200平成16  10 15 曜日

建設は合併特例債活用へ/清掃施設、広域葬祭場

 合併協議を進めている平良市、城辺町、伊良部町の3市町は14日、宮古圏域全体の懸案事項に挙げられている新ごみ処理施設と広域葬祭場の建設について、合併特例債を活用して建設する方針を固めた。同日開催された宮古自治研究会(宮古自治研)で各市町が明らかにした。自立を選択した下地町、上野村はおおむね了承したが、仮に下地、上野の両自治体が新施設を利用する場合、建設費や管理・運営費を自己財源から負担しなければならないため、両自治体ともより厳しい財政運営を強いられる。今後は管理・運営をめぐり清掃施設組合や広域圏事務組合の解散を視野に入れた協議に移る。

 この日の焦点は合併特例債の活用か否か。合併する3市町は下地町、上野村に対し特例債の活用を認めるよう打診。合併して自治体の規模が膨らんだとしても、新ごみ処理施設や広域葬祭場建設に対する国や県の多額の補助金が見込めないためだ。宮古自治研によると、新ごみ処理施設には4分の1の補助はあるが、広域葬祭場に関しては補助金そのものが下りないという。こうした事情を背景に、3市町は「特例債を活用しなければ新市もやっていけない」として活用の方針を固めている。
 この方針をおおむね了承した下地町と上野村だが、建設費で自己財源を持ち出すのは大きな痛手だ。さらに管理・運営面での負担も大きい。合併する3市町は現行負担の40%減に対し、下地町、上野村は逆に40%増となる。単独では取り組めない大型事業であるため、下地、上野の両自治体の財政が行き詰まることは必至だ。
 この日の宮古自治研では同問題のほかに、各市町村の負担金・補助金による各種協議会などの取り扱いについても協議した。合併で枠組みが変更することから、今後は継続か、解散か、あるいは新市が離脱するかの話し合いが進められる。
 宮古自治研究会は各市町村の助役、総務課長などで構成される組織。自治体の方向性を示すため協議を重ねている。

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平良市など50都市・機関が参加/マレーシア クチン市・

世界健康都市連盟 初総会

 【マレーシア・クチン市で垣花尚記者】平良市(伊志嶺亮市長)など東アジア・西太平洋諸国の27の都市や機関による「健康都市連盟」の初総会がマレーシアのクチン市で12日から14日まで開催された。理事都市となっている平良市からは伊志嶺市長が参加、今後の活動計画や予算などについて協議し方針を決定した。

 今回の総会には、加盟の27都市、機関と検討中の都市代表も含め50余の都市、機関の関係者約400人が参加し、健康や環境をテーマにした街づくり、地域づくりなどの取り組みや今後の課題について幅広く検討した。日本からは平良市のほかに千葉県の市川市、愛知県の尾張旭市の市長、職員らも参加。伊志嶺市長と日本の都市としての役割や連携のあり方についても意見を交換した。今後、平良市は理事都市として同連盟の中心的な役割を担う。
 今回の総会に出席した伊志嶺市長は「美しい景観のクチン市で『健康都市連盟』が発足してうれしく思う。平良市としても理事都市としての役割をしっかりと果たして日本全国、アジア・太平洋諸国の都市に対して健康都市づくりを呼び掛けていきたい」と述べた。
 今回の総会では▽健康都市の現状▽健康都市連盟の活動方針や内容▽小規模自治組織の育成▽ネットワーキングの強化▽組織力の向上▽都市近郊における環境衛生プロジェクト▽クチン市における事例―などが協議され、これから2年間の活動方針などを確認し合った。
 また、2年後に行われる2006年の総会は中国の蘇州市で開催することも決定した。
 平良市は昨年9月に日本を代表して参加した世界保健機関(WHO)の支援による健康都市マニラ会議における同連盟の発足に向けた第1回目の組織委員会で理事都市に選出された。平良市以外の理事都市は、今回の開催地となったマレーシアのクチン市、フィリピンのマリキナ市、中国の蘇州市、モンゴルのウランバートル市となっている。
 同連盟には国内から市川市(千葉県)、尾張旭市(愛知県)、袋井市(静岡県)などが加盟しており、諸外国からの主な加盟都市は▽ソウル市(韓国)▽プノンペン市(カンボジア)▽ビエンチャン市(ラオス)▽マカオ(中国)▽香港(同)▽フエ市(ベトナム)―など27の都市と機関。
 これまで平良市は、WHOアジア太平洋地域事務局の健康都市パイロットプロジェクトとして国内で唯一認定された「歴史文化ロード整備」などを展開してきた。今回、正式に「健康都市連盟」が発足したことを受けて平良市は、東アジア・西太平洋諸国の健康都市づくりに向けた中核的な存在となる。
 【平良市の健康都市への取り組み】 1997年平良市総合計画の中で「健康ふれあいランド構想」を掲げ、健康都市づくりを展開。人・まち・自然の健康を柱にした「健康ひらら21」の実施など全庁体制で取り組んでいる。

 写真説明(上)・平良市などアジア・太平洋諸国の27の都市や機関で設立された「健康都市連盟」の第1回目の総会が行われた=14日、クチン市(マレーシア)
 写真説明(下)・伊志嶺市長のほか、市川市、尾張旭市の市長も総会に参加し、健康都市づくりに向け互いの連携を確認し合った

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県のサシバ調査中止に反発/宮古野鳥の会メンバーら

 昨年まで30年にわたり県文化環境部自然保護課が主体となり行ってきたサシバの飛来数調査や密猟防止パトロールが今年から実施されないことに伴い、同課の照屋秀雄課長補佐らが14日、来島し各関係機関に説明を行った。宮古野鳥の会(岡徹会長)に対し説明を行った照屋課長補佐は「地元を中心に調査していく良い時期が来ている」と調査中止の理由を述べたが、同会の砂川友弘副会長らは「長年の活動が実り、密猟者が減少してきた。これを徹底するには今が一番大事な時期。なぜ今やめるのか」と県の対応に疑問の声を上げた。
 同会に対しての説明会は、飛来数をカウントしている平良市松原の通称・夕陽が丘で行われた。照屋課長補佐は調査中止を関係者に事前に知らせなかったことに対し謝罪した上で「今後の活動は皆さんにお願いしたい」と話した。
 説明を受けた同会のメンバーらは県の連絡不足や対応のまずさを批判し、「県が主体となり啓発活動を行うことに大きな意味があった。30年間続けてきた活動で密猟が減った。今やめるとこれまで続けてきた活動が台無しになる」と反発。
 これを受け照屋課長補佐は「今後、県は調査へのかかわり方を検討したい」と述べ調査を引き継ぐ団体や予算など具体的な案は出されなかった。
 照屋課長補佐らはこの日の午前に伊良部町役場を訪ね、同町農業振興課にカウントを依頼したというが佐和田恒男課長は「従来通り啓発活動はするが、カウントに関しては対応できないことを伝えた」と話し、照屋課長補佐の発言を否定した。
 県が密猟防止パトロールを行わないことを受け同会は12日、宮古警察署にサシバ密猟防止のため、飛来期間中の宮古本島と伊良部島、下地島全域での警ら強化を要請。
 サシバは国際保護鳥に指定され、その密猟は鳥獣保護法違反で1年以下の懲役か100万円の罰則が科せられる。2002年には密猟で男が逮捕され03年にはサシバ捕獲小屋のツギャが発見されていることなどから、密猟が行われている可能性は高いと見られている。

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琉銀宮古支店に感謝状/宮古署・オレオレ詐欺未然に防ぐ

 全国で100億円を超える被害が出ているという通称「オレオレ詐欺」。宮古警察署(伊波盛春署長)は14日、組織ぐるみで詐欺を未然に防いだとして琉球銀行宮古支店(幸地均支店長)に感謝状を贈った。伊波署長は「行員1人ひとりの日ごろの意識の高さ」と高く評価し、協力に感謝した。
 今月8日、「娘がレンタカーで交通事故に遭った。車両の賠償金を示談することになった。損害額は820万円だが、500万円は保険を使用するので残りの320万円を振り込んでください」―などといった電話が平良市内に住む女性(62)宅にあった。
 「銀行に着いたら電話してください」と言われていたという女性は、同銀行内で会った隣人の女性(52)に事情を話し、携帯電話を借りようとした。
 不審に思った隣人は同銀行の東笠昌副支店長に相談。東副支店長が同署に通報、「オレオレ詐欺」が発覚したため、東副支店長が振り込みを中止させ、被害を未然に防いだ。
 同署で行われた感謝状贈呈式で伊波署長は「オレオレ詐欺は全国的な社会問題になっているが、被害が全国に広がっているため警察の捜査が追い付かない状況。未然に防げたことで被害者にならずに済んだ女性も喜んでいた」と述べた。
 幸地支店長は「未然に防ぐことができてよかった。まさか宮古で起きるとは思っていなかったが、今回の事例を踏まえ、今後も同様の被害を未然に防げるよう努力していきたい」と話した。また、利用客に対し「振り込む前に行員に一言、相談してほしい」とアドバイスした。
 同署が「オレオレ詐欺」を未然に防いだとして感謝状を贈呈するのは8月に宮古郵便局(黒島弘充局長)に次いで2例目。

 写真説明・幸地支店長(右から2人目)、東副支店長(左から2人目)に伊波署長(右)と國吉盛純副署長(左)から感謝状が贈られた=14日、宮古警察署

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宮古馬24頭に/「ゆうむつ号」が出産

 伊良部町の平成の森公園で在来種の宮古馬の母馬「ゆうむつ号」(5歳)が14日未明、雄の子馬を無事出産した。父親は「大風号」(6歳)。飼育者の玉元富彦さん=同町長浜=は「安産で良かった」と喜んでいた。一方、宮古馬保存会(会長・伊志嶺亮平良市長)の関係者らは「宮古馬の増頭につながり、大変喜ばしいこと」と、子馬の誕生を祝福した。
 同会がシャーク牧場経営者の玉元さんに飼育を委託し、今年で3年目。同会は2002年度から宮古馬の増頭5カ年計画を打ち出し、5年後には40頭まで増やすことを目標にしている。
 宮古馬は今回誕生した子馬を含めた宮古諸島での頭数は21頭(雄11頭、雌10頭)で、北海道で飼育中の宮古馬3頭(雄1頭、雌2頭)を加えると計24頭。
 この日の午前、子馬誕生の情報を聞いて駆け付けたいらぶ観光協会の洌鎌敏一会長は「大風号は種馬としては最高の馬」と絶賛した上で「これから宮古馬を長期滞在観光に活用したい」と話し、下地島にある民宿キャンプ村の敷地内に馬小屋を建設する計画を明らかにした。
 洌鎌会長と一緒に訪れていた娘の美咲さん(12)は「子馬はとてもかわいい。名前を募集する時は応募したい」と話し、親子のきずなを深める母馬と子馬を観察し、目を細めていた。

 写真説明・母馬にずっと寄り添っていた子馬=14日、伊良部町平成の森公園

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