200平成16  1118曜日

新市名称「宮古市」に決定/3市町合併

 平良市・城辺町・伊良部町合併推進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)の第4回会議が17日、宮古島マリンターミナルで開かれ、合併後の新市の名称を賛成多数で「宮古市」に決定した。新聞紙上や同協議会のホームページ上などで住民からの要望が多かったアンケートの実施については、複数の委員からこれを求める意見が出されたが賛成少数で否決。「新市の名称に関する小委員会」(川満俊夫委員長)が提案した「宮古市」をはじめ、「宮古島市」「琉宮市」の3案のうち、「宮古市」が賛成多数で選ばれた。

 新市の名称については、「新市の名称に関する小委員会」委員長の川満氏から、小委員会では▽「宮古市」で意見を集約した▽新市の名称に関する公募・アンケートは行わない―ことが報告された。公募・アンケートを行わない理由として、▽6市町村の合併協議会でも公募はしていない▽12月までにすべての協定項目の確認を終える必要があり、時間的に余裕がない―との理由が示された。これに加え、「宮古市」と共に意見のあった「宮古島市」「琉宮市」を含めて議論するよう求めた。
 平良和枝氏は「委員会の意見を尊重するのも大事だが、名称の問題は合併論議の中で、住民の声を聞くチャンスだ。新しい市に愛着を感じてもらうには、ぜひ住民の声を聞く機会をつくってもらいたい」とアンケートの必要性を訴え。中尾英筰氏、野村安潤氏もアンケートや公募が必要だとする立場で意見を述べた。
 これに対し、同小委員会委員でもある新城元吉氏は「(小委員会の意見を)押し通すということでやっているわけではない。私は個人的には宮古島市が良いが、町議会や市民の意見をうかがった結果、小委員会で宮古市を主張した。意見を集約した結果、宮古市という名称に、ということになった」と経緯を述べ、アンケートや公募は必要ないと説明。川満氏も市民の意見は十分に勘案されている点を重ねて強調した。
 結局、伊志嶺会長がアンケートが必要か否かの多数決を提案。「必要ない」が多数となり、アンケートは実施しないとの結論に至った。
 引き続き、新市の名称について採決した結果、賛成多数となった「宮古市」に決まった。
 今回決定した協定項目は新市の名称のほか、▽各種福祉制度▽農林水産関係事業▽商工観光関係事業▽学校教育および幼稚園に関すること―の4項目。
 冒頭、「伊良部町の自治権を守る会」(川満昭吉会長)から同協議会に対して提出された「3市町合併法定協議会への意見書」について報告があった。これに関しては「伊良部町の問題であり、協議会で協議するものではない」として協議はされなかった。
 次回第5回協議会は12月1日に行われる予定。場所は未定。

top.gif (811 バイト)

隔離政策の真相究明へ/ハンセン病検証会議・

宮古南静園で聞き取り調査

 国の隔離政策による人権侵害について検証するハンセン病問題に関する検証会議(金平輝子座長)の聞き取り調査が17日、宮古南静園で行われた。入園者の与那覇次郎さん(85)、「ハンセン病と人権を考える会宮古」代表世話人の石垣義夫さん(62)、退所者の知念正勝さん(71)の3人がそれぞれの立場や経験から被害の実態や社会の動向などを語った。石垣さんと知念さんは「偏見は理論の問題ではなく、人と人としての触れ合いの中からしか追い出せない」と話し、偏見のない社会への展望を語った。

 同会議は、日弁連法務研究財団が厚生労働省から委託を受け、国のハンセン病政策を多方面から検証し、真相を究明するとともに再発防止に向けて提言を行う機関。これまでに各療養所を回り、宮古南静園が国立13園最後の聞き取り調査となる。得られた証言は報告書にまとめ国に提出される。きょう18日には、元南静園園長の伊志嶺亮平良市長が証言する。
 子供を育てるために園を出て、早くから社会生活を送っていた知念さんは「2001年の熊本地裁判決以降、園を退所した人たちの中には、昔のことが世間に知られないように園には決して行かず、歯科や理髪店に出向いた際に苦労しているという」と報告し「互いに情報交換もできない現実は何を意味しているのか。見えない壁として偏見差別がいまだに残っているからではないか」と訴えた。
 石垣さんは「理論的に考えてみても偏見・差別は解決しない。自分の中の差別は、オトーリを飲んだり踊ってみたりと触れ合いの中からしか追い出せない」と人同士の関係性の重要さを強調した。与那覇さんは、強制中絶により子供を奪われた悲しみを語り「虫けら同然の扱いに、世をのろい人を恨んだ」とハンカチで目頭を押さえた。
 金平座長は「苦難の歴史を生き証人として語ってくれたことに敬意を表し、検証活動に役立てたい」と話した。

   ※被害・経験者、与那覇さん、石垣さん、知念さんの話へ

top.gif (811 バイト)

修復作業始まる/城辺町・「ウイピャームトゥ」籠(こも)り屋

 城辺町教育委員会は、昨年9月に襲来した台風14号で半壊状態となった県の有形民俗文化財「ウイピャームトゥ祭場」内の籠り屋の修復作業を16日から開始した。修復するのは同祭場内にある籠り屋3棟で、強風で吹き飛ばされたかやぶき屋根の修復を中心に行い、来週いっぱいで完了する予定。19日には、最も被害が大きかったマイウイピャームトゥの棟上げが行われる。
 籠り屋の修復は6年ぶりで、以前は老朽化と台風被害のため行ったという。作業には、かやぶき屋根修復の技術を持つ仲原や西東の男性14人が参加。材料となるススキは、約3メートルから4メートルに成長したものを女性たちが東平安名崎や比嘉の海岸、町内の山林で10日ほど前から刈り取り備えた。
 修復作業2日目の17日は、最も被害が大きかったマイウイピャームトゥは屋根の梁を撤去し、すべて張り替える作業を実施。梁にススキの茎で作ったすだれを乗せ、その上に枯れたススキの束を幾重にも重ねた。さらにつる性の植物でススキを押さえ、ひもで固定するなど昔ながらの方法で行った。
 作業に当たった男性たちは幼いころにかやぶき屋根の家で暮らしていた経験があり、台風時には年に数回も修復作業を手伝っていたという技術者たち。掛け声に合わせて作業を進めるなど、にぎやかに手際よく行っていた。
 作業に当たっていた友利喜良さん(80)は「昔からおじいたちに教わりながらかやぶき屋根の修復を行っていた。懐かしく感じる。ウイピャームトゥはいつまでもこの方法でかやぶきを作っていきたい」と話した。教育委員会の下地和宏さんは「技術者たちの高齢化が進み、引き継ぐ人がいないのが残念。いつまでも残していきたい」と話した。

 写真説明・昨年9月の台風14号の強風で吹き飛ばされたかやぶき屋根の修復作業に当たる男性たち=17日、城辺町砂川

top.gif (811 バイト)

1370人分の署名提出/3市町合併・住民投票を実現する会

 平良市が城辺町、伊良部町と合併することの是非を問う住民投票条例制定を求める「住民投票を実現する会」(照屋盛会長)は17日、1370人分の署名を市選挙管理委員会に提出した。同選管ではきょう18日から有権者名簿と照らし合わせ、20日以内に署名の有効・無効を審査し決定する。有権者数の50分の1(524人)以上の署名が有効と認められ、縦覧後も同数を満たしていれば条例制定の本請求が実施できる。
 署名は10月14日から11月14日までの1カ月間実施。同会の20人が街頭や個別に署名運動を展開し、1370人分の署名を集めた。
 17日、照屋会長、砂川保事務局長、三浦美恵さんが同選管を訪れ署名簿を提出。照屋会長は「意外にたくさんの方が住民投票をしてほしいと署名していただいた」と感謝し、砂川事務局長は「住民の気持ちの重さを市長、市議会ともに受け止めてほしい」と訴えた。署名簿を受け取った同選管の平賀暁雄事務局長は「長い期間ご苦労様でした。有権者名簿と照らし合わせ、20日以内に審査を終えるよう努力していく」と述べた。
 署名を受理した同選管はきょう18日から有権者名簿と照らし合わせて審査を行い、署名の有効か無効かを20日以内に決定。その後1週間の縦覧期間が設けられる。縦覧期間中に異議申し立てがあればさらに14日以内に意義の決定・修正・通知を行い、本請求に必要な署名が残れば条例制定の本請求が実施される。
 住民投票を実現する会は10月に伊志嶺亮市長に対し▽合併による新市構想やシミュレーションが作成されていない▽3市町は距離的に離れ、地理的条件から効率的な行政運営が図られるとは思えない―などとして、住民投票実施を求めていた。

top.gif (811 バイト)

宮古地区220人対象/DV防止対策で県民調査

 【那覇支局】配偶者や恋人など親密な関係者からの暴力(DV=ドメスティック・バイオレンス)を根本的に解決するため、県は2004年度の新規事業としてDV加害者対策に取り組む。その一環として16日、加害者の実態を把握するためのアンケート票を県内の男女5000人(宮古地区は220人)に送付した。調査結果を基に「DV防止のための教育プログラム」の骨子案を年度内に策定し、来年度から同プログラムを実施する方針。調査対象者はNTT電話帳の登録者を無作為に抽出した。県では「18歳以上の人なら誰でも回答できる。できるだけ調査票の到達から3日以内に記入して投かんしてほしい」と呼び掛けている。ただ、最終締め切りは来年1月15日。
 県は同事業の推進で、おきなわ女性財団に事業委託し、同財団は「女性問題に関する総合的・実践的な調査研究」の一環として受託。同事業の効果的推進のため、財団内に職員や医師、弁護士らでつくる「DV加害者対策研究会」と「同ワーキングチーム」を発足し、実態調査に乗り出した。
 また、このアンケートと併せて、聞き取り調査も実施予定で、調査に応じられる人の連絡を呼び掛けている。調査は12月から来年1月までの間に、調査員による2時間程度のインタビューとなる。申し込み・問い合わせは、おきなわ女性財団(電話:080-3951-7254)、担当の名嘉さんまで。

top.gif (811 バイト)

 

top.gif (811 バイト)