200平成16  11曜日

「合併推進の議会議決を」/市議会全員協・上野村参加で方針

 平良市議会(池間青昌議長)の全員協議会が8日、同議会会議室で開かれ、上野村の川田正一村長と同村議会の平良隆議長が平良市・城辺町・伊良部町合併協議会への参入協力を要請した。平良市議会は「上野村の参加を拒むものではない」としながらも、同村議会が川田村長に合併問題に関する対応を一任したことについて、「法的根拠のない全員協議会で決まったこと。参加したいのなら議会で合併に参加する旨の議決をするべきだ」との結論に達した。

 この中で川田村長は、合併に関する同村のこれまでの経緯を説明した上で、「自立は非常に難しいことであり、皆さんとともに合併することが宮古の発展につながると考えている。村民も大方が合併した方が良いと思っている」と述べ、市町村合併への参加を改めて強調。「全員協議会に法的根拠はないが、話し合ったことは後々必ず議決する。全員協議会の中で決めたことを、後になって覆したことは一度もない。絶対に迷惑はかけない。協議会への参加を切に願っている」と語気を強めた。
 続いて平良議長も「上野村議会が皆さんに非常にご迷惑をおかけしたことは心からおわびしたい。ご理解いただき、四市町村合併に参加したいということを心からお願いしたい」と訴えた。
 この後、与那覇昭雄氏が「村議会は村長に対応を一任したが、議会の議決を経ていない。新たに村議会で議決することはできないか」と質問したのに対し、川田村長は「全員協議会の決定を重視している。議会の前段階での決定が覆ることはない」と強調した。
 川田村長と平良議長の退席後、友利恵一氏は「村長に一任という村議会の全員協議会の決定は何の法的拘束力もない。宮古の大きな歴史をつくっていくことになるわけで、きちんと手続きを踏まなければならない。正式な手続きを踏んで要請すべきだ」と述べ、合併協参入への前段階として、合併参加する意思の議会議決をすべきだと主張。多数の議員がこの意見に賛同した。結局、合併協に参入する前に議会議決を経るべきとの意見で一致し、上野村議会に求めることとした。
 このほか、仮に上野村が合併協に参入した場合、すでに決定している協定項目について川田村長は、「後から入ってくるわけだから上野村はこれを追認する。迷惑はかけない」との考えを示した。

写真説明=協議会の冒頭、上野村の川田村長(左から3人目)、同村議会の平良議長(同4人目)が、議員らに合併参加への理解を求めた=8日、平良市議会会議室

top.gif (811 バイト)

伊良部町の参加差し止めを/3市町合併法定協に意見書

 川満昭吉・伊良部町の自治権を守る会長ら3人が8日午後、平良市役所を訪れ、平良市・城辺町・伊良部町三市町合併法定協議会長の伊志嶺亮市長に「合併法定協議会に参加している伊良部町の参加を見合わすように」などを内容とした意見書を手渡した。伊志嶺市長は「合併法定協議会に意見書を提出したい」と答えた。今後の同協議会の対応が注目される。
 川満会長は「1月25日の住民投票の結果、合併反対が70%を占めた。しかし、住民の意思を無視して浜川町長は合併を推進している」と述べた上で「浜川町長の政治姿勢に対し、解職請求が行われたが不成立の結果が出された。現在、結果を不服として提訴している。裁判の結果が出る前に同協議会に参加するのは無責任な行為である」と説明し、同町の参加を差し止めするように協力を求めた。同会のメンバーである仲間明典、大浦貞治の2氏が同席した。
 川満会長らは、市町村合併に関連した浜川町長の解職請求(リコール)問題で、異議申し立てで署名数が修正された結果、解職請求に必要な有効総数を満たさず住民投票が実施されないのを不服とし、町選管を相手に修正決定の取り消しを求める訴訟を10月8日、那覇地裁に提訴している。

写真説明=伊志嶺市長(左)に意見書を手渡した川満会長ら=8日、平良市役所

 
top.gif (811 バイト)

ケーソン設置作業始まる下崎ふ頭整備事業

 沖縄総合事務局が進める平良港下崎ふ頭の整備事業の一環で、ケーソンと呼ばれる重さ1265トンの箱形コンクリートの設置が7日から現場海域で行われている。9日までの間に計4箱のケーソンが設置され、その後は固定するための中詰石投入やふたコンクリート設置作業に入る。同事業は大型化する貨物船に対して手狭となる漲水地区の過密状態を解消し、下崎地区に新たな物流拠点を整備するもので、2003年度から整備が始まった。完成するとバースの長さは約170メートルで、2007年の供用開始予定。1万2000トン級の船も接岸できるようになるほか、災害時、漲水地区が使用不能になった際、代替ふ頭としての機能も兼ね備える。総事業費は約33億円。
 2000年に改定された平良港湾計画では、下崎地区の整備について市公共下水道の終末処理施設がある埋め立て地(荷川取漁港北側)の沖側と北側10・5ヘクタールを埋め立て造成し、埋め立てた沖側に縦並びで水深10メートルのバースを2カ所(各170メートル)などを整備することになっている。
 7日からは、長さ17メートル、幅8・4メートル、高さ12・5メートルのケーソン4箱を設置する工事がスタート。早朝から台船でケーソンをけん引して現場海域まで運び、定位置に固定する作業が行われた。
 今回、ケーソン4箱を設置することにより、岸壁全体のケーソン個数10箱(170メートル)中、7箱(119メートル)の設置が完了することとなる。2005年度以降に、残るケーソン3箱(51メートル)を設置し、岸壁背後に土砂埋め戻しなどの作業を行い、2007年度に完成、供用開始を予定している。
 平良港湾事務所(前原弘海所長)では、現在、平良港第一ふ頭に接岸している砂、砂利の運搬船やスクラップなどの積み出しを、同バースが供用開始となる07年度以降からは下崎地区に移していく考え。
 下崎地区の整備については2001年に新規事業採択に向けた郡民総決起大会が開かれたほか、3万9000人の署名が集まった経緯がある。
 現在、平良港では漲水地区に物流機能が集中している。同事業はその過密状況を解消することを目的としているほか緑地公園などのスペースも設け、流通、輸送における働きと島民のコミュニティ広場としての役割を目指す。

写真説明=ふ頭整備に向け、ケーソン設置作業が始まった=8日午前、平良港下崎地区海上

top.gif (811 バイト)

新市名称「宮古島市に」有志一同が要請

 宮古地区の市町村合併に伴う新市名称について「宮古島市」とするよう求める「有志一同」の与那覇健一代表らは8日、「平良市・城辺町・伊良部町合併推進協議会」事務局を訪れ、同協議会長の伊志嶺亮平良市長と「新市の名称に関する小委員会」の川満俊夫委員長あてに合併新市の名称を「宮古島市」とするよう要請した。
 代理で要請書を受け取った同協議会の糸数健事務局長は「これまで小委員会で2回協議し、新市の名称を『宮古市』とすることでまとまっている。今回の要請については伊志嶺会長、川満委員長に伝えて対応したい」と述べた。
 与那覇代表は「新市の名称は『宮古島市』がふさわしいとは多くの市民の声であり、この声を代弁するために要請した」と要請理由を説明した。
 要請では、今回の新市名称選定について▽選出方法が民主的でない▽聞き取りした市民の多くが「宮古島市」を求めている▽「宮古島トライアスロン大会」等で内外に広く認知されている▽「宮古島市」は島のイメージを反映し好感を抱かせる▽「宮古市」はすでに他県にあり全国的に通用しており二番煎じの感が否めない―などとして新市名称を「宮古島市」にするよう求める38人の名前も記載されている。
 今月4日に行われた第2回目の新市の名称に関する小委員会では新市名称を「宮古市」とすることでまとまり、今月17日に行われる合併推進協議会に報告する予定となっている。
 委員会では1回目の会合で「宮古市」「宮古島市」「琉宮市」の3案が上がったが「琉宮市」については「とっぴすぎる」など否定的な意見が多かった。
 4日の小委員会では新市の名称を「宮古市」とする意見が4人、「琉宮市」が2人、「宮古島市」はゼロだった。
 
写真説明=新市名称に「宮古島市」の選定を求める「有志一同」の代表が要請文を糸数事務局長(右)に手渡した=8日、市町村合併推進協事務局

top.gif (811 バイト)

レディースフットサルチーム発足/お母さんたち中心
 

 サッカーボールをけってさわやかな汗を流そう―。サッカー少年の母親らを中心にした「レディースフットサルチーム」(仮称)がこのほど発足した。フットサルとは、サッカーの4分の1ほどのコート、ハンドボールほどのゴール、サッカーよりも小さなボールを使い、5人対5人でプレーする「ミニサッカー」のことで、安全に手軽にできると人気上昇中のスポーツ。参加者のほとんどが初心者ながら、すでにフットサルの魅力にとりこのよう。健康増進に、子供との触れ合いの材料にと、プレーだけでなく効果は2重、3重に広がる。サッカーの底辺拡大に向け、宮古サッカー協会も支援する考えだ。

 チームができたきっかけは先月行われた「親子フットサル大会」。「お母さんたちでもやってみたいね」と内輪で話していたのが、同協会の男性らの手助けもあり、すぐにチーム結成の運びとなった。発足して一カ月ほど。当初は15人ほどで始まったのが、口コミで参加者が増え、現在の会員数は約30人。週に一度、小学校や中学校の体育館を借り、練習を行っている。
 6日には午後8時から、平良中学校体育館で練習が行われた。「おきでん対話旬間」のサッカークリニックで埼玉県から来島していた日本体育協会B級スポーツ指導員・吉野弘一さんの指導もあり、ボールに親しむ基礎からゲーム形式まで約2時間にわたる練習に取り組んだ。
 スタート時のメンバーの一人、饒平名則子さんはまったくの初心者。「(サッカーをしている)子供のすごさが分かった」と笑み。子供と同じスポーツで汗を流すことで、「触れ合いの一つの材料になる。会話も弾む。もちろん運動不足の解消にもなる」と話す。同じく初心者の善平香代子さんは「とにかく楽しみながら少しずつ覚えていきたい。いずれは試合にも出てみたい」と意欲満々だ。
 普段から少年サッカーチームを預かっている指導者らが、チームの練習をサポート。「楽しむこと」を念頭に指導に当たる。
 宮古サッカー協会の松川英世会長は、「技術的にうまくなるといったことより、とにかく楽しんでほしい。多くの女性に参加してもらいたいと思う。サッカーに親しむ人が増えるのはうれしいこと。協会として継続してバックアップしたい」と話した。

写真説明=ゲーム形式の練習で、笑顔でボールを追い掛ける参加者ら
=6日、平良中学校体育館


top.gif (811 バイト)

 

top.gif (811 バイト)