米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー外野手は1日(日本時間2日)、本拠地シアトルでのレンジャース戦で3安打を放ち、大リーグ新記録となる年間259安打を達成した。1920年にセントルイス・ブラウンズ(現オリオールズ)のジョージ・シスラー内野手(故人)が記録した257安打を84年ぶりに塗り替えた。イチロー選手が2000年まで所属したオリックス・ブルーウェーブのキャンプ地、宮古島の関係者や野球少年らも喜びに沸いた。宮古島オリックス協力会の平良勝之事務局長は「何らかの形でお祝いしたい」と、祝賀行事の実施を示唆した。
イチロー選手は1回の第1打席でレフト前ヒットを放ちシスラーの年間最多安打記録257本に並ぶと、続く3回の第2打席、センター前ヒットで新記録を樹立した。第4打席にもショートに内野安打を放ち、記録を259安打に伸ばした。チームは今季160試合目で、残りは2試合。
「プロ野球選手・イチロー」が育った宮古でも多くの人が歴史的な記録達成を祝福した。宮古島オリックス協力会の中尾英筰会長は、目立たない無名時代のイチロー選手を思い起こしながら、「94年に仰木彬監督が素質を見抜いて200安打を達成して以降、素晴らしい選手に成長した。宮古の誇りだ。これから100年は、この素晴らしい記録が破られることはないだろう」と賛辞を送った。
平良事務局長は「日本で連続首位打者になっても黙々とバットを振っていた。たゆまぬ努力、研究心を持った選手であり、日本の小さな島から大リーグの記録を塗り替える選手が出たのは本当に素晴らしいこと。子供たちの励みにもなる」と感慨深げだった。
宮古島キャンプ誘致に力を注いだ坂井民二前県議は「非常にうれしい。宮古で2軍時代からキャンプを行っており、宮古で育った選手だ。メジャーで大記録を達成したことは、島の人全員が喜んでいると思う。今後、宮古でのプロ野球キャンプが盛り上がることを期待している」と語った。
野球少年たちも大喜び。東少年ヤンキースのキャッチャー、下地直人君(東小5年)は「打つのもうまくて、足も速くて、すごい選手」、4ポジションをこなす砂川景史郎君(同)は「きょうの1打席目で打つと思っていたけど、本当に打ったのでびっくりした」と興奮気味。
同チームの池間直志監督は「身近な球場で育った選手がメジャーリーグの大舞台で活躍しているのを見ると、子供たちもとてもやる気になる」と話していた。
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