200平成16  925 曜日

3市町合併へ発進/平良市、城辺町、伊良部町で臨時会

 今月16日に平良市、城辺町、伊良部町の首長が3市町での合併を目指すことを確認したことを受け3議会の臨時会が24日に各議会で行われ、3市町での「合併推進協議会設置案」が可決された。城辺町議会は全会一致で可決、平良市議会、伊良部町議会は賛成多数での可決となった。多良間村の離脱に引き続き下地町、上野村の相次ぐ離脱を受けた今回の3市町合併法定協設置案の可決。今後、第1回の会合が今月28日に行われその際に委員に委嘱状が交付される予定となっている。

 平良市議会(池間青昌議長)の臨時会では唯一反対姿勢を示した上里樹氏が「枠組み変更について住民投票を行い合併に対する真意を問うべきだ」との反対討論を行った。これに対して伊志嶺亮市長は合併に対する住民意向はすでに確認されているとの見解を示し、合併推進の立場を改めて強調した。
 また、質疑では垣花健志議員が清掃センター、広域葬祭場建設に係る合併特例債の活用などについて当局見解をただした。これに対して当局は、両施設建設は新市が事業主体となって合併特例債を活用したいとの考えを示した。また、施設規模については圏域全体を視野に入れた形で建設したいとの意向も説明しこれについて県、国と調整していく方針も説明した。
 賛成多数での可決を受け伊志嶺市長は「合併は避けて通れない。離脱した自治体が今後新市に参加できるような受け皿づくりにも取り組みたい」と述べた。
 城辺町議会(伊志嶺幹夫議長)は3市町の枠組みによる合併推進協議会設置案を全会一致で可決、反対意見はなかった。この議決について仲間克町長は「1人の反対もなく全会一致で可決できたことはありがたいこと。これから合併に向けてスムーズな協議を進めていきたい」と議会判断を評価するとともに、3市町の枠組みによる合併に新たな決意を示した。
 議決前の質疑では各議員が今後のスケジュールや新市の将来構想などについて仲間町長や合併事務局長を兼任する下地敏彦助役に聞いた。新城元吉氏は伊良部町首長のリコール問題の影響を質問、これに対し仲間町長は「合併とリコールは別問題。(伊良部町)議会は『合併する』という判断を下しているので問題はない」と答弁した。
 合併時期については照屋秀雄氏が質問。下地助役は「28日には協議会を立ち上げ、スタートしたい。合併は遅くても来年8月だが、1日でも早く合併できるよう前倒ししたい」と答えた。
 この後、町当局側から提出された平良市、城辺町、伊良部町の3市町による合併推進協議会設置案を全会一致で可決した。
 臨時会終了後は新たな協議会委員の選任を行い、これまで務めてきた下地明氏と新城元吉氏の継続を決めた。

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行財政改革特別委を設置/上野村議会

 4市町村(平良、城辺、伊良部、上野)の合併枠から反対多数で離脱を決めた上野村議会(平良隆議長)は24日、行財政改革案を策定し当局に提言するため「上野村議会行財政改革特別委員会」を発足させた。平良議長を除く11氏が委員となる。委員長に砂川寛茂副議長、副委員長に砂川栄市氏が選任された。近日中にも第1回の会合を開き、今後の方向性を決定する方針。同日開かれた同村議会9月定例会に議員発議として同委員会設置案が提案され、全会一致で可決した。
 委員長の砂川寛茂氏は「改革は行政、議会、住民それぞれが痛みを伴うが、それらを軽減するために全力を尽くしたい」と述べた。また、「住民に徹底的に説明を行い、理解を得たい」とし、改革推進の際には住民への説明を行うことを明言した。
 副委員長に選任された砂川栄市氏は同村議会の市町村合併調査特別委員会の委員長を務めていたため、推薦の声が上がった。同委員会は同村議会が2年間にわたり合併問題を検討してきたが、4市町村合併枠の参加、不参加を決める全員協議会で賛成4氏に対し、7氏が反対姿勢を打ち出したことから「自立する」との判断になったため発足。今後、住民サービスを低下させずに自立するためにはどのような行財政改革を進めるかを議会の立場として検討し、策定した改革案は村当局に提言する。砂川寛茂氏が同村議会9月定例会最終本会議に決議案として提出した。
 同委員会の発足に川田正一村長は取り組みを高く評価。「議会としても責任を感じていると思う。当局としても行政改革本部や委員会に学識経験者など村民をメンバーに迎え、意見を取り入れ案を策定する。2つの案をすり合わせてより良い自立の道を探りたい」とコメントした。
 委員の任期は議員の任期満了に伴い2006年10月19日まで。委員は次の通り。(敬称略)
 ▽委員長=砂川寛茂▽副委員長=砂川栄市▽委員=上地博通、川満盛一、宮国幸清、島尻幸夫、仲元成美、新里聡、砂川長一、川満泰一、芳山辰巳

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300人余の異議申し立てを却下か/伊良部町選管、町長リコールで

 伊良部町選挙管理委員会(佐和田恵剛委員長)は24日までに、浜川健町長の解職請求(リコール)に関しての異議申立書の審査を終了。きょう25日午後6時以降に、町役場入口の掲示板に有効署名総数を告示する予定。
 有効署名総数が有権者総数5081人の3分の1に当たる1694人以上の場合は、解職請求は成立し、その人数を下回った場合は不成立となる。成立の時は、50日以内に浜川町長の解職の是非を問う住民投票が実施される。
 署名取り消しの異議申立人は845人。300人余が却下されたものと予想される。
 町選管は、残り500人余の1人ひとりに有効・無効の通知を25日付で郵送することにしている。書留郵便であることから、郵便局側の内容証明交付は午後6時以降になる見込み。
 「伊良部町の自治権を守る会」会長の川満昭吉解職請求代表が提出していた署名簿の署名総数2812人について、町選管は今月1日、有効署名総数を1936人と決定した。
 1936人から総有権者の3分の1の1694人を差し引くと、242人。500人余りの中に有効・無効が何人いるのかどうか、最終の告示で決着する。

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宮農高環境班に平良市民栄誉賞/折田喜作文化基金100万円も贈呈へ

 8月にスウェーデンで行われた「ストックホルム青少年水大賞」を受賞した宮古農林高校環境班(川平勉班長)に対して平良市(伊志嶺亮市長)は24日、その栄誉と功績をたたえて「平良市民栄誉章」を贈ることを決めた。また、市は「折田喜作文化基金」から、初の褒賞金を同校環境班に贈呈することを同日行われた市議会(池間青昌議長)の臨時会で承認。同校には100万円が贈呈される。市民栄誉章の贈呈式は10月1日に市役所で行われる。

 伊志嶺平良市長は「同校の活躍は市民栄誉章にふさわしい。基金からの褒賞金授与についても、折田さんサイドから快く承諾していただいた。この褒賞金を今後の研究に活用して良い成果が出ることを期待している」と宮農高環境班の功績をたたえ、折田喜作文化基金初となる褒賞金贈呈を決めた。
 授章の理由として市は、宮古農林高校環境班が宮古島の地下水を守りたいと、化学肥料などによる地下水の硝酸性窒素汚染問題に取り組み、有機肥料「Bio―P(バイオ・リン)」を開発し、各方面から高い評価を受けていること。今年5月に平良市、宮古島上水道企業団と一体となった地下水保全の取り組みで「自治体環境グランプリ」を受賞したこと。8月に世界的に権威のあるストックホルム青少年水大賞を受賞するなど、環境や水、農業に関する数々の賞を受賞していることを挙げ、宮古島の地下水保全をテーマにした取り組みと研究、有機肥料の開発を高く評価した。
 そのほか、同校のバイオ・リンの量産体制の構築について伊志嶺市長は「地元の経済界、農協などと連携を図って取り組んでいきたい」と、行政としても今後支援していく方針を会見で述べた。

 折田喜作文化基金 サンエーの創始者である故・折田喜作氏による宮古の文化活動発展の志を引き継ぐ形で設立された基金。宮古の産業や文化などの振興に努力している個人、団体等を奨励、育成する目的で1995年に平良市に設立された。99年まで毎年200万円が積み立てられ、1000万円が造成されている。

 写真説明・ストックホルム水大賞受賞祝賀会で大勢の人たちにたたえられる宮農高環境班のメンバー=21日、平良市のホテルアトールエメラルド宮古島

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「宮古島号」「熊護郎」が全国大会へ/県ロボットコンでの優勝を報告

 県立宮古工業高校(内間誠治校長)は、17日に中部工業高校で行われた第11回県高等学校ロボット競技大会アイディアロボットの部(主催・県工業教育研究会など)で優勝を果たし、24日、優勝報告を行った。優勝したのは、友利勇太君(電気情報科1年)、砂川匠君(同科2年)が操縦、友利壮秀君、譜久村俊君(共に同科3年)が制作した「宮古島号」。校内大会で選抜された池間隆暁君、新城辰樹君(共に自動車機械システム科2年)の「熊護郎」と共に、10月30、31の両日、広島県福山市で開催される全国大会に出場する。
 県大会では、県内6校から10チームが参加、そのうち5チームを同校が占めた。バドミントンのシャトルをかごに入れて得点を競い、「宮古島号」の他にも、金城力君、根間健伍君(共に電気情報科2年)の「SMASH NO1」が3位、佐久田和也君、小禄雄平君(共に自動車機械システム科1年)の「熊護郎」(制作は金城力君と電気情報科3年の池間沙也希君)がアイディア賞に輝くなど、同校のレベルの高さを見せた。
 優勝した友利君、砂川君は「優勝は意外だったのでびっくりした。運も味方してくれた」と振り返った。指導に当たった運天茂樹教諭は「事前に校内で練習を積み、ロボットの特性をしっかり把握した上で臨んだことが良かった」と話し、池村曉男教頭は「自らのアイディアと日々の学習の成果を総合したロボットで、高い評価を得たことは素晴らしい」と喜びの言葉を述べた。

 写真説明・優勝した友利君、砂川君(前後左)、3位の金城君、根間君(前後中央)、アイディア賞の小禄君、佐久田君(前後右)=24日、宮古工業高校

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難関の消防設備士試験に合格/宮工高の下地君ら3人

 県立宮古工業高校(内間誠治校長)の下地優輝君(電気情報科3年)、前泊良君(同)、村山強平君(同科1年)は、8月22日に宮古広域消防組合消防本部で行われた消防設備士試験(主催・消防試験研究センター県支部)に合格し、24日会見を開いて報告した。
 今回で資格取得15種類目という下地君は甲種第4類消防設備士、前泊君と村山君は乙種第4類消防設備士に合格。両種共に、高校生の合格者は下地君ら3人のみだった。甲種の受験者は高校生5人を含む146人、合格者は18人で合格率12・3%、乙種は29人の高校生を含む87人が受験、20人が合格した。合格率は23%。
 3人が合格した第4類は消防設備士試験の中でも最も難関で、取得後は自動火災報知設備やガス漏れ火災報知設備などの点検整備や工事に携わることができるという。
 3度目の挑戦で合格を果たした下地君は「やっと取れたと思ってうれしかった。合格の喜びがあるから勉強を頑張ることができる。将来は電気工事関係の資格を生かした仕事をしたい」と話した。
 また、初めての資格取得となった村山君は「夏休みに猛勉強し、自信があった。合格の知らせはうれしかった」と笑顔を見せた。
 同校の池村曉男教頭は「社会で求められている技術を指導教諭が見極めて生徒たちに資格取得を促し、生徒たちも一生懸命に応えている」と日ごろの努力を評価した。
 同試験には、同校から20人が受験した。

 写真説明・消防設備士試験に合格した下地君(左)と村山君=24日、宮古工業高校

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