200平成16  10 22曜日

合併か、単独自治体か/上野村議会・きょう最終判断

 合併に向けた再検討の動きが活発化している上野村議会(平良隆議長、定数12)はきょう22日午後から全員協議会を開き、最終判断を下す見込みだ。平良議長は議員1人ひとりに合併是非の意思を問い、多数決で方針を決定したい考え。すでに法定協議会を立ち上げている平良、城辺、伊良部の3市町に影響を与えるのは必至で、同村議会がどのような判断を下すかが注目される。

 再検討の発端となったのは同村が単独自治体として存続した場合、一部事務組合の負担金が大幅に増加、同村の財政状況ではその捻出が厳しいことが大きな要因とみられる。
 今月20日には川田村長ら村当局が同村議会と非公式会合を開き、負担金増の厳しさを説明。会合終了後、川田村長は合併再検討の可能性を否定しなかった。また、平良議長も再検討の可能性があることを示唆していた。
 同村議会は去った9月15日、4市町村合併案を反対多数で否決。その際は砂川寛茂、上地博通、川満盛一、新里聡、砂川長一、芳山辰巳、砂川栄市の7氏が反対。宮国幸清、島尻幸夫、仲元成美、川満泰一の4が賛成した。
 合併案再検討について同村新里に住む男性は「合併には賛成。議会が意見をころころ変えるのは良くないが、合併するのであれば評価する。議員もプライドがあり、意見を変えるのは恥ずかしいと思うが、住民のことを真剣に考えているのであれば勇気を持って賛成してほしい」と訴えた。
 豊原に住む男性は「議会が何を考えているのか分からない。子や孫のことを考えると負担金が上がる将来より、合併した方が得策」、宮国に住む男性は「私の周りは合併賛成の住民が圧倒的に多い。単独自治体としての道は村民に大きな負担がのしかかる。議員同士の話し合いだけで決めるのではなく、住民の声を反映させてほしい」と求めた。
 ここにきて合併参加をめぐり揺れ動く上野村。この動きには役場職員と村民の多くも歓迎の意思を示し、合併に反対した議員の一部も水面下では合併参加を目指しているとの情報もあることからきょうの判断が注目されている。

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下地島空港「検討したい」/普天間暫定移転で外相

 町村信孝外相は20日の参院予算委員会で、米軍普天間飛行場の代替施設完成までに下地島空港への暫定的な移転について「いろいろな過去の問題点などもあるやに聞いている。いずれにしてもよく検討したい」と述べた。舛添要一氏(自民)が「辺野古沖の代替施設はいつできるのか。下地島空港を使うという選択肢を排除する必要はないのではないか」という質問に答えたもの。これについて宮古市町村会長の伊志嶺亮平良市長は21日、「6市町村長ともそろって反対という姿勢を確認した。軍事関連の施設がいったん出来てしまうと、後戻りできなくなる」と強く反発した。
 同問題は13日に、在日米軍再編問題で米政府がSACO(日米特別行動委員会)合意に基づき、普天間飛行場の代替施設が完成するまでの間、県管理の下地島空港を使用すると報道されたが、外務省などの関係省庁はこれを否定。地元の浜川健町長は「一時的でも米軍の使用には反対する」との姿勢を示していた。
 答弁で町村外相は、「代替施設は10年余りかかるかもしれない。逆にこれから新しい場所を選定するということを考えたとき、今度はその選定先をどうするかということで膨大な時間がかかる。そういうことを考えたとき、私どもとしては今、粛々となんとか工期を短縮できないだろうかという技術的な検討の余地がある。なんとか最大限、可能な限り早期に辺野古沖合いに完成させたいと思う」と述べた。
 その上で、「(完成するまでは)どういうことがあり得るか、さまざまな可能性を追求したい。いろいろな地域に課題があるので、そういう場所(暫定的移転先)があるかどうかは分からないが、政府内部でも『弾力的に考えてもいいのではないか』という意見もあるので、可能性としてそういうことがあり得るかどうか、検討はしなければならない」と述べた。 

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「琉宮(りゅうぐう)市」も候補に/新市の名称に関する小委員会

  宮古市町村合併協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)の「新市の名称に関する小委員会」が21日発足し、第1回の会合が同協議会事務局で開催された。3市町代表の委員に委嘱状が交付され、委員長には川満俊夫氏(平良市議)を選任。委員会では活発な意見が飛び交い「宮古市」、「宮古島市」、「琉宮市」から名称を選ぶことを決めた。名称は11月4日に開かれる第2回委員会で決定する。公募や住民アンケートなどは行わない方針。

 新市名称は6市町村合併協議会の内容を参考に議論され「宮古市」「宮古島市」の2つから「宮古市」に決まった経緯などが説明された。
 委員会では野村安潤委員から「6市町村での委員会では宮古という名前にこだわり過ぎていた。宮古よりいい名前があるか検討したほうが良い」との意見から「琉宮市」という新たな名称が出された。
 野村委員は「琉宮には、きれいな海や砂などを想像しやすい。最高のイメージがもらえるチャンス」と熱弁を振るったが、ほかの委員からは「とっぴすぎる」「歴史的に宮古という名前が付くのは自然なこと」と否定的な意見が多かった。
 結局、この日は委員が3つの案を持ち帰り、各関係者から意見を聞いて、次回の委員会で決定することでまとまった。また、公募や住民アンケートを行わないことも確認した。第2回委員会は11月4日に開き、3つの案から選考し、11月17日に開催される「第4回合併協議会」で報告する予定。新市の名称については同小委員会でまとめた案を協議会に提案して決定される。
 委員に委嘱されたのは次の皆さん。(敬称略)
 ▽川満俊夫(平良市推薦)▽野村安潤(同)▽新城元吉(城辺町推薦)▽宮国京子(同)▽豊見山恵栄(伊良部町推薦)▽佐久本洋介(同)▽伊沢忠憲(会長推薦)

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「民営化に反対」/平良市立4保育所・保護者が立ち上がる

 財政健全化が最重要課題となる平良市で、同市立4保育所の将来にわたる効率的な運営方法が民営化も含めて検討される中、園児の保護者らは20日夜、馬場保育所に集まり、市立保育所の存続を求める「てぃだっ子を守る会」を結成した。保護者らは「大人の招いた財政難を子供たちに押しつけるな」と憤慨。今後、署名活動などを展開し民営化の動きを阻止する構え。
 4保育所の保護者会役員らは今月12日、市の諮問機関「効率保育所の健全運営を考える会」(川満美代子委員長)のメンバーから説明を受け、市立保育所の将来像が検討されていることを知ったという。
 役員らは検討事項に含まれている「民営化」に強い危機感を抱き、51日には各保育所で緊急の保護者会を開催、現状を周知した。
 市立保育所の民営化に断固反対する「てぃだっ子を守る会」は、富浜隆昌(東)、照屋保(北)、川満勝信(東川根)、友利博明(馬場)の各保護者会会長が連名代表を務め、今後、「考える会」に趣意書を提出、各保育所では「民営化反対」の署名活動を展開していく。
 この日の集会では「考える会」の垣花美恵子委員が、当局に資料を求めて保育所の運営状況を把握し、課題を探っている現状を説明。民営化の案も上がっていることについて保護者らは「財政難を理由に弱い立場の子供と低所得者層の家庭を切り捨てようとする子育て軽視の行政態度」と強く非難した。
 意見交換では「財政難の時代だからこそ、次代を担う子供への投資は必要」「自分の子供が卒園したら関係ないのではなく、次の子育て世代に安心できる市立保育所を残そう」などの声が上がった。
 市立保育所には、東に53人、東川根に58、北に84人、馬場に79人の計274人の園児が通っている。運営費の補助金(国庫、県)がカットされたことに加え、保育料の未納者が後を絶たないことなどから、今後の運営の方向性が探られている。

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両社とも一審判決に不服/アロエベラ裁判控訴審

 【那覇支局】アロエベラ商品の製造販売を営むガルマンインターナショナル(本社・大分県)が、下地町(川満省三町長)と同町の第三セクター「コーラル・ベジタブル」(洲鎌善充社長)に対し、1億1000万円の損害賠償を求める訴訟の控訴審口頭弁論が21日午後、福岡高等裁判所那覇支部(窪田正彦裁判長)で行われた。一審原告のガルマン社側と一審被告のコーラル社側がそれぞれ準備書面を提出して答弁・主張を陳述し、証拠提出も行った。
 この訴訟は、那覇地裁平良支部の一審判決で、同町への請求を棄却し、コーラル社側には3300万円の支払いを命じたことに対し、ガルマン社、コーラル社ともに不服として控訴したもの。
 ガルマン社側は、同町との契約が無効とされたことと、1億1000万円の損害賠償請求に対し3300万円の賠償額にとどまったことを不服としている。一方、一部勝訴したコーラル社側は、3300万円の支払いに対しても納得しない。一審判決の「(コーラル社の)営業活動は著しく商道徳に反する方法で顧客獲得を図ろうとしており、原告の営業権を侵害する違法行為」との指摘に対し、「具体的に何が商道徳に反するか」など明確にし全面勝訴を勝ち取りたいとしている。
 この日の審理で、窪田裁判長は「ガルマン社と同町との取引の当初に契約書がないのはなぜか。継続的な取引がスタートできる特別事情があったのか。この取引契約を法的にどう見たらいいか、合理的に理解できるよう、両当事者と整理していきたい」との方向を示した。双方の次回準備書面の提出期限は11月19日。次回の口頭弁論は同月30日。

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名無しキビ、すくすくと4メートル/城辺町・比嘉さんの畑

 城辺町仲原地区で栽培されている比嘉和市さん(72)のサトウキビが長さ3・5−4メートルにまで成長し、比嘉さんや周囲の農家を驚かせている。このキビの品種は「ナーナスブーズ(名無しキビ)」と呼ばれている「RH86―410」で、数多い品種の中でも長くなる品種として知られる。ナーナスと呼ばれていることから比嘉さんは「こんなに大きくなるキビなので、名前をつけてやりたい」と話した。
 比嘉さんは約30アール畑に農林15号を全体の3分の2ほど植え付け、残りに友人から分けてもらったナーナスを植えた。その後、ナーナスはぐんぐん成長。相次ぐ台風にも負けず長さ4メートル弱にまでなったという。
 比嘉さんは、「こんなに大きくなるとは思わなかった」とびっくり。「このキビは山川部落の友人から分けてもらったので『山川いずみ(泉)』と名付けたい」と話していた。
 RH86―410は年々植え付け面積が増えており、次の収穫分では全体の38%(宮古製糖管内)を占めている。

 写真説明・長さ4メートル弱の「ナーナスブーズ」を誇らしげに持ち上げる比嘉さん=21日、城辺町仲原

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