200平成16  1117曜日

「在任特例」に住民難色/合併後の議員身分

 合併後の新市における議会議員の身分を検討する第2回「議会議員の定数および任期に関する検討委員会」が16日午後、平良市役所で開かれた。合併後の一定期間の在任特例適用について平良市、城辺町、伊良部町の3市町議会議員は市長選と議員選の同時施行を避けることなどを理由に「6カ月か10カ月の在任特例が必要」と主張。これに対して「住民代表」の学識経験者の多くが「これだけ財政が逼迫している状況にあって、在任特例は適用すべきではない」と指摘した。結局この日は意見を集約できず、結論は24日の次回委員会に持ち越した。
 3市町議会が在任特例適用を求める理由は@適用しなければ市長選挙と議員選挙の同日施行となり住民が混乱するA合併後の新市で各地域の声を反映させるため、しばらくの在任が必要B新市の予算を見極めるという責任がある―など。財政面での対応については一部議員が「われわれは地域住民の声を吸い上げるために在任特例の適用が必要だと考えており、報酬のためではない。全員協議会の中では『報酬はいらない』とする声も出ている」と話した。
 一方、学識経験者の多くが▽財政難▽議員も痛みを分かち合うべき▽市長選挙と議員選挙が同日施行でも時間的にゆとりがあるため、住民の混乱はない―などを理由に在任特例の適用に反対している。ただ、一部学識経験者の中には「在任特例を適用しなければ城辺町や伊良部町の議員は2年の任期を残して議員を辞めることになる。議員の報酬はすでに予算化されており、その時点で報酬はカットされる。われわれが選んだ議員の意見は参考にしなければならないのではないか」などとする意見や「議員が指摘するように市長選挙と議員選挙の同日施行は避けるべきだと思う。それに新市の予算を見極めるのは現職議員の責任だ」とする声もあった。
 結局、この日は意見を集約できず「各委員から出た意見を持ち帰って各市町村で検討する」として取りまとめた。24日に開催する次回委員会で結論をまとめるが、議員と一部を除く学識経験者の意見の集約が図れるかが注目される。

top.gif (811 バイト)

伊架橋の早期着工を/要請団・内閣府や国交省で要請

 宮古6市町村の首長らで構成される伊良部架橋促進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)など要請団は16日、内閣府や国土交通省を訪問し、伊良部架橋の早期着工と来年度の予算化を強く要請した。要請団は「(伊良部架橋は)宮古圏域の発展になくてはならない」と訴え。これに対し内閣府や国交省は「必要性は承知している」などと前向きな姿勢を示した。
 一行は同日午前に内閣府を訪問し、西銘順志郎政務官をはじめ佐藤正紀審議官、武田宗高政策統括官、東良信沖縄振興局長らと面談し、伊良部架橋の必要性を訴えた。この要請に対し西銘政務官は「私も要請活動に参加したことがあり伊良部架橋については良く知っている。自民党も応援するという姿勢なので要望に応えたい」と答えた。武田政策統括官は「厳しい財政事情だが、必要性は重視している」と話した。
 午後に入って国交省を訪問し伊良部架橋の早期着工を要請。蓮実進副大臣や佐藤信秋・道路局長が応対し、それぞれ建設については前向きな姿勢を示した。その上で佐藤局長は架橋建設費のコストダウンの必要性を強調した。
 今回の要請団は伊良部架橋促進協議会や宮古市町村会、宮古市町村議会議長会、宮古広域圏事務組合、沖縄宮古商工会議所、宮古観光協会などで構成。総勢21人が15日から県、国への要請活動を展開した。

 写真説明・国土交通省の佐藤信秋・道路局長(奥)に伊良部架橋の早期着工を要請した=16日、国土交通省 

top.gif (811 バイト)

平和学習で戦跡巡り/大阪の私立淀之水高校

 大阪市内の私立淀之水高等学校(鶴巻榮二校長)の2年生約120人が16日、修学旅行で来島し、平和学習として陸軍中飛行場戦闘指揮所跡など島内の戦跡を巡った。宮古島での修学旅行で戦跡巡りを行ったのは同校が初。平良市総合博物館の砂川玄正館長が案内役を務め、太平洋戦争や戦時下の島の様子を説明した。生徒たちは砂川館長の説明を聞き、じかに戦争の痕跡に触れながら当時の様子に思いをはせ、戦没者の御霊に手を合わせた。
 同校は昨年、沖縄本島と宮古島を巡る日程で修学旅行を実施。島の歴史を知り、より自然環境について学ぼうと今年から宮古島だけでの旅行を初めて実施した。今回の旅行へ向け宮古島や沖縄戦について事前学習も行ってきたという。
 来島初日は上野村にある陸軍中飛行場跡や平良市福山集落近くにあるピンフ嶺野戦重火砲壕跡、同市内東仲宗根の豊旗の塔などを巡った。このうち、第二次世界大戦で宮古島に配置され亡くなった陸軍や海軍の警備隊員らを祭った豊旗の塔では、砂川館長が戦没者たちについて説明。「日本を守るため宮古島へ配置され亡くなり、島の神となった。皆さんも世界平和に祈りを込めてほしい」と話した。生徒たちは戦没者の御霊を祭った豊旗の塔に手を合わせ祈りを捧げた。
 生徒の松本恵美さんは「ここでたくさんの人が亡くなったんだと思い、怖かった」と感想を話した。同校の安田清教諭は「沖縄は唯一、地上戦のあった場所。今、イラク戦などの問題がある中、これからの時代を担う生徒たちがこの平和学習を通して何か心に残るものがあればうれしい」と期待を寄せた。
 生徒たちは19日まで滞在し、シュノーケリングなどのマリン体験や郷土料理体験などを行う。

 写真説明・太平洋戦争で島に配属され亡くなった戦没者の御霊に手を合わせる生徒たち=16日、平良市の豊旗の塔

top.gif (811 バイト)

善行青少年に本村君(久松中3年)/県青少年育成大会

 【那覇支局】「育てジンブナー〜21世紀の子供たちを育てるために〜」をテーマに第25回県青少年育成大会(主催・県、県教育委員会、県警察本部ほか)が16日、那覇市の県女性総合センターてぃるるで開催され、久松中3年の本村繁成君が、県知事から善行青少年個人の部で表彰された。本村くんは1年生の時から校内の清掃ボランティア活動に熱心に取り組み、休日にも自主的に登校し、草花への水やりを行うなどして他の生徒に模範を示すなどして表彰された。
 本村くんは「表彰されてうれしい。校長先生に励まされながら、2年生の後輩たちと一緒に活動してきた。卒業するまでは頑張る」と表彰を喜んだ。
 このほか同大会では今年度「青少年の深夜はいかい防止県民一斉行動」実施に伴う作文、標語、ポスターの表彰式も行われた。
 宮古からの被表彰者は次の通り。(敬称略)
 【作文の部】▽県知事賞=友利智美(平良中3年)「全ては自分次第」
 【標語の部】▽県警本部長賞=嘉数愛実(北中2年)「『行ってきます』明るいうちに『ただいま』を」
 【ポスターの部】▽県青少年育成県民会議会長賞=新田由佳(宮古高2年)

 写真説明(上)・表彰状を手に喜ぶ本村君=16日、那覇市の県女性総合センターてぃるる
 写真説明(下)・作文の部、標語の部、ポスターの部でそれぞれ表彰された(左から)友利さん、嘉数さん、新田さん

top.gif (811 バイト)

60歳記念し 油・水彩画個展/長野県在住の画家、林さん

 長野県在住の画家、林昭子さんの「油絵・水彩画個展」が16日から平良市西里の花ギャラリーTOMOEで開催されている。21日まで(時間は午前11時から午後7時)。宮古島での個展は3回目。林さんは、「大好きな宮古島で開催できることがうれしい。(個展来場者)は女性が多いのですが、男性の方にも観てほしい」と話した。
 林さんは平良市に住む野津武彦さん夫婦との付き合いが縁となり、今から18年前に1回目の個展を開催。その3年後に2回目を開いている。
 3回目の個展は60歳を記念して開催。今回は油絵と水彩画合わせて約30点を展示した。コスモスやラズベリー、ワスレナグサなど花の絵をはじめ、風景画も数多く並べている。
 林さんは「宮古島の大好きなところは毎日の時間がゆっくりと流れること。少し霧がかっているような長野県と違って宮古島は澄んでいるところも気に入っている」と宮古島の印象を語った。
 林さんは1977年の元陽展入選を皮切りに79年には同展で奨励賞を受賞、94年には銀座で個展を開き、98年には元陽展で最高の「内閣総理大臣賞」を受賞している。以来、全国各地で個展を開催している。長野県軽井沢町在住。

 写真説明・油絵・水彩画個展を開いている林昭子さん=15日、平良市西里の花ギャラリーTOMOE

top.gif (811 バイト)

 

top.gif (811 バイト)