200平成16  922曜日

500人が快挙たたえる/宮農高環境班・

「水のノーベル賞」受賞祝賀会

 宮古島の地下水を守ろうと、有機肥料「Bio−P(バイオ・リン)」を研究、開発し、「ストックホルム青少年水大賞」を受賞した宮古農林高校環境班(川平勉班長)をたたえる祝賀会(主催・同祝賀会開催実行委員会)が21日夜、平良市内のホテルで開かれ、行政関係者や教育関係者、同校OBら約500人が出席し、同班の快挙を祝福した。川平君は「たくさんの人に集まっていただき、本当にうれしい」と喜びを語り、支援したすべての人へ感謝した。

 ストックホルム青少年水大賞はストックホルム国際水協会(SIWI)が主催する世界水コンテストの最高賞で、「水のノーベル賞」と称される「ストックホルム水大賞」のジュニア版。20歳以下の学生が、水問題解決のために革新的な方法を用い、実用的なプロジェクトの内容を競う。同班の研究は「世界中の多くの地域で適用可能」と高く評価された。
 祝賀会では冒頭、世界水コンテストで発表した川平君と砂川大輔君、山口香さんの3人が英語と日本語で発表を行い、出席者から万雷の拍手を受けた。発表後、川平君は「多くの方に発表し、自分たちの声で活動内容を伝えるのはとても大切なこと。(発表を聞きたいという)希望があれば、時間の許す限りいろいろなところで発表したい」と決意を新たにした。
 同班顧問の前里和洋教諭は研究からコンテストまでの経過を報告。「今回の賞は、宮古に住む島民全員でいただいたもの。郡民みんなで頑張って、地下水を守り、宮古の農業を活性化できれば素晴らしいことだと思う」と話した。
 主催者を代表して実行委員会委員長の伊志嶺亮平良市長は、「受賞は環境班の皆さんの強い思いを礎にした信念が生んだ結果。この研究は世界規模での環境保全の確立に向けた大きな提言となる」と賛辞を送った。
 同校の下地恵吉校長は「環境班は離島県のさらに離島の小さな島に生まれても、目標を持って努力すれば夢が実現できることを証明した」と生徒たちをたたえ、支援者への謝辞を述べた。
 稲嶺恵一知事(代読・安和朝忠宮古支庁長)は「日本代表として各国代表と肩を並べて発表し、大賞を受賞したのは、県民にとって大変名誉なこと」とのメッセージを寄せたほか、県教育委員会の山内彰教育長が登壇し、「環境班の受賞を語り草にしたい」と、自分のことのように喜びを表した。
 宮古市町村議会議長会会長の池間青昌平良市議会議長、宮古市町村教育長会会長の久貝勝盛平良市教育委員会教育長、同校同窓会会長の松川寿雄城辺町議らが次々と乾杯の音頭を取り、快挙を祝福。同校OBや郷土芸能クラブが歌や踊りの余興を披露して、祝賀会に花を添えた。

 写真説明・受賞を祝福する花束を贈られる宮古農林高校環境班のメンバーら=21日、平良市のホテルアトールエメラルド宮古島

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伝統行事に島沸く/多良間村・「八月踊り」始まる

 【多良間で洲鎌恵仁記者】国の重要無形民俗文化財、多良間島の「八月踊り」が、旧暦の8月8日に当たる21日、開幕した。初日は、午前7時すぎから仲筋、塩川の両字(あざ)の御嶽(うたき)などで豊年祈願が行われた後、字仲筋の正日(しょうにつ、初日)が午前10時すぎ、土原(ンタバル)御願所で始まった。会場には観光客や帰省客、地元住民らが大勢訪れ、厳かな伝統芸能を堪能した。きょう22日は、字塩川のピトゥマタ御願所で正日が行われ、最終日の23日は、両字の芸能が同時に行われる。
 午前10時過ぎ、土原御願所では獅子舞と出演者全員が踊る総引きが行われ、3日間にわたる盛大な祭りが幕を開けた。
 華麗な衣装に身を包んだ演者らは若衆踊りや女踊り、勇壮な二才踊りなど次々に演じた。
 午後2時ごろに始まった組踊「忠臣仲宗根豊見親組」は首里の王の命に背く与那国の首長・鬼虎を宮古島の首長・仲宗根豊見親が征伐するもの。
 絶世の美女、オーガマ、クイガマ姉妹や仲宗根豊見親など歴史上の人物が登場。征伐の様子が細やかに演じられ、観客から盛大な拍手を受けた。
 同姉妹があでやかな衣装で登場すると、初めて見る観光客らは「きれい」「すてき」などと歓声を上げ、舞台にくぎ付けとなった。

 八月踊り 人頭税の納税が終わる旧暦8月に、納めきった歓びと、翌年の五穀豊穣を願ったもの。

 写真説明・絶世の美女とうたわれたオーガマ、クイガマ姉妹。優雅な舞いで観客を魅了した=21日、多良間村仲筋の土原御願所

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宮古に陸自配備検討/防衛庁

 防衛庁が宮古島への陸上自衛隊配備を検討していることを一部のマスコミが21日報道したことで、郡民の間からは「下地島空港が軍事拠点になるのでは」と危機感をあらわにした声が上がった。伊良部町の牧山展望台近くでは、最近自衛隊が簡易通信施設を仮設し、電波を調査するなどの不穏な動きに住民らは警戒を強めている。
 宮古市町村会会長の伊志嶺亮平良市長は、在日米軍再編計画の中で補助飛行場として下地島空港の名前が挙がったことに加え、沖縄の陸上自衛隊増強に係る宮古島への部隊配置検討と、相次ぐ「宮古の軍事拠点化」への模索に危機意識を強める。「今までも軍事拠点化にはずっと反対してきた。下地島空港の屋良覚書もあり、宮古空港、下地島空港とも平和利用のために使用されるもの。今回の話も米軍再編の問題も、郡民一丸となって強く反対していきたい」との姿勢を示した。
 同庁は、那覇市にある陸上自衛隊第一混成団に約850人の普通科連隊を新設し、2300人規模の旅団に増強する方針。沖縄本島にF15戦闘機を配備するとともに、下地島空港への戦闘機の配備も計画。この計画は同日までに、「防衛力のあり方検討会議」がまとめた最終報告に盛り込まれたという。最終的には中期防衛力整備計画に再配置の具体案を盛り込む見込み。
 今月2日、自衛隊は艦航空機や艦艇、隊員800人を動員し、「沖縄県総合防災訓練」に参加。大規模な地震が発生、津波による被害が出た―との想定であったが、その訓練を「戦略機動訓練」と報道した全国紙もあった。
 同庁の計画では、離島の情報収集能力向上のため、九州全域を管轄する「通信情報隊」を新設し、無人偵察機も新たに配置するという。

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25日に郡民大会開催/「下地島」軍事利用反対などで

 「沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故に抗議し、普天間飛行場早期返還を求めるとともに下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民大会」(主催・宮古郡民大会実行委員会)が25日午後5時から、平良市役所前広場で行われる。同実行委員会では「政党に関係なく、今、宮古からも声を上げなければならない」と多くの参加を呼び掛けている。問い合わせ先は同実行委員会事務局(電話:0980−73−8671)まで。
 下地博盛実行委員長らは21日、連合沖縄宮古地区協議会事務局で会見を開き、米軍ヘリ墜落事故に抗議し下地島空港の軍事利用に強く反対。防衛庁が明らかにした下地島への戦闘機移駐検討にも触れ、「将来的には米軍の拠点になっていく可能性もある。癒やしの島ではなくなり、地域経済への影響も考えられる」と懸念。「宮古郡民として反対していることを示さなければならない」と強調した。
 郡民大会では大会決議の採択を行うほか、市街地でのデモ行進などを行う。また24日から10月1日までの期間中、市役所1階ロビーでヘリ墜落事故の様子を撮影した写真展も開催する。
 賛同団体は次の通り。(21日現在)
 ▽ピースアクション実行委員会▽宮古地区青少年育成市町村民会議▽平良市議会議長・池間青昌▽平良市長・伊志嶺亮▽宮古地区医師会▽国立療養所宮古南静園入園者自治会▽平良市婦人連合会▽沖縄国際大学講演会宮古支部▽宮古地区高等学校PTA連合会▽下地町長・川満省三▽沖縄国際大学校友会宮古支部▽宮古青年会議所▽城辺町長・仲間克

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来年は4月17日に開催/第21回トライ大会

 第21回全日本トライアスロン宮古島大会(大会長・伊志嶺亮平良市長)実行委員会総会が21日、宮古島マリンターミナルで開かれ、同大会の大会要項案や予算案などを承認した。同大会は来年4月17日開催。第17回大会から第20回大会まで設けられていた66歳以上の特例枠は、より安全な運営を目指すという観点から廃止される。大会テーマは102件の応募の中から、内藤聡之助さん(40、宮古島大会6回出場)=千葉県浦安市=の「ストロングマン・新たな感動のステージへ」に決まった。予算額は前大会に比べ79万4000円多い9951万9000円となっている。
 66歳以上の特例枠は第18回大会から第20回大会まで3大会にわたり設けられていたが、同実行委の専門部長会で審議した結果、「原点に返り、より安全な運営を行う」として廃止を決定した。
 冒頭、伊志嶺大会長は「20回を終えた今大会は日本一と評されるまでになった。関係者、郡民の協力のたまもの。今後も協力をお願いしたい。本日より安全対策をはじめとした第21回大会への取り組みを開始する」とあいさつした。
 大会は下地町与那覇前浜をスタート、平良市陸上競技場をゴールとするスイム3キロ、バイク155キロ、ラン42・195キロの計200・195キロのコースで競われる。
 参加申込期間は10月1日から11月30日まで(事務局必着)。申込先は宮古トライアスロン実行委員会(住所・平良市字東仲宗根679−4、電話:0980-73-1046)。
 参加資格は、大会当日に19歳以上65歳以下の男女で、スイム、バイク、ランの競技に経験を有し、連続して行うトライアスロン大会に参加した実績のある人。または、同等の体力、気力を有して完走の自信のある人、となっている。

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兄弟9人、そろって長寿/池間島・平良市長が褒章授与

 9人兄弟の全員が敬老会に入会し、元気に家族交流をしている池間島の奥原さん兄弟に20日、平良市の伊志嶺亮市長は褒賞を贈り、兄弟全員の健在ぶりをたたえた。同市が長寿兄弟に賞を贈るのは初めてだという。
 受賞したのは、佐久本チヨさん(88)、奥原シズさん(85)、立津清子さん(82)、前泊政子さん(81)、奥原岩雄さん(80)、仲間静子さん(77)、奥原正雄さん(75)、里ヨシさん(74)、仲間ノブさん(71)の兄弟。沖縄本島に住む二女のシズさんは今回、帰省がかなわず、代理で二男・正雄さんの妻、千代さんが受け取った。
 表彰式は、同日池間島離島振興総合センターで行われた自治会主催の敬老会で行われ、伊志嶺市長は「兄弟姉妹9人が共に健康で70歳を超えても活躍されていることは他の模範であり、市が推進する健康な100歳への挑戦を実践している」と高く評価。1人ひとりに賞を手渡し、長年の労をねぎらうとともに兄弟仲良くますます長生きするよう激励した。
 式典終了後は、長男の岩雄さん宅に集合、家族らの祝福を受けて盛大に祝った。長女のチヨさんは「両親が優しかったからうちの兄弟は皆優しい。素晴らしいお祝いができてうれしい」と、涙をうっすらと浮かべて喜びを語った。
 また六女のヨシさんは「苦しい時も、海の産物を分け合って食べて大人になった。第3の人生はひまわりのように明るく心豊かに生きたい」と笑顔で話していた。

 写真説明・伊志嶺市長から褒賞を受けた奥原家の9兄弟=20日、池間島の奥原岩雄さん宅

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