本日のニュース

２００４年（平成１６年）１１月１０日水曜日

☆ 「議員身分」検討委が発足／３市町合併推進協

　平良市・城辺町・伊良部町合併推進協議会（会長・伊志嶺亮平良市長）は９日、「議会議員の定数および任期に関する検討委員会」を発足させ、第１回会合を平良市役所で開いた。委員長は互選により城辺町の前助役、新城武男氏に決まった。合併後の議員のあり方が新市の財政計画策定に影響を与えるため、同委員会では今月中にあと２、３回の会議を開いて合併後の議員定数と任期、特例を適用するか否かについて結論を出し、来月１日の第５回協議会での協議事項として提案する方針。

　委員会は、３市町の議会議員の代表各４人と学識経験者各４人の計24人で構成。委員長には新城氏、副委員長には平良市議会議長の池間青昌氏と伊良部町議会の謝花浩光氏が選ばれた。
　学識経験者の委員からは「自治体の財政が逼迫（ひっぱく）する中では在任特例は適用しない方が良い」との声が上がった。一方で城辺町議会の委員から「今回の委員会の内容を各市町の議会に報告した上で各議会の方針を決定し、第２回委員会で改めて協議した方が良い」との意見があり結局、３市町の議会議員の意見を集約した後、次回委員会で話し合うこととした。
　また複数の委員から、上野村が合併参加に向けて動いており、議論に影響はないか、といった意見があったが、基本的に３市町の合併を前提として議論を進めることを確認した。
　委員会では合併協事務局から６市町村合併協議会における議論の経緯のほか、平良市議会議員の報酬額を参考にした▽特例を適用しない場合▽定数特例を適用する場合▽在任特例を適用する場合―の試算が示された。
　それによると、特例を適用しない場合、議員定数上限が26人で年間報酬額は１億4188万9000円。
　これに対し、地方自治法の規定に基づき、定数特例を適用する場合、議員定数上限は法定数の２倍の52人となり、年間報酬額は２億8229万4000円で、適用しない場合に比べ年間１億4040万5000円の歳出増。
　在任特例を適用する場合、３市町の議員60人はそのまま在任となり、年間報酬額は３億2549万5000円で、適用しない場合に比べ年間１億8360万6000円の歳出増となる。
　次回委員会は16日午後２時から、平良市役所で開かれる予定。
　委員は次の通り。（敬称略）
　【委員長】新城武男（城辺町）【副委員長】▽池間青昌（平良市）▽謝花浩光（伊良部町）【委員】▽平良市＝富浜浩、友利恵一、川満俊夫（以上議員）、松川英文、森田義海、伊志嶺守、下地勝子（以上学識経験者）▽城辺町＝伊志嶺幹夫、照屋秀雄、野崎達男、友利研一（以上議員）、砂川美枝子、前里財徳、宮里久男（以上学識経験者）▽伊良部町＝佐久本洋介、豊見山恵栄、長嶺吉和（以上議員）、奥浜幸雄、池間作一、津嘉山浩、仲間清昌（以上学識経験者）
　定数特例　合併後の１期４年に限り法定数（平良、城辺、伊良部の３市町では26人）の２倍以内（52人）の議員定数で選挙を行える特例
　在任特例　合併後２年以内は選挙なしで新市の議員に在任できる特例

　「火は消した？　いつも心に　きいてみて」を全国統一の標語に掲げた「2004年秋季火災予防運動」（11月９―15日）がスタートした９日、県立宮古病院自衛消防隊（隊長・恩川尚清院長）と宮古広域消防組合（渡真利定一消防長）の合同消防訓練が同院で行われた。入院中の患者の緊急避難や逃げ遅れた人たちをはしご車で救助するなど、本番さながらの大掛かりな訓練を展開。万が一に備えて連携による消防・避難・救護態勢などを再確認した。

　同隊の訓練は、同院で火災が発生した場合を想定し、火災発生時における初期消火、通報、避難誘導など、迅速かつ適切な自衛消防訓練を行い、防火管理の徹底や人命の安全、被害の軽減を目的に実施された。
　同隊が30人、同組合が35人の計75人が参加した。
　想定では９日午後３時20分ごろ、同院新館の２階病棟より漏電による火災が発生。同隊は消火活動に全力を挙げたが、手に負えないとして同組合へ通報。同組合からポンプ車２台、タンク車１台、はしご車１台、救急車１台の計５台が緊急出動した。
　４階屋上には逃げ遅れた人が５人おり、そのうち１人が重傷、もう１人が軽傷の想定。５人ははしご車で救助された。次いで一斉放水が開始され、火災は同３時48分に鎮火された。

　写真説明・合同消防訓練で、屋上から救助された人を搬送する消防隊員ら＝９日、県立宮古病院

　平良市小中学校校長会の仲間克枝会長（東小学校長）らは９日、平良市役所に伊志嶺亮市長を訪ね、12月末で雇用契約が切れる臨時職員について、「臨任職員の削減は学校経営、子供たちの教育に影響が出ると憂慮される。特段の配慮を願う」と要請する嘆願書を手渡した。これに対し伊志嶺市長は「予算編成上、12月までの予算を組んであるので、いったん解雇の通知を出した。必要な部分は12月の補正予算で対応する。希望に添う形でやる」と、前向きな姿勢を示した。
　要請に訪れたのは仲間会長と長濱哲雄副会長（南小学校長）、宮古地区中学校校長会の普天間裕会長（北中学校長）、宮古地区小学校校長会の下地邦雄会長（平良第一小学校長）。
　要請の中で仲間会長は「経費の節約は努力で補えるが、教職員は子供たちの成長のため、私生活に影響が出るほど頑張っているのが実情だ」と、教育現場の現状を訴えた。
　伊志嶺市長は「臨任職員については雇用が切れる人にはいったん解雇通知を出すが、教育現場などはどうしても必要な部分であり、12月の補正予算で対応する形になる。総務、財政と話しながら対応したい」と説明した。同席した同市教育委員会の久貝勝盛教育長は「教育は何よりも優先されるべきもの。現場職員が不足すれば、必ず子供たちに影響する」と、嘆願に理解を示した。
　同市教育委員会は、用務員補助、事務補助、図書館司書補助、計17人の契約が12月末までとなっている要因として、市町村合併を見据え10カ月予算として組んだことなどを強調。「解雇通知は事務的な部分が強い。教育現場の臨時職員は必要」との認識を示し、12月補正に期待を寄せた。

☆ 島尻政明（平良市出身）が優勝／全日本空手道選手権大会

　第36回オープントーナメント全日本空手道選手権大会（主催・全日本極真連合会）がこのほど、山形県体育館で行われ、極真会館沖縄県支部指導員の島尻政明選手（24）＝平良市出身＝が２度目の優勝を飾った。１月の第１回極真連合杯世界空手道選手権大会、７月の第21回ウエイト制全日本空手道選手権大会に続き、今年は負けなし。今大会でも実力を発揮し、他の選手を寄せ付けなかった。島尻選手は「練習を重ねたことが優勝につながったと思うが、もっと内容を良くしていきたい」と話した。
　今大会には全国から37人の空手家が出場。島尻選手は２回戦から登場し、順調に勝ち上がった。
　準々決勝では地元・山形県の清水明広選手と対戦。清水選手が地元の大声援を受ける中でも島尻選手は落ち着いた試合運びで貫禄を見せた。
　準決勝は同じ沖縄県支部の喜久山泰郎選手と対戦。週に２度は練習を共にしている仲間で、「強いことも知っているし、やりづらかった。できれば決勝で当たりたかった」という相手だったが、突きがよく決まって勝利をものにした。
　決勝は吉原龍生選手（極真香川）と対戦。自分より体の大きな相手にも臆することなく、「大会を通して良かった」という突きで攻め続け、優勝を勝ち取った。
　七戸康博師範は「まだまだ突きが弱い。練習のときの突きは出ていない」と、さらなる精進を期待。島尻選手は「一本勝ちがほとんどないので、一本勝ちできるようになりたい。負けたくないという思いをもっと強く持ちながら、試合内容ももっと良くしたい」と決意を新たにしていた。

　写真説明・他を寄せ付けない強さで優勝した島尻政明選手＝山形県体育館

　【那覇支局】2004年度「私たちの文化財」図画作品募集（主催・県教育委員会）の表彰式が９日、県庁で行われた。高等学校の部で伊良部高校２年の伊志嶺早智さんの作品「サバ沖井戸」が最優秀賞に輝いた。このほか宮古から小学校低学年の部で本村穂乃美さん（多良間小１年）の「棒おどり」が佳作に選ばれ、小学校中学年の部で小禄愛美さん（池間小４年）の「私が名付けた宮古馬うらら」、高等学校の部で仲宗根玄治さん（伊良部高校１年）の「おび岩」、謝花一希さん（同）の「おび岩」、兼久未穂子さん（同３年）の「守禮門」がそれぞれ入選した。入賞した作品は県庁１階県民ホールで今月12日まで展示される。
　最優秀賞を受賞した伊志嶺さんの作品は「海岸線の豊かな緑と、透き通った海の様子に壮大な空間を感じる。全体のバランスを考え、明度を抑えたテクニックは作者の非凡な才能を感じる」と審査員から高い評価を得た。

　伊志嶺さんは「自分の作品が選ばれ、すごくうれしい」と受賞を喜び、県教育委員会の山内彰教育長は「これからも文化財に興味と関心を持ち、文化財を大事にしてほしい」と話した。
　今回の募集には、県内の小学校から373点、中学校146点、高等学校10点の応募があり、小学校低学年の部、同中学年の部、同高学年の部、中学校の部、高等学校の部の５部門で、それぞれ最優秀賞に１点、優秀賞に２点、佳作に５点、入選に10点が選ばれた。

　写真説明・高校の部で最優秀賞に輝いた伊志嶺早智さん（上）と、伊志嶺さんの作品「サバ沖井戸」（下）＝９日、県庁４階講堂