200平成16  9 曜日

知念かおり、本因坊挑戦権を獲得/損保ジャパン杯

 【東京で菊地優子記者】第23期損保ジャパン杯女流本因坊戦の挑戦者決定戦が3日、東京都市ヶ谷の日本棋院会館で行われ、224手までで白番の知念かおり3段が井澤秋乃3段に中押し勝ちした。終局は午後6時54分。持ち時間各4時間のうち残りは知念3段が25分、井澤3段が1分だった。

 挑戦権を獲得した知念3段は18期以来5年ぶりの返り咲きを目指し、小林泉美女流本因坊と五番勝負に挑む。21期も五番勝負に登場したが敗れており、今回雪辱なるかが注目される。第1局は29日、富山県の富山第一ホテルで行われる。
 白は序盤に右下隅の攻防でポイントを挙げ、地で先行。中盤以降は、黒の地模様を最小限に抑え、勝利に結び付けた。知念3段は大一番の勝利に会心の笑みを見せた。
 勝利の知らせを受けて、平良市鏡原の知念家には大勢の囲碁愛好者が集い、勝利を盛大に祝った。
 知念かおり3段の話「挑戦手合いを打てることは、何よりうれしい。今、一番強いといわれている小林さんと挑戦手合いを打てるのは、良い経験になると思うので、いろんな面でプラスになるように楽しく精いっぱいやりたい」。
 真喜屋浩知念かおり後援会長の話「女流本因坊は、元々保持していたタイトル。今回は、何が何でも取り返してほしい。宮古の囲碁ファンを沸かす活躍を期待する」。
 父知念正夫さんの話「一昨年は、連勝の後、連敗して負けた。今回はそういうことがないよう持てる力を発揮し頑張ってもらいたい」。

 写真説明・大一番の対局を振り返る知念かおり3段=3日、東京都の日本棋院会館

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公金盗難、時効成立/城辺町・生活保護費350万円余り

 城辺町役場の金庫内から生活保護費として保管されていた現金350万円余りが1997年9月4―5日にかけて盗まれた「城辺町公金盗難事件」はきょう4日午前零時、発生から7年を迎え時効が成立した。役場金庫から生活保護費が盗まれるという極めて異例な事件は結局、解決に至らなかった。町側は仲間町長ら三役、担当課長が連帯で全額を賠償している。

 盗まれた生活保護費は当時、県から役場の口座に振り込まれていた。役場では以前から給付金を前日に口座から引き出し、金庫に保管して準備していたという。
 当時の役場職員によると、97年9月4日午後3時過ぎに金庫に現金を保管。翌日午前8時30分に金庫を開けて確認したところ、現金がなくなっていたため、役場は午前9時過ぎに宮古警察署に届け出た。こじ開けられた形跡はなかったという。
 また、一連の事件を受け、県監査委員は「現金を保管する金庫は普段から鍵を用いず、ダイヤルナンバーのみに頼っていた。さらには、ダイヤルナンバーを記したメモを机上の透明なビニールマットの下に置いた状態にするなど保管が不適切だったため、容易に現金を盗まれる状態にあった」と判断。公金管理の指導監督が不適切だったとして仲間克町長に全額賠償責任があるとしていた。
 仲間町長は「残念。発生から時間が経ち過ぎた。警察にもっと頑張ってほしかった」、7年間にわたり捜査を進めてきた宮古警察署(伊波盛春署長)では「あらゆる角度から捜査してきたが、犯人に直接結び付かなかった。残念でならない」とそれぞれコメントした。

 写真説明・現金が盗まれた金庫=城辺町役場(資料写真)

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台風被害でキビ苗不足/多良間村・

139ヘクタール分宮古本島で確保へ

 今年6月の台風の影響で、多良間村のサトウキビ苗(夏植え用)が不足している。台風でキビの中間部位折損が各ほ場で発生したため。今期植え付け面積は280ヘクタールを予定しているが、139ヘクタール分の苗が不足しているという。事態を重く見た同村は関係機関にキビ苗の確保を要請、これを受けて宮古製糖など関係機関が今月1日から宮古本島内で苗の収穫作業を実施している。その作業にはボランティアも数多く参加、多くの関係者が多良間村のサトウキビ農家を支援している。このような取り組みは初めて。

 同村によると、今年6月9日から10日にかけて襲来した台風4号の影響で、今期サトウキビは9082トンの減収、金額にして1億8372万8000円の被害(被害率39・5%)が出ているという。特に種苗用として植え付けた苗畑の被害率は71・4%と甚大な被害を受けた。
 キビ苗確保の要請を受けた宮古製糖など関係機関・団体は宮古本島内でのキビ苗収穫を実施。これまで少量の苗ならば多良間村まで運んだことはあるが、これほどの大規模なキビ苗の運搬は初めて。
 この作業には宮古製糖や多良間村の職員だけでなく、農業関係の各方面からボランティアでの参加がある。陸の運搬は宮古港運が、海の運搬は多良間海運がそれぞれ協力している。
 宮古本島内でのキビ苗収穫は今月6日まで続ける予定。計6ヘクタールから約450トンを取り入れる。それでも不足する分は多良間村内のキビ苗の成長を待って対応する。
 宮古製糖多良間工場の仲間時次工場長は「協力してくれた方々すべてに感謝したい。各方面に協力を求めてきたが、それぞれ快く受け入れてくれた。これで多良間村の農家も助かる」と感謝の言葉を繰り返した。
 多良間村経済課の嘉味田勝彦課長は「私たちを支えてくれた関係機関をはじめ、ボランティアで作業に参加している方に感謝している。皆さんのおかげで、多良間村の生産量もなんとか平年並みに持っていけると思う。温かい応援は多良間村の農家の励みになる」と話していた。

 写真説明・多良間村に運搬するキビ苗を収穫する関係者ら=3日、上野村内のサトウキビ畑

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宮古代表2人が県知事賞/県トラクター耕競技大会

 第6回県トラクター耕競技大会(主催・県農業機械士協議会)が3日、宜野座村で開かれ、宮古代表の平良聡さん(38、城辺町)がプラウの部で、砂川博之さん(38、同)がロータリーの部でそれぞれ最優秀賞(県知事賞)に輝いた。2人は来年、北海道で開催される全国大会に派遣される。
 大会には県内の5地区から各2人の10人が参加。補助員も各チーム4人参加し、選手と一体になって競技を進めた。
 競技は▽掘り起こした溝の深さ▽直進性▽運転操作▽均一性▽時間―などについて審査が行われた。
 平良さん、砂川さんの2人は「みんなで取った賞。オペレーターと補助員が心1つに頑張った」と喜びを語った。
 同伴した宮国明雄同協議会宮古支部長は「宮古代表の2人は、日ごろから農家に気を配り丁寧な作業をしている。大会では、そうした日ごろの作業が実を結んだ。2人の実力もあるが、補助員と1つになったチームワークも大きかった」と快挙をたたえた。

 写真説明・県知事賞を受賞した平良聡さん(左)と、砂川博之さん(右)

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重さ1トンの石が道路に落下/車で搬送中、けが人なし

 3日午前9時45分ごろ、宮古警察署に「道路に大きな石が落ちている」との通報があり、署員が駆け付けたところ、重さ約1トンの石が落ちていた。場所は平良市西里にある福嶺医院前の県道で、運搬業者が搬送中に落とした。けが人や事故はなかった。落ちた際の衝撃で道路の一部が陥没した。
 この騒ぎで現場付近は約1時間にわたり交通に支障が出た。署員が現場で交通整理に当たったため、大きな混乱はなかったが、一歩間違えれば大きな事故につながる可能性もあったため、同署では「重い物を搬送する際には落下防止に注意を払ってほしい」と警告。また、運転手を転落等防止措置義務違反で検挙した。
 石は約1時間後の午前11時ごろ、同署員や県宮古支庁職員らの協力を得て、運転手自らクレーン車で撤去した。周辺住民は心配そうな表情を浮かべて作業を見守った。
 同医院の女性職員は「『ドーン』という大きな音がしたので、病院に何か落ちたと思い、びっくりして外に出た。すると、道路に大きな石が落ちていたのでさらにびっくりした」と驚いた様子だった。

 写真説明・重さ1トンもある大きな石がトラックから落下。1時間にわたり道路をふさぎ、交通に支障が出た=3日、平良市西里

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救急出動1日4・9回/03年広域消防まとめ

 宮古広域消防組合(渡真利定一消防長)は3日、2003年救急出動状況をまとめ発表した。それによると、昨年1年間の救急出動件数は1797件(前年比254件増)で、1日平均4・9回となった。救急搬送人数は1710人(同245人増)。件数・同人数とも年々増加の傾向にあることが浮き彫りになった。
 救急出動件数を傷病別に見ると、急病の987件が最も多く、全体の55%を占めた。次いで転院搬送320件、一般負傷215件、交通事故136件の順。同組合では「急病は毎年増加する一方だが、逆に交通事故は対前年比で20人減少した」と説明する。  
 救急搬送人数の傷病程度別では、中等症が736人で全体の43%。次いで軽症672人(同39%)、重症269人(同16%)、死亡33人(同2%)。
 年齢別・事故種別搬送人数では、20代の「交通事故」が26人と顕著。次いで40代が23人、10代が22人、10歳未満が17人。
 市町村別の救急搬送人数では、平良市が1227人(全体構成比72%)でトップ。次いで城辺町265人(同15%)、下地町124人(同7%)、上野村94人(同5%)と続く。

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