200平成16  10 曜日

キビ価格 現行を維持/05年度 農家手取り2万470円

 政府、自民党は1日、2005年産サトウキビの価格を決定した。最低生産者価格は現行のトン当たり2万230円から100円下がり2万130円となったものの、農業生産基盤・強化特別対策費が240円から340円に100円アップされ、現行農家手取額2万470円を維持した。
 焦点の「糖度別価格体系の見直し」については05年産から3年をかけ段階的に実施する。これにより07年産以降、基準糖度帯の下限値(13・1度)から0・1度下がるごとに一律130円下げる価格体系になる。見返りに低糖度地域については、さとうきび・糖業安定生産促進緊急対策事業費から1000万円(沖縄、鹿児島県合計)を糖度向上対策費として措置した。
 台風被害対策分(04年産分)は、前年度の3500万円よりも500万円増やし、4000万円とした。
 今年のサトウキビ価格交渉で国は、甘蔗糖の内外価格差が8・6倍という現状から、消費者の理解を得ることは難しいとし、現行価格維持に難色。これに対し県さとうきび対策本部は、「台風、干ばつ常襲地域の沖縄では、サトウキビしか適作物はなく、仮に再生産可能価格を割った場合は、特に離島農業は壊滅する」として、手取り価格の維持を要請していた。
 今回の結果について糖業関係者は「現行価格が維持され、台風対策分もいくらか上積みされた。実情を知っていただき、要請が認められる形になった」と評価している。
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県、3町村離脱に遺憾の意/県議会一般質問

 【那覇支局】県議会(外間盛善議長)9月定例会は1日、一般質問3日目が行われた。市町村合併について、多良間村、上野村、下地町が合併協議会を離脱するとの方針を打ち出した事に関し、上原昭県地域・離島振興局長は「6市町村の枠組みによる合併協議が継続出来なかったことは残念」と述べ、引き続き6市町村合併を検討することに期待した。
 宮古郡区選出の砂川佳一氏(自民)の質問に答えた。
 砂川氏は、市町村合併について、県構想における宮古地区の位置づけや構想策定時期、伊良部町への合併特例区等の活用、合併推進のための知事の指導力の必要性などを迫った。
 伊良部町への合併特例区の活用について上原地域・離島振興局長は「新たに設置された合併協議会の中で検討されるべきだが、県としても合併特例区設置に関する情報提供を行う」と積極的に対応していく姿勢をみせた。
 このほか砂川氏は、在日米軍再編での下地島空港の位置づけ、サンゴ礁の保護育成、産廃処分場問題、県立宮古病院新築移転構想、県立宮古農林高校への事業支援、自民党の代表質問との関連などについて取り上げた。
 この日はこのほか、赤嶺昇(維新の会)、當間盛夫(同)、呉屋宏(同)、國場幸之助(自民)、伊波常洋(同)、糸洲朝則(公明県民会議)、安里進(自民)の各氏が登壇。
 赤嶺氏がプロ野球リーグ再編に伴う県への影響について質問。宜名真盛男県観光リゾート局長は宮古島でのオリックスのキャンプを取り上げ「今回の球団合併はオリックスが近鉄を買収する形であり、宮古島でのオリックスキャンプは引き続き実施される」と話し県への影響はない考えを示した。

 写真説明・市町村合併問題などで一般質問した砂川佳一氏=1日、県議会本会議場

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宮農高環境班に市民栄誉章 授与/平良市

 平良市(伊志嶺亮市長)は1日、「ストックホルム青少年水大賞」を受賞するなど、その取り組みが国内外で高く評価されている沖縄県立宮古農林高校(下地恵吉校長)の環境工学科環境班に対して市民栄誉章の賞状と記念の盾を贈呈した。市役所1階ロビーで行われた授与式には関係者、市の職員ら多数が出席して同校環境班のこれまでの活躍をたたえるとともに今後の活躍にも期待を寄せた。また、創設以来初となる折田喜作文化基金からの褒賞金として100万円も贈呈された。
 授与式で伊志嶺市長は「皆さんは水のノーベル賞ともいわれる『ストックホルム青少年水大賞』を受賞するなどその研究は全世界の注目を集め、市民に大きな夢と自信を与えた。これからも研究を継続して宮古、世界の環境保全に寄与することを期待している」とあいさつした。
 また、折田喜作文化基金から100万円を贈呈したサンエーの折田譲治社長も「1つの物事を深く探求することは大切なこと。皆さんが研究を続けることが社会に貢献することにつながると思う。これからも頑張ってほしい」と激励した。
 今後に対する期待と激励を受けて同環境班の川平勉班長は「市民栄誉章が受章できることはこれまで研究を進めてきた先輩方や地域、先生、学校の支援のおかげ。これからも宮古の地下水保全に取り組んでいきたい」と述べた。
 そのほか、池間青昌市議会議長も同校の活躍を高く評価するとともに今後の活躍にも期待を寄せた。
 授章理由について当局では「宮古島の命の水である、地下水の保全をテーマにした取り組みと研究成果は賞賛に値する。本市の推進する健康都市づくりにも大きく寄与するなどその活動は授章にふさわしい」としている。
 市民栄誉章は、市民、市内の団体または市出身者で国内外で顕著な業績を達成するなど広く市民から郷土の誇りとして敬愛され、市民に希望と自信を与えた者を表彰するもので、第1号は2002年7月に女流棋士の知念かおりさんが受章している。また、市の文化、産業の発展に努力している個人、団体等を育成する目的の折田喜作文化基金からの贈呈は今回が初めて。

 写真説明・宮農環境班に市民栄誉章が贈られ、たくさんの人たちがその功績をたたえるとともに今後の活躍にも期待を寄せた=1日、平良市役所1階ロビー

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上地裕子さん(上野中3年)が入選/新聞配達はがきエッセーコン

 「第11回新聞配達に関するはがきエッセーコンテスト」(主催・日本新聞協会)の審査結果が9月30日発表され、上野村立上野中学校3年生の上地裕子さんの作品「私と母をつなぐ新聞配達」が入選に輝いた。昨年9月の台風14号通過後、道路を遮断する電柱をくぐり抜けて新聞を配達した母・恵子さん(43)に対し「背中がたくましく見えた」と尊敬の念をつづり「正直な気持ちを書いた。びっくりしたけどとてもうれしい」と笑顔で話した。

 同コンテストは、新聞配達の重要性への理解を深めてもらうため、同協会が1994年から実施。今年は大学生・社会人、中学生・高校生、小学生の3部門に分けて募集した結果、新聞配達に関するエピソードや体験など、5071編の応募があった。中学生・高校生部門では最優秀と優秀のほかに、上地さんを含む八人が入選している。
 上地さんは、台風の通過後「停電しているこんなときこそ新聞を待っている人がいる」と、傾いた電柱の下をくぐって137軒の配達先に一軒一軒届けた母の姿にたくましさや責任感の強さを感じ、尊敬と感謝の気持ちをつづっている。
 自らも母と共に配達する上地さんは「母の姿を見て思ったことを気軽に書いただけ。入選は意外です」と感想を話し「一番先に新聞を読めるし、配達先のお年寄りといろいろ話すうちに方言を覚え、最近は会話も弾んでますます楽しい」と新聞配達の魅力を語る。
 恵子さんは「普段、子供と一対一で話す時間はなかなかないが、配達の行き帰りの車中では胸の内をじっくり聞くことができる。貴重なひとときです」と、親子のきずなを深める意義深い時間になっているようだ。
 文章を書くことが大好きな上地さんは「日記代わりに毎日童話を書いている。童話のコンテストにも応募してみたい」と積極的な姿勢を見せていた。

 写真説明・新聞配達を通して感じた母への思いをつづり入選した上地裕子さん(左)と母親の恵子さん=1日、上野村の自宅

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根間悠さん(狩俣小1年)が県知事賞/動物愛護図画・作文コン

 「動物愛護週間(9月20−26日)」の一環で開催された動物愛護図画・作文コンクール(主催・県)の受賞者表彰伝達式が1日、宮古福祉保健所で行われた。図画の部で最高賞にあたる県知事賞を受賞した平良市立狩俣小学校1年の根間悠さんら14人に高江洲均所長から表彰状が手渡された。
 根間さんは、初めてダチョウを見たときに感じた大きさや迫力を表現。見事、県知事賞を受賞した。「ダチョウを近くで見たときは、大きくてとても驚いた。賞をもらえてうれしい」と喜んだ。
 高江洲所長は「宮古からは毎年受賞者が多い。動物は子供の良い友達になる。今後も図画や作文を通して動物愛護を広めてください」と述べた。
 コンクールには県内から324人が応募。入賞41点のうち14点が宮古地区からの応募作品だった。
 コンクール受賞者は次の通り。(敬称略)
 【図画の部】▽県知事賞=根間悠(狩俣小1年)「だちょうがちかくにきてびっくり」▽県福祉保健部長賞=與那覇有愉(平良第一小3年)「やぎのメリーさんたちとなかよくなったよ」▽県公衆衛生獣医師協議会長賞=池間ひろの(東小5年)「お母さんとインコ」▽入選=上原安史(同)「牛」、安田有輝(同)「三光鳥」、久志朝美(同4年)「宮古馬に乗ったよ」、新里竜聖(狩俣小2年)「だちょうの卵」、与那覇淳弥(東小2年)「ぞうがめと遊んだよ」、與那覇拓樹(狩俣小2年)「馬を見たよ」、與那覇拓海(同1年)「ゴールデンくじゃく」、与那覇好智(南小一年)「にわとりといっしょにあそんだよ」
 【作文の部】▽県獣医師会長賞=川満未来(東小2年)「いままでありがとうネコちゃん」▽県小動物獣医師会長賞=池間龍之(北小1年)「ぼくのかぞくはにぎやか」▽入選=田名邦英(同)「かぞくがふえたよ」

 写真説明(上)・動物愛護図画・作文コンクールで県知事賞を受賞した根間悠さん=1日、宮古福祉保健所
 写真説明(下)・図画の部で県知事賞を受賞した根間悠さんの「だちょうがちかくにきてびっくり」

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有効求人倍率は0・27倍/宮古職安・8月雇用の動き

 宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古、平川康宏所長)は1日、04年8月分の雇用の動き(一般職業紹介概要)を発表した。03年10月以来前年割れが続いていた地元就職が増加に転じたものの、公共工事縮減の影響で建設業界は厳しい状態が続いている。求職者の伸びが著しいため慢性的な求職超過状態が続き、雇用環境は引き続き厳しい状況だ。求職者一人あたりの求人を示す有効求人倍率(原数値)は前年同月比0・01ポイント下がり0・27倍となった。
 建設業従事者は、過去5年間のピーク時(01年1月)には2185人だったが、現在は24・5%(546六人)減の1639人となっている。平川所長は「今後も建設業の離職者が懸念材料になる」と見解を述べた。一方で、03年10月以来前年割れが続いていた地元就職が、8月は前年同月比11・6%の増加に転じたことが明るい材料として挙げられたが、平川所長は「大きな勢いは見えない。楽観はできない」と述べ、慎重な見方を示した。
 8月の新規求職者数は231人で、前年同月比2・1%(5人)の微減、前月比では16・6%(46人)の減少。月間有効求職者数は1105人で、前年同月比1・8%(20人)の微減、前月比6・8%(80人)の減少。
 新規求人数は123人で、前年同月比25・0%(41人)、前月比20・6%(32人)、いずれも減少。月間有効求人数は前年同月比3・9%(12人)減、前月比8・0%(26人)減の298人となっている。
 県外からの連絡求人数は226人と、前年同月比では7・6%(16人)増加したが、前月比では26・9%(83人)減少した。
 就職件数は前月比では11・5%(10件)減ながら、前年同月比では11・6%(8件)増加の77件。うち県内就職は60件、県外就職は17件だった。

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