200平成16  1116曜日

伊架橋、来年度予算化を要請/首長、議長らが国、県に

 【那覇支局】国と地方の財政状況の厳しさから、大型事業の規模縮小という全国的な流れの中で、伊良部架橋の着工が遅れることを懸念し、宮古6市町村の首長や議長ら21人の要請団は15日、沖縄総合事務局長、県知事、県議会議長を訪ねて、同架橋の早期着工に向け2005年度予算化を強く要請した。対応した竹林義久沖縄総合事務局長、県の松井正樹技監、県議会の新垣哲司副議長らは、厳しい財政状況を懸念しつつも、同架橋の予算確保に協力姿勢を示した。大型事業について国からコスト縮減が言われており、県では同架橋の事業化に向け精力的に国との調整を進めている。きょう16日は内閣府と国土交通省、国会議員へ要請の予定。

 要請は伊良部架橋促進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)、宮古市町村会(同)、宮古市町村議会議長会(会長・池間青昌平良市議会議長)、宮古広域圏事務組合(代表理事・伊志嶺亮平良市長)、沖縄宮古商工会議所(中尾英筰会頭)、宮古観光協会(藤村明憲会長)の六機関団体で実施。宮古出身県議の砂川佳一氏、奥平一夫氏、池間淳氏、糸洲朝則氏も同行した。
 沖縄総合事務局での要請は午前11時30分から行われ、竹林局長に対し伊志嶺市長が「伊良部架橋は、伊良部島の医療・教育環境の改善や経済活性化をはじめ、下地島空港とその周辺の土地利用にも弾みをつけ、若者にも夢と希望を与える事業として、21世紀の宮古圏域の振興発展に大きな役割を果たすもの」と要請書を読み上げ、05年度予算確保に協力を願った。
 竹林局長は「厳しい財政状況下で、沖縄の公共工事も予算マイナス2%枠に入れられるが、地元の皆さんの熱い要望が実って架橋事業が促進されるように努めたい」と、後押しを約束した。
 浜川健伊良部町長は「三位一体改革の中でも伊良部架橋の調査などが進められ、大変喜んでいる。本町は市町村合併にも参加するのでよろしくお願いしたい」と配慮を求めた。
 同架橋事業は、01年度から県が着工準備調査を進め、今夏には環境影響評価の手続きを終了。04年度は橋りょう部分の基本設計費、取り付け道路や海中道路の実施設計費が予算化(3億5000万円)された。05年度予算では橋りょう(架橋)の実施設計費などを要望していく。同架橋は、05年度の着工を目指しているが、公有水面の埋め立て免許取得や3漁協の漁業補償の同意、陸上取付道路部分の用地買収などクリアすべき課題を抱えている。県では来年度の着工に向けて着実に進めていきたいとしている。
 同架橋は、平良市と伊良部島を結ぶ全長約7キロで、「一般県道平良下地島空港線」建設との位置づけ。橋りょう部分は約4キロ。全体事業費は約380億円が見込まれている。

 写真説明・竹林局長に要請書を手渡した伊志嶺市長(前列左から3人目)と町村長、議長ら=15日、那覇市の沖縄総合事務局

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勝者に笑み、3チームに栄冠/宮古毎日杯少年サッカー大会

 第12回宮古毎日新聞社杯全宮古少年サッカー大会(主催・宮古毎日新聞社、主管・宮古サッカー協会)が13、14の両日、平良市の前福多目的運動場で行われた。高学年(5、6年生)は粘り強さの光ったマティダ東FC6年が延長戦までもつれ込む熱戦を制し、優勝。中学年(3、4年生)は平良第一4年Aが圧倒的な力の差を見せつけ制した。総当たり戦で行われた低学年(1、2年生)の部では全勝で宮古南ジュニアが優勝を果たした。
 高学年の部決勝はマティダ東FC6年対沖縄宮古南FCという強豪チーム同士の対戦。沖縄宮古南FCは序盤から優位に試合を進め、2点を先制し前半を折り返した。
 後半になるとマティダ東FC6年が盛り返す。流れをつかみ、ボールを支配。積極的にシュートを放つなど、猛追が実り、2点を挙げて同点に追いつく。
 延長戦に入っても勢いはマティダ東FC6年。同点に追いついた自信からか、伸び伸びとプレー。延長後半間際に1点を追加し、逆転優勝を果たした。
 中学年の部決勝は予選リーグから準決勝までの3試合で、計36得点(1試合平均12点)を挙げるなど、圧倒的な攻撃力を誇る平良第一4年Aと南イレブンが対戦。決勝戦でも自慢の攻撃力を生かした平良第一FC4年Aが7−0と南イレブンを大差で下し、うれしい優勝を飾った。
 4チームが出場し、2日間かけてリーグ戦総当たり方式で行われた低学年の部。初日の2試合が終了した時点で全勝していた宮古南ジュニアとマティダ東FC2年1年Aが2日目第1試合で相まみえた。事実上の決勝戦は粘るマティダ東FC2年1年Aを宮古南ジュニアが辛くも振り切り、全勝優勝を決めた。
 大会には3部門で計25チームが出場。互いに力と技、スピードを競い合うなど、優勝を目指し意地と意地がぶつかり合った。スポーツを通じてチームプレーの楽しさを体験し、交流を深めるとともに、心身の健全育成を図ることを目的に開催されており、今大会からは子供たちの出場機会を増やそうと中学年の部が新設された。

 写真説明(上)・延長戦までもつれ込む接戦を制し、優勝を果たしたマティダ東FC6年=14日、平良市の前福多目的運動場
 写真説明(中)・圧倒的な攻撃力を見せつけ、中学年の部で優勝した平良第一4年Aイレブン
 写真説明(下)・全勝で低学年の部を制し、喜びを見せる宮古南ジュニア

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上里一将、プロ初ゴール/天皇杯サッカー

 Jリーグ2部(J2)のコンサドーレ札幌に所属する上里一将(平良中、宮古高校卒)は14日、室蘭市入江運動公園陸上競技場で行われた第84回天皇杯全日本サッカー選手権大会の4回戦ジェフユナイテッド市原(J1)との試合で、後半から途中出場し、中央から左足で25メートルのミドルシュートを決め、プロ入り初ゴールを挙げた。試合は延長Vゴールで札幌が勝利し、上里の起死回生の一撃が逆転勝利を呼び込んだ。

 上里は後半19分からトップ下のポジションに投入された。柳下正明監督に「どんどんシュートを打っていけ」と指示され、ピッチを縦横無尽に駆け回り、3本のシュートを放つなど攻撃をリードした。
 先制を許した後の同34分、中央で横パスを受けた上里は、落ち着いてトラップし得意の左足を一閃。「前が空いたらシュートを打とうと狙っていた」。低く放たれたシュートはゴール右隅に吸い込まれネットを揺らした。プロ入り初ゴール、敗戦の窮地を救った同点弾に歓喜の輪が広がった。チームメートから手荒い祝福を受け、笑顔がこぼれた。
 同点弾に勢いをつけた札幌はその後も市原を攻め立てた。延長前半にFW相川の劇的なVゴールで勝利を収め、J2最下位の札幌がJ14位の市原を破る番狂わせを演出した。試合後、上里は「(初ゴールは)気持ち良かった。チームのためにやっと結果が出せてうれしい。勝てて良かった」と満面の笑み。
 初ゴールの報告を受けた父、義光さんは「なかなか結果が出せなくて本人も悩んでいた。結果が出せてとてもうれしい」と手放しで喜んだ。
 宮古サッカー協会の松川英世会長は「とてもうれしい。やっときたかと思った。彼本来の力が大きな舞台で発揮できた。これからも彼らしいプレーをしてほしい」と今後の活躍に期待した。
 上里は今季、公式戦15試合に出場。ここ6試合は、先発出場したが無得点に終わっていた。先発フル出場は1試合のみ。
 天皇杯5回戦は12月12日に行われ、札幌はJ1大分トリニータと対戦する。

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中国孤児に理解を/「藍(あお)い月」主演の中塚さんがライブ

 日中合作映画「藍い月」―子供達が夢をもてる世界へ―の上映会と、主演で主題歌を歌うジャズシンガー中塚睦子さんのライブが12、13の両日、平良市内のライブハウスで行われた。映画「藍い月」は中塚さんが中国孤児の資金援助を目的に製作したもので、中国の孤児たちとたくましく生きていく日本女性の姿を描いている。中塚さんは「どんなに障害があってもあきらめなければ夢はかなうことを伝えたかった。この映画を通して孤児に対する思いが広まってくれれば」と話した。
 中塚さんは上海で障害孤児に出会い強い衝撃を受けたことをきっかけに「何かしたい」との思いから映画の製作を考案。その後単身で上海に渡り約5年かけて映画を完成させた。資金集めやシナリオの作成、主演などを手掛け、中国の映画製作庁の協力を得て作品が完成した。中塚さんは「国境や人種を超え、すべての子供たちを自分の子のような目で見れば争いはなくなる。そうした思いが少しでも広まってほしい」と願った。
 上映会は大阪府や那覇市で行っており、離島での上映は初めて。ライブでは、ジャズピアニストの津嘉山正明さんらとともに「Chika&Spice」として映画の主題歌やジャズナンバーを次々と披露した。

 写真説明・映画「藍い月」の主題歌などを熱唱するジャズシンガーの中塚睦子さん=12日、平良市内の雅歌小屋(がかごや)

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軽妙な話術で沸かせる/下地町で人権啓発講演会と落語

 2004年度人権啓発地方再委託事業の下地町人権啓発講演会・落語公演会(主催・下地町)が14日、同町農村環境改善センターで行われた。落語家の桂小金治さんが「人の心に花一輪」との演題で講演したほか、イギリス人で女性落語家のダイアン吉日さんが「国際結婚」と題して創作落語を披露。それぞれ身近に起きたことや経験談を取り上げ、軽妙な話で会場を沸かせた。
 桂さんは、厳しい父と優しい母に育てられたことなど自身の生い立ちを話し、「父からは人生とは我慢、辛抱して生きていくことだと教えられ、経験や努力、苦労を身につける大切さを知った」など厳しく育てられた環境で多くを学んだことなどを紹介。以前の家族の在り方と現在の家族の姿を照らし合わせ、親子のつながりや近所の人々とのつき合いが希薄になっていることを指摘し「何も教えられず何も分からないまま育った子供は悪い環境にいれば悪い方向にいってしまう。それにブレーキを掛けるのが大人の役目」と強調した。
 日本が大好きだというダイアン吉日さんは、結婚を控えた日本人男性とイギリス人女性について落語を披露。文化や言葉の違いなどによるやりとりを面白おかしく話し、観客の笑いを誘った。

 写真説明(左)「人の心に花一輪」の演題で講演した桂小金治さん=14日、下地町農村環境改善センター
 写真説明(右)・創作落語「国際結婚」を披露したダイアン吉日さん

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舞台発表、展示で友情深める/宮古地区中学総合文化祭

 「うちなーのてぃだの下、今輝くぼくの夢私の夢」をテーマに、第10回宮古地区中学校総合文化祭(主催・宮古地区中学校文化連盟)が14日、マティダ市民劇場で行われた。地区内の18中学校と宮古養護学校中学部の生徒らが一堂に会し、展示部門、舞台発表部門でそれぞれの文化活動の成果を披露。各自の得意な演目で会場を楽しませるとともに、学友との友情を深めていた。
 同大会は、中学生の文化活動への関心を高めると同時に、伝統文化の継承に努めようと開催。開会式で宮古地区中学校文化連盟の神里清春会長(西辺中学校長)は「21世紀の担い手となる皆さんが豊かな心をはぐくみ、社会の変化への対応能力を養う機会にしてほしい」とあいさつを述べた。
 また、生徒を代表して下地町立下地中学校3年の岩村しおりさんが「私たち2246人の学習の足跡を発表できることは素晴らしいこと。文化の奥深さを受け継ぎ、後輩たちにつなげていこう」と仲間たちに呼び掛けた。
 宮古教育事務所の本村幸雄所長、宮古地区中学校校長会の普天間裕会長(北中学校長)、県中学校文化連盟の照屋寛八会長も祝辞を述べ、生徒たちを激励した。
 舞台発表の部では、各学校の生徒たちが三線演奏や郷土芸能、軽快なダンス、吹奏楽など、各自の出し物を若さあふれる生き生きとした表情で披露。大神と池間は小・中学校として参加し、小学生も堂々と練習の成果を発揮した。また、宮古養護学校が創作ダンスを披露すると、同校の呼び掛けに応じて会場が総立ちとなり、そろいの振り付けと手拍子で一体となった。
 ロビーには、絵画や書道、手芸品などの作品がずらりと並べられ、生徒や父母らがじっくりと鑑賞していた。

 写真説明・宮古地区の中学生らが、それぞれの文化活動の成果を披露した=14日、マティダ市民劇場

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