200平成16  9 17 曜日

上野村長が「離脱」を表明/3市町で合併へ

 宮古地区の市町村合併協議が平良市、城辺町、伊良部町の3市町の枠組みで再スタートすることとなった。16日夕に平良市役所で4市町村長会議が行われ川田正一上野村長が「合併離脱」を表明。これを受け残りの3市町の首長は3市町の枠組みで合併を目指すことを確認。3市町合併の法定協議会発足案は今月24日に予定されている各議会の臨時会で提案されることとなり、可決となれば今月末までには第1回目の協議会が開催される見込みだ。

 合併離脱について川田上野村長は「大変残念だが合併の枠組みに入れないことを申し訳なく思う。ともに宮古の発展のためにやっていくという気持ちが崩れたことも残念だ。3市町の皆さんの応援もなければわれわれも苦しい。これからも協力をお願いしたい」と説明した。
 そのほか、3市町長は合併を推進していく方針を再確認した上で伊志嶺亮市長は「きょう、全員協議会を開いて反対少数で3市町合併の法定協発足に賛成の意思を確認した」と報告した。
 仲間克城辺町長は「最悪、伊良部町が抜けて2市町でも合併すべきとの意向が議会から示された。これから3市町の合併に向けて頑張っていきたい」と述べた。
 また、浜川健伊良部町長は「私のリコール問題などがあるが、議会が合併推進で結束している。合併反対の首長が就任しても議会が推進なら問題ない。3町村合併に向けて皆さんとともに歩んでいきたい」との姿勢を示した。
 3市町の枠組みで再スタートする宮古地区の市町村合併協議。伊志嶺市長も「今後は来年3月の調印に向けて大車輪で協議をやらないと間に合わない。お互いに一致団結して取り組んで行こう」と呼び掛けた。
 これまで6市町村の法定協が月1回だったのに対して、スケジュール的にみても月数回の協議会開催が見込まれている。また、枠組み変更で協議項目が多い新市建設計画の委員会などはさらに活発な協議が必要となっている。
 宮古地区の市町村合併協議は多良間村の離脱表明後、暗礁に乗り上げさらには5市町村合併の法定協発足案を下地町議会が否決の判断を下してさらに混迷を深めた。下地町の離脱が正式に決まった後に4市町村での合併を目指したが16日に上野村議会が正式に「合併せず」の判断を打ち出していた。

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3市町合併を強力に推進/平良市議会・伊志嶺市長が姿勢示す

 平良市議会(池間青昌議長)9月定例会は16日、一般質問が行われ、5市町村での法定協設置が模索されながら下地町、上野村が相次いで離脱を表明した市町村合併問題で伊志嶺亮市長は「強い意志を持った市町村が残るわけだからしっかり言いたいことも言って、強いリーダーシップを持って取り組んでいきたい」と述べ、城辺町、伊良部町との3市町合併推進に強い姿勢で臨む考えを示した。富浜浩氏の質問に答えた。
 伊志嶺市長は「これまで合併協議会会長として取りまとめする立場にあり、なかなか自分の思うところも言えない状況もあった」とこれまでの立場を説明。今後は強いリーダーシップを発揮し合併論議を進めるとの見解を示した。
 池間豊氏が「合併できなかったらどうなるか」とただしたのに対し、市長は「合併できなければ、平良市が財政再建団体になることは目に見えている。各町村とも同じ状態を抱えていると思う。平良市が(財政再建団体に)転落すれば、宮古は破滅する。そうならないよう努力したい」と危機感をあらわにした。
 赤字が続いている宮古島マリンターミナルの経営状況について、下地学助役は「メーンテナントのホテルが、今年度(2004年度)に関しては現在まで家賃が全額支払われている」と説明し、今後の安定した運営に期待を込めた。下里茂博氏への答弁。同ターミナルは03年度は02年度に比べ赤字幅は縮小したが、ホテルの経営が厳しく家賃1億3000万円が滞納されていた。
 この日は垣花健志氏、宮城英文氏も登壇し、広域葬祭場建設問題や宮古神社移転、農畜産業や道路行政について当局の姿勢をただした。

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上野村職労、議会に直談判/合併反対の再考迫る

 上野村職員労働組合(西里正博執行委員長)は16日午後、会合を開き、4市町村(平良、城辺、伊良部、上野)合併枠から離脱し自立すると選択した同村議会(平良隆議長、定数12)に対し、再考するよう求めたが、反対派からの理解が得られず、議会の合併反対の方針は変わらなかった。「財政面から考慮しても自立の道は厳しい」などと主張する組合側に対し、合併反対派の議員7氏は「すでに十分に考え、判断したこと」などと述べるなど、両者の意見は終始、平行線をたどった。

 組合側からは約60人の職員が出席。同組合が14日に実施したアンケートでは、合併しなかった場合、財政難から満足な住民サービスができないとして9割以上が4市町村での合併案を支持していた。
 対して議会側は15日に開いた全員協議会で議長を除く11人中、上地博通、新里聡、砂川寛茂、砂川長一、砂川栄市、芳山辰巳、川満盛一の7氏が反対姿勢を示したため反対多数として議会の方針を合併反対としていた。
 議員は平良議長、反対派7氏、賛成派の仲元成美氏、島尻幸夫氏が出席。同じく賛成姿勢の川満泰一、宮国幸清の2氏は欠席した。
 会合で西里執行委員長は自立の道を選択した場合、医療などの補助が廃止になり、各種税金、保育料、家賃など住民にかかる負担金を増額しなければならないなどと前置きした上で、「サービスの良い市町村への住民移動を引き起こすことは必然。若者の減少、老人の増加、保育所運営補助費全額カットなど、現実に起こりうる。このような状態では魅力ある上野村の建設はできない」などと再度、自立の道は険しいと説明した。
 さらに組合側は同村が昨年3月に策定したシミュレーションを提示。三位一体改革による補助額減に加え、助役や教育長、議員、職員を削減するなどの行政改革を実施しても単年度で1億―3億円の赤字が出るとし、「このような状況では来年度の予算も組むに組めない」などと言及した。
 議会側は「上野村はインフラがほとんど終わっている。これからはソフト面だけでいい。予算が25億円くらいあれば何とかやっていける」、「財源がなければ知恵を出せばいい」などと答えた。同席した同村区長会の崎原勉会長(宮国部落区長)は「(議員は)部落の代表。部落の意見を行政に持っていくのが務めでは。それなのに部落を集めての話し合いがない。理解しかねる」と追及。ある議員は「議員として部落を集めて説明するというのは各市町村ではない。やらないのがおかしいというのがおかしい」と一蹴した。
 結局、反対派7氏は「地域の実情と信念、総合的なデータを基に判断した。結論は変わらない」とし反対姿勢を貫いた。

 写真説明・職員労働組合が議員と会合を開き、合併反対姿勢について再考を求めた=16日、上野村役場

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期間短縮も存続を歓迎/オリックス春季キャンプ

 プロ野球、大阪近鉄バファローズとの合併話が進むオリックス・ブルーウェーブの中村勝広ゼネラル・マネージャー(GM)が15日、来季の春季キャンプについて、「1次キャンプを宮古島で行う」と発言したことについて、宮古島の関係者からは一様に安どの声が上がった。中村GMは今年6月に来島、宮古市町村会の伊志嶺亮会長(平良市長)と会談、春季キャンプの実施を伝えていたが詳細は決まっていなかった。宮古島キャンプ自体は短縮されることになるが、存続が正式に決まったことで関係者は「撤退でなくてよかった」とほっとした様子だ。
 中村GMによると、前半の1次キャンプを宮古島で実施。後半の2次キャンプ地には高知や宮崎などが候補に挙がっているという。
 伊志嶺市町村会長は、「6月の会談で城辺の2軍キャンプ、秋季キャンプは引き上げるが、1軍キャンプは続けたい、との説明があった。1軍は当然やるものと思っていたが、今回、継続と聞いて喜んでいる」と存続決定を歓迎。「1次キャンプだけでも経済効果や子供たちへの教育効果など、その影響は計り知れない」と述べた。
 宮古島オリックス協力会の中尾英筰会長(沖縄宮古商工会議所会頭)は「かなりの短縮になるが、こちらも無理強いはできない。来てもらえるだけでもありがたい」と合併に揺れる球団の状況に理解を示した。その上で「6月の来島で、来季もキャンプをやると聞いてはいたが、内心、撤退もあるのではないかと思っていた」と話した。
 協力会の中尾会長、市町村会の伊志嶺会長とも「互いに協力し合って、しっかり受け入れたい」と述べ、官民一体となって受け入れ態勢を整える考えを強調した。

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「八重干瀬讃歌」お披露目/作曲の喜納昌吉さん招き祝う

 「八重干瀬讃歌お披露目宴」(主催・ライオンズトラベル、後援・宮古観光協会、沖縄宮古商工会議所)が16日午後、平良市内のレストランで行われた。多数の関係者らが出席。作曲した参議院議員の喜納昌吉さん、作詞した友利武雄さんの2人をたたえるとともに、同讃歌の大ヒットを願った。
 主催者を代表して同トラベル社長の友利武雄さんは「今年の八重干瀬まつりには、本土からの観光客が4000人訪れた。経済効果は2億5000万円とも言われ、宮古の経済にもたらす効果は大きい。これからは八重干瀬讃歌で宮古の一大イベントに育て上げたい」と決意を新たにした。
 アーチストでもある喜納さんは「最初に旅をしたところは宮古。宮古との縁が深い。これからも深めていきたい」などと述べ、感謝の意を表した。
 舞台では同讃歌を振り付けた踊りが初めて披露され、優雅な舞いが出席者らを魅了した。

【八重干瀬讃歌】
1・ ヤエビシ ヤエビシ 幻の島 海に咲く 珊瑚の花畑 大神島越(ウガングス)ぬ 宝の眠る ウプヤアムト(総本家) 飛魚跳ね踊り 白波なびく(島ぬ根やぐみ 海ぬ根やぐみ 八重干瀬ぬ根やぐみ とーとう とーとう ハイヤササ ハイハイ)

2・ ヤエビシ ヤエビシ ユウバイ(世栄え)の島 湧き出る(イズル)命の揺りかごさ 海鳥の 癒し求める ユガホウ(世果報)島 春弥生サニツに 浮上する(島ぬ根やぐみ 海ぬ根やぐみ 八重干瀬ぬ根やぐみ とーとう とーとう ハイヤササ ハイハイ)

3・ ヤエビシ ヤエビシ ミルク世(豊か)の島 イサミガ(美人)とブニャラ神(女神)カギソルイ(皆揃って) ウプダク(大蛸)と クビスマ(甲いか)担いで 足の軽さ 大世を照らしゆう マティダぬにゃーン(太陽のように)(島ぬ根やぐみ 海ぬ根やぐみ 八重干瀬ぬ根やぐみ とーとう とーとう ハイヤササ ハイハイ)


 詳しい問い合わせは、ライオンズトラベル(電話73・8611)まで。

 写真説明(上)・「八重干瀬讃歌」の踊りが初めて披露された=16日、平良市のレストランクール会館
 写真説明(下)・花束を手にして喜ぶ喜納昌吉さん(右端)と友利武雄さん

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