200平成16  926曜日

町長の解職請求不成立/伊良部町

 伊良部町選挙管理委員会(佐和田恵剛委員長)は25日、浜川健町長の解職請求(リコール)に関しての最終の有効署名総数を1458人と告示した。同総数が有権者総数5081人の3分の1に当たる1694人を下回ったことから、解職請求は不成立し、浜川町長の解職の是非を問う住民投票は実施されない。浜川町長は「ホッとしている。町選管の公平・公正に行った判断の結果」と述べ、改めて市町村合併に向けて決意を新たにした。「伊良部町の自治権を守る会」会長の川満昭吉解職請求代表は「町選管の審査決定には違法性があり、地裁で争う」と述べ、町選管を相手に訴訟を起こす姿勢を示した。

 町選管の発表によると、署名し印を押した有権者総数は2082人。このうち、有効署名総数が1458人、無効署名総数が624人。
署名縦覧中(2―8日)の有効署名総数は1936人で、それから町選管が告示した最終の有効署名総数1458人を差し引くと、478人の署名取り消し異議申し立てが認められた。
 解職請求を成立させるためには、1694人以上の有効署名総数が必要だが、今回の解職請求では236人が不足し不成立となった。
 署名取り消し異議申立人総数は、署名重複者などを除いた837人で、異議が認められた人数は478人、異議無効・却下は359人だった。
 浜川町長は「町議会とともに合併に向けて取り組んでいきたい」と意欲を示した。
 川満解職請求代表は「署名取り消し異議申し立ての締め切り日は22日だった。その日の町選管の発表では、申立人は381人と弁護士から郵送で送られた1通。どうしてその日にその1通を開封しないで翌日にしたのか。浜川町長が署名取り消し異議申立代表になって提出した332人分の署名簿は、締め切り日までは提出されなかった。違法な署名簿だ」と語り、裁判で争う構え。
 同町は、今年1月25日に合併を問う住民投票を実施。即日開票の結果、「合併しない」に1773票が投じられ、「合併する」の757票に1016票の大差をつけた。 
 浜川町長と町議会は住民投票条例に基づき、住民の意思を尊重するとしていたが、合併推進を選択した。川満解職請求代表らは住民の意思を無視したとして、解職請求していた。
 町選管は、有効・無効の通知を25日付で郵送することにしている。書留郵便であることから、郵便局側の内容証明交付は午後6時以降になる見込み。

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200人の市民が「平和」訴えデモ行進/

下地島空港軍事利用反対宮古郡民大会

 「沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落に抗議し、普天間飛行場の早期返還を求めるとともに下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民大会」(主催・同実行委員会)が25日、平良市役所前広場で行われ、市民ら約200人が参加して宮古の軍事拠点化に反対の声を上げた。大会は▽下地島空港を民間航空機以外は使用しない▽宮古圏域にいかなる部隊・軍事施設の移転、配属を行わない―など6項目を求める決議を採択。参加者らは「ヘリ事故糾弾」「普天間飛行場の早期返還」などとシュプレヒコールを上げながら、市内を練り歩いてアピールした。

 主催者を代表してあいさつした下地博盛実行委員長は、米軍ヘリ事故に強く抗議しながら、「米軍基地や訓練がある限り、県民は危険な事故を想定しなければならない。平和的生存権を脅かす基地の即時閉鎖を求める」と強調。下地島空港の日米共同使用など、宮古の軍事拠点化に向けた動きが強まる現状を危惧し、「軍事的色彩を持てば、『癒やしの島』と呼ばれる宮古の状況は一変する。郡民の総意で声を大にして反対していかなければならない」と力を込めた。経過報告の後、出張中の伊志嶺亮平良市長に代わって下地学助役が「下地島に米軍や自衛隊が配備されれば、陸・海・空すべては軍事優先で制限される。今が宮古の将来がかかる大事な時期だ」と力説し、郡民の団結を呼び掛けた。
 住民代表の近角敏通さんは「大人の責任で子供たちを戦争に巻き込んではいけない」、青年代表の隆朋枝さんは「何かが起こってからでは遅い。今、行動を起こさなければならない」と、それぞれ訴えた。
 宮古の学生を代表して宮古高校3年の下地瑞香さんは「私たちの世代は米軍基地があることが当然だという錯覚に陥っていた」として、学生の意識改革を求めるとともに、「私たちの住む宮古に基地ができれば、沖縄本島と同じことが起きる。恐怖や不安を感じる宮古にだけは絶対にしたくない」と、若い世代の言葉を代弁した。
 引き続き、「米軍ヘリ事故とその後の対応に怒りをもって抗議し、米軍・自衛隊を問わず下地島空港の軍事利用と宮古圏域への陸上自衛隊配置計画に郡民を挙げて反対する」とした大会決議を採択した。決議はアメリカ大統領や内閣総理大臣、沖縄県知事などにあてる。同大会には宮古地区の各市町村長や宮古選出の県議、各種団体などが賛同した。

 写真説明・横断幕を掲げ、シュプレヒコールを上げながらデモ行進する参加者ら=25日、平良市の西里大通り

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九州の郷友が一堂に/九州宮古ふるさとまつり

 【福岡県博多区で山下誠記者】博多を中心とする九州の郷友が一堂に集う「第8回九州宮古ふるさとまつり」が25日夜、福岡県博多区内のホテルで開かれた。大勢の郷友が参加して故郷・宮古島の発展を願いながらクイチャーを踊り、郷友間のきずなを深めた。宮古からは宮古市町村会の伊志嶺亮会長(平良市長)ら11人が参加、伊志嶺会長は「これからも宮古を愛し続けてほしい」と呼び掛けた。きょう26日は広島市内で「広島宮古ふるさとまつり」が開催される。
 この祭りは年に一度開催されており、宮古市町村会と各郷友会が主催している。郷友会の発展に加え、郷友会メンバーと宮古で活躍する行政機関、議会、地域団体代表との交流が狙い。博多区で開催された祭りには約300人が参加した。
 九州の祭りは午後6時に開会。はじめに九州宮古郷友会の仲宗根玄忠会長が「遠路はるばるようこそ」と宮古島から来県した一行を歓迎。その上で「今後も末永い交流を深めたい」と話した。
 続いて宮古市町村会の伊志嶺会長が「来年は宮古市か宮古島市としての参加になるかもしれないが、いずれにしても宮古に変わりはない。これからも協力してほしい」と話し、変わらぬ親交を求めた。この後、宮古市町村議会議長会の池間青昌会長の乾杯の音頭で祝杯を挙げた後、各種余興が繰り広げられた。九州宮古郷友会の仲宗根会長らも出演し祭りを盛り上げ。その他、牧みどりさんの歌謡ショーも開催されるなど祭りは最後まで大盛況だった。
 久留米市での生活が40年になるという与座栄重さん(71)は「このふるさと祭りは年に一度の楽しみ。ずっと続けてほしい」と泡盛片手に満面の笑みで話していた。
 きょう26日の広島宮古ふるさとまつりは午後5時30分から同市内のホテルで開催される。

 写真説明・故郷・宮古島の発展を願いながら祝杯を挙げる郷友ら=25日、福岡県博多区の博多シティーホテル

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アカハラダカ乱舞/3年ぶり7000羽超

 アカハラダカ(タカ科)の秋の渡りの季節を迎え、宮古では7−25日までの間におよそ7500羽がカウントされた。7000羽余りが確認されたのは3年ぶり。砂川友弘宮古野鳥の会副会長が明らかにした。
 夏期は朝鮮半島や中国南西部で繁殖し、フィリピンやインドネシアなどで越冬する。宮古には毎年9月の白露を含む前後に飛来し、季節の節目を告げる「白露の使者」として親しまれている。
 アカハラダカは、夕暮れ時から宮古に飛来すると言われているが、進入ルートは不明。宮古で一夜を過ごしたアカハラダカは、早朝下地町入江地区の上空に集結。「タカ柱」をつくりながら上昇気流に乗って南下した。25日午前は、およそ800羽確認された。
 アカハラダカは、胸が赤いのが名前の由来。成鳥は雌雄とも頭部から背中は暗い青灰色。目の色は、雄が暗色で、雌は黄色が目立つ。くちばしの上の基部と足はオレンジ色。タカの仲間では小型で全長30センチほど。翼を広げた大きさは30−36センチ。

 写真説明(上)・東南アジアなどへ向かうアカハラダカの群れ=25日午前7時50分ごろ、下地町入江(伊良波彌記者撮影)
 写真説明(下)・アカハラダカの雄成鳥

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果樹のさし木に挑戦/宮農高学校開放講座

 県立宮古農林高校(下地恵吉校長)の2004年度県学校開放講座(主催・県教育委員会)が25日、開講した。初回となる講座は同校の第2農場で実施され、参加者はドラゴンフルーツやアセロラ、クロイゲなどのさし木に挑戦した。
 講座は学校の施設、設備を地域社会に開放し学習の機会を提供するとともに、農業教育を地域社会にPRする機会として実施された。「果樹入門講座」、「食品製造入門講座」の2項目で、11月7日までの期間中に▽果樹の取り木、さし木、接ぎ木▽簡単に作れる乳発酵食品▽豆乳と抹茶入りコッペパンの製造▽スポンジケーキ(デコ台)製造―などを学ぶ。32人の参加申し込みがあった。
 さし木は植物を増やす方法の1つで、枝、茎、葉、新芽など親木の一部を切り取って発根させ生育させていく方法。種子まきで増やすより成長が早く、開花や結実を短期間で楽しむことができる。
 今回、挑戦したドラゴンフルーツは比較的、初心者でも発根させやすい植物という。参加者は指導に当たった同校の教諭らのアドバイスを聞き、実技や講義を通してさし木を学んだ。

 写真説明・ドラゴンフルーツのさし木に挑戦する参加者ら=25日、宮古農林高校第二農場

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