200平成16  9 12 曜日

セマルハコガメを保護/上野村・国内生息は八重山のみ

 国指定天然記念物で国内では八重山諸島にしか生息しないはずのセマルハコガメがこのほど、上野村内で見つかった。専門家によると、外から持ち込まれペットとして飼われていたカメが逃げ出した可能性が高い。近年は宮古に生息しているはずのない動物の流入が進んでおり、生態系への影響が懸念される。

 セマルハコガメは国内では石垣島と西表島、国外では台湾と中国に分布するヌマガメ科のカメ。森林の周辺で、川や池、沼の近くなど、湿った場所にすむ。大きさは14センチ前後。外敵に襲われると頭や脚を甲羅に引っ込め、折り曲げた腹甲で完全にふたをして身を守るのが特徴。環境省レッドリスト絶滅危惧(きぐ)U類、県レッドデータ希少種に指定されている。
 見つかったのは今月9日。下地町に住む男性が上野村の宮国線を平良市方面へ向け車を走らせていたところ、道の真ん中を歩いていたカメを発見した。現在は県立宮古少年自然の家で保護されている。
 「沖縄こどもの国」(沖縄市)を運営する「沖縄こども未来ゾーン運営財団」のは虫類担当、高田英世さんによると、セマルハコガメを八重山から持ち込んだり、ペットショップで中国産などと称して売られているものを飼っている人がいるという。セマルハコガメが保護された事例は沖縄本島でもあり、こどもの国では現在9匹を保護、飼育している。高田さんは「陸に生きるカメなので、水槽に入れず庭先などで飼うことができる。八重山などから持ち込み飼っていたカメが逃げ出したのではないか」と推測する。
 同自然の家・主任専門職員の岡徹さんは「宮古島には本来、カメは生息していなかった」と説明する。しかし現在ではセマルハコガメをはじめ、「ミドリガメ」の名で親しまれているミシシッピーアカミミガメ、ヤエヤマイシガメの3種類が大野山林で発見されているという。セマルハコガメは昨年から数件が保護されているという。カメの勢力拡大によって、山林内のヒメアマガエル、ヌマガエルなどが減少、オタマジャクシやカエルをえさにするヘビの姿も最近では見られなくなるなど、生態系に影響を与えているようだ。
 また大野山林ではこのほか、学校などで飼育されていたとみられるクジャクが繁殖していたり、ペットのイヌ、ネコが捨てられ、野生化しているものも多い。
 岡さんは「人間が自然を壊したり、動物を持ち込んだりして、山林の生態系を崩している」と警鐘を鳴らしている。

 写真説明・このほど保護されたセマルハコガメ

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議員定数2−4減へ/多良間村・収入役も廃止へ

 【多良間】開会中の多良間村議会(長嶺春勝議長)9月定例会の一般質問が9日行われた。行政改革について兼濱朝徳村長は「収入役は来年3月までの任期なのでそのまま廃止し、助役を置きたい」との見解を示した。同村では現在、助役不在が続いている。議員(現職定数10)削減案についても言及し、12月定例会の中で定数削減(2―4人)案を提案する考えを示した。石原朝英氏の質問に答えた。

 同日の一般質問には美里泰秀、嘉手苅光徳、佐久本昇、西平幹、石原朝英、森山実夫の6氏が登壇して当局をただした。
 兼濱村長は行財政改革について答弁し、収入役は廃止、議員は削減との見解を示した。教育長については「廃止というシミュレーションだったが廃止できないので、継続して置くということになる」などとした。
 そのほかに、ヤギ牧場の運営について兼濱村長は「数字上は運営ができるということであるが最大の壁であると殺場の問題をクリアできるように頑張りたい」と前向きな姿勢を示した。

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宮古の子牛価格全国84位/宮古和牛改良組合まとめ

 宮古和牛改良組合(砂川博一組合長)のまとめによると、宮古家畜セリ市場における2003年度の子牛1頭平均価格は37万2000円で全国平均の41万5000円を4万3000円下回った。全国118市場中の順位は84位。全国との価格差は出荷時体重のばらつきが要因とし、目標の販売高30億円達成に向けて、飼育管理の改善を課題として示した。
 同組合では「宮古の牛は高いと言われているが、全国的にみるとランクは低い。飼育管理の改善でまだまだ高くなる」と話している。
 宮古家畜セリ市場の出荷時体重の割合をみると、250−299キロが全体の56・2%。一方、200−249キロが37・2%、これに199キロ以下(2・2%)を合わせた250キロ未満が全体の約4割を占めた。全体平均は全国平均の273キロを17キロ下回る256キロだった。
 体重別の価格は250−299キロが39万9000円、200−249キロが32万9000円、199キロ以下が20万5000円。価格の安い250キロ未満の牛が全体の結果を引き下げた。
 出荷された子牛の1日当たり増体量は0・90キロで全国平均の0・95キロを0・05キロ下回った。
 宮古の牛は年々改良が進み、現在、購買者から好まれる優良系統の母牛が95を低くする要因とみられている。
 同組合では、子牛を大きく育てる飼育方法として▽分娩3カ月前と授乳中(分娩から3カ月)は母牛に与える飼料を増やす▽分娩1カ月後から乳量が不足するのでその分を良質粗飼料などで補う▽良質の牧草を多く与え胃袋を強くする▽牛舎を清潔に保つ―などを示している。
 ちなみに、全国118市場のうち子牛1頭平均価格が最も高かったのは、岐阜県飛騨家畜流通センターの50万3000円だった。

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265人の長寿祝う/多良間村で敬老会

 【多良間】(兼濱朝徳村長)の2004年度敬老会が10日、同村老人福祉センターで開かれ、新しく敬老会入りした20人を含む計265人の長寿を祝福した。
 同村で70歳以上のお年寄りは男性が103人で女性が162人の計265人。このうち90歳以上は15人(男性2人、女性13人)になる。最高齢者は塩川の豊見山カマドガマさんで98歳。
 敬老会の中で兼濱村長は「多良間村は昨年9月の台風14号で大きな被害を受けたが、皆さんの莫大なパワーはこれに負けない。これからも若者と同様に第一線で活躍していただき、村の振興発展のために力を貸してほしい」と激励した。
 これに対し新しく敬老会入りした20人を代表して池間和彦さんが「これから大先輩の皆さんの中に入りますが、その大先輩の皆さんとともに私たちも頑張りたい」と決意を述べるとともに、敬老会を開催してくれた村に感謝した。
 この後は祝賀会が催され、各団体が楽しい余興を披露しながら265人の長寿を祝った。

 写真説明 ・新しく敬老会入りした20人を含む計265人の長寿を祝った敬老会=10日、多良間村老人福祉センター

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「家庭で読書の習慣を」/下地さん(伊良部中 校長)が講話

 宮古教育事務所(本村幸雄所長)の2004年度広域学習サービス講座が11日、伊良部町中央公民館で行われた。伊良部中学校校長の下地玄幸さん=写真=が宮古の教育について講話し、中でも読書の大切さを強調。「読書の習慣は親が子に伝える最善の学習習慣」などと呼び掛けた。
 同講座は県民の学習ニーズに応えることが狙い。この日の講座には会場となった伊良部町の住民をはじめとする多くの受講者が訪れ、下地さんの話に聞き入った。
 講話で下地さんは宮古の子供たちや教育の現状を報告した。その上で▽宮古地区内における教育研究所の設置▽中学校の再編統合問題の検討▽読書の習慣化―などを提言。読書については「家庭では積極的に読書を勧めてほしい」と強調した。 
 また、「子供たちの教育を考えるときは学校に依存しない教育を考えるべき」と訴え、家庭内教育の重要さを繰り返していた。

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