200平成16  1112曜日

クイチャー踊り、豊作・豊漁祈願/佐良浜・池間・

「ミャークヅツ」始まる

 旧暦9月最初の「甲午(きのえうま)」に当たる11日、伝統行事の「ミャークヅツ(宮古節)が平良市池間島と同市西原、伊良部町佐良浜の3地区で始まった。池間島と佐良浜地区では円陣をつくり集団で躍動感あふれるクイチャーを舞った。旧年中の豊作、豊漁に感謝し、向こう1年間の五穀豊穣や大漁などを祈願した。西原地区では12日午後、集団パレードによるクイチャーでクライマックスを迎える。

・佐良浜
 佐良浜地区でのクイチャーは、本村と呼ぶ旧池間村の聖地と、中村と呼ぶ旧前里村の聖地でそれぞれ行われた。大勢の老若男女がクイチャーを舞い、男性らは「ヒヤサッサ」の掛け声で乱舞した。
 新加入者は、旧池間村が数えで47歳、旧前里村が数えで50歳。
旧池間村の新会員の仲地博喜さんは「ミャークヅツに参加できて最高の気分」、国頭恵さんは「感無量。先祖から受け継いだ伝統行事は、これからも大事にしたい」と感想を述べた。
旧前里村の新会員となった伊計高秋さんは「大先輩たちの前で、緊張気味。最後まで頑張りたい」と決意を新たにした。

 写真説明・躍動感あふれるクイチャーを踊っていた新会員ら=11日、伊良部町佐良浜

・池間
 池間島では、男性で数え55歳以上のムトゥヌウヤたちが、真謝(マジャ)ムトゥ、上枡(アギマス)ムトゥ、前の家(マイヌヤー)ムトゥ、前里ムトゥの4つのムトゥにそろい、五穀豊穣と大漁を願った。今年は33人が仲間入りし、先輩たちから祝福を受けた。
 午後4時ごろから、ツカサや各ムトゥヌウヤたち、地域住民らが水浜広場に集合。ツカサたちが神酒をささげ踊りを奉納した後、はっぴ姿の男たちが輪になってクイチャーを披露。「ヒヤサッサ、ヒヤサッサ」の掛け声とともに豪快なクイチャーを踊り、島を挙げて祭りを楽しんだ。
 今年ムトゥヌウヤに仲間入りした森田均さんは「一年生ということで準備が多く大変だが、楽しんでます。3日間頑張りたい」と笑顔を見せた。

 写真説明・「ヒヤサッサ」の勇ましい掛け声とともに男たちが豪快なクイチャーを披露した=11日、池間島水浜広場

 【ミャークヅツ】 ミャークは宮古、この世、ヅツは季節の節目を表す節の意味。「こうしているうちが浮き世だ、現世だ」ということから現世を楽しむという意味。男性らは、4つあるムトゥヤ(元家)にそれぞれ集まることから、男性中心の祭祀儀礼集団と呼ばれる。各ムトゥヤは、昔は同一祖先をもつ同一血族だったという。
池間島に始まり、同島の分村の佐良浜、西原で継承。18世紀に始まったとの一説もあるが不明。
 由来は、人頭税は池間住民らを極度の貧困と生活苦に追いやった。人々は現世を呪った。人頭税が納められないで苦しんでいる中、役人の仲保屋の主のおかげで8年続きの豊作で穀物物納ができた。仲保屋の主は住民の意見を取り入れ、褒章として「ミャークヅツ」を執り行ったと伝えられている。文献では仲保屋の主という役人名は存在しない。

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28日に郡民総決起大会/下地島空港軍事利用反対で

 米軍普天間基地の代替施設が完成するまで、米軍が下地島空港を暫定的に使用するとの報道などを受けて、宮古市町村会や市町村議会議長会は11日午後、「下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民総決起大会」実行委員会を結成し同大会の開催日を今月28日に決定した。会場は平良市営陸上競技場。時間は午後3時から。当日は「宮古郡民は平和な島づくりを目指し、いかなる軍事利用も許さないという強い姿勢をもって、米軍の下地島空港使用を断固として反対する」との決議文を採択する。同実行委は3000人規模の大会を目指す方針。
 同大会実行委は各市町村の首長をはじめ議会議長で構成。平良市区選出の奥平一夫県議と宮古郡区選出の砂川佳一県議が賛同人として加盟している。同大会の開催については連合沖縄宮古地域協議会加盟の単組をはじめ、各市町村議会、各学校PTA、医師会、商工会、老人クラブ、観光協会、婦人連合会、教職員組合などの団体も賛同しており、当日は多くの団体から「軍事利用反対」の声が上げられる。
 委員会結成後の会見で宮古市町村会の伊志嶺亮会長(平良市長)は「今回の大会は宮古郡民が反対する姿勢を示すもの。できるだけ多くの郡民に参加してもらい、大会を成功させたい」などと話し、当日の来場を呼び掛けた。
 委員会に同席した奥平県議は「宮古郡民の1人ひとりがこの問題にかかわり島の平和を阻害するような基地化に反対することが大切」と強調した。
 実行委は大会までの取り組みとして、各自治体や団体に協力を呼び掛けるほか、ビラ配布などで動員を求める。さらにバザーやフリーマーケットを開催し、親子連れの参加を促し、老若男女誰でも参加できる大会として盛り上げる方針。
 大会についての詳しい問い合わせは実行委事務局(宮古教育会館、電話:0980-72-3328)まで。

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チャーター便での宮古観光始まる/農協観光

 農協観光(本社・東京都、田辺豊社長)が企画する沖縄送客キャンペーンの宮古来島第一陣が11日、宮古空港に到着した。宮古観光協会(藤村明憲会長)などが145人の観光客を出迎えて歌や花束で歓迎した。
 このキャンペーンは今年で4年目。11月9日から12月9日までの期間、日本トランスオーシャン航空(JTA、市ノ澤武士社長)の本土―沖縄先島直行チャーター便を利用して展開する。チャーター便は3300人の受け入れ体制があり、現在までに約2500人の予約を受けているという。
 宮古に第一陣で来島した観光客らは、山口宇部空港を出発して石垣で2泊、宮古で1泊の旅を楽しみ、宮古ではうえのドイツ文化村やユートピアファーム宮古島などの観光施設を巡るとともに、南国の自然を満喫した。
 宮古空港で行われた歓迎セレモニーでは、ツアー先の関係者らも駆け付けて出迎え、歌手の真也よう子さんが三線と歌で南国気分を盛り上げた。  
 同観光協会の渡久山明事務局長は「快晴の旅行日和でお迎えできたことをうれしく思う。宮古でますます元気になり、今後とも長いおつきあいをお願いしたい」とあいさつした。
 ミス宮古の川平聖子さんはツアー客の1人、小野弘さんに花束を贈呈し、楽しい旅になることを願った。
 また、一行を代表して内藤昭夫さんは「島を挙げての熱烈な歓迎に感激している。旅行者にふさわしいマナーを心掛け、心に残る旅にしたい」と笑顔で話した。

 写真説明・145人の観光客が訪れ、宮古の観光業関係者らが歓迎した=11日、宮古空港

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子供の誕生を神に報告/来間島で「ヤーマスプナカ」

 下地町来間島で子孫繁栄と五穀豊穣(ほうじょう)を願う伝統行事「ヤーマスプナカ」が、旧暦9月の甲午(きのえうま)に当たる11日から始まった。
 初日はスムリャー、ウプヤー、ヤーマスヤーの各ヤームトゥ(本家)で島民の向こう1年の健康を願う「サラピャース」と、1年間に生まれた子供を神様に報告、お披露目する「マスムィ」が行われ、神酒やごちそうを囲みながら歌と踊りで島の発展を願った。きょう12日は、男たちが棒踊りで集落内を練り歩き厄払いをするほか、「雨乞い座」と呼ばれる広場では女性や子供たちによる踊りも披露される。
 このうちスムリャー(長間盛史さん宅)では、昨年の祭りの日から1年の間に生まれた子供16人の誕生を報告。集まった島民たちに子供1人ひとりの名前を紹介し、酒を酌み交わしながら健やかな成長を願った。長間さんは「この祭りは島で一番大きな祭り。沖縄本島や県外からもみんな帰ってくる。島がある限り守っていきたい」と話した。ウプヤー(砂川輝夫さん宅)では6人が、ヤーマスヤー(上地茂男さん宅)では5人の子供の誕生が神様に報告され、それぞれ新しい命の誕生を喜んだ。
 ヤーマスプナカとは
 「ヤー」は家、「マス」は増す、「プナカ」は各本家を指しており、子孫繁栄と五穀豊穣など島の発展を願う行事。その昔、来間島を救い島を繁栄させた3兄弟の家がスムリャー(長男)、ウプヤー(二男)、ヤーマスヤー(三男)で、代々子孫たちに祭祀(さいし)が引き継がれている。

 写真説明・神酒を酌み交わし子孫繁栄と五穀豊穣を願う=11日、来間島のヤーマスヤー 

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囲碁、Gゴルフで交流/沖縄県教職員共済退職互助部

 県教職員共済会主催の第16回囲碁大会が11日、平良市内のホテルで開かれた。併せて第15回グラウンドゴルフ大会が平良市営陸上競技場などで開かれた。2つの大会では6支部を代表する精鋭の選手が勢ぞろいし、熱戦を展開した。宮古での開催は6年ぶり3度目。
 両大会は、退職互助部会員の交流と親ぼくを深め活動のより一層の強化を図ることが目的で開かれた。
 国頭、中頭、島尻、那覇、八重山、宮古の6部が参加。囲碁大会が約50人、グラウンドゴルフ大会が約200人の計250人が出場した。
 【囲碁】▽Aクラス(4級以下)優勝=照屋全喜(4級、那覇支部B)▽Bクラス(2級―3級)優勝=宮城鉄男(3級、島尻支部)▽Cクラス(1級―初段)優勝=大浜美好(初段、八重山支部)▽Dクラス(2段―3段)優勝=池原賢(2段、宮古支部)▽Eクラス(4段以上)優勝=又吉康弘(4段、国頭支部)▽Fクラス(無差別)優勝=山田武(6段、那覇支部A)
 【グランドゴルフ】▼団体の部▽優勝=宮古A▽準優勝=那覇▽3位=島尻▼個人の部男子▽優勝=崎原繁治(島尻)▽準優勝=平良昭男(島尻)▽3位=平良国夫(宮古)▼同女子▽優勝=久高春子(中頭)▽準優勝=儀部トヨ子(国頭)▽3位=神田恵須子(中頭)▼同シニア▽優勝=島村鉄(那覇)▽準優勝=平良誠議(八重山)▽3位=松原清吉(宮古)

 写真説明(上)・囲碁大会で交流を深めた6支部の会員ら=11日、ホテルアトールエメラルド宮古島
 写真説明(下)・ 熱戦を展開していたグラウンドゴルフ大会=11日、平良市営陸上競技場

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