部忠平杯」グラウンド・ゴルフ宮古島大会(主催・同フェス実行委員会、宮古広域圏事務組合など)が28日、平良市の前福多目的運動場で行われ、島内外から合わせて797人の愛好者が参加し、ゲームを通して交流を深めた。競技の結果、団体の部は石垣市の石垣スポーツパークが初優勝を飾った。
 大会は27日にカママ嶺公園内で行われた協賛行事・ばっしらいん大会で幕開け。この大会には沖縄本島や本土から計299人が参加してアップダウンの激しい難コースに挑んでいた。
 28日の本大会は午前8時30分から開会式が行われた。稲嶺恵一知事(代読)は「この大会で心にも、体にも、温かい出会いを見つけていただくとともに、美しいサンゴ礁の海に囲まれたスポーツアイランド宮古島を舞台に持続的な交流と相互の親ぼくを深めてほしい」と呼び掛け。大会長を務めた宮古広域圏事務組合の伊志嶺亮代表理事は「伸び伸びと楽しみながらプレーして交流の和を広げ、思い出深い大会にしてほしい」などと話した。伊志嶺大会長ら関係者による始球式で大会がスタート。797人の参加者が一斉にプレーを開始し、日ごろのクラブさばきを競い合うとともに、全国各地から参加している参加者との交流を楽しんでいた。
 競技中はホールインワンが続出する一方で珍プレーも各コースで飛び出すなど大にぎわい。参加者は和気あいあいとした雰囲気の中で宮古島大会を楽しんでいた。
 同大会は年々、参加者数が増えており、今大会には外国人1人を含む県外から90人、宮古を除く県内から268人、宮古から439人がエントリーした。

 写真説明・797人が参加しプレーを通して交流を深めた=28日、平良市の前福多目的運動場

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宮古が団体11連覇/先島親善囲碁大会

 第32回先島親善囲碁大会(主催・同実行委員会、協賛・宮古毎日新聞社、八重山毎日新聞社)が27日、石垣市で行われ、団体戦は宮古が37勝26敗で勝ち、11連覇した。先島本因坊戦(個人戦)は、知念一将6段が初優勝した。大会後の懇親会では親ぼくを深めるとともに、知念かおり女流本因坊のタイトル奪還を祝った。
 対局に先立って開会式があり、八重山チームの慶田城章団長が「1年ぶりに囲碁仲間と会えてうれしい。きょうは1日を存分に楽しみましょう」と歓迎のあいさつ。
 宮古チームの宮里光雄団長は「長年の交流は、囲碁なればこその感じがする。大会が40、50回と継続されることを願う」とあいさつした。
 大会には宮古から14人、八重山から14人の合計28人が参加。対局はA、B、C組に分かれて行われ、団体戦は全体の勝ち星で勝敗を競った。
 対局前は、近況を尋ねたりと和気あいあいの雰囲気。しかし、いざ碁石を握ると負けじと盤面に目を集中していた。
 団体戦は宮古が勝ち、通算成績は宮古の21勝10敗1引き分けとなった。
 個人戦は池間博美6段、宮里光雄6段、玉城勉6段、知念一将6段の4人が3勝1敗で並んだが、プレーオフ進出を池間、宮里両6段が辞退。このためプレーオフは、玉城、知念両6段で争われることになった。
 同対局は28日に石垣市内の割烹で行われた。玉城の黒番。中盤に入って白番の知念は、猛烈な攻めを見せその結果、黒石を取り優位に。その後、黒は追い込んだが惜しくも及ばなかった。
 初のビッグタイトルを手にした知念は「まさか取れるとは、思わなかった。これからも頑張りたい」と喜びを語った。
 成績優秀者は次の通り。
 【A組】池間博美6段(3勝1敗)、知念一将6段(同)
 【B組】宮里光雄6段(3勝1敗)、玉城勉6段(同)
 【C組】田場平教5段(4勝)、根間武雄5段(4勝1敗)

 写真説明(上)・先島本因坊位を獲得した知念一将6段
 写真説明(下)・八重山の囲碁愛好者が一堂に会した大会=27日、石垣市内の喫茶店・スウィング

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隊員29人は地域住民/「美ぎ島パトロール隊」発足

 住民自ら地域のパトロールをする「美ぎ島パトロール隊」の発足式が26日、宮古警察署で行われた。地域住民らで構成する隊員29人が、身近な犯罪や少年非行防止に努め、安全な町づくりの実現を誓い、決意を新たにした。
 発足式で同パトロール隊の砂川朝賢隊長は「責任を持って犯罪防止に努めよう。宮古の犯罪が1つでも減るよう頑張ろう」と呼び掛けた。
 同署の伊波盛春署長は「皆さんの活動で安全で住みよい町にしましょう」と激励した。
 発足式の最後には、隊員を代表して亀川勝男さんが「関係機関と連携を密にして犯罪、非行のない美ぎ島平良市づくりのために尽くしましょう」と決意表明した。
 パトロール隊は平良市における犯罪発生率の高い西交番所管内を中心に、地域住民自ら行い、防犯意識の高揚、地域の連帯感の強化を図る。
 隊員は次の皆さん。(敬称略)
 ▽砂川朝賢▽平良豊一▽砂川博一▽本村典男▽砂川博孝▽友利和史▽亀川勝男▽下地昌鉄▽塩川克也▽池間隼人▽下地秀徳▽下里和広▽伊良皆広吉▽下地正彦▽荷川取実優▽狩俣正夫▽荷川取悟▽高嶺修▽河村一平▽平良惠子▽立津佳子▽長田ヒロ子▽本村恵子▽砂川美江子▽三井咲子▽平良秀子▽仲宗根光子▽荷川取恵子▽保栄茂美智子

 写真説明・隊員らはガンバロー三唱して気勢を上げた=26日、宮古警察署

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創立100周年を盛大に祝う/池間小

 平良市立池間小学校(天願敏男校長、児童数21人)の創立100周年記念式典・祝賀会(主催・池間小百周年期成会)が28日、同校の体育館で行われた。大勢の教育関係者や住民らが列席。教学1世紀の節目を地域挙げて盛大に祝い、発展を祈念した。
 同校は、1903(明治36)年に池間尋常小学校として創立。41年(昭和16)年池間国民学校に改称され、48年現在の池間小学校に校名を改めた。2004年3月までに3536人を輩出した。
 これまでに全沖縄読書感想文・感想画コンクールで最優秀賞、はあと財団よりへき地教育研究優秀校として表彰、日本野生生物保護実績発表大会ではオカガニの観察で自然保護局長賞受賞、時事通信社主催第16回教育奨励賞「努力賞」受賞などの功績を残している。
 式典で、主催者を代表して与那嶺誓雄同期成会長は「児童の皆さんは、記念碑に刻まれた『青雲の志』の精神を生かし、小さな池間島に生まれても夢は大きく、世界へ羽ばたくようなたくましい人間に成長することを願ってやみません」と式辞。天願校長は「児童の皆さん、常に大きな夢をもち、夢に向かって県内外、世界の空を目指して大きく羽ばたき、友と育った池間小学校、池間島をいつまでも覚えていてほしい」と式辞を述べた。
 山内彰県教育長(代読)は「子供たちを中心に学校と地域が密接に結び合い、地域に根差した開かれた学校を実現しているへき地教育は、今後の学校教育の在り方に大きな示唆を与えるものと期待」、伊志嶺亮平良市長は「子供たちが『自ら学び心豊かで、ふるさと池間島を愛する児童』となり、赤々と燃える太陽のごとく強く、明るく、たくましく成長していけるよう、先生、地域のご理解とご協力をお願いしたい」とそれぞれ祝辞を述べた。
 次いで池間青昌同市議会議長、久貝勝盛同市教育長が祝辞。
佐久本孟同校児童会長は「先輩方を見習って、心と頭を磨き、身体を鍛え、それぞれの夢に向かって前進していこうと思います」と決意を新たにした。
 祝賀会では、乾杯の音頭の合間に子ども会や婦人会、老人クラブらが趣向を凝らした余興を披露。会場は華やいだ雰囲気に包まれていた。

 写真説明(上)・100年の沿革史などを振り返り、さらなる発展を祈念した=28日、池間小学校の体育館
 写真説明(下)・地域挙げて盛大に祝った祝賀会

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