200平成16  10 曜日

海面利用協定書を改正/伊良部漁協とダイビング業者

 伊良部町漁業協同組合(奥原隆治組合長)がダイビング業者などと締結する「海面利用協定書」が7年ぶりに改正されていたことが分かった。同書には、これまで対象外であったビーチからのシュノーケリングについては漁業協力金として1人につき1日300円、八重干瀬などのサンゴ礁で行うシュノーケリングは1人につき1日500円をそれぞれ徴収する文言などが新たに盛り込まれた。「海面利用協定細則」が新設され、指定のダイビングポイントのブイの使用方法に違反した場合は、反則金として3万円を課すことを明記した。奥原組合長が 6日午後、明らかにした。漁業協力金を徴収する対象が拡大したことで、今後協定を結んでいないマリンレジャー業者との対立が激化しそうだ。
 協定の締結は、9月30日付で締め切られた。平良市池間島のダイビング業者や遊漁船の釣り船業者ら5社が新規に締結し、締結更新を含めたダイビング業者を含めると36業者に上った。締結期間は5年間。締結した業者には「三漁協協定旗」が交付される。
 同書の規定では、同漁協が有する漁業権漁場の海面利用に関し、同漁協組合員が行う漁業とダイビング業者などが行うマリンレジャーガイド事業の調整を行うために必要な事項を定めることを目的としている。いわば海面利用のルールを定めたもの。
 協力金を同漁協に支払う規定では、1人につき500円支払うのは、ファンダイビング・体験ダイビング・ライセンススクール・シュノーケリング(八重干瀬など)を実施した人。ダイビングなどの海洋レジャーを楽しみたい人は、同漁協が発行した「海面利用券」をあらかじめ購入しなければならない。同券の販売取扱所は三カ所を予定。
 同細則では、厳しい反則金を設けた。同券に利用年月日や業者名が記入されていない場合は、1人につき1000円の反則金。同券を購入しないでダイビングをさせた場合は、ダイビング業者などに3万円の反則金を課すとしている。また設定されたポイント以外でダイビングガイドなどを実施した場合は、5万円の反則金。
 奥原組合長は「ダイビング業者との締結については、地元の新聞(9月15日付)に広告を出した。締結しなかった業者については、共同漁業権の侵害に当たるので徹底的に監視活動を行う」と言葉を強めた。
 協定を締結したある釣り船の船頭は「新しい協定書では釣り船は外されているが、いずれは釣り客を乗せた釣り船も対象となる。将来を見越して締結した」と話した。

 写真説明・
このほど改正された「海面利用協定書」
 
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こわいよ〜パーントゥ/平良市島尻・泥で厄払い

 人や住居に泥を塗りつけ厄払いをする、平良市島尻の伝統行事「パーントゥ」が旧暦9月の吉日に当たる7日、始まった。夕方、体中に泥を塗り、仮面をかぶったパーントゥ 3匹が集落内を駆け巡り、子供たちや観光客らを追い回して手当たり次第に泥を塗りたくった。
 パーントゥは、百数十年前、島尻集落発祥の地である元島の西海岸(クバマ)に漂着した仮面を、村人が世持神の来訪としてあがめ、村人が仮面をかぶって村中を駆け回ったのが始まりとされる。1993年に国の重要無形民俗文化財に指定された。パーントゥに泥を塗られた新築の家や乳幼児は、厄払いのカリー(嘉例)がつくといわれる。
 午後5時ごろ、集落のはずれにある古井戸で全身につるを巻き、泥を塗った青年3人がパーントゥとなって集落内に登場。パーントゥに追い回された子供や観光客らは「来た」「逃げろ」などと大きな声を上げながら、逃げまどった。
 市内に住む阿波根聖弥ちゃん(1つ)は、初めてパーントゥに泥を塗られ、大泣き。母の里子さんは「これで厄払いできた。元気に育ちますね」と笑顔で話していた。

 写真説明・パーントゥに追われ、逃げ回る女の子=7日、平良市島尻 

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血液提供者リストを作成へ/Rh(−)=アールエイチマイナス

 緊急時における血液の不足を懸念し、宮古島徳州会病院に勤務する竹井太さんが、Rh因子陰性血(Rh(−)=アールエイチマイナス)の供血可能者のリスト作成にボランティアで取り組んでいる。竹井さんによると現在、宮古島では県立病院や徳州会病院で管理されている血液は陽性血で、陰性血はストックされていないのが現状だという。血液のストックがなければ輸血に間に合わず、不測の事態を招きかねない。竹井さんは「陰性血の不足は1日でも早く解決しないといけない問題」と 警鐘を鳴らしている。
 Rh因子陰性者は陽性者に比べて非常に少なく全人口の0・5%程度という。約200人に1人の割合であることから宮古島内には300人弱の陰性者がいるとみられる。竹井さんは本土であれば「陰性血の確保は問題ない」としているが、宮古島には血液センターがないことや供血者の数、ストック、搬送条件の問題が絡み、24時間体制で確保するのは極めて困難であることを指摘している。これらの問題を解消するために、竹井さんらはRh因子陰性血の供血可能者のリスト作成に取り組んでいる。このリストがあれば緊急時における輸血体制が整い、不測の事態を回避することができるという見方だ。
 竹井さんは「『みんなで守ろう みんなの命』をモットーに、誰もが誇れる安全で健康に過ごせる島づくりのために協力してほしい」とし、不測の事態に対する備えの大切さを呼び掛けている。
 供血可能者の登録方法ははがきの投かんだけで済む。はがきに名前、生年月日、年齢、住所、緊急時連絡先を書き込み竹井さん宅(平良市久貝1027―9)に送れば完了。

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観光PRし誘客を図る官民一体で航空会社など訪問

 航空各社や旅行会社など観光関連企業を招き観光振興への感謝とPRを行う「第7回沖縄宮古観光感謝祭(主催・宮古広域圏事務組合)」開催に伴い、同事務組合の伊志嶺亮代表理事(平良市長)ら一行は7日、東京都内で日本航空(JAL)本社や全日本空輸(ANA)本社などを表敬訪問し、宮古観光をアピールし誘客を図った。感謝祭はきょう 8日、東京都内のホテルで開催される。
 宮古空港ロビーで行われた出発式で伊志嶺代表理事は「たくさんの観光客が訪れるように頑張ろう。しっかりと宮古をPRし観光振興を発展させよう」とあいさつした。この後、参加者全員で「ガンバロー三唱」し気勢を上げた。
 一行は2班に分かれ各航空会社を表敬した。このうちANA本社に野本明典東京支店長(上席執行役員)らを訪ねた川満省三理事(下地町長)は「宮古の観光は右肩上がり。観光客は40万人に届きそうまでになった。これも皆さんの協力のおかげ」と感謝した。
 野本支店長は「皆さんは観光促進に努力している。観光客が増えるようスムーズに協力したい」と述べた。
 また、川満理事は来年開港する中部国際空港から名古屋―宮古の新規運航と運休となっている福岡―宮古の運航再開を要望した。
 同感謝祭は宮古の観光振興を目的に毎年開催されている。宮古の各市町村長や観光関連企業が官民一体となって各航空会社や観光関連業者などに感謝の意を表す。
 観光感謝祭に出発したのは次の皆さん。(敬称略)
 ▽伊志嶺亮(宮古広域圏事務組合代表理事・平良市長)▽仲間克(同組合理事・城辺町長)▽川満省三(同組合理事・下地町長)▽垣花義一(上野村助役)▽安和朝忠(県宮古支庁長)▽玉元宏一朗(同総務・観光振興課主任)▽二木哲(宮古広域圏事務組合事務局長)▽笠原渥(同組合広域振興課長)▽与那覇剛也(宮古広域圏事務組合広域振興課長補佐)▽下地冴子(同係長)▽豊見山真澄(同広域振興係)▽藤村明憲(宮古観光協会長)▽吉井良介(同協会青年部長)▽渡久山明(同協会事務局長)▽根間春仁(同協会事務局次長)▽下地慶(同協会観光コーディネーター)▽儀保睦(第31代ミス宮古)▽伊志嶺和歌子(同)

 写真説明・川満理事(左から2人目)が野本東京支店長(手前右)らに宮古観光をPRした=7日、東京都の全日本空輸本社

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コムクドリが群れで飛来/きょう寒露

 きょう8日は24節気の 1つ「寒露」。寒露とは、晩秋から初冬に向かって野草に宿る露の意味。このころになると、野には秋が静かにしのび、朝晩は肌に寒気を感じ始める候となる。
 10月2、4日に吹いたミーニシ(新北風)を合図に、宮古島地方もいよいよ秋本番に入った。北国からはミーニシに乗ってサシバの群れやコムクドリの群が飛来し、秋の訪れを告げている。サシバの飛来はこれから本格化する。
 季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもある。残暑の日差しに汗をかきながらも日暮れ後はひんやり。体調管理に要注意だ。

 写真説明・木の枝で羽を休めるコムクドリ=7日、下地町(撮影・伊良波彌記者)

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