200平成16  10 曜日

求職者増も求人伸びずハローワーク宮古・雇用状況報告

 2004年度ハローワーク宮古雇用対策推進協議会(中尾英筰会長)が5日、平良市内のホテルで開かれ、管内の雇用状況について報告された。国の三位一体改革による公共工事削減が管内の雇用情勢に大きく影響していることなどから、求職者1人当たりの求人を示す有効求人倍率は年々減少。増加する求職者に対し求人が伸び悩んでいる実態が浮き彫りとなった。出席した委員からは厳しい状況にあることが説明されながらも、地元出身者の雇用拡大に前向きな意見や伊良部架橋建設などから将来の展望に期待する意見が上がった。

 同協議会には、行政や管内の高校、大手企業の代表者などが参加した。
 今年4−7月までの有効求人倍率はすべて前年度を下回っており、4月の新規求職者数は復帰後最高の431件。新規求人数も年々減少しており、2002年度に比べ今年度は4−7月ですべて下回っている。
 特に公共工事削減の影響が大きく、建設業での離職者が増えているほか、企業自体が定年の年齢引き下げやリストラ、賃金削減などの状況に追い込まれていることが報告された。
 新規高卒者の就職率も全国と比べ依然として低い状況で、学校側は雇用拡大を求めるとともに、生徒のマナー向上や社会人としての認識を深めることなどが課題とした。
 県建設業協会宮古支部の松川勝弘支部長は「公共工事が減りリストラしないといけない状況に追い込まれている中、新規採用はゼロ。伊良部架橋建設が実現すれば横ばいになっていくのでは」と厳しい現状を説明。JAおきなわ宮古地区事業本部の下地隆弘本部長も早期退職者制度の創設など、新規雇用は難しいとの見解を示した。
 日本トランスオーシャン航空宮古支社や琉球銀行宮古支店は、一般職での雇用など新卒者や地元出身者の採用に前向きな意見が出された。委員らはそれぞれの現状を報告するとともに情報交換を行い、雇用拡大へ向けた取り組みを探った。
 同協議会では今年初めて障害者雇用優良企業表彰などを実施する計画。

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サシバの保護訴え集会/伊良部中学校

 サシバ保護旬間(9月28日−10月8日)を設けている伊良部町立伊良部中学校(下地玄幸校長、生徒数94人)で5日午後、サシバ保護集会(主催・同校生徒会)が開かれた。これからサシバ(ワシタカ科)の飛来が本番を迎えるため、全生徒がサシバの保護を強く訴えた。同集会の後、広報車両でパレードを行い、町民にサシバの保護啓発をアピールした。

 同集会は、国際保護鳥であるサシバの保護意識を高め、サシバの保護を広く地域へ発信するとともに、サシバの休息地である島の自然環境について知り、その保全と継承について関心を持つことを狙いに開かれた。
 生徒会役員の平山久昭君、伊佐浩太郎君、粟国明仁君、儀間大輝君の4人が「サシバ保護について」と題して発表。4人はサシバの渡りルートなどを説明した上で「サシバが飛来する私たちの島は、ポイ捨てごみが多い。もっと自然を大切にし、サシバが飛来しやすい環境をつくりましょう」と訴えた。
 1年A組を代表して発表した男女6人は「伊良部町には、サシバが休息する緑が減少の傾向にある」と指摘し、豊かな緑づくりを提言した。
 講師に招かれた猪子立子さん(同町長浜出身)は「サシバの保護と伊良部町の自然環境について」の演題で講演を行った。
 猪子さんは、奈良県でバスガイドとして働いていた時を振り返りながら「全国各地を回ったが、伊良部町の海や夕日、星座は日本一美しい」と、生徒たちに誇りを持つように促した。その上で「昔はサシバを売り買いし食べていた。今は保護されるようになり、とても良かった」と述べ、「しかし、島には捨てられたごみが多いので残念。町民の意識を変えなければならない」などと語った。

 写真説明・緑の重要性などを訴えた生徒たち=5日、伊良部中学校体育館

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オニヒトデ対策費に4500万円/県議会・総務企画委員会

 【那覇支局】5日に開かれた県議会9月定例会の総務企画委員会(仲里利信委員長)で、砂川佳一氏=宮古郡区選出=と奥平一夫氏=平良市区選出=は、2004年度一般会計補正予算に関し、オニヒトデ対策などに向けたサンゴ礁保全対策事業について質問した。
 砂川氏が事業費をただしたのに対し、文化環境部自然保護課は「事業費は単年度予算で4500万円で、このうち8割の3600万円が国庫補助の特別調整費である」と説明した。砂川氏は「サンゴ礁は沖縄にとって大変重要なので、単年度で終わらず、継続していろいろな方策を行ってほしい」と要望した。
 奥平氏が同事業の内容を尋ねたのに対しては、同課は、3つの柱があるとして「1つは、『重要サンゴ礁モニタリング』で、慶良間をはじめ、宮古・八重山海域などにおけるモニタリング(監視、観測)を行い、重要サンゴ礁海域を選定する。2つは、『オニヒトデの処理対策の検討』で、陸揚げされたオニヒトデの処理方法や有効利用を含めて検討し、処理対策の効率化を図る。3つは、『サンゴ礁生態系についての普及啓発』で、本県の財産として将来に残すべきサンゴ礁の価値や機能、現在の危機的状況も含めて総合的に紹介するパンフレットなどを作製して県民や観光客に普及啓発していく」と説明した。

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200人がスポーツの秋満喫/宮古地区精神障害者運動会

 県立宮古病院(恩河尚清院長)主催の宮古地区精神障害者運動会が5日、下地町のサニツ浜前広場で行われ、約200人が参加してスポーツの秋を満喫した。
 この運動会には、入院中の人や小規模作業所などの利用者、在宅療養者など、多良間村を除く5市町村の精神障害者が参加。和気あいあいと交流を深めるとともに、体力回復に努めた。
 参加者らは、ラジオ体操で体をほぐした後、各種競技に挑戦。一直線に駆け抜ける60メートル走では、ガッツポーズでゴールのテープを切る人、勢い余って転倒する人などさまざまな姿が見られた。また、片足に履いたゴムぞうりを投げて飛距離を競う「島ぞうり飛ばし」には多数が参加し、好記録が出るたびに応援のメンバーから拍手と歓声が沸いていた。
 各施設の職員らもリレーや余興などに参加し、「主役」たちとそう快感を共有していた。

 写真説明・片足に履いたぞうりを遠くに飛ばす「島ぞうり飛ばし」に挑戦する参加者ら=5日、サニツ浜前広場

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ボランティアで石を撤去/伊良部町 佐和田の浜

 ボランティアで清掃活動を続けている比嘉臣雄さん(伊良部町佐和田)らが5日午前、同町佐和田の浜で清掃を実施した。重機を投入し、浜に捨てられた無数の石を撤去した。
 佐和田の浜は過去に「日本の渚・百選」に選ばれた美しいビーチ。しかし、今年に入ってから、何者かによって大人のこぶし大の石が大量に捨てられていた。海辺の環境は破壊され、危険な渚に一変した。
 現場を見かねた比嘉さんは、今年6月から清掃活動を始めた。「最初は1人で清掃していたが、しだいにボランティアの仲間が集まった」と比嘉さん。
 この日の清掃では、宮古警察署伊良部交番(津嘉山功栄所長)と同町公共施設管理公社が全面的に協力した。重機は同公社が持ち込んだ。
参加者らは散乱する石の撤去を行い、漂着物の海藻を数10枚の袋に回収した。
 比嘉さんは「絶対に石は捨てないでください」と訴えていた。

 写真説明・重機を使って大量の石を撤去した=5日、伊良部町の佐和田の浜

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