200平成16  919 曜日

患者数は16年前の5分の1宮古休日夜間救急診療所

 宮古休日夜間救急診療所(旧宮古救急医療センター)の2003年度患者数は2875人で、87年(1万3612人)と比べると約5分の1に、収入も約3分の1に減っていることが、17日に宮古広域圏事務組合で開かれた第一回同診療所運営委員会の中で報告された。開業医が増えたほか、診療時間が延びたことなど他の医療機関の充実が要因とみている。同診療所は市町村が負担金を拠出していることから今後の負担増加が懸念されるため、同運営委員会では診療所の運営について検討を重ねていく。

 宮古救急医療センターの年度別患者数実績では、ピークだった85年の1万8199人を境に、年々患者数が減少。それとともに収入も減り、03年度は患者数、収入額ともに過去最低となった。
 宮古休日夜間救急診療所運営委員会は17日に委嘱状交付と第1回の委員会が開かれた。この日の委員会では、宮古の医療事情が良くなり患者も早い時間に掛かり付けの病院へ行くようになっている現状が説明され、宮古病院の移転建設に合わせ同診療所も併設することへ向け取り組んでいくことなどが確認された。
 同運営委員会は、宮古救急医療センターあり方検討委員会からの答申を受け設置。課題や要望を整理し、将来へ向けた体制づくりに取り組んでいく。
 


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ロックで「島おこし」/第1回フェスタ大盛況

 「夏だ!祭りだ!島興し!」をテーマにした宮古ロックフェスタ2004(主催・ウッドチャックなど)が18日、下地町の前浜ビーチで開催された。地元バンドの「インクルシャー」をはじめ県内外のロックバンドが結集して迫力のサウンドを披露、会場に詰め掛けたロックファンを熱狂させた。
 このフェスタは「島おこしの原動力にする」(インクルシャー・ボーカルの下地慎治さん)ために開催。主催者は宮古の夏のイベントとして定着させたい考え。記念となる第一回フェスタにはインクルシャーをはじめ、地元バンドの「御嶽」、沖縄を代表するパンクバンド「チェーンソウル」ほか、日本パンク界の大御所「ニューロティカ」「ラフィンノーズ」など九バンドが出演。それぞれ迫力満点の「熱い」演奏を披露した。
 会場にはロックファンが大勢詰め掛け、各バンドのロックに熱狂。体を揺らし、拳を突き上げたりしながらロックの世界を楽しんでいた。
 インクルシャーの下地さんは「みんな(ロックファン)のためのフェスタだ」と呼び掛け、今後も各方面と協力して継続して開催していくことを約束した。

写真説明=計9バンドが出演して迫力あるロック演奏を披露した=18日、下地町前浜ビーチ内

  

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全国最年少、第2種電気工事士試験に合格

 平良市立北中学校3年生の下地朝日君が、第2種電気工事士技能試験に、全国最年少で合格した。技能資格取得は、丙種危険物、昨年の乙種第四類危険物に次いで3つ目。「これからも資格試験を通して技術を学び、将来は技術者になりたい」と抱負を話す。

 下地君の資格取得は、中学一年の選択の授業がきっかけとなった。同授業を通して技能資格に興味を持ち、その後、開かれた学校づくりの一環で資格取得を支援している宮古工業の浜元誠喜教諭に指導を依頼。同氏の自宅で学び、二年の一学期には乙種第四類危険物と第二種電気工事士試験の学科に合格。今回、実技に合格し免状を取得した。一般、高校生を含めて合格率30%の難関だという。
 浜元教諭は「試験センターの職員によれば、中学生が電気工事士の試験を受けたことはないので、朝日君の合格は全国初になる。昨年学科試験に通った時、学科はまぐれで合格できても、中学生が実技を通るのは無理だろうと話していた」と、快挙ぶりを話した。
 合格通知が来たのは、今月の10日。下地君は「うそかなと思った。難しくて自信がなかった。特に、材料選びが難しかった」と試験を振り返った。実技は設計図に合わせてさまざまな材料を選び、これを配線する作業をしたという。
 浜元教諭は「朝日君には立派な技術者になってもらいたい。宮古では農林高校の生徒たちが(水の保全活動で)世界グランプリを受賞した。小さい島だが子供たちには大きな可能性がある。宮古からトップレベルの技術者が育ってくれるとうれしい」と祝福するとともに、子供たちの将来に期待した。
 第2種電気工事士資格では、一般住宅や小規模店舗、事務所などの工事で低圧(六百ボルト未満)の配線作業に従事することができる。

写真説明=第2種電気工事士資格を取得した下地朝日君(左)と指導した濱元誠喜教諭=18日、平良市内の自宅top.gif (811 バイト)

奄美沖縄民間文芸学会が開会/佐渡山さんらが講演

 奄美諸島と宮古・八重山を含む沖縄諸島の神話や伝説、歌謡、祭祀などを研究対象とする「奄美沖縄民間文芸学会」(会長・山下欣一鹿児島国際大学教授)の宮古島大会が18日、平良市中央公民館で始まった。同学会は毎年南西諸島各地で大会を開いており、宮古での大会は初めて。きょう19日まで。初日の18日は宮古郷土史研究会員の佐渡山正吉さんと琉球大学教授の赤嶺政信さんが宮古島をテーマに講演した。
 佐渡山さんは「宮古島の神話伝承―大神・狩俣の自然崇拝と民俗信仰を中心に―」と題して講演。このうち大神島については、方言で「ウガム」と呼ばれ、「拝み」「御願」に通じること、また島の頂上部は「トゥンバラ」と呼ばれ、近くを通る船が聖地として航海安全を祈ったこと、島の霊石信仰などの事柄が、「『聖なる島』に通じる」と説明した。
 講演を前に山下会長は「若い人から年配の方まで多数が訪れ心強い限り。2日間で宮古の皆さんとともに宮古の伝承について考えたい」とあいさつ。平良市教育委員会の久貝勝盛教育長、同大会を共催する宮古郷土史研究会の仲宗根將二会長が歓迎の言葉を述べた。
 最終日のきょう19日は、午前中に研究発表、午後には「宮古島の祭祀儀礼と伝承」と題したシンポジウムが行われる。また20日から23日にはオプションとして「多良間の八月踊り」の見学も用意されている。

写真説明(上)=佐渡山さんの講演に聴き入る参加者ら=18日、平良市中央公民館 (下)=佐渡山正吉さん

  



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「宮古島にんみゃーち」/本土学生がパック旅行企画

  「多くの若い人に宮古島を訪れてほしい」―。兵庫県の関西国際大学の学生4人が、学生を中心とした若者向けの宮古島パック旅行を企画、商品化しようと取り組んでいる。同大学の支援プログラム(奨励金制度)を利用し、14日から4泊5日の日程で、宮古地区各地の観光地情報を収集した。メンバーは大学に戻って実際の旅行商品を企画、旅行代理店でプレゼンテーションし、商品化を目指す。
 四人が利用したのは同大学のキャンパス・チャレンジ・プログラム。創意工夫と自主性に基づいた学生の活動に奨励金を支給する制度で、四人の企画書が学内の審査を通過。今回の視察旅行となった。リーダーの重松秀治さんは「学生が楽しめるツアーを作りたい。宮古の人との触れ合いができるものにしたい」と方針を説明した。来年2―3月ごろのツアーを予定しているため、サトウキビ収穫体験なども盛り込みたい考えだ。
 重松さんにとって初めての宮古島。「景色も人の温かさも素晴らしかった。この5日間で宮古島を好きになった」と絶賛した。またメンバーの一人で平良市出身の狩俣慎吾さんは「住んでいるときは感じなかった島の良さを、改めて感じることができた。良い経験になった」と語った。2人のほか、中国からの留学生2人も参加した。一緒に来島した経営学部の河内山潔助教授は「いろいろな人と関わることで学生たちのスキルが上がっていくだろう」と話した。

写真説明=若者向けの宮古島ツアーの商品化を目指し、来島した重松さん(右)、狩俣さん(右から2人目)ら=18日、平良市のホテルニュー丸勝


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