200平成16  1127曜日

伊架橋建設費コストダウン/道路幅縮小、三位一体改革など影響

 伊良部架橋(一般県道平良下地島空港線)の全体事業費が国の三位一体改革など厳しい財政事情も影響して、コストダウンする見込みだ。本紙の調べでは当初380億円を見込んでいた事業費だが、ここにきて事業費は約325億円前後で国との調整が進んでいる。それに伴い架橋の道路幅員も予定の11・5メートルから縮小し、9メートルでの調整を県は国と図っているが国土交通省側はそれ以下を求め現在、8・5メートル前後で調整作業が進んでいるようだ。
 今年度、国土交通省から実施設計費3億5000万円が予算化され事業化が確定的となった伊良部架橋。しかし、国の三位一体改革や公共工事の削減なども影響して当初予定していた全体事業費の380億円は困難な状況になっている。
 国は、架橋建設については着工に向けて取り組む姿勢を示すも総事業費380億円については調整が必要との観点から、コストダウンを県に求めている。
 これを受けて県では、当初予定の道路幅員の縮小を検討し予定の11・5メートルから9メートルとした。
 しかし、その幅員でもコスト的に厳しいと国は指摘し、それ以下を求め国と県は現在8・5メートルと9メートルの間で調整が進められている。また、橋の道路幅員について池間大橋、来間大橋とも7・75メートルとなっている。
 今月16日には、首長らができるだけコストダウンをせずに建設するよう関係省庁、県選出国会議員に要望しているが今後の調整内容が注目されている。
 今回の国からの建設費コストダウンについて県では「今後も再度国と調整していきたい。また漁協との漁業補償についても早急にめど付けすることが大切」と説明している。
 伊良部架橋については、今年度予算で3億5000万円を計上。内容は橋りょう部分の基本設計費、取り付け道路や海中道路の実施設計費として予算化されている。
 伊良部架橋 平良市久貝と伊良部町池間添をつなぐ道路で架橋部の4キロの長さは瀬戸内海を横断する明石架橋にほぼ匹敵し、離島架橋としては国内最長となる。

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海岸清掃に汗/全島一斉清掃に370人参加

 県宮古支庁農業水産整備課と宮古6市町村が主催した、全島一斉海岸清掃活動が26日、宮古地区全6市町村で実施された。県宮古支庁職員や各市町村の役場職員、関係団体などから計370人が参加し、海岸の美化活動に努めた。今回の活動で10トントラックの約17台分のごみが集められた。
 清掃場所は平良市が高野漁港海岸、白川海岸、真謝漁港東海岸。城辺町は保良海岸。伊良部町は佐和田漁港から佐和田海岸。下地町は内浜、西原、前浜海岸。上野村はドイツ村から山根海岸。多良間村は前泊港東側海岸で実施された。
 このうち高野漁港海岸では、午後1時30分に開始式が開かれ、県宮古支庁の安和朝忠支庁長は「海岸には日常生活からのごみ以外にも世界中からごみが漂着する。1年間たまった『アカ』を取り、立派な美しい海浜にしましょう」と呼び掛けた。
 同海岸には124人が参加。途中から小雨がぱらつくあいにくの天気となったが、参加者らは打ち上げられた大量のペットボトルや流木などを1つ1つ拾った。
 参加した県宮古支庁農業水産整備課の下地秀美さんは「ごみがこんなに多いとは思わなかった。宮古は海がきれいなのでもったいない。浜も清掃してきれいに見せたい」と汗をぬぐった。
 今回は「美ぎ島・宮古」実現の一環として全島一斉に行われた。毎年、県宮古支庁が中心となって実施していたが、今回は各市町村と共同で行われた。

 写真説明・海岸に打ち上げられた大量のごみを拾い集める参加者たち=26日、平良市の高野漁港海岸

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武島さんに母子保健奨励賞/全国で15人、皇太子さまとも接見

 母子保健の発展向上に献身的な活動を続けている個人を顕彰する第26回「母子保健奨励賞」(主催・母子保健功労顕彰会)の表彰式が18日、東京都内のホテルで行われ、平良市の保健師、武島和美さんが同賞を受賞した。今回選ばれたのは全国で15人。表彰式の後には東宮御所に移動し皇太子さまとも接見、激励の言葉を受けた。26日、平良市役所で伊志嶺亮市長に喜びの報告を行った武島さんは「受賞は関係者の方々の支え、励まし、指導のたまもの。非常に光栄で、ありがたく受け止めている」と喜びを語った。
 武島さんは1972年から約2年間、下地町駐在保健師を務め、ハイリスク妊婦の訪問・相談指導などに貢献。83年からは平良市の保健師として、母子保健推進員の育成や育児不安虐待予防のための基盤整備、「母子保健計画愛あいプラン」の策定・広報・推進など、同市の母子保健にかかわる数々の事業に携わった。県宮古福祉保健所の推薦を受け、県や同顕彰会などの審査を経て、受賞が決まった。
 喜びの報告を受けた伊志嶺市長は「武島さんの頑張りは職員みんなが知っている。武島さんのさまざまな取り組みが『合格』につながった。これまでのご労苦に敬意を表したい」とたたえた。武島さんは「お母さんたちが育児に自信を持てるような活動をしていきたい」と決意を新たにしていた。
 同賞は1979年の国際児童年を契機に、全国各地で母子保健の向上に取り組んでいる個人の功労をたたえるため設定された。母子保健事業に5年以上従事し、地域に密着した活動で功績を上げ、今後も活躍が期待される個人に贈られる。

 写真説明・「母子保健奨励賞」を伊志嶺市長(左から2人目)に報告した武島さん(同3人目)=26日、平良市役所

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数学技能準2級に合格/根間君(福嶺中2年)「将来は1級目指す」

  日本数学検定協会が実施する数学技能検定の準2級(高校1−2年程度)に、城辺町立福嶺中学校に通う根間侑也君(2年)が見事、合格を果たした。普段はバスケットボール部のキャプテンを務める根間君の「文武両道」の活躍に学校関係者は喜びを見せている。
 同検定は各級とも、一次試験が計算技能検定、二次試験で数理技能検定が実施される。同協会によると、今回、根間君が合格した準2級は▽確率の基礎▽図形の処理▽コンピューターの操作▽三角比―などが出題される。準2級の合格率(2003年度)は43・3%。
 根間君は小学校のころから算数が好きで、中学に入っても必修授業の数学のほか、選択授業でも数学を選択している。普段から、学校の授業のほかに、部活動終了後、数学担当の山口勇一教諭の指導を受け、マンツーマンで勉強に励んだという。
 根間君は「自信がなかったので、合格の知らせが来た時はうれしかった。将来は1級合格を目指したい」と笑顔。山口教諭は「今のペースで頑張れば中学在学中に準1級合格も可能だと思う」とエールを送った。
 同校の仲宗根恵司校長は「基礎学力の取り組みが合格という結果で実を結んだ。今回、根間君が合格したことで、宮古の数学好きの生徒の目標になってくれればうれしい」と喜んだ。

 写真説明・(左から)数学技能検定の準2級に合格した根間君と、指導に当たった山口教諭=26日、福嶺中学校

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はしご車使いおおがかりに/宮古支庁で消防訓練

  県宮古支庁(安和朝忠支庁長)の消防訓練が26日、同庁舎で行われ、同庁職員と宮古広域消防組合消防署の消防隊員ら合わせて約250人が訓練に参加した。同庁自衛消防隊を務める職員らは通報、避難誘導、救助など、消防隊員ははしご車を使った救助など、本番さながらの訓練に取り組んだ。
 同支庁の消防訓練は、火災などの発生による被害を最小限にするため、職員の防火意識の高揚、防災体制の充実強化を図る目的で毎年行われており、今年で6回目。今回の訓練は、庁舎3階湯沸室で火災が発生したことを想定。通報後、初期消火に努めたが延焼したため庁舎内の全員が避難するという設定で行われた。
 午前10時に訓練は始まり、火災の通報から在庁者の避難誘導、自衛消防隊の職員による救助などが速やかに行われた。
 併せて宮古広域消防組合消防署から消防車両6台が到着。4階部分に逃げ遅れた人をはしご車やロープを使って救出した。
 同署の伊舎堂勇署長は「各訓練ともスムーズに進み、非常に意義深い訓練だった」と講評。安和支庁長は「命や財産を奪う火災は最大の脅威であり、仮にその被害が大きくなれば支庁職員のみならず宮古圏域の大きな障害となる。今後も職員が心を一つにして、火災に未然防止、自衛消防隊のさらなる強化を図りたい」と述べた。

 写真説明・はしご車を使い逃げ遅れた人の救助訓練を行う消防隊員ら=26日、県宮古支庁

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