200平成16  929曜日

3市町合併推進協が発足/新宮古づくり再スタート

 平良市(伊志嶺亮市長)、城辺町(仲間克町長)、伊良部町(浜川健町長)の「3市町合併推進協議会」が28日、発足し合併協議が5カ月ぶりに再開した。会長には伊志嶺市長が就任し、協議前には新委員と6市町村法定協からの継続委員に伊志嶺会長から委嘱状が交付された。県宮古支庁 2階講堂で行われた第1回の協議会ではこれまでの経過報告や新市名称の決定方法、議員の定数および任期に関する決定方法について活発な議論が行われた。

 合併協議が3市町の枠組みで再スタートとなったことについて伊志嶺会長は「枠組みが6市町村から3市町となったが、住民サービスの向上、充実を目指すことは同じ。合併のメリット、デメリットを住民に説明して新しい宮古づくりを目指したい」とあいさつした。
 新市名称の決定方法については、ほとんどの委員から「小委員会を設置して協議した方が良い」との意見が相次いだことから、小委員会を今後設置して名称の公募、アンケートの実施についても協議し協議会で決定していくことを確認した。
 議員の定数および任期に関する決定方法については、事務局側から学識経験者と議員で構成される連絡協議会で協議する案などが示されたのに対して、仲間町長から「議員が決めるのではなく第三者機関を設けて協議し決定した方が良い」との意見が出された。
 しかし、在任、定数特例と決定方法について次回協議会までに各議会で意見をまとめて協議会で報告することでまとまった。
 そのほか、協議会予算については県補助金1000万円と市町負担金を含めた1000万6000円が承認された。
 今後は第1、第3水曜日の前後に協議会を開催する方針で、第2回会合は10月13日に予定されている。
 協議会委員は次の通り。(敬称略)
 ▽会長=伊志嶺亮(平良市長)
 ▽副会長=仲間克(城辺町長)、浜川健(伊良部町長)
 ▽議会推薦=川満俊夫(平良市議)、友利恵一(同)、下地明(城辺町議)、新城元吉(同)、豊見山恵栄(伊良部町議)、佐久本洋介(同)
 ▽学識経験者(各市町二名)=野村安潤(平良市、自営業)平良和枝(同、歯科医)、平良健(城辺町、農業)、池間作一(伊良部町、会社員)、奥浜幸雄(同、同町商工会会長)※城辺町の委員一人は未定
 ▽学識経験者(共通推薦)=座喜味一幸(宮古土地改良区事務局長)、中尾英筰(沖縄宮古商工会議所会頭)、伊沢忠憲(宮古青年会議所理事長)、真壁カツ(宮古婦人連合会会長)

 写真説明・3市町の合併推進協議会が発足し、合併に向けた協議がスタートした=28日、県宮古支庁

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3年連続の赤字決算/伊良部町、財政逼迫が浮き彫り

 伊良部町議会(友利浩一議長)の9月定例会が28日午前、開会した。当局から2003年度一般会計歳入歳出決算など認定6件、議案5件などが上程された。03年度一般会計歳入歳出から翌年度に繰り越す財源を除いた実質収支は3億33万3000円の赤字。前年度の実質収支を差し引いた単年度収支は1億8986万2000円のマイナス。3年連続の赤字決算となった。公債比率は20・3%で2年連続の「赤信号」。来年度は財政再建団体に転落する可能性が高い。認定や議案などは、来月5日に開かれる本会議で可決される見通し。 
 今定例会の会期は、10月5日までの8日間。一般質問は29日の1日間で、6人が登壇し、在日米軍再編に伴う下地島空港の共同使用などについて町当局の見解をただす。休会は、10月1日から4日までの4日間。5日に最終本会議が開かれ、閉会する。
 この日の本会議では、専決処分の04年度伊良部町一般会計補正予算などを承認。同予算では、規定の歳入歳出にそれぞれ638万2000円を追加し、歳入歳出予算とも総額を46億609万6000円とした。
 03年度一般会計歳入歳出決算の実質収支比率は前年度より8・9ポイント悪化してマイナス14・4%となり、一段と赤字財政が進む。国からの地方交付税の大幅減額などで、財政が好転する見通しは立っていない。
 また経常経費に一般財源がどの程度使われたかを示す経常収支比率は93・8%で、前年度より2・5ポイント悪化した。

 ■公債比率 標準財政規模に対する公債費元金償還に充当された一般財源の割合。
 ■実質収支 地方自治体決算の歳入総額から歳出総額を差し引いた形式収支から、翌年度の繰り越す財源を除いたもので、黒字であれば純余剰。赤字なら純不足を示す。形式収支では、その年に行うべき事業を翌年度に繰り越しても決算上は表面に出てこないため、実質収支を用いて財政運営の健全化を判断する。

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行革推進本部を設置へ/合併離脱で下地町

 開会中の下地町議会(川満廣俊議長)の9月定例会は28日、一般質問が行われ、川満省三町長は同町が正式に合併から離脱したことから、今後、行財政改革推進本部を早急に立ち上げ自立へ向けた取り組みを行っていくことを示した。また町議会でも今議会最終日に委員会を発足させ、行財政改革について自立策を検討していく方針。一般質問では10氏が登壇し、このうち垣花武一、松永恵茂、村吉順榮、保良榮男、川満克佳、古波蔵小夜子、上地優二、池間健榮の 8氏が合併離脱後の行政運営や自立策など今後の見通しについて町当局の見解を求めた。

 自主財源の確保を図るための施策を求められた川満町長は▽税収アップ▽企業誘致▽職員の意識改革・体制づくり―を挙げ、「歳入を増やし歳出をいかに抑制していくか、改革推進本部を早急に立ち上げ予算編成に反映させたい」との考えを述べた。
 また「自立案が出来れば、議会の委員会とも議論をすすめていきたい」と自立へ向け議会と歩調を合わせ取り組んでいく構えを見せた。
 松永氏は町当局の行財政改革推進本部設置について「多くの住民の意見を聞くためにも関心を持っている人など一般公募するのも方法」と提案。川満町長は「委員は学識経験者や一般など幅広い委員で作る方向。住民から幅広い意見を聞くことが大事。公募も念頭に置いて選定していきたい」と述べた。
 合併離脱したことについて見解を求められた川満町長は改めて厳しい財政状況であることを強調し、住民サービスの低下を懸念しながらも、「合併を推進していきたい立場としては非常に残念だが、議会が自立を決定した以上は徹底して取り組んでいきたい」と自立へ向け前向きに取り組む意気込みを見せた。
 嵩原富三氏は町の第三セクター、コーラル・ベジタブル社が、アロエベラを使った一部商品で、台風被害のため島外産のアロエベラを使用しながらも不正表示し、販売し県から指摘されたことについて追及。川満町長は「県から指摘を受けるまで表示がJAS法に違反していることについて認識していなかったが、その後改善したと聞いている」と説明した。「どう責任を取るのか」との質問には「いろいろと調査していきたい。今のところ辞任うんぬんは考えていない」と述べた。
 下地島空港の軍事利用、宮古島への自衛隊配置については「断固反対」「自治体を預かるものとして、いかなるものにも反対」として、強く反対の姿勢を示した。
 このほか一般質問では、道路やほ場の整備事業や基金条例廃止、老人福祉などについて質問があった。

 写真説明・10氏が登壇しうち8氏が合併離脱後の自立について見解を求めた一般質問=28日、下地町議会議場

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未納金、強い姿勢で徴収/平良市・財政克服委員会

 財政難の平良市(伊志嶺亮市長)は28日午後、庁舎内で財政克服委員会を開き、各種未納金における今後の徴収体制を確認した。各部局長ともに全体の徴収率を引き上げるため強い姿勢で徴収に取り組む。この日示された各部局の徴収体制はきょう29日に開催される市民委員会で報告される。
 税務課は滞納整理について「取る(徴収)」「押さえる(滞納処分)」「落とす(処分停止)」の判断・処理の迅速化を図る方針。重点目標には▽目標収納率83%▽現年度課税分の徴収対策強化▽滞納整理の迅速化―を掲げた。「広報ひらら」による広報の強化、徴収職員の職務向上、新規滞納未然防止を図る。
 福祉部児童家庭課は保育料未納金の徴収に当たる。2カ月以上の滞納者については各保育園長に個別相談を持ち掛ける。悪質な滞納については財産差し押さえも検討する。
 経済部農政課は農家に対する各種補助事業を見直す。すでに実施しているサトウキビ夏植土壌処理農薬補助事業とサトウキビ立耗処理農薬補助事業以外の補助事業で、滞納者には補助金助成を制限する。
 建設部むらづくり課は「ほ場整備事業」の受益者負担金を徴収する。目標率は50%。滞納者に個別訪問するなどして徴収に当たる。ほかの課と同様に強い姿勢で臨み、差し押さえ方策として@農家の営農状況を調査した上で畑の賃貸耕作を勧め、その小作料で支払わせるA畑地かんがい施設の使用制限B営農に欠かせない車などの鍵を差し押さえる(当面はA)―としている。
 教育委員会は奨学資金滞納状況を整理する。9月10日現在の滞納者は16人、金額は516万7500円。今後は電話催促や個別訪問、さらには保証人への通知で徴収体制を強化する。
 委員会では各種未納金の徴収を推進する対策室の設置案も浮上、合併論議と並行して同室の必要性を検討していくことを確認した。

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宮古馬の赤ちゃん誕生/平良市下里、荷川取さん飼育

 平良市下里(山中)の荷川取明弘さんが飼育する、宮古で最高齢の宮古馬「かおる」が28日未明、雌の赤ちゃんを出産した。「かおる」は21歳(人間の年齢に換算すると84歳)の高齢出産で分娩による負担が心配されたが、宮古馬保存会の担当者は「出産の場面を目にしたわけではないが、体が汚れていないことから順調に出産したと思う」と安堵の表情を浮かべた。赤ちゃん馬は乳を飲んだり母馬の周りを歩き回るなど元気な様子を見せている。今回の誕生で島内の宮古馬は20頭(雄10頭、雌10頭)となった。父馬は荷川取さん飼育の「タケ原」。
 荷川取さんは、3年前に同保存会から増頭交配の委託を受け、その後初めての出産となった。「午前7時に様子を見に来たらすでに生まれていた。夜中の1時から3時ごろの間に誕生しただろう」と話し「6月ごろの出産を予想していたので、まだかまだかとやきもきしていた。
 2年前に『かおる』が来たときは、子供が生めるのかと思うほどやせて毛もぱさついていたので、無事に出産してくれてうれしい」と喜びいっぱいに語っていた。
 宮古馬の寿命は25歳から30歳と言われており、21歳の「かおる」は高齢出産となる。「かおる」にとってはこれが八頭目の出産となる。
 同保存会が、40頭まで増やすことを目標に掲げる「増頭5カ年計画」の開始(2002年)から7頭目の誕生。生まれた子馬が雌だったことから、今後の増頭に期待が掛かっている。荷川取さんの飼育小屋では、「かおる」の孫にあたる「美麗」も妊娠中で、来年早々の出産が見込まれている。
 同保存会では、宮古地区の小学生以下の子供たちを対象に子馬の名前を公募する。募集期間は10月1日から15日まで。
 応募方法は郵送および持参で、電話は不可。名前の発表は10月27日に行われる。問い合わせは同保存会(平良市下里1122の1、電話72・3092)まで。

 写真説明=誕生した雌の子馬と宮古最高齢の母馬「かおる」。右は飼育者の荷川取さん=28日、平良市下里

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