200平成16  9曜日

378人が署名取り消し求める/伊良部町長解職請求・

不成立の可能性も

 浜川健伊良部町長の解職請求(リコール)に関しての異議申立・署名簿縦覧が8日、終了した。町選管に異議申立書を提出した有権者は381人。このうち署名簿から本人の署名取り消しの異議申立をした人は378人。解職請求の成立には1694人以上の有効署名総数が必要。町選管が署名簿から認めた有効署名総数は1936人で、それから378人を差し引いた場合には1158人となり、解職請求の不成立が予想される。解職請求側の合併反対派は裁判で争う構えを見せており、浜川町長を支援する合併賛成派との対立は長引きそうだ。

 合併賛成を表明する異議申出人の浜川町長が373人分の異議申立書を提出した。個人で提出したのは、合併賛成派が五人、解職請求側で合併反対派の3人。3人は署名簿の生年月日などにミスがあるとして修正の異議申立書を出した。
 町選管では、この日から14日以内に異議申立の審査を行う。異議申立人の1人ひとりから、本人の自署などかの事情聴取を実施する。その後で審査を行い、有効署名総数を告示する。
 有効署名総数が有権者総数5081人の3分の1に当たる1694人以上の場合は、解職請求は成立し、その人数を下回った場合は不成立となる。同町は、今年1月25日に合併を問う住民投票を実施した。即日開票の結果、「合併しない」に1773票が投じられ、「合併する」の757票」に1016票の大差を付けた。
 「伊良部町の自治権を守る会」の川満昭吉会長らは、住民投票の結果を無視した浜川町長の責任は重いとして、解職請求に踏み切った。

 ■リコール 解職請求、または解散請求。有権者の3分の1以上の意思により、公職者の解任や議会の解散要求をすることができる。また、それによる一般投票で、任期満了前に解職、解散をさせること。

top.gif (811 バイト)

環境保全条例案を再否決/平良市議会・野党全員が反対

 開会中の平良市議会(池間青昌議長)の9月定例会は8日、提案議案に対する質疑と各委員会の委員長報告が行われ、文教社会委員会の下地秀一委員長が同委員会で市環境保全条例案が「再否決」となったことを報告。質疑と賛成、反対の討論を受け同案に対する採決が行われ野党全員が反対、与党の一部は退席するなど同案の制定は賛成少数で「再否決」の判断が下された。
 昨年12月定例会で否決後、議会も認めた検討委員会を立ち上げて同案を協議したが、修正案として出された今回の条例案についての判断も前回同様「合併後が望ましい」となり、実質的に協議の進展はほとんどないまま「再否決」となった。
 提案者の伊志嶺亮市長は「議員には条例そのものを審議してほしかった。残念でしょうがない。今後についてはこれから考えたい」と述べ、再々提案についての具体的な意思表明はしなかった。
 質疑では下地委員長が再否決の理由として示した「宮古全体にわたる問題なので合併後に協議することが望ましい」との報告に対して、与党議員が「合併の枠組みすら分からない現段階で委員会では条例案の中身の論議はあったのか」「判断基準が『合併』では市民に説明がつかない」など条例案そのものとは関係ない部分での「再否決」の判断に疑問を投げ掛ける意見が出された。
 これに対して野党側の反対討論では「合併後が望ましい」との意向を示すにとどまった。
 そのほか、県立宮古農林高校の「農業単独校」としての存続についての決議案は採択され、そのほか一般会計補正予算案などは委員会付託とし協議後、同意案件、諮問案件と同様に最終本会議で審議することとなった。
 また、本会議後に議会運営委員会(富永元順委員長)が開かれ、小泉純一郎総理などに送付する予定の「地方分権推進のための『国庫補助負担金改革案』の実現を求める意見書」を今定例会に提案することでまとまった。

top.gif (811 バイト)

下地町の動向見て判断へ/平良市議会・合併枠組みで意見交換

 平良市の伊志嶺亮市長と市議会議員との市町村合併の枠組みに関する意見交換会が8日、市議会会議室で行われ合併の枠組みが今後変更となった場合の対応について協議したが、他自治体の離脱を仮定して市議会としての姿勢を決めることは問題があるとし、あす10日に予定されている下地町議会の全員協議会を見守り、その後に市議会の全員協を開いて対応を検討することでまとまった。

 伊志嶺市長は会の冒頭、与野党市議に対して「10日には下地町の全員協があり、その後すぐに5市町村の首長会議を予定している。下地町の合併離脱もあり得ることからその場合でも4市町村で合併を進めたいと考えている。また、4市町村となった場合に上野村の離脱も考えられその場合でも3市町で合併を進めたい。この方針を10日の首長会議で示したい」と、市長としての見解を説明した。
 この市長姿勢に対して議員から「下地町を含めて5市町村で合併するのが最も望ましい。今の段階で他自治体の離脱を仮定した議論は問題がある。あくまでも下地町の動向を見極めることが今は大切」との意見が示された。
 結局、他自治体の動向がはっきりとしない状況で仮定の議論とそれに伴う方針を示すのは問題との見解でまとまり、市議会としては10日午後3時に予定されている下地町議会の全員協と、午後5時半予定の5市町村長会議の間に全員協を開催して市議会としての方針をまとめることとなった。
 しかし、下地町が全員協で離脱の判断を下した場合に市議会が4市町村合併に理解を示しても、4市町村での合併について上野村の動向が見えないことから、実質的に協議の進展が図られるのは下地町議会が合併参加の意思を示した場合が条件となりそうだ。
 混迷を深める一方の合併協議について市議会の一部議員からは「合併の理念が失われている。今後、1つの自治体が抜けた場合は合併すべきではない」との意見も出され、長引く混迷が市議の足並みにも微妙に影響してきている。
 宮古の市町村合併は多良間村の離脱表明後、5市町村での法定協議会発足案を各議会で協議したが下地町議会だけが否決の判断を下し、暗礁に乗り上げ枠組みについても先行きが不透明な状況が続いている。

top.gif (811 バイト)

宮農高環境班に文化・スポーツ賞/沖縄タイムス社が贈呈

 水のノーベル賞のジュニア版とも言われる「ストックホルム青少年水大賞」に輝いた県立宮古農林高校環境班に対して沖縄タイムス社の岸本正男社長は8日、その功績をたたえて同社の青少年文化・スポーツ賞を贈呈した。
 贈呈式で岸本社長は「宮古の高校生が国際的に活躍していることをうれしく思う。これも先輩方の研究を含めた8年間の努力の結果。これからも活躍してほしい」と激励した。
 環境班を代表して班長の川平勉君(3年)は「私たちの研究成果が高く評価されたことは先輩方や先生、地域のみなさんのおかげだと思っている。これからも地下水保全の大切さを訴えていきたい」と感謝した。
 また、同校の下地恵吉校長も「これまでの活躍は環境班以外の生徒の協力も大きく貢献しているので学校全体で今回の受賞を喜びたい」と述べた。
 同賞は、文化・スポーツの各分野において、県の青少年が全国レベルで活躍し高い評価を受け、多くの県民に夢と希望を与えた団体および個人に対し、その努力をたたえ贈呈している。今回で9回目。これまでにはゴルフの宮里優作・宮里藍兄妹や西原高校のマーチングバンド、興南高校のハンドボール部などが受賞している。

 写真説明・岸本社長(右)から宮農環境班に賞状と記念品が贈呈された=8日、宮古農林高校体育館

top.gif (811 バイト)

老人施設で散髪ボランティア/美容業組合・「敬老の日」を前に

 「敬老の日」の20日を前に県美容業生活衛生同業組合宮古支部(赤崎美子支部長、会員数48人)は8日、特別養護老人ホーム「宮古の里」と介護老人保健施設「栄寿園」の2施設で散髪ボランティアを行った。
 美容師らはお年寄りたちに丁寧に声を掛けながら鮮やかな手つきで髪をカット。見る間にさっぱりとした髪に仕上げた。
 このうち宮古の里には島尻和子副支部長らが訪問。散髪に集まったお年寄りたちは、美容師とのおしゃべりを楽しみながら、髪をきれいにしてもらい、大喜びだった。
 散髪を終えた川満マツエさん(85)は「髪がとっても軽くなって、上等になったさぁ」と笑顔を見せた。
 同支部にとって毎年の恒例事業となっている散髪ボランティア。島尻副支部長は「施設の方も『今年はいつですか』と楽しみにしてくれている。たくさんの皆さんに喜んでもらえたらうれしい」と話していた。

 写真説明・髪を整えながらおしゃべりを楽しむお年寄りと美容師=8日、宮古の里

top.gif (811 バイト)



top.gif (811 バイト)