200平成16  1111曜日

「解散」「存続」で意見交換/一部事務組合

 市町村合併を控え、一部事務組合をどのように取り扱うか―。各市町村の総務・財政課長らと一部事務組合などの意見交換会が10日、平良市役所で行われ、出席者らは一部事務組合などの廃止を含めた今後の対応策について意見を出し合った。6市町村の助役と総務財政課長で構成する宮古地区自治研究会(自治研)が先月27日の会合で、一部事務組合の解散などについて協議したことを受けてのもの。出席した一部事務組合からは「解散しても良いが、抱えている事業はどうなるのか」「各市町村が判断するのが先ではないか」などの声が上がった。

 出席したのは宮古広域圏事務組合、宮古清掃施設組合、宮古広域消防組合、宮古島上水道企業団と宮古市町村会、6市町村から総務財政担当部課長と、平良市・城辺町・伊良部町合併推進協議会事務局。
 この日の意見交換で宮古広域圏事務組合は「広域としては、あえて残す必要はないと思う。ただしその場合、救急センターや田園マルチメディアなどの事業はどのような形で整理できるのか」などと問題を提起した。先月27日の自治研では特に同組合と市町村会について、解散やその時期について活発な議論がなされており、今後の自治研でもこれらの存続、解散について改めて議論される見込みだ。
 このほか意見交換では、各組合の職員の身分や、上野村や下地町が合併に参加しない場合の負担金の均等割の問題などについて、事務組合側から不安視する声が相次いだ。自治体側からは、市町村合併に参加しない下地町が「消防や清掃施設など、町単体で作るのは厳しい。また3市町による新市と下地町での均等割の場合、町の負担割合が非常に高くなる。一部事務組合が存続するなら、それが平等になるよう考えるべき」と懸念を示した。
 結局、事務組合側、自治体側とも複数の参加者から「まずは各市町村が方針を出すべきだ」との意見が多かったため、新市に参加する3市町が一部事務組合に関する方針をまとめた上で、改めて協議することとなった。
 一部事務組合等の取り扱いについて、以前の六市町村による宮古地区合併協議会における議論の中では、「合併の前日で解散し、職員、業務、財産、債務はすべて新市に引き継ぐ」との確認がなされていた。
 しかしその後、多良間村、下地町、上野村が相次いで離脱を決め、市町村合併の枠組みは平良市・城辺町・伊良部町の3市町に。一部事務組合については合併後も存続するのか、解散して新たな方策を見出して業務に当たるのか、早急な判断が求められている。

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保育園児が防火パレード/秋季火災予防運動

 2004年秋季火災予防運動の一環で、下地町立下地保育所(友利美江子所長)の3、4歳児の55人が10日、同町上地地区を中心に防火パレードを行い、多くの町民に防火を呼び掛けた。
 パレードは午前10時に保育所をスタート。子供たちは背中に「防火」と書かれたはっぴを身につけて元気に行進し、パーランクーを打ち鳴らしながら「火の用心」などと防火を呼び掛けていた。
 パレードには宮古広域消防組合職員も同行して消防車両を使いながら町民に防火意識の高揚を呼び掛け。「寝タバコ、タバコの消し忘れ、子供にマッチやライターで遊ばせない、家の周囲に燃えやすい物を置かない」などと広報していた。
 今年の秋季火災予防運動期間は9日から15日まで。期間中は全国各地で防火に関する行事が行われる。全国で掲げられている統一標語は「火は消した? いつも心に きいてみて」。

 写真説明・子供たちが元気に行進し防火を呼び掛けた=10日、下地町上地地区

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「合併推進議決」が条件/上野村参入で城辺町議会

 城辺町議会(伊志嶺幹夫議長)の全員協議会が10日開かれ、上野村の合併参入について協議した結果、平良市、伊良部町と同様に同村の参入は認めるが、「村長一任」ではなく合併推進の議会議決を求めることで合意した。きょう11日に伊志嶺議長が上野村に協議結果を報告する。今回の方針決定で、3市町による合併協議を進めている平良市、城辺町、伊良部町は上野村に対し、新たな枠組みによる議決とは別に、同村の合併推進の姿勢を確約するための「議会議決」を参入条件として決した。これに対する今後の上野村の動向が注目される。

 城辺町の全員協には上野村の川田正一村長と平良隆議長が同席し、これまでの同村の経緯に加えて合併に関する是非の判断で「他市町村に迷惑をかけた」(川田村長)ことを詫びた。
 川田村長は「後発ながら枠組みに加えていただきたい。一度は自立を決めたが、住民や宮古のことを考えると合併した方がいいと判断した。議会は『村長一任』としているが、これは村長だけの行動ではなく、議会としての行動だ。全員協議会の重みを認識していただきたい」と城辺町議の理解を求めた。
 これに対し新城元吉議員は「『村長一任』という全員協議会の見解では法的な拘束力がなく、納得できるものではない」などと述べ、議決の重要性を強調。その上で「われわれも上野村が離脱したことを受け新たな枠組み決定のため必要な議決を取ってきた。なぜ上野村はしないのか」など疑問視した。別の議員は「新聞投書でも分かる通り反対の姿勢を明確に示す議員もいる。だからこそ議決が必要なのではないかと思う」と指摘した。
 これらの質問に対し川田村長は「われわれは議決をしないと言っているわけではない。法定協議会を設置するための議決はするが、『合併参加のために議決を取らなければならない』というのは自治法の条文にない」などと述べた。さらに「これまで全員協議会の決定を覆したことはなく、今回も全員協の決定の重みを認識しながら行動している」と述べ、理解を求めた。
 川田村長と平良議長が退席した後、同町議会としての見解をまとめ、上野村に対し合併推進の姿勢を確認するための「議会議決」を求めることで合意した。

 写真説明・川田上野村長も同席し合併参加のための要請を行ったが城辺町議会は「議決」を求めることで合意した=10日、城辺町役場

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合併再考求める/下地町労組が議会へ要請

 下地町役場職員労働組合(友利勝彦執行委員長)は10日、「市町村合併せず」との判断を下している同町議会(川満廣俊議長)に対し、「合併しないと将来、財政が厳しくなる」などの理由から再考を求める要請書を手渡した。川満議長は12日に開かれる「下地町議会の行財政に関する調査特別委員会(池間健榮委員長)」の場で全議員に報告する予定。同町職員は先月行われた合併に関するアンケート(回収率97・6%)で86・2%が市町村合併に賛成すると回答している。
 同組合は「町議会の議決事項の重みについては十分承知している」とするものの、@国の三位一体改革により歳入が年々減少することは確実であり、依存財源に頼る町としては自主財源の確保が急務だが、その見通しは極めて厳しく、数年後には財政再建団体に陥ることが予想されるA合併せずに財政が厳しくなると住民サービスの補助金は大幅に減額となり住民も負担を強いられる。さらに現広域行政を単独運営した場合、建設、維持費等において一層財政を厳しくするB合併は将来の子供たちのためにも宮古圏域全体として考えることが必要で、視野の広い人材育成のためにも合併は必要である―との理由から再考を強く要望している。
 要請書を受け取った川満議長は「今回のような要請は合併反対議決する前に行うべきだった」と組合側の対応の遅さを批判しつつも、「特別委員会の中で議員に職員の意思として報告する」と返答。同席した仲里誠高副議長は「マスコミで一部事務組合の負担金増額という話が出てから動き出した組合は対応が遅い」と述べた。友利執行委員長は「新年度の予算編成も始まるのに、議会の委員会からは自主財源確保に向けた骨組みが示されていないことに、職員は不安を感じている。今回の要請を真剣に議論してほしい」と訴えた。

 写真説明=友利執行委員長(左)から市町村合併について再考を求める要請書が川満議長、仲里副議長に手渡された=10日、下地町役場

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受賞者晴れやか/市民総合文化祭

 第31回平良市民総合文化祭一般の部(主催・平良市、同市教育委員会、同市文化協会)の写真コンクール、文芸色紙展表彰式が10日、平良市役所で行われた。俳句、エッセー、写真の各部門で入賞した計33人が晴れやかな表情で賞状を受け取った。
 表彰に先立ち、同市の久貝勝盛教育長は「秋の文化祭にふさわしい展示会を催すことができた。これからもどんどん出展して」と激励。同市文化協会の立津精一会長は「情熱あふれる作品が多数寄せられた。今後ますますの精進を期待する」とあいさつを述べた。
 俳句の部には22人が応募、9人が入賞。市長賞には、安田久太朗さんの「盆の月青く天地を浸しけり」の作品が輝いた。エッセーは3人が応募してそれぞれ奨励賞を受賞。市長賞、教育長賞、文化協会長賞は該当者がいなかった。写真は34人が応募し、21人が入賞・入選した。
 受賞者は次の通り。(敬称略)
 【俳句】▽市長賞(天賞)=安田久太朗▽市教育長賞(地賞)=下地茂子▽市文化協会長賞(人賞)=長浜千佳子▽佳作=与那覇初枝、当山光枝、上地恵美子、仲宗根勢津子、下地祝子、伊志嶺ヨシ
 【エッセー】▽奨励賞=洲鎌美穂(宮古農林高校三年)、根間郁乃(一般)、友利美智代(同)
 【写真】▽金賞=砂川嘉代子▽銀賞=翁長輝子、下地慶▽銅賞=下地理菜、ゲルバー・ダニエル、上原ちひろ▽スナップ大賞=川満美和子、南風原稔▽奨励賞=砂川正人、長嶺亜佑美、砂川雅美▽入選=粟国和伸、羽地邦雄、内間昌代、近角敏道、下地多重子、平良悦子、多賀正典、桑江良政、海老原徹、菅浪正典

 写真説明・俳句、エッセー、写真の各部門の入選者に賞状が贈られた=10日、平良市役所

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