200平成16  10 23曜日

上野村も合併へ/村議会・「村長一任」で決定

  上野村議会(平良隆議長、定数12)は22日午後、全員協議会を開き、市町村合併について再協議し「合併を推進している川田正一村長に一任する」という姿勢でまとまり、「合併反対」という姿勢から一転して事実上、合併を推進することとなった。一部議員は挙手による採決を求めたが、平良議長は行わなかった。週明けにも、川田村長、平良議長が3市町合併法定協議会の会長、伊志嶺亮平良市長に経過を報告、村として合併推進という意思であることを伝える予定。

 協議会の冒頭、川田村長は3市町の法定協議会に参加したいと明言し、「村長である私に一任いただきたい。その方が参加する際の手続きなどがスムーズにいく。3市町も受け入れてくれると思う」と求めた。
 合併に反対の議員は「私たちは合併しないという判断となった。合併を推進している村長に一任はできない」、「どうしてもというのであれば、法的に根拠のある臨時会を開くべき」、「挙手による多数決で意見を聞くべき」などと反発した。
 しかし、平良議長は「議会としての意思を統一する方が望ましい」などと述べ、多数決を行わず、「村長に一任するという意見が大多数を占めている。異論はないか」と求めた。
 異論を唱える議員はいなかった。
 協議会終了後、平良議長は「一部反対はあったものの、村長に一任する方向でまとまった」と川田村長ら当局に報告。これを受けた川田村長は改めて合併推進を明言した。
 宮古地区の市町村合併は現在、平良市、城辺町、伊良部町の3市町が法定協議会を立ち上げ、合併に向けて取り組んでいる。
 同村が今回、合併参加の方針でまとまったことから、川田村長は3市町に対し、経過を報告するが、同村議会は平良市などの財政赤字問題を痛烈に批判していた経緯があり、市議会の対応が注目される。
 伊志嶺亮平良市長のコメント
 合併に反対している議員もいたと聞いたが、合併協議を進める上で支障になることがあると思うので、上野村長には反対している議員を説得いただいて、合併協議がスムーズに行えるようしてもらいたい。
 また、上野村の議員の皆様には、平良市・城辺町・伊良部町の議員の皆さんと、よく話し合いをしていただきたい。

top.gif (811 バイト)

議員定数8人、報酬10%減へ/下地町議会・

自立向け歳出抑制

 下地町議会の行財政に関する調査特別委員会(池間健榮委員長)の第2回会合が22日、同町役場で行われ、自立へ向けた歳出抑制方法の1つとして議員定数を現在の12人から8人へ減らし、報酬・費用弁償・期末手当の額を10%削減することを決定した。12月定例会で改正条例案を可決する予定。来年10月26日には任期満了となるため、定数8で選挙が施行される。次回委員会は29日に行い、清掃施設や葬祭場など一部事務組合について意見をまとめていく。

 定数については8人とする意見のほか、松永恵茂氏、川満克佳氏が「思い切った改革が必要」として6人にまで減らす意見を提案。これに対し「議会は行政の監視役。6人で監視することはできるのかを含め検討してほしい」(池間氏)、「6人の定数で住民の声を行政に反映させることができるのか」(保良榮男氏)、「当局が示したシミュレーションを基にすると定数8がいい」(嵩原富三氏)など懸念する声が上がった。
 松永氏は「来年の議員選の候補者は、自立へ向けそれなりの意識を持って立候補すると思う。定数削減が住民の声を反映させないことにはつながらない」としたが、定数8で決定した。
 報酬削減については、当局が昨年作成した「合併しない場合のシミュレーション」を基に10%減とすることを確認。報酬・費用弁償・期末手当を10%削減し、約470万円の歳出抑制につなげていく考え。
 これに対し「当局が作成した合併しない場合のシミュレーションを見ると、赤字団体に転落する推計。黒字転換できるぐらいもっと厳しい案を作るべき」(村吉順栄氏)、「無報酬にし、費用弁償だけでもいい」(古波蔵小夜子氏)など、より厳しい改革を求める意見もあった。
 議員報酬以外の歳出削減や歳入増については池間委員長が「当局がどういった案を出してくるかを見ながら検討していきたい」と述べた。
 また古波蔵氏は「これからでも再考できないかという意見が町民から寄せられている。合併を否決した議員の理由と自立案を示すべき」と提言した。

top.gif (811 バイト)

「合併賛成」86%/下地町職員・労組がアンケート

 下地町役場職員労働組合(友利勝彦組合長)が全職員を対象に実施した「合併にかかるアンケート」によると、「合併賛成」が86・2%と8割以上を占め、「合併反対」が12・2%、その他(無回答)が1・6%となる結果が出た。回答率は97・6%。26日には同町議会との意見交換会が開かれる予定で、同組合ではアンケート結果と職員からの意見をまとめ提示していく。
 同アンケートは21日に実施。対象は各課課長から臨時職員までのすべての役場職員123人で、このうち119人から回答があった。アンケートは、市町村合併に「賛成」か「反対」かのいずれかを選択するもので、それぞれ理由を書く欄を設けた。
 回収したアンケートをまとめた結果「合併賛成」は106人(86・2%)、「合併反対」は15人(12・2%)、その他(無回答)は2人(1・6%)となった。
 友利組合長は「20日に全職員で意見交換会を行ったが、財政を長期的に見ても厳しく、自立していくのは厳しいという認識だった。議会がどういう意見を持っているか話し合いの場を持ちたい。その中で職員の意見を挙げ、合併についていま一度考え直してもらえれば」と話した。

top.gif (811 バイト)

クイチャーで豊漁招く/伊良部町佐良浜でユークイ

 五穀豊穣(ほうじょう)や豊漁などを招き寄せる神事「ユークイ(富をこう)」最終日の22日、伊良部町佐良浜地区の大勢の女性たちは、円陣のクイチャーで歓喜に満ちていた。
 ツカサンマ(司母)と呼ばれる神女役の女性8人のほかに、数えで47−57歳までのユークインマ(ンマは母の意味)約90人が参加。年齢別にそろいの着物で身を包んだ。
 「ナカマニー」、「ウイリャ」などの聖地では、神歌を歌い「ヨ(ユ)ーンティル(富貴が満ちるように)」を唱和。引き続き全員でクイチャーを演じ、体いっぱいで喜びを表現。さわやかな笑顔が広がった。
 大勢の町民が駆け付け、華麗な舞に大きな拍手を送っていた。
 ユークインマは数え57歳になると、最後の参加で卒業する。今年は60人が大任を果たして卒業した。
 東京から里帰りした下地(旧姓本村)公子さん=池間添出身=「卒業できてうれしい。佐良浜で生を受けた証しとしてユークイに参加してきた」と、晴れ晴れとした表情で話した。その上で「これからはユークイで歌われている歌詞の詳細な世界を見直したい」と語った。

 【 ユークイ 】 富貴、豊年などを招き寄せる神事・儀式。女性だけが参加する。1720年ごろ、元島と呼ばれる池間島(平良市)から14戸が佐良浜に強制移住させられ村建てが行われた。移住のあった284年前から、ユークイが執り行われていたかどうかは不明。

 写真説明・円陣のクイチャーで歓喜に満ちていた女性たち=22日、伊良部町佐良浜

top.gif (811 バイト)

大量廃棄車を撤去/城辺町・4000−7000台を2カ月で

 城辺町西里添(西中地区)に大量に放置されていた廃棄自動車が民間業者の吉信産業によって撤去され始めている。大型のプレス機を使って処理しており、約2カ月で完全撤去できる見込み。この撤去作業は地元住民を喜ばせており「原状が回復される」「明るい農村が取り戻せる」などと話している。
 同地区の廃棄自動車は長年にわたり放置され続け、放置台数は4000−7000台と推測されている。周辺住民からは「環境を乱している」などと苦情が相次ぎ、同地区選出の議員も同町議会一般質問で何度も質問し町の対応を仰いできた。だが、財政的なことも絡み、撤去されずに町の懸案事項として残されていた。
 今回、撤去作業に着手した吉信産業は重機2台と大型のプレス機を現場に投入し、21日からフル稼働で処理を開始している。プレスした廃棄自動車は島外で処理する予定だ。この処理について同町保健課は「町にとってはありがたい。長年の懸案事項だったのでほっとしている」としている。仲間克町長も撤去開始に胸をなで下ろし、早期の撤去を望んでいる。地元の宮国匡議員は「一住民として喜びたい。この山積みされた廃車は非常に目障りだったが、これで明るい農村が戻る」と話していた。

 写真説明・大型のプレス機で廃棄自動車を処理している=22日、城辺町西里添

top.gif (811 バイト)

意気高らかに太鼓演奏/光の村養護学校・卒業旅行で来島

 高知県と埼玉県にある「光の村養護学校」(西谷英雄理事長)の高等部3年の生徒12人が20、21の両日、卒業旅行のため来島。きょう23日から3日間、スイム、バイク、ランの順で1日1種目のトライアスロンに挑む。今年で15回目。これを前に生徒らは22日、平良市役所を訪れ、意気高らかに太鼓の演奏を披露した。伊志嶺亮市長をはじめ出迎えた職員らは、迫力あふれるばちさばきに見入った。
 来島したのは、生徒と職員7人の計19人。西谷理事長は「今年もまた帰ってきた。宮古島は立派に育てていただいた私たちのふるさと。3日間、応援をよろしくお願いします」とあいさつ。生徒たちは全員で「この1年間、宮古島でのトライアスロンに向け練習に励んできた。その成果を思う存分に発揮します」と力強く誓いの言葉を述べ、はっぴにねじりはちまき姿で「黒潮太鼓」を演奏し、「トウガニアヤグ」や「さとうきび畑」などを合唱した。
 伊志嶺市長は「素晴らしい太鼓と歌をありがとう。職員一同で『おかえり』と言いたい。先輩たちは苦しいトライアスロンを走り抜いて卒業した。皆さんも苦しいレースに打ち勝ち、宮古のアララガマ精神を持ち帰ってほしい」とエールを送った。
 生徒らは23日にスイム3キロ、24日にバイク155キロ、25日にラン42・195キロと、全日本トライアスロン宮古島大会と同じ距離を3日間で挑戦する。
 26日には、県立宮古養護学校や同あけぼの学園の生徒らとの交流会も予定されている。

 写真説明・力強い太鼓演奏を披露する光の村養護学校の生徒ら=22日、平良市役所

top.gif (811 バイト)