200平成16  1120曜日

再び「合併推進」の可能性/下地町議会

 下地町議会(川満廣俊議長)と上野村議会(平良隆議長)は24日に臨時会を開き、「合併推進」の決議案と平良市、城辺町、伊良部町合併推進協議会への加入について審議する。これにより、再び5市町村合併の可能性が出てきた。両議会は5市町村による合併協議から離脱していたが、町、村当局や各方面からの要望に応える形で再び合併の賛否について検討する。一度合併参加を否決している下地町議会がどう判断を下すかが注目される。
 19日、下地町議会の全員協議会が開かれ、川満省三町長は単独では財政面が厳しい状態であることを改めて強調し、5市町村での合併協議を再考するよう要望。下地町と上野村の合併参加議決を受け、城辺町と伊良部町の両議会は29日に、平良市議会は30日に臨時会を開き受け入れ議決を行う予定であることから、この日の合併推進決定を求めた。
 しかし、他市町村議会の臨時会日程があるため、急いで合併推進を求める川満町長に合併反対の議員らが反発。この日合併賛否については決定せず、24日の臨時会で議決することとなった。
 池間健榮氏は9月定例会での合併参加否決や自立へ向け取り組んできた経緯を強調し「これまでの3年間は何だったのか。議会は自立を決めた。他の議会の日程に間に合わせるため今日決めることは、議会として自ら議決権を放棄している」と強く反発。保良榮男氏は「再考するのであれば考える時間を与えないのはおかしい」としてこの日の全員協議会での決定に難色を示した。
 合併に賛成している松永恵茂氏は「町当局が示した財政推計に対し、収入を増やす施策が見出せていない」、古波蔵小夜子氏は「3年間論議しても財政推計をプラスにできる案を出せていない。行財政改革推進委員会からの合併要望も重く受け止めるべき」など今後の財政の見通しが立っていないことを挙げた。
 合併反対の立場を見せていた垣花武一氏は「葬祭場やごみ処理場の問題などから、地域住民の合併への関心が高くなっている。再考する必要がある」、仲里誠高氏は「財政推計を見ても結末がどうなるか見通しが立っている」などとして、合併再考に柔軟な姿勢を見せた。

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基準値以下で「問題ない」/水源地の塩素イオン濃度

 宮古島上水道企業団(渡真利光俊企業長)は19日、平良市の山川や高野など4カ所の水源地で、塩素イオン濃度が通常値より高く推移している問題で、専門機関に調査依頼していた結果を発表した。塩素イオン濃度が上昇した原因は台風での風送塩の影響が高いことを挙げ、すべての水源が水質基準値以下で上水道の水源として問題がないことを強調した。
 会見には調査を実施した県環境科学センター環境科学部の上原行雄部長、同企業団の砂川定之次長、下地祥充参事らが出席した。
 結果は10月21日に採水した際のもので、問題となった白川田、山川、高野、大野の四つの水源。今年8月には山川で1リットル当たり過去最高となる約85ミリグラムを計測するなど上昇が見られた。
 砂川次長は「以前にも塩素イオン濃度の上昇は台風後に見られ、今回も台風による風送塩の影響が高い」と見解を述べた。
 また、会見では流域内で温泉水を利用する民間施設付近の井戸で、基準値の8倍となる1600ミリグラムと高値を検出したが、今回の上昇には影響がないと考えられることと、今後の温泉水の影響把握と対策を取ることが急務であるとした。同施設は温泉法や県の基準をすべて満たしているが、今後排水を流域外に行うよう対策を進めている。
 同企業団は今後の対策として、現行月2回の調査に加え、台風時の調査を行うなど監視体制を強化し、懸念される原因の排除にあたる。
 同企業団によると、塩素イオン濃度の基準値は1リットルあたり200ミリグラム。基準値を超えると、味がしょっぱく感じるが、人体に悪影響はないという。

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踊りで防火アピール/2004防火フェスティバル

 宮古広域消防組合幼年・少年・婦人防火委員会結成20年の節目を記念した「2004防火フェスティバル〜新潟県中越地震被災者支援チャリティー〜」(主催・同委員、共催・宮古広域消防組合消防本部・消防団ほか)が19日午後、平良市のマティダ市民劇場で開かれた。舞台では子供から大人まで総勢160人が趣向を凝らした踊りやエイサーなどを披露し、防火で明るい地域社会の実現をアピール。大勢の子供たちが舞台に立ち、「絶対に火遊びをいたしません」と防火を誓った。同フェスティバルが開催されたのは今回が初めて。同劇場入り口では募金箱が設けられ、入場者らは募金に協力していた。

同フェスティバルは、同委員会の活動をアピールするとともに、地域住民らに防火思想を啓蒙することを主眼とし、新潟県中越地震の被災者支援のため募金を行い、義援金を送付することが目的で開かれた。
 この日出演したのは、婦人防火クラブが平良市池間、城辺町、下地町の3団体、幼年防火クラブが福里保育所(城辺町)、北保育所(平良市)、下地保育所(下地町)、ひばり保育園(平良市)、あけぼの保育園(同)、あさひ保育園(同)、南・北保育所(上野村)の7団体、少年防火クラブの花園幼稚園(平良市)の計11団体。宮古高校グラウンドボーイズが特別出演し会に花を添えた。
 各団体とも息の合った踊りを披露して、大勢の観客から喝さいを浴びた。
 このうち、下地保育所幼年防火クラブは、そろいの消防服を着て出演。躍動感あふれる踊りを演じ、会場から大きな拍手が送られた。子供たちは「火あそびはしません」と大書された横断幕を掲げ、観客らに防火思想を訴えた。
開会式で、洲鎌菜保子同委員会長が「これからもみんなで防災思想を広めよう」とあいさつ。渡真利定一同組合消防長は「今後も地域の皆さんと消防行政が防災体制に協力し、災害の無い地域社会をつくろう」などと述べた。
次いで来賓の宮古市町村会長の伊志嶺亮平良市長、座覇政為県消防会長が祝辞。防災の重要性などを訴えた。

 写真説明・そろいの消防服を着て防火をアピールした下地保育所幼年防火クラブ=19日、平良市のマティダ市民劇場

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子牛1頭平均40万円台/11月肉用牛競り

 宮古本島の11月肉用牛競りが19日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後12カ月以内)1頭の平均価格は43万5330円(前月比6624円安)で取引が成立した。同価格の40万円台は過去最高となる6カ月連続を記録した。成牛を含む全体の販売額は1億9518万6600円で、今年1月からの累計は19億9000万円に達した。来月の取引により年間総販売額が20億円台(多良間を除く)に達することは確実。
 今月競りに上場された子牛は442頭(去勢270頭、雌172頭)で、このうち436頭の取引が成立した。1頭平均価格は去勢が45万9939円と高い。雌も40万円に迫る39万5692円で競り落とされている。平均キロ単価は1648円(前月比3円安)。1頭当たりの最高価格は63万2100円だった。子牛のみの販売額は1億8980万4300円。
 成牛を含む全体の上場頭数は476頭(去勢271頭、雌205頭)で、うち466頭の取引が成立。1頭平均価格は41万8855円(前月比4801円安)で競り落とされ、平均キロ単価も1518円の高値で取引が成立している。
 今年の肉用牛競りは初競り(1月)から高値取引を連発。子牛の1頭平均価格は6月から40万円台を維持し、先月競りでは過去最高となる44万1954円を記録した。来月競りで確実の年間販売額20億円台は2年連続になる。

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子供たちが紙漉(す)きに挑戦/岐阜県本美濃紙保存会が手ほどき

 平良市総合博物館で開催されている重要無形文化財保持団体秀作展の一環で、岐阜県の本美濃紙保存会(澤村正会長)による紙漉き実演が行われている。19日は、城辺町立西城小学校5年生、平良市立平良第一小学校4年生、同市立池間中学校全生徒が来館し、伝統の紙漉きを体験した。実演はきょう20日の午前中まで行われる。
 子供たちは、同保存会の澤村会長と澤村美代子さんに本美濃紙の特徴や制作工程を学び、漉き板を揺らして繊維を均等に絡み合わせる「流し漉き」に挑戦。澤村会長の手ほどきを受けながら、緊張した面持ちで体験していた。
 このうち、西城小の下地泰 君は「簡単そうに見えるけど、実際にやってみると力加減が難しかった。緊張して体が硬くなった」と感想を話した。
 新里英二君は「初めて見る本美濃紙は、さらさらしていてとてもきれい」と目を輝かせていた。
 澤村美代子さんは「地元では若い研修生らを後継者として育成している。宮古島の子供たちにも本美濃紙に触れてもらえて良かった」と笑顔を見せていた。

 写真説明・緊張の面持ちで紙漉きを体験する子供たち=19日、平良市総合博物館

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花いっぱいにしてね/平良市・保育園などに苗2万本配布

 平良市(伊志嶺亮市長)は19日、同市緑化育苗センターで花苗配布式を行い、マリーゴールドなど10種類の花の苗を保育園などの各団体に配布した。同市の花いっぱい推進事業の一環。
 苗の配布は、市民の環境美化への意識高揚を図ろうと、同市みどり推進課(狩俣博三課長)が毎年行っている。この日は、事前に申し込みのあった学校や自治体、ボランティア団体など83団体に1万2450本の苗を配布。26日には、57カ所の事業所などに8550本を配る予定で、計140団体に2万1000本の苗が行き渡ることになる。
 配布式には、受領団体を代表してなかよし保育園(砂川美恵子園長)の5歳児らが参加。伊志嶺市長が「今年は、台風の影響で緑や花が減っています。かわいがって育てて、周りを花いっぱいにしてください」と、1人ひとりに苗を手渡した。子供たちは「花いっぱいの町にします」と声を合わせた。
 配布した花の種類は、ベゴニア、キク、サルビア、ペチュニアなど10種類。同課が栽培した苗のほか、みやこ学園やふれあいの里から購入した苗もある。

 写真説明・伊志嶺市長(右)がなかよし保育園の子供たちに花の苗を手渡した=19日、平良市緑化育苗センター

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