200平成16  10 16曜日

漁業補償交渉がスタート/伊良部架橋整備事業で

 2005年度着工予定の伊良部架橋整備事業で漁業権の一部が抹消されることを受け、「第1回伊良部架橋漁業補償交渉委員会(主催・県宮古支庁)が15日午後、平良港ターミナルで開かれた。県は今月下旬に開かれる予定の第2回同委員会に漁業補償額を提示する方針。

 この日第1回の委員会では、安和朝忠県宮古支庁長、浜川健伊良部町長、下地学平良市助役らのほかに、3漁協の漁業補償交渉委員ら多数が出席した。
 安和支庁長は「伊良部架橋の早期着工に向けては3漁協の同意が必要。架橋は宮古郡民に夢と希望を与え、21世紀の宮古の振興発展に寄与する大きなプロジェクト。国の財政は厳しいが、皆さんの理解と協力を得て、国へ早期着工を要請したい」とあいさつ。浜川町長は「漁業補償額は慎重に検討し、一日も早い架橋が実現できるようにお願いしたい」、下地助役は「早めに漁業補償を解決し、伊良部架橋を実現してほしい」とそれぞれ協力を求めた。
 次いで県宮古支庁の担当者らが漁業補償概要などについて説明した。
 補償については、▽漁業権消滅補償(橋りょうの設置による漁業損失が、漁業権消滅に相当すると認められる区域)▽永久制限補償(橋りょうの設置により、漁業操業が永久に制限される区域)▽期間制限補償(仮桟橋の設置などにより、一定期間、漁業操業が制限される区域)▽影響補償(工事に伴う汚濁水流出などにより、漁獲が減少することが予想される区域)の4つに分類。その4つを基準に、漁業補償額は算定される見通し。
 架橋ルートの海域には、3漁協が漁業権者の共同漁業権、平良市漁協が漁業権者の特定区画漁業権(モズク養殖)、伊良部町漁協が漁業権者の特定区画漁業権(モズク養殖)にそれぞれ設定されている。この漁業権に限定すると、平良市漁協組合員(久松地区)によるモズク漁獲は実績があるが、伊良部町漁協の組合員からの実績は無いという。
 質疑応答で、平良市漁協のある委員は「伊良部架橋ルートから漁業影響の範囲を500メートルとしているが、もっと拡大できないか」と質問。県宮古支庁は「500メートルにこだわらない」と述べ、拡大する考えを示した。
 同支庁は「今後の情報交換や漁業補償交渉委員会開催日の日程調整のためには、今の総勢69人の委員では多すぎる。各漁業で委員長、副委員長、書記を含めた5人をそれぞれ選出できないか」と提案。3漁協とも了承し、持ち帰って委員長などを選出することにした。

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砂山ビーチに「夏の残骸」/せっかくの景観台無し

 平良市の砂山ビーチ内で今夏、飲食物を販売していた露店の木造廃材が砂浜に放置され、市民や観光客から苦情の声が上がっている。
 ビーチには、建物の残がいと思われる木材やベニヤ板がまとめて置かれており、「焼きソバ」や「梅酒」などの品書きがされた板などが残されている。廃材を目にした市民は「宮古有数の観光地なのにせっかくの景観を損ねている。ただちに撤去し、美しい砂浜に戻してほしい」と話していた。
 遊泳者の安全管理を行う平良市観光まちづくり課では、6月から7月ごろに営業の実態を確認。店主に対し「ビーチの環境保全に配慮し、トラブルのないように」などと指導したという。10月の半ばには木造廃材の放置状況を確認、15日には店主あてに早急な撤去を求める旨の文書を通知した。同課では「ビーチの使用法を指摘する立場にはないが、(営業を)やるだけやって、片付けはしないというのは問題。できるだけ早く元の状態に戻すよう勧告する」と話している。
 食品の販売に当たっては、食品衛生法のもと県の営業許可が要されるが、同店は開店時に許可を取っておらず、通報を受けた宮古福祉保健所が8月に指導、「簡易営業」の許可申請を促した経緯がある。同保健所では「衛生管理の側面からも、正規の手続きを踏まえた営業が求められる」と話した。

 写真説明・砂浜の一角に放置された木造物の廃材=14日、砂山ビーチ

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サシバの渡り ピーク/伊良部町

 北国から東南アジアなどへ向かう途中に、中継地の宮古諸島に立ち寄るサシバ(タカ科)の渡りが15日までにピークを迎えた。
 県内では有数の中継地である伊良部町では、今月9日から群れが次々と飛来。12日は、数千羽の大群が上空で旋回しながら「タカ柱」をつくる壮観な光景が見られた。
 夕暮れ、1羽が高度を下げ、松林などへ降りていくと、他のサシバはその後に続く。
 同町南区で観察していた40代の男性は「民家の1本の木に数10羽が止まっていた。初めて見た光景だ。タカの鈴なりは一生忘れないだろう」と興奮気味で話した。
 宮古に舞い降りたサシバは、一晩過ごして翌早朝、越冬地の東南アジアへ向かって飛び立つ。サシバは中型のタカで、成鳥の全長が47−51センチ。

 写真説明(上)・悠然と舞うサシバ= 15日、伊良部町(写真・伊良波彌記者撮影)
 写真説明(下)・木に止まり羽を休めるサシバ

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家庭料理で国際理解/下地中・台湾の水ギョーザ作り学ぶ

 下地町立下地中学校(川上哲也校長)の1年生は14日、同町国際交流員の羽地芳子さんを同校に招いて、台湾の家庭料理を代表する水ギョーザ作りに挑戦した。
 家庭科の授業の一環で、国際理解を深めるとともに同中と交流の深い台湾の食文化に親しもうと実施。水ギョーザと、そのゆで汁で作る酸辣湯(スワンラータン)の2品を作った。生徒らは、ぎこちない手つきで包丁を握り、野菜のみじん切りに悪戦苦闘しながらも協力し合って料理を楽しんでいた。
 羽地さんによると、ギョーザはお金の形に似ていることから縁起が良く、正月には親せきや友達が集まり、皆で作って食べる習わしがあるという。羽地さんは「いろいろな種類の野菜と肉が入っていて栄養たっぷり。台湾の家庭料理を中学生たちと一緒に作ることができてうれしい」と話した。
 また、授業を受けていた玉城巴瑠香さんは「ちょっと難しいけど、しっかり覚えて家でも作ってみたい」と話していた。

 写真説明・国際交流員の羽地さん(左)が台湾の家庭料理、水ギョーザの作り方を指導した=14日、下地中学校

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栄養バランス大切に/平良市 久松中・親子で給食楽しむ

 平良市立久松中学校(大田敏盛校長)の1年生は15日、同校に父母らを招いて「親子給食会」を開いた。訪れた父母らは子どもたちと給食を囲み、楽しいひとときを過ごすとともに日々生徒たちが食している学校給食について理解を深めた。
 同校は、県・市教育委員会から食生活に関する教育実践校に指定されている。給食会は、栄養バランスの重要性について改めて知識を深め、家庭での食生活の在り方について参考にしてもらおうと開催した。この日のメニューは、ビーフカレー、ピーナツあえ、グレープフルーツ。食後にはクラスの保健委員らが食材の栄養素とそのバランスの大切さについて説明した。1年A組では、担任の下地ミエ子教諭が「食べ物があふれる現代だが、家庭でもぜひバランスの取れた食事を心掛けて」と促した。
 母親の棚原美津江さんは「毎月の献立表を見ているので給食の内容は分かっていたが、明るい雰囲気でおいしかった」と感想を話していた。

 写真説明・生徒たちと給食を共にする母親ら=15日、平良市立久松中学校

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