200平成16  924曜日

3市町合併で180億円/合併特例債・

5市町村に比べ77億円の減

 総務省が示した合併した場合の合併特例法によって起債可能な「合併特例債」の額は平良市、城辺町、伊良部町の3市町合併では180億4000万円になり、合併離脱した下地町、上野村を含めた5市町村合併時に比べて77億円減額となることが分かった。また、宮古地区市町村合併協議会事務局によると合併した場合の国、県からの支援金等は3市町合併で12億9000万円になる見込みで、これは5市町村合併時より約4億円の減となっている。
 特例債の7割は地方交付税で補てんされるが残り3割は自治体の負担となり、負担分は実質新市自治体の借金となることから活用方法には慎重さを要する。
 総務省が示した試算では、3市町合併した際の起債可能な特例債は180億4000万円(事業費ベース、標準全体事業費と標準基金規模の上限の計)。合併後の財政措置としては標準全体事業費161億2000万円(合併から10年間の事業費合計)、借入限度額153億1000万円(標準全体事業費の95%)、普通交付税算入額107億2000万円(借入限度額の70%)。
 また、合併した場合の国、県の支援金等12億9000万円の内訳は、合併市町村への国の補助金3億3000万円(合併後3年間の合計)、県の補助金5億円(同5年間の合計)、特別交付税による財政支援措置4億6000万円(同3年間の合計)となっている。
 宮古地区の合併論議ではこれまで、清掃センター建設、広域葬祭場建設に特例債を活用することが予定されていたが、その活用条件は事業主体が「合併新市」であることから事業主体が「広域」では活用できず下地町、上野村離脱で変更が余儀なくされている。
 特例債を活用するために新市を事業主体として両施設を建設すると、離脱した自治体がその施設を活用する場合の負担金等も協議していく必要がある。
 今後、厳しさを増す国の地方支援策の中で、特例債は財源の1つではあるが、活用した額の3割は借金となることから合併して特例債のフル活用は自治体の借金増加にもつながる。
 合併に向けた「巨大なアメ」と言われる特例債だが、活用次第では住民により良いサービスを提供する財源にもなり得ることからその取り扱いが新市運営のカギを握る。


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3市町でも合併支援/上原 県地域・離島振興局長インタビュー

 【那覇支局】宮古地域の市町村合併問題の議論は紆余曲折し、当初の6市町村合併から、今や3市町、あるいは2市町での合併の方向が固まってきた。今後の合併論議の参考になればと、改めて合併に関する県の考え方を確認すべく、上原昭県地域・離島振興局長=写真=にインタビューした。(聞き手・川満幸弘編集局長)

 ―当初6市町村合併を考慮した宮古地域は、今や3市町(平良市、城辺町、伊良部町)、あるいは2市町(平良市、城辺町)での合併が濃厚になっているが、その形でも県は合併を推進するか
 上原局長 宮古地域は、合併協定項目もほとんど確認され、新市建設計画(案)もかなり進んでいたが、合併間近で合併枠組みの変更となり、残念に思っている。しかしながら、市町村合併は、当該市町村の市町村長、議会議員、住民がしっかりと議論し、自主的に決定すべきものであり、県としては枠組みは別として、3市町でも、2市町でも地域が選択したものを積極的に支援していきたい。伊平屋、伊是名の両村でも合併に向け一生懸命取り組んでいる。両村は合併して人口約3600人となる。平良市、城辺町、伊良部町の3市町が合併した場合は4万5、6千人になる。
 合併は将来の子供たちに夢を持たせ、将来の自立的な自治行政を推進するための手段。将来の子供たちに財政赤字を引き継がないで、また現在の住民に対する行政サービスを低下させないために、できるならば、さまざまな優遇措置が受けられる現行特例法の中での合併が望ましい。規模が小さくても将来の夢づくりに向けて取り組んでいただきたいというのが県の考え方。今回合併しない市町村においても、自立のために、それぞれの課題解決に向けた一層の努力を期待している。

 ―伊良部町では町長のリコール問題があるが、仮に合併反対の首長が就任した場合、三市町村合併に問題は生じるか
 上原局長 町を二分するような形でリコール運動が行われ、異議申し立てや署名の無効確認と、裁判もにらみながら動いており、状況がはっきりしない段階なので、この質問について県としてはコメントする立場にはないと考える。

 ―現行法における合併が可能になるのは、スケジュール的に、議会承認の期限はいつごろになるか
 上原局長 合併特例法が一部改正され、1年間の経過措置が設けられた。2005年3月末までに、関係市町村議会の議決を経て、県知事へ合併申請を行い、06年3月までに合併すれば、現行合併特例法が適用される。つまり、市町村の議会承認のタイムリミットは05年3月となる。今年度内に合併申請すれば来年度の1年間に県議会承認、総務大臣への届け出などの手続きが進められ、来年度中の合併が実現する。県としても今年度内の市町議会承認と合併申請を強く期待し、支援は惜しまない考えだ。

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告示、再び延期/伊良部町長リコール・署名審査が長引く

 浜川健伊良部町長の解職請求(リコール)に関しての署名取り消し異議申立書を審査中の伊良部町選挙管理委員会(佐和田恵剛委員長)は23日、審査終了に伴う有効署名総数を告示する予定だったが、再び延期。異議申立人が800人余りいるため、1人ひとりを入念にチェックする事務作業が追いつかない。委員や職員らは過労気味の表情を見せている。解職請求の異議申し立ては今月8日に終了し、22日が審査終了の最終日だった。しかし、予想以上の署名取り消し異議申立人がいるため、短期間で1人ひとりを呼び出して事情聴取するのは困難。告示日が決定するには時間がかかりそうだ。
 町選管の佐和田委員長ら委員4人と職員3人は休日返上で連日、午後11時前後まで審査に忙殺されている。

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『秋』テーマに俳句読む/山田弘子さんが「子ども俳句教室」

 NHK「俳壇」選者で俳句の「円虹」を主宰する山田弘子さんの来島に伴い、綾舟俳句会(池田俊男主宰)主催の「子ども俳句教室」が23日午前、城辺小学校体育館で開かれた。教室には俳句に関心を持つ小学1年生から中学2年生が参加し、「秋」をテーマに自由な発想で思い思いの俳句を詠んだ。そんな子供たちの俳句を山田さんが詠み、アドバイスを送るなどして俳句の奥深さと楽しみ方を伝えた。

 この教室は子供たちに俳句づくりの楽しさに触れてもらおうと開催。城辺小、南小、平一小、東小、平良中の児童・生徒約15人が参加した。
 教室は午前10時から開かれ、子供たちは大きな体育館内で自由気ままに俳句を詠んだ。それぞれテーマを絞るときの表情は真剣そのもの。体育館の外の風景を見たり、中には目を閉じてじっくり考える生徒もいた。
 綾舟俳句会の池田主宰は「自然の中で俳句をつくることで身近な動植物に季節のうつろいを感じ、生活の中にあるものにも俳句を通してかかわりをもってほしい」と俳句の楽しさや大切さについて語った。
 教室に参加した城辺小学校6年の平安山佳晃君は「俳句はいろいろなことを考えるところが楽しい」とほほをほころばせていた。
 教室では入賞、入選の句を決めた。入賞第一席は城辺小5年の金城光君の「そよ風は この葉のお金を ぬすんでく」が選ばれ、入賞第二席には同小2年のひらたれいほさんの「さとうきび たいふうきたよ まけないで」が選出された。
 入賞以外の入選句(12句)は次の通り。
 「コスモスや 風にゆられて おひめさま」=垣花友夏里(平良中2年)、「くつぬいで キビ植えをする 空の下」=平良朱里(平良中2年)、「秋の雲 何も動かず マイペース」=善平美紀(南小6年)、「そよ風に 身を流されて 舞う落葉」=屋嘉比彩円(平良中2年)、「アカハラダカ 遠い空から とんでくる」=佐和田尊(城辺小6年)、「カブト虫 力じまん なげとばせ」=伊良部祐貴(城辺小6年)、「末の子が 父の背に乗り サシバ見る」=新城大地郎(平良第一小6年)、「台風が 雲をけらいに つれていく」=伊良部裕也(城辺小5年)、「うろこぐも ゆっくりゆっくり 空およぐ」=平田海斗(城辺小5年)、「夕やけに 目をひやけする 赤とんぼ」=善平絵美(城辺小5年)、「あかとんぼ ゆうぐれおそく とびあがる」=与那覇優汰(東小3年)、「外に出て いろんな秋を みつけよう」=屋嘉比涼香(平良第一小3年)

 写真説明・秋をテーマに思い思いの俳句を詠む子供たち=23日、城辺小学校体育館

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長さ40センチのウコン掘り起こす/平良市の垣花さん宅

 平良市西里にある垣花秀満さん宅の庭から、長さ約40センチほどのウコンが掘り起こされた。発見した垣花さんの母親は「こんなに大きなウコンは初めて見た。珍しい」と驚いた様子。「体に良いと聞いているので、薬として使っていきたい」と話した。
 掘り起こされたウコンは細長く連なった形をしており、色は淡い黄色。苦みは弱い。垣花さんの祖父で一昨年前に亡くなった祖父の波平長良さんが20年以上前に植え付けたものだということで、在来種のウコンと思われる。
 庭の手入れをしていた母親が裏庭の一角で大きく成長したウコンの葉を発見し、垣花さんが2時間近くかけて掘り起こしたところ、長さが約40センチにもわたる大きなウコンが土の中から出てきたという。「あまりにも大きいので途中で折った。まだだいぶ大きいと思う」と話している。
 庭いじりが好きだったという波平さんはランやブッソウゲ、シークワーサーなど庭にいろいろな植物を植え、大事に育てていたという。
 発見した母親は「昔、父がウコンを大事に育てていたのを覚えている。宮古に古くからある在来のウコンなので大事にするように言われていた」と振り返り「庭いじりが好きだった父の庭なので、これからも大事にしていきたい」と話した。

 写真説明・掘り起こされた長さ約40センチのウコン=22日、平良市西里の垣花秀満さん宅

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